#028 人生はロング&ワインディング・ロード

#028 2010-07-16 人生はロング&ワインディング・ロード\

 ぼくはひと一倍、いや三倍くらいは不義理をしてきました。ものぐさなので友人を増やさない、いや増えないのかな、人徳のなさゆえに。それはどちらでもいいけれど、積極的に交友関係を広げることができない性格です。なにせ、かなりの人見知り。誰かとつき合いたいという欲求が希薄です。

 そういうわけで、中学や高校の同級生とはほとんど疎遠。そのぼくが、なんの因果か中学校の同窓会の幹事をやるはめに。これが、実に卒業以来初めてのクラス会。頻繁にやっているクラスもあるのですが、ぼくのクラスはこれまで一度もやらず。

 担任の先生はふたりいらしたんですが、どちらも他界されてしまいました。親不孝ならぬ、担任不幸ですね。昨年高校の同窓会があり、そのときに中学時代のクラスメイトとも久々に再会。中にはこのところしょっちゅう会っているひともいましたが、大半が高校を出てから40年ぶりということで、二次会では中学時代の旧友とひとかたまりになりました。

 ぼくの学校は幼稚園から大学まであるので、みんなどこかで同じクラスだったり、兄弟が同級生だったりと、あちこちで知己が乱れ飛んでいるような環境にあります。とにかくみなさん男女の関係なく仲がよろしい。結婚したひともたくさんいます。ぼくは別の大学に行ってしまったこともあって、大半の友人とはそれっきりになっていました。

 そのときに、行きがかり上、ぼくと友人数名が幹事になり、それで先日、クラス会と相成りました。懐かしい顔に会えるのは嬉しいです。みんな昔のまんまでしたが、やっぱり長いこと社会に出て、それなりの人生を重ねてきたわけですから、誰と話をしていても面白い。

 人生は長いけれど、悪いもんじゃない。苦あれば楽ありで、いろいろな体験の先に現在の自分がいる。ここしばらくはそんなことをよく考えていますが、このときもそうでした。

 そして先週末、また別の集まりに行ってきました。やっぱり中学・高校時代の仲間の集まりですが、今回は昔バンドをやっていた連中のライヴ。ぼくの学校はバンド活動が盛んで、クラスに必ずひとつ以上バンドがある状態でした。ぼくもクラスを超えて掛け持ちをしていましたし、そういう体験がいまの仕事に繋がっています。

 当時のバンド仲間が集まってのライヴ。楽しかったです。ぼくもやりたくなりました。嬉しいのは、彼らが遊び半分ではなく本気でバンドに熱中していることです。プロになるつもりはないでしょうけど、彼らの本気がびんびん伝わってきました。

 若いころは、ひとつのコード、ひとつのフレーズをコピーするのに寝食忘れて打ち込んだものです。ライヴを観ていて、あの情景が重なりました。この歳になって、仕事以外のことに熱中できるって素敵じゃないですか。そういうことをしているひとは尊敬に値します。

 このバンドのメンバーの大半も高校を卒業して以来初めて会う連中でした。でも一瞬にして昔の気持ちに戻ります。同じ学年やクラスにいただけでもそういう気持ちに戻れるでしょうが、やっぱり音楽をやっていたという共通の体験が大きいです。

 あのころのぼくたちを繋いでいたのは音楽への強い思いだったのかもしれません。そんな絆がいまも生きている。歳を重ねることの醍醐味といったらオーヴァーかもしれませんが、こういう気持ち、わかるひとはわかるでしょう。

 ロング&ワインディング・ロード。ときにはたそがれのイエロー・ブリック・ロードだったかもしれません。でも、いまのぼくの心境は「明るい表通り」ですね。

 ここ数年、たくさんの旧友と再会しました。でも彼ら全員と親交を深めることはできません。そんなに器用じゃないですから。会って、別れて、また会って。こんな関係が続けばいいなぁと思います。でもその中で、高校のときより仲良くなったひともできました。The Very Best Friend Of Mineかな?

 そしていまのぼくは「Jazz Conversation」を通していろいろな出会いがあります。不器用なのですべてのみなさんと親しくおつきあいすることはできません。でも、末永く親しくしていきそうな予感を覚えているひともいます。人生がいつまで続くかわかりませんが、ロング&ワインディング・ロードはまだまだ続いていくみたいです。楽しいじゃないですか。

カテゴリー: Info

Jazz Conversation ポッドキャスト 第12話配信!

今回の配信は7月4日放送の「Meet the Star」に登場したマイク・スターンとリチャード・ボナのインタビューの模様を一部抜粋でお送りします。

<質問>

なぜポッドキャストではアーティスト楽曲が流れないんでしょうか?

横浜市 ラジオネーム TubeTech さん

<回答>

音声ファイルをダウンロードして楽しむ「ポッドキャスト」ならびにネットでダウンロードする音楽(著作者が楽曲の権利を有する音楽)には、1ダウンロードあたりに楽曲使用料が徴収されます。現在の法律では楽曲ダウンロードについては欧米とは異なり法外な料金利率が設定されております。ユーザーの皆様には全国無料で楽しんで頂く為にやむを得ず「アーティスト楽曲」を削除しインタビュー部分のみで番組を構成していますのであしからずご了承下さい。

RIMG0513

7月11日のJazz Conversationは

天気に恵まれた関東エリア。

近所の公営プールも昨日からオープンとなり、歓声とメガホンの声がよりいっそう夏のムードを高めてくれます。

もう梅雨明けでいいんじゃない?って、晴れた日はいつもそう思います。

でも好天でないエリアの方、深刻な状況下にある方もいらっしゃいます。

一刻も早い回復を局員,番組スタッフをあげて願っております。

さて、今日の番組では若くしてジャズ界に参入した志高きプレイヤースピリットを讃えるための特集「若くしてデビューしたジャズマン〜日本人アーティスト編」を最初の特集としてお送りします。

9才にして雷鳴のようなドラムプレイで音楽界、いや芸能界を湧かせた「Tiger」こと鬼塚大我君の溌剌とした1曲からスタートします。

Ah, Domo / 鬼塚大我

TIGER!

TIGER!

続いては今や世界に名を轟かせる天才トロンボーンプレイヤー、中川英二郎のアルバム「FUNK’55」から。

Here’s That Rainy Day / 中川英二郎

FUNK'55

徹底的に下地を磨き込んだピアニストのホープ、14才でデビューした松永貴志の2003年発表のアルバム「Takashi」から冒頭を飾るユニークなオリジナルチューン。

宿題 (Homework) / 松永貴志

Takashi

午後4時半過ぎは「マイルス・デイヴィスの真実」

1953年の秋、とあるクラブでライバルClifford Brownのプレイを聴き、麻薬に溺れたふがいない自分を猛省し実家に戻り悪癖との絶縁を果たしまました。その後充実したレコーディングデイズを送る1954年の動きを中心にお話しします。

午後5時からはゲストを迎える「Meet the Star」のコーナー。

今日はExtraordinaryなギターの名手2名がこの番組の為に時間を割いてくれました。

6月3日に共同で制作したアルバム「Take Your Pick」をリリースしたLarry CarltonとTak Matsumoto。アルバム発売後には全国ツアー、シメに松本さんは初出演となる「ブルーノート東京」での6日間公演を行ったお二人を直撃!首都圏FM番組ではこのJazz Conversationが貴重な2shotインタビューを独占でお送り致します。

今回リリースとなった「Take Your Pick」の制作裏話から、レコーディング中、ライブステージでの二人の駆け引きはどのように形成されていったか、代名詞とも言える二人の愛機「ES335」「Tak Matsumotoモデル」の秘密についてなどここでしか聴けない話がざくざく出てきます。

O.Aはアルバムから二人のエキスがほとばしるジューシーな3曲をプレイします。

ok_L&T_JK

Tokyo Night、Nite Crawler 2010、そしてB’zのステージでも披露された事のあるJazzy Bullets。一音目から耳を奪われる二人の緻密なプレイはしばし呼吸を止めてしまいます。松本さんが「僕はつくづく若い時にLarryさんのプレイをコピーしまくってたんだな」とまで言わしめたほどの息のあったプレイは、ビブラートのタイミングやチョーキングのクセまでもが酷似していて「ニヤリ」しまくりです。

小川blogには極秘撮影に成功した使用機材の写真が掲載されています。

そして今回はこのblogをご覧頂いた方限定5名にブルーノート東京公演の「フライヤー」をプレゼントします。

ご希望の方は番組ホームページ右にあるメールのマークをクリックするかjazz@interfm.jpまで「ラリー・カールトン&松本孝弘フライヤー希望」と明記の上ご応募下さい。O.Aは首都圏のみですが応募は全国から受け付けています!

Larry & Tak

Larry & Tak

※アルバムはついてきませんです。

午後5時後半は「トロンボーン」の大特集。

「のんびりした楽器」を超絶テクニックで吹き捲くるJ.J.Johnson、Kai WInding、Curtis Fullerの名演をお楽しみ下さい。それにしてもなんでこんなに味わい深いんでしょう。

カテゴリー: Info

#027 暑さにメゲズ

#027 2010-07-09 暑さにメゲズ

 このところライヴ三昧しています。「Jazz Conversation」絡みのものが多いですが、基本的に自分が観たいものをみて、その際にインタヴューをさせてもらっているというのが実情でしょうか。いい仕事に就いたものです。この役得、おおいに利用させてもらっています。

 よくあちこちで書いていますが、ぼくはつくづく運がいいです。なんの努力もしていないのに、向こうから楽しい仕事が舞い込んでくるんですから。ブルースに「Born Under The Bad Sign」という名曲がありますが、それのまったく反対。「Born Under The Lucky Sign」ですね。

 ただし、ひとつのジンクスというか、これをするとたいてい失敗するというのがあります。それは何か。こちらからアプローチすることです。ひらたく言えば売り込み。ぼくは自分をプロモーションすることがまったくできません。

 ですからな~んにもしません。「果報は寝て待て」です。音楽の仕事はすべて先様から回ってきたもの。そもそも音楽の仕事も、することになるなんては思ってもいませんでした。ひょんなことからこの世界とかかわるようになったんですから。

 レコーディング・プロデューサーになったときもそうです。それからこの「Jazz Conversation」も。誰かがぼくのことを見つけて、話を持ち込んでくれます。

 この番組についていえば、ブランフォード似のディレクター氏が作っていた番組にゲスト出演したのがきっかけです。たった一度、それも挨拶程度しかしていないのに、しかもそれから1年か2年なんの音沙汰もなかったのに、突如新番組の提案をされました。

 こういう縁は大切にしたいです。どんなことでも、自分のことを考えてくれるひとがいるって嬉しいじゃないですか。ですから来る仕事は原則、絶対に断りません。ぼくのことが頭に浮かんでくれるだけでありがたいと思います。それに応えねば、です。

 悪口でも非難でもいいんです。もちろん褒められたり認められたりするほうが断然嬉しいですが、無視されるより、ぼくのことがそのひとの人生のほんのわずかな部分にでも登場するって、凄いことだと思います。

 人間なんて路傍の石にすぎないのかもしれません。それでも「継続は力なり」で、たいしたことなんてやってこなかったですが、なにせ好きなことしかしないんですから、それでも30年近くこの世界にいると、それなりの体験ができます。

 ぼくの財産はこの体験です。優れた体験かどうかは別の問題ですが、ぼくの体験はぼくにしかできません。この体験がこれからも積み重なっていくわけです。ワクワクするじゃないですか。

 というわけで、支離滅裂な内容になってしまいましたが、暑さにメゲズ、ライヴにインタヴューに、そしてこれが一番重要ですが、本業に、これからもいそしんでいきたいと考えています。

 本当かなぁ?

カテゴリー: Info

7月4日のJazz Conversationは

4th of July.

アメリカを知る為に絶対に不可欠な日付、そう「インディペンデント・デイ」です。洋楽を好む向きにとっては「永遠の憧れの国」であり、いつの時代も革新的な音楽を生み出す震源地として今もなお「我々を刺激し続ける国」でもあります。

アナログ全盛の時代に洋楽のレコードを購入するなら、国内盤よりも「シュリンク密封」のUSプレスを選んだクチです。値段が安いのももちろんですが、何より「アメリカの工場でプレスされた」という事自体が絶対的な価値でした。密封を破りすぐに鼻を近づけ、中に閉じ込められていた空気を思いっきり吸い込む。塩化ビニールの香りの向こうにいる「ああ、俺は今アメリカの空気を吸ったんだ」という何とも言えない充足感に心酔していた若かりし日々。気前よく3枚買って、全部破ろうもんならすっかり「泥酔」。俺は今この瞬間に完全にアメリカ人と化した。と錯覚したもんです。

時は移り音楽を日々の糧とするようになった今、そんな時代を過ごした自分をふと思い出してみても、ああ、自分はいつまでもあの時のまんまなんだな。と改めて気づかされました。先週のアナログ大特集なんてまさに水を得た魚同然でしたし。

SN3L0004

という訳で、アメリカ人にとっては「独立を祝う日」ではありますが、僕にとってはソフトウェア的にもハードウェア的にも「音楽」という文化を「エンターテインメント」というものにまで昇華させた偉大なる国が誕生した日、として心に留めています。

ところで、4th of  Julyといえば「花火大会」。番組冒頭では小川氏の「4th of July N.Y体験談」からスタートします。

最初の特集はそんな前振りとは全く関連性がない「ジャズロックでGO!」というタイトルの特集をお送りします。8ビートでプレイされるジャズは近年になって「クラブジャズ」という大カテゴリーに分類されますが、それらのルーツともなる「ジャズロック」の産声はいつどこで上がったか。機会があればそんなテーマで執筆をしたい小川氏がそんな話を交えながらお送りする特集です。

THE RAY BRYANT TRIOから「Gotta Travel On」

cd-raybryant-3

おそらくこの作品が初めてジャズ・ロックと呼べる作品なのではないか。という

DONALD BYRDの「Pentacostal Feelin’」

FREE FORM

THE SIDE WINDERでおなじみの「Lee Morgan」からはTHE GIGOLO収録の「Yes I Can, No You Can’t」をお送りします。

B000E1IGBU

つづいてはレギュラーコーナー「マイルス・デイヴィスの真実」

アルフレッド・ライオンの据え膳によりレコーディング活動を再開させたマイルスは以前麻薬の悪癖から手を切れないでいたものの、ある日見かけたライバルの演奏に多いに触発され、奮起を決意します。

曲はClifford BrownからCHEROKEE、マイルスは1st、2nd, 3rd Sessions on Blue Noteから聴いていきます。

午後5時台はゲストを迎える「Meet the Star」のコーナー。本日は先月Blue Note Tokyoにて来日公演を行った、バークリー音楽大学出身のエリートギタリスト、Mike Sternが登場。サイドマンとしてライブに同行したリチャード・ボナもインタビューセッションに飛び入り。22年前に出会った二人から現在までを語ってもりました。

5時台後半はアーティスト特集、ついに登場「セロニアス・モンク」を特集します。ところが今回はRIVERSIDEにおけるレコーディングを中心に聴いていきます。

まずはセロニアス代名詞の不協和音を愛でる「Brilliant Corners」

brilliant-corners

不思議なメロディーが名曲となった例はJohn Coltraneの幇助もあったからか「Ruby, My Dear」

thelonious-monk-with-john-coltrane--thelonious-monk-with-john-coltrane

そして名曲「’Round Midnight」をMonkのピアノソロで。

thelonious himself

天才の天才たる所以をとくとご鑑賞下さい。

また番組では皆様からのメッセージを随時募集しております。ご意見、ご感想はもとより些細な質問、相談、さらには金品の付け届けなども歓迎です。(笑)

最近は比較的投稿も少なくなって来ておりご紹介出来るチャンスも増えておりますので是非ふるってお寄せ下さい。

メールの方はjazz@interfm.jp

FAXも受け付けます

03-3474-1761

そして密かにお便りを送って下さる方もいらっしゃいます。

〒140-0002品川区東品川1-3-3 天王洲スタジオ7F インターFM「Jazz Conversation」

お待ちしております。

カテゴリー: Info