
今日は次回のゲスト、ブランフォード・マルサリスについての自慢話を。
留学時代に偶然となりのアパートに住んでいたのがウイントンとブランフォードのマルサリス兄弟。ブランフォードとはかなり意気投合しました。ぼくが「ブルーノート」の斜め向かいにあるマクドナルドでレポートを書いていたら偶然やってきたので英文のチェックをしてもらったり、一緒にコンピューター・ゲームのパックマンをあちこちの店にやりにいったりしたのが主なつき合いですから、他愛ないといえば他愛ないですが。
当時のブランフォードは無類のシェイク好きでした。マクドナルドのほか、アパートから近いところに別のチェーン店があって、ぼくはそっちのシェイクが好きでしたが、彼はマック一辺倒。
ブランフォードにとってもうひとつの楽しみが、ニューヨークでも流行し始めたパックマン。アパートから2ブロック先にあったジャズ・クラブの「ヴィレッジ・コーナー」、そこから目と鼻の先のニューヨーク大学の「ローブ・スチューデント・センター」、あとは歩いて5分くらいのところにあったブレッカー・ブラザーズ経営のジャズ・クラブ「セヴンス・アヴェニュー・サウス」にパックマンは置かれていました。
それらを片っ端から制覇していくのがブランフォードの楽しみでした。ぼくは留学する前にさんざん遊んでいたから、ニューヨークにきてまでやるつもりはなかったんです。しかしブランフォードと通りで偶然出会ったときは、時間があればよく一緒にやりにいったものです。懐かしいなぁ。
とくに「セヴンス・アヴェニュー・サウス」はパックマン好きのミュージシャンのたまり場でした。このクラブは1階がバーで、2階がライヴ・スペースになっていました。パックマンが置いてある1階にいるだけなら、入場料なしで上から漏れてくる生演奏も聴けます。いいでしょ
だからブランフォードとぼくは、ブレッカー・ブラザーズをはじめ、ジャコ・パストリアスやステップス・アヘッドなどの演奏に耳を傾けながらパックマンに興じたことも再三でした。この光景、いま考えるととてつもなく贅沢というか、ジャズ・ファン冥利に尽きます。
そんなある日、ブランフォードがぼくに頼みごとをしてきました。弟のバンドでジャパン・ツアーをすることになったから、ある日本語を教えてほしいと。女性の口説き文句でも聞きたいのかと思っていたら、なんのことはありません。「マクドナルドはどこですか?」と「ゲーム・センターはどこですか?」というから拍子抜けです。それでも彼は発音記号までメモして真剣そのものでした。
こんな思い出話を次回の「ミート・ザ・スター」のコーナーではフィーチャーしようと思っています。
あれから30年近くが過ぎました。練習嫌いだったブランフォードはいまや真面目に練習しています。「ブルーノート東京」の楽屋でもメトロノームに合わせてフレージングの練習を一所懸命にしていました。変われば変わるものです。マクドナルドのシェイクもいまは飲みません。食べ物に気を使うブラちゃんになっていました。
ぼくはやんちゃなブラちゃんも好きですけど、真面目なブラちゃんも大好きです。いいひとがぼくの隣人だったことに感謝しています。

そうそう、これは視聴者プレゼントです(サインが見えますか?)。どんどん応募してください。放送前でも構いません。
それから、いよいよPCでも「Jazz Conversation」が聴けるようになりました。次回の放送が記念すべき第1回目になります。東京、神奈川、千葉、埼玉にお住まいもしくはお立ち寄りのかた、よろしくお願いします。