
さて何を聴こうかな
ある日の小川邸。(日付出とるがな)
世界一のコレクターの貯蔵庫に(ほんの一部だそうで)初潜入しました。
ここで番組のCM撮影が行われた事は小川blogでも記されていますのでそちらもご覧頂きたいのですが、いやあ圧巻の一言。整然と並ぶカタログの背表紙を眺めて行くだけでも感動しました。さすがナンバリングの鬼。シリーズものは全て001から始まり欠品無し。国内盤はもとより外盤に至ってはEU、US、その他の各国仕様のプレスが揃う徹底ぶり。「バカでしょう?」と本人はおどけますがまごうことなき「超人」です。いずれまた潜入第2弾、3弾で発見するであろう「何か」はこの場にて報告致したく候。
さて、今週の番組では「ジャズ・ジャイアンツ夢の共演盤」と題した特集からスタートします。
巨星x巨星、天才x天才、名人x名人。
今となっては想像の世界でしかない夢のコラボは多数存在します。録音された時はほんの出来心から生まれた作品だったかもしれませんが、今となっては「あり得ない組み合わせ」としてファン垂涎の作品となっています。冒頭を飾るのは[Ella and Louis]「エラ・フィッツジェラルド x ルイ・アームストロング」から[Can't We Be Friends]。味わい深いサッチモのトランペットソロもさることながらピアノはオスカー・ピーターソンだったりする凄い1枚です。

続いては謎のアルト吹き「チャーリー・チャン」をフィーチャーした夢のライブ演奏を。
契約の関係で本名を明かせなかった「チャン」とDizzie Gillespie (tp)、Max Roach (dr)、Bud Powell (pf)、Charlie Mingus (b)というBebopの精鋭たちが[The Quintet]と名乗りカナダのトロントにある「マッセイ・ホール」にて行ったライブを録音した[Jazz At Massey Hall]という作品から[Wee]を。「世紀の名演」とされるこの録音が行われた楽屋エピソードは実に愉快です。

次は66年67年頃スタープレイヤー、Jimmy SmithとWes Montgomeryの共演を聴きましょう。楽しいジャケットワークも演奏がどのようであるかを如実に反映していると言えますが、果たしてその通り。どちらもウォームさとエッジーさを巧みに繰り出す名手同士の名人芸をお楽しみ下さい。男女DUOの名曲としても知られる[Baby It's Cold Outside]を。

このコーナー最後は近代Jazz Guitarist夢の共演。John ScofieldとPat Metheny(目下来日中!)です。「えー、共演しちゃうんだー」と当時思った人は少なくなかったはず。とにかくコンテンポラリージャズギターのバイブルとも言える作品。ギター小僧にはたまらない1枚からメセニー泣きのギターシンセが唸る[The Red One]を。

さあ、夢の共演を満喫した後はモダンジャズ講義をお楽しみ下さい。
「マイルス・デイヴィスの真実」
[DIG]を境に芽生えた「ハードバップ」へのトライアルを行うマイルスとその仲間の証言を中心に「リズムに科せられた次なる命題」とは何だったかを検証します。また録音技術としてはSP盤から片面約15分収録可能な10インチLPへと移行する時期でもあり、演奏時間についても革命が起こるタイミングでもあったわけです。この従来の演奏時間「SP盤片面約4分30秒」という呪縛から解き放たれる事を知るマイルスはさらに自分の描く次の音楽への夢が大きく広がります。バラードはバラードとして悠々と演奏し、スタンダードに対しても独自の解釈でさらなる音楽的な演出を披露したその根底には9重奏団で培ったアプローチが結実したものと言えます。[DIG]を中心にSonny Rollins、Walter Bishop, Jr.、Art Blakey、Jackie McLean、Tommy Potterら従えたマイルスの方向性を確認します。
午後5時台はゲストを迎える「Meet the Star」
今週は名曲「サマー・サンバ」「バトゥカーダ」の作者として知られるマルコス・ヴァーリが登場。先月Blue Note Tokyoにて来日公演を行った彼の独占インタビューをお送りします。マルコスが出会った最初のボサノヴァ曲は何だったか?からブラジル国内での隆盛などを歴史的背景を探りながら質問をしていきます。
マルコスの大ヒット曲[Summer Samba (原題So Nice)]と[Batucada]はもちろん、今月30日に発売となるニューアルバム「エスペーラ」からも新曲をお届けします。
5時台後半は今は熱狂的なマニアも多い「オルガンジャズ」を特集する「楽器別特集の第6回目」。このジャンルを代表するJimmy Smithを中心に彼の流派、フォロワーを中心に聴いて行きます。若かりし頃からオルガンジャズを好んで聴いていた小川氏の「ジャズ喫茶」でのエピソードも当時ならではの出来事だったのでしょう。
それにしてもオルガンという楽器の柔軟性たるや、一体何でしょうか。時に教会では主へ捧げる旋律を奏でる荘厳な響きを持つものであり、レズリーを従えれば伝説的ハードロックの必需品。ダニー・ハサウェイが弾けば独特のソウルミュージックになり、クラブミュージックではレア・グルーヴをはじめシカゴハウスに至っては「シンセサイザー」での絶対的な存在。今回の特集を聴くと、それらをつなげる一つの「鍵」が見えてくるような気がします。
