【幻】モーニン・ブルーズ 2015/09/26

2015年9月26日 / Category:Entry

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前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

明日の晩はチュ—シュ—のメーゲツ。奇麗に見える望み薄ですが祈りましょう、雲間に

くっきりと浮かび上がる事を。では今月恒例シリーズの1曲です。ご静聴下

さい。

 

M01.Beethoven’s Moolight Sonata(5’01”)Brian Pezzone

-L.V.Beethoven- Compass Production

 

N 第1楽章だけにつけられた「月光」という名前。確かに第2、第3はこんな

雰囲気とは違った趣きで、リズムも旋律も「月光」とは異なっています。それ

でも、この第1楽章の命名は素晴らしい閃きですね。わたしは湖や大河の、

微風に揺れるミナモに映る月が見えます。月柱かも知れません。エドヴァルド・

ムンクの画によく出て来るような・・・。

さて大河と言えば、揚子江、ナイル、チグリス・ユーフラテス、そして眩しく輝くミシシッピ。

 

M02.Mississippi Goddam(4’32”)Nina Simone

-N.Simone- Mercury 846 543-2

 

N 「ミシシッピ・ガッデーム」、ニ—ナ・シモンでした。彼女らしく、堂々とした歌いっぷり

が気持ちいいですね。これは先週の積み残しです。トリビュート・アルバム発売記念

のドサクサ紛れで敢行した本人歌唱集、それを締め括ったのが、彼女の傑作「若

く、才長け、黒人で」でした。実はその時に続けてお届けしようと、並べて

おいた二曲があったのです。

 

M03. 黒人賛歌(3’34”)アリサ・フランクリン

-N.Simone- ワーナー WPCR-27653

 

M04.Young, Gifted & Black(3’06”)Bob & Marcia

ボブ・アンディとマーシャ・グリフィス

-N.Simone-   Island IBXCD 518 399-2

 

 

N アリサ・フランクリンで、「黒人賛歌」というちょっとピント外れなタイトルの「若く、才長

け、黒人で」、ニーナ・シモンの感覚を見事に受け継いだ仕上がりです。こういう時

のアリサは、なんか恐いですね。近寄り難い。怒られそうな気がする。

そしてボブ・アンディとマーシャ・グリフィスの「ヤング,ギフテド・アンド・ブラック」、これは

1970年3月のイギリス・チャート第3位曲ですが、その頃は日本で発売されていな

かった筈です。だいぶ後のコムピ盤で出ただけじゃないかな。こちらの出来映

えは、レゲエ本来の持つ親しみ易さが、そのまんま反映された楽しい雰囲気で、

とても肯定的なメッセヂに聞こえて来ます。こちらも傑作ですね。

さて先週、ニーナ・シモンはポップ・ソングのガヴァがとても上手い、とお話し致し

ました。一時、ジョージ・ハリスンの楽曲を熱心に採り上げていたころがあります。

始めは「ヒア・カムズ・ザ・サン」かな。その後3枚組LP『アール・シングズ・マスト・パ

ス』から「マイ・スウィート・ロード」と「イズント・イト・ア・ピティ」を、ほぼ同じ時期に

歌っていました。これは向こうのシングルのA/B面でもありますから、アルバムは

聞いてなかったりしてえ・・・。とにかくこの2曲を、ちょっと異常とも感

じられる思い入れと共に歌っていました。何回もね。どちらもライヴでは非常

に非常に長い時間をかけて、滔々と歌うんです。このころジョ—ジは因果応報

を説く「クリショナ」教にハマっていまして、この2曲にもその教えが強く反映さ

れています。ニーナは、その思想に共鳴したんでしょうか。もともとゴスペル的背

景の強い彼女ですが、それとも違う表現に感じられます。ここで彼女が呼び

かけている「神様」とは、誰の事なんでしょうか。

いずれにせよ「重厚」で感動的なニーナ・シモンの「イズント・イト・ア・ピティ」を聞

いてみて下さい。

 

M05.Isn’t It A Pity(11’11”)Nina Simone

-Harrison- BMG 82876-557502

 

M06.Baltimore(4’39”)Nina Simone

-R.Newman- Epic ZK 57906

 

N ニーナ・シモンの「イズント・イト・ア・ピティ」、如何でしたでしょうか。お聞きのよう

にライヴでして、次への繋がりもごく自然です。お客さんたちは、呪いにかけ

られたように聞き入っていましたね。わたしもそのひとりでした。「アイ・プット・

スペル・オン・ユー」はダテに歌ってる訳じゃないのです。

続いてはCTI時代の「バルティモー」、クリード・テイラーのクロスオーヴァ感覚が上手く表

出されたトラックですね。こういう新しいリズム、解釈の「ジャズ」ヴォーカル領域でも

彼女は先駆と言えるでしょう。このランディ・ヌーマン作「バルティモー」を表題曲とし

たアルバムは、ウィル・リーやアンディ・ヌーマークの参加したセッションも収められいて、今でも

充分に新しい音で聞けます。興味が涌いたらどうぞ。わたしのあまり好きで

はない廉価箱組物シリーズで、『オリヂナル・アルバム・クラシックス ニ—ナ・シモン』というのが

出てまして、それには長尺「マイ・スウィート・ロード」と「イズント・イト・ア・ピティ」他

1曲が収録曲の全てという『緊急言語』、今の『バルティモー』、そして幅広い解

釈の素晴らしいブルーズ・アルバム『シングズ・ブルーズ』が3枚セットになっています。

これはお買い得ですよ。

 

M07.The Wildcat(2’35”)Jeff Healey

BSMF 2472

 

N ジェフ・ヒーリーです。「ザ・ワイルドキャット」。先月に発売された故ジェフのベスト盤か

らお届けしました。ブーギー・ウーギ−、ジャグ、ディキシー、スウィング、ジャムプなどが入

り交じったオールド・タイマーな響きはとても親しみ易く、誰をも自然とニッコリさせて

しまう魔力があります。ただ、こういうのこそ上手な人にやってもらわない

と、その面白さが堪能できません。この国では同系統の音楽に「アクースティク・

スイング」という名前が付けられ愛好者も幅広く沢山いるようで、気軽な街頭演

奏にもよく出会いますけれど、今のジェフたち位まで、とは言いませんが、も

うちょっとしっかり演奏してもらいたいなあ、というのがわたしの願いです。

では盲目だったギタリスト、ジェフ・ヒーリーをもう1曲聞きましょう。歌入りです。

「サム・オヴ・ジーズ・デイズ」

 

M08.Some Of Theese Days(2’46”)Jeff Healey

-S.Brooks – BSMF 2472

 

N   古いスタンダード・ナムバー、「サム・オヴ・ジーズ・デイズ」でした。わたしの憶え

ているジム・クェスキンの同じ歌とは、メロディ、歌詞ともにちょっと違っていました

が、紛れもなく「サム・オヴ・ジーズ・デイズ」です。

今のジェフ・ヒーリーと同じような、古い素材をアクースティクで歌い続けているエリック・

ビブの新作が届きました。まずは1曲聞いてもらいましょう。

ご存知「朝日のあたる家」。

 

M10.The House Of The Rising Sun(3’29”)Eric Bibb & J.J. Milteau

-trd.-     BSMF 2474

 

N 非常に暗く仕上げられた「朝日のあたる家」、エリック・ビブでした。彼が世に

出て来たのは、前世紀の終わり頃だったでしょうか。ソウル・ミュージックの衰退、

そしてヒップホップによる破壊行為で、すっかり無毛地帯となってしまった北米

の黒人音楽界から、こうした響きが聞こえて来た時は、救われた思いがした

ものです。古参タージ・マハルの復活、確かケブ・モもちょうど同じ時期に出て来ま

したね。

このエリック・ビブは北欧でレコード・デビューを果たしたんじゃなかったかな。繊

細でかつ撓りの利いた感覚に好感と興味を覚え、すぐ好きになりました。作

品の多い人ではありませんで、今回のはかなり久し振りの発表の筈です。

これまでこんなに影があって、かつ鋭く切り込んで来たかなあと、なんか

ちょっと性格が変わったような印象を受けましたが、これまでわたしが気づ

いていなかった部分が、ライヴという形で見えて来ただけでしょう。今回はJ.J.

ミルトゥーという白人ハーモニカ奏者とのデューオ・ライヴになっています。

 

M11.Titanic(3’03”)Eric Bibb & J.J. Milteau

-trd.-     BSMF 2474

 

N 処女航海で沈没した大型豪華客船の惨事を歌った「タイタニック」、氷山に衝突し

たんでしたっけ。エリック・ビブとJ.J.ミルトゥーでした。

このタイタニック号の悲劇は、当時の街道流しの弾き語りブル—ズ・メンによって、

幾通りにも語られた録音が残っています。ブルーズの「新聞(シンモン)読み」的

側面を物語りますね。

このテーマは、確かレッド・ベリーも詠んでいたと思ったのですが、今回わたしの

洞窟から探し出せませんでした。今回エリック・ビブの新作はそのレッド・ベリーに

捧げられていると言う事です。

 

M12.カンサスシティ・パパ(3’08”)レッド・ベリー

-Leadbelly-   ソニー SRCS 5677

 

N レッド・ベリーで「カンサスシティ・パパ」でした。まだ形式がはっきりと定まる前の、

その時の気分で自由に歌うブルーズ、目を閉じて浸れば、遥かな思いを巡らせ

てくれます。もちろんブルーズに限らず、あらゆる民間口頭伝承音楽はこんな

だった訳でして、「形式」の厳密な継承に重きを置いた、この国の「純」「俗」

邦楽の世界は、やや例外という感じがします。

しかし「録音」という新機軸の登場によって、「形」は固定されて行く訳

で、それ以上に「概念」の変化も、音楽に与えた一大事でした。今のレッド・

ベリーの「カンサスシティ・パパ」も、一度に吹き込める「時間」という絶対的制約下

にある訳ですから。

今では一般の人達にも当たり前になっている「カラオケ」「重ね」「差し替え」

などの手法は、レッド・ベリーにはとうてい理解出来ないでしょう。この時代の

ブルーズや、「録音概念」のない中で続いている音楽を耳にすると、わたしは

ついこんな事も考えてしまいます。

おや、脱線しましたね。では今朝の「モーニン・ブルーズ」です。強烈ですよ。

 

M13.Red House(8’28”)Jimi Hendrix 70.7.4

-J.Hendrix- Sony 88875109222

 

N これは新譜。ジミ・ヘンドリクスのアトランタ・ポップでの完全ライヴです。イクスピアリアンス

名義になっていますが、ベイスはノエル・レディングでなく、ビリー・コックスです。ドラムス

はミッチ・ミッチェル。ノエルはこの頃すでにファット・マットレスを組んでいたのかな。

さてこのライヴ、繰り広げられるリパトゥワは、充実した「ザ・ベスト・オヴ・・・」

ですし、ショウ展開の鮮やかさ、そしてもちろん演奏純度の高さで、ジミヘン最高

の実況録音ではないか、とも思われます。今の「レッド・ハウス」だけでも、それ

はお感じ頂けたでしょう。これを聞くと彼はいわゆるハード・ロック的な進化をし

ていなかった、というのも分ります。ここで奏でられているのは、素晴らし

い同時代ブル—ズです。

次の名曲も素晴らしい仕上がり。

「ヴードゥー・チャイル」。

 

M14.Voodoo Child(Slight Return)(7’58”)Jimi Hendrix

-J.Hendrix- Sony 88875109222

 

N 「カッコイー」と叫びたくなるアトランタ・ポップの「ヴードゥー・チャイル」でした。死後

たくさん出回ったライヴだけでなく、そもそもジミヘンに関して専門的知識のない

わたしですから詳細は分りませんが、このライヴは今まで何も紹介されていな

かったのでしょうか。

彼の生前のあらゆる権利は、現在ヘンドリクス一族が握っていて、その承認なし

には誰も触れない事になっているようです。先頃公開された断片的自伝映画

に本物の演奏が使えなかったのも、遺族の同意が得られなかったからなんで

しょうかね。

このライヴは正式な経路を通っての発表なので、その心配はないでしょうが、

ここまでの出来映えが、正当に評価されていなかったのも不思議です。1,000

円も違いがあるので、わたしが購入したのは米国盤で、比較的長い解説には、

60年代末まで人種差別の激しい南部で黒人が白人と同じ舞台を踏む事はあり

得なかった、という記述もあります。こうした背景をジミヘンが知らない訳はあ

りませんから、「南部への凱旋」気分もあったのではないか、そしてそれが

この快演を実現させる要因ではなかったか、と思えなくもないですね。

この実演は1970年7月4日に行われました。ジミ・ヘンドリクスは、この2ヶ月

後に他界します。

 

M15.Star Spangled Banner(2’47”)Jimi Hendrix

-F.S.Key, J.S.Smith arr. by J.Hendrix- Sony 88875109222

 

M16.America Lost The Vietnam War(6’55”)Mark Gergis

Subime Freequnoies SFO95

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 今朝は長尺物が多かったので、お話も短めでした。ご了承下さい。

アトランタ・ポップでジミヘンが舞台に立ったのは7月4日、アメリカの独立記念日ですね。

先の人種差別問題と重なって、非常に象徴的な背景を持ったライヴです。2枚組

で全16曲、どれも集中度の高く、破綻のない、ユ—モアもある演奏です。

わたしのジミヘンへの評価としては、時代の先を行く音楽観、卓越した演奏能

力もさることながら、ともすればアヴァンギャルドの強いベクトルで暴走してしまう

芸術芸能改革思考を「ポップ」に表出したところにあります。例えば同じ頃に

時代を背負っていたジョン・レノンは意図して「ポップ」に背を向けましたのと、

全く対称的です。ジミヘン偉い。

このアトランタ時のではありませんが、だいぶ前に沖縄のバ—で観た収録デイタ不

詳の野外ライヴも感動的でした。まだ明るい昼間、いやひょっとしたら夜が明

けた朝かな、とにかく明るい舞台でお客さんも少なくて、そんなに盛り上が

っていない環境でした。そこでジミヘンたちが、極く少数の熱心な観客のために、

一回きりの決定的な実演を行うのです。一応はやらなければならない定番、

お約束は守るんだけど、本人もあんまりノッてなくてね、非常にドサ回り、地方

巡業的な演奏に終始していました。ただの広場に仮設舞台。柵すらなく袖の

階段を降りれば誰でも側に近寄れる、こんな会場でした。終演後そこを普通

に歩いて手を振りながらシラケた笑いと共に消えて行くジミヘンたち。そこにわた

しは謂れも無い感動を憶えたのです。我ながらヒネクレてますね。

さて米国独立記念日のジミヘンの演奏する「星条旗」を後方から追撃砲射した

のは、「アメリカはヴィエトナム戦争に負けた」。以前もお届けした珍奇盤『レイディオ・

ヴィエトナム』からでした。ラジオ放送のコラージュという手法で、こんなに面白く聞か

せてくれます。後半のベンドする楽音、名前は知らないんですか、竹を素材に

した弦楽器で、エレキギタ—のトレモロ・アームのようなしくみを操って音程を決めてい

く珍らしいものです。ベンド加減でサイケ効果も出せるでしょうが、音色が余り

に素直なんでこのままじゃ無理のようです。比較的大勢の名手がいるようで

すし、他の音楽とも絡めそうなんですけれど、今のところその気配はありま

せん。

現在のヴィエトナムは一応のところ社会主義国家。終戦後30年以上を経過した

数年前に訪れた時も、観光ガイドなどは何かにつけて「わたし達は社会主義者」

「ここは社会主義国家」と、くどい位に言わされています。政府としての米

国への憎悪は、まだ根強い物が残っているようです。でもねえ、さんざん踏

み荒らした挙げ句、後始末をアメリカに押し付けて逃げた悪いフランスはどうなるの、

と聞きたくもなりますね。

この珍奇盤『レイディオ・ヴィエトナム』は、こんなキョーレツなトラックがズラリと並んでい

ます。ただね、体臭がキツ過ぎて続けて聞けないんですよ。手に入れてから3

週間は経過しておりますが、まだ通して聞けておりません。ただし他には、

もっと面白いものがあります。小出しにして行きますから、お楽しみに。

さて好評の「特別付録」、今朝は以下の隠し場所から落として下さい。

 

http://firestorage.jp/download/dddc68c6428c63466b41f1cb37efbfffb2651e90

ダウンロードパスワード f8hrng3r

今週は電波状況の悪い場所からだったので、特に時間がかかりました。そ

れでなくても異常ですね、この荷揚げ時間は。ちょっと調べてみます。

 

今ファイル・ダウンロード・システムで使っているファイアストレイヂだと、何人の人がダウンロ—

ドしてくれたか分ります。これまでは首都圏で、お互い知り合っている8人

くらいの人のために続けてるつもりでしたが、以外と大勢の人たちが聞いて

くれているのですね。責任感じます。

でもそうなると、合法性が云々されて来るかも。全ての皆さまと旧知の間

柄、ならば問題ないのかな。3年前からの親しい友達ですよ、そこのスマフォの君。

 

さて、今朝もちょうど時間となりました。こちらは、

http://www.interfm.co.jp/mb/blog/

http://www.interfm.co.jp/mb/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功。来週もあなただけに。

 

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/09/19

2015年9月19日 / Category:Entry

mb150919

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

チュ—シュ—のメーゲツ祈願、今朝はこんなツキが出ます。不吉です。

クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、「バッド・ム—ン・ライジング」

 

M01.バッド・ム—ン・ライジング(2’19”)クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル

-J.Fogerty- ビクターVICP-62073

 

M02.Shigalin En Panama(2’54”)Orquesta Los Embajadores

-C.Azuquita- Sound Way SNDWCD018

 

N 外へ出ちゃだめだ、どうなっても知らないよ、不吉な月が出てる・・・

20世紀のスティーヴン・フォスター、ジョン・フォーガティの「.バッド・ム—ン・ライジンク」に続い

ては、ガラッと変わって陽気な「シンガリン・エン・パナマ」、オルケスタ・エンバジャドレスでし

た。先週何曲かお届けしたコムピ盤『パナパ!』の第3集からお届けします。今

のはサル—サ調で中米的な響きでした。あ、少しR&B入ってましたね。次はどう

でしょうか。

「アップ・タイト」ロス・シルヴァトーンズです。

 

M03.Up Tight(3’19)Los Silvertones     サマタイム

-R.Bermudez- Sound Way SNDWCD018

 

N オーティス・レディングのオハコ「サキトゥミ」が飛び出したり、間奏が「サマタイム」だったり、

面白いところがたくさん見つかる「アップ・タイト」。基本的なビ—トがね、ファンクを

目指してるんでしょうけど、どうしても中米の血が出て来てしまう・・・か

なりの混合度です。そこに曰く言い難い味が感じられます。ドナ・サマーの「バー

ッド・ガール」と同じ掛け声も聞かれました。これは、きっとこの辺りに昔から

ある掛け声の1種類なんでしょう。

次のも面白いですよ。「ムーヴィン、グルーヴィン」、リトル・フランシスコ・グリーヴス。

 

 

M04.Moving-Grooving(2’55”)Little Francisco Greaves

-F.Greaves- Sound Way SNDWCD018

 

N ヲ—みたいな入り方から、ジェイムズ・ブラウン恐怖のドラマー特訓みたいに続きます。

訛った英語がまたいいですね。日本人の誤解ファンクに極めて近い。「ムーヴィン、グ

ルーヴィン」、リトル・フランシスコ・グリーヴスでした。やっぱりファンクの力は強いんでしょう

か、先週の第1集、そして今朝の第3集と、こういった北米の影響下にある

音楽が、どうしても目立って聞こえます。

次もまた、題名は恐ろしい中南米混合です。「サムバ・カリプソ」。

 

M05.Samba Calypso(2’41”)Orquesta De Amando

-A.Boza- Sound Way SNDWCD018

 

N オルケスタ・デ・アマンドーで「サムバ・カリプソ」でした。サムバとカリプソは絶対に融合さ

せられない、とわたしは考えますが、このタイトルでは並列に並んでいます。サルー

サ楽団がカリプソ演奏をした典型的な例、といった響きでした。一応2拍子のサムバ

的なビ—トが保たれていましたが、サムバじゃあないな、わたしの耳には。

パナマ人とは、きっと聞こえ方が違うんでしょう。例えばジャマイカの「ソカ」、あ

れは「ソウル」と「カリプソ」を繋いだものだ、と言われますが、わたしには何処

がそうなっているのか、未だに分らない。世界の音楽を聞いて行くと、この

種の事例には事欠きません。そこがまた、面白いところなんです。

 

M06.Do It Right(4’08”)Keb’ Mo’

-K.Moore- Kind Of Blue Music No Mumber

 

N これも先週のお約束。ケブ・モの新作『ブルーズアメリカーナ』から、実に彼らしい「ド

ゥ・イト・ライト」でした。いい音ですね。特にドラムスとベイスが、演奏も含めて理想

的な響きです。これ以上の迫力は必要ないし、研ぎ澄まさなくてもいい。い

い塩梅でキメてますね。プロデュースはケブ自身。ナッシュヴィルの録音です。

もう一曲行きましょう。これも素晴らしい仕上がり。「ムーヴ」

 

M07.Move(4’32”)Keb’ Mo’   M.L.King

-K.Moore- Kind Of Blue Music No Mumber

 

N ケブ・モの新作『ブルーズアメリカーナ』から「ムーヴ」でした。間奏でコラ—ジュされる

ナレイションが、一瞬マ—ティン・ルーサー・キングに聞こえますね、ケブ自身なんでしょうが、

籠ったような声は、考えてみると似てるな。なお、先週お伝えしたレイベル名は

間違ってました。「カインド・オヴ・ブルー・ミュージック」でした、失礼。

 

M08.(Baby)You Got What It Takes(3’18”)Buddy Guy feat. Joss Stone

-C.Otis, M.Stein, B.Benton – RCA 88875-12037-2

 

N こちらも先週出し惜しみしていたバディ・ガイの新譜からです。ジョス・ストーン

をフィーチュアした「ユー・ガット・ワット・イト・テイクス」。とてもいい仕上がりですね。後

半のシャウト合戦では、ジョスが、アリサ・フランクリンのような叫び声を出します。きっと

子供の頃から聞いていたんでしょう、こういう所にフッと影が出る。いい感じ。

次も大物とのデューオです。最初に聞いた時、歌い出しのひと言で「おっ、

上手い」と直感しました。それもそのはず、ヴァン・モリスンと一緒のトラックです。

B.B.キングに捧げた「フレッシュ・アンド・ボーン」。

 

M09.Flesh & Bone(4’02”)Buddy Guy with Van Morrison

-T.Hambridge, G.Nicholson- RCA 88875-12037-2

 

N 「フレッシュ・アンド・ボーン」、バディ・ガイとヴァン・モリスンでした。間奏のギターがいい

ですね。これはバディ自身なのかな、ちょっと分りません。クレジットには「57

年ストラト、74年テレキャス」とあります。先週の「ギター弾くために授かった命」、そ

して今朝の2曲と、傑作揃い。もちろんここで紹介していないハード・ロック調の

ラウドなブルーズも、何曲も入っていますから、ファンの方々、御心配なく。こうい

うスタイルで、イギリスのロックに与えた影響は、オーティス・ラッシュと並ぶ双璧ですからね。

イレクトリック・ブルーズの第二世代の代表格、バディ・ガイ、先ほどの「フレッシュ・アンド・

ボーン」は今年亡くなった巨匠B.B.キングへの1曲でした。次は、マディ・ヲーターズ

に声をかけています。

 

M10.Come Back Muddy(5’11”)Buddy Guy

-T.Hambridge, R.Fleming- RCA 88875-12037-2

N   バディ・ガイで「帰って来てくれ、マディ」でした。こういう味を自然に出せ

るバディ、いいですね。これはアルバム最後の曲。冒頭の「ギター弾くために授か

った命」と対を成すように作られている感じがします。「カム・バック」じゃなく

て、これからみんなで行くんだよ、マディのとこに。大丈夫だからね。

バディ自身の歌、演奏もさることながら、全体はよくプロデュースされた作品、

と言う事が出来ます。ほとんどの詞曲も担当している、制作担当のトム・ハムブリ

ッヂ、良い仕事しました。

さて、わたしの今年の夏を彩った『トミー』、「アイサイト・トゥ・ブラインド」の謎を

皆さんに問いかけたところ、西村雅人さんから、実に的確なお答えをいだき

ました。おそらくこれが真相なのだろうと、わたしも納得です。以下に掲載

しますので、ご覧下さい。彼はモーニング・ブルーズでもよく登場する大阪のル—ツ音

楽レイベルBSMFの代表です。掲載の都合上、改行を改めさせて頂きました。

 

本家、The Whoの『Tommy』に関しては私は高校生の時にLP2枚組で買

いました(同じ頃購入した『Who’s Next』と共にいまだに愛聴盤です)。そ

れには「Eyesight To The Blind」の歌詞も載っていました。

 

You talk about your woman I wish you could see mine

Yeah, you talk about your woman I wish you could see mine

Every time she starts to lovin’ She brings eyesight to the blind

 

You know her daddy gave her magic I can tell by the way she walks

Her daddy gave her magic I can tell by the way she walks

Every time she starts the shakin’ The dumb begin to talk

 

She’s got the power to heal you Never fear

Oh, she’s got the power to heal you Never fear

Just a word from her lips And the deaf begin to hear

 

対訳はありませんでしたので、別途調べたところ、以下の感じです。

 

お前は自分の女の話をしてるけど お前にオレの女をみせてやりたいよ

お前は自分の女の話をしてるけど お前にオレの女をみせてやりたいぜ

彼女がヤルときには盲人にも視界が開けてくるんだぜ

 

彼女は父親に魔法をかけられたんだ 歩き方を見りゃわかるってもんよ

彼女は父親に魔法をかけられたんだ 歩き方を見りゃわかるってもんよ

オレたちが腰をふれば唖だってしゃべりだすんだ

 

彼女には癒しの力があるんだ、恐れることはない

彼女には癒しの力があるんだ、恐れることはない

彼女の喘ぎ声は聾にだって聞こえるんだ

 

盲、唖、聾の単語が、1、2、3番にそれぞれ出てきます。まさにトミーの主

人公の3重苦と、ぴったりかぶりますね。それで、歌詞だけ使って、曲は別に

アレンジしたのでしょうが、それなら、新たに曲を作れば良いとも思いますね。

あれだけ多くの曲を作ってるんですから・・・。

確かに、謎と言えば、謎ですね。ピート・タウンゼントに聴かねば分かりませんが、

勝手に想像しますと・・・もしかしたら、そもそもこのサニー・ボーイの曲の記憶

があって、そこからインスパイアされて「Tommy」の構想ができたのかもしれま

せんね(完全な想像です)。いずれにしましても、素晴しいアルバムと思います。

それを再現したヒルベンダーズも大したものです。

 

以上、西村雅人さんのご考察でした。ありがとうございます。きっとこの

通りなんでしょう。ピ—トの紳士的な姿勢にも好感です。同じ頃、楽曲搾取で

問題を起こした5人組も見習ってほしいところです。

では、その「アイサイト・トゥ・ブラインド」、ヒルベンダーズで聞きましょう。

 

M11.Eyesight To The Blind(2’04”)Hillbenders

-S.B.Williamson- BSMF-6064

 

N これは次のクリスマスと繋がっているので、強引なフェイドアウトを施しました。ご了

承下さい。西村雅人さんも高校生時代に『トミー』聞いてたんですね。今回わた

しが、このベンダーズを「凄い、凄い」と触れ回って聞かせた数多い知人たち

は、殆どがとっくの昔、20世紀に『トミ—』を聞いていました。「なんだお前、

知らないのか」とケーベツされたのも1度ではありません。フ—好き、いるんだね。

わたしは映画「さらば青春の光」で若い奴らが騒ぎ始めるまで、誰も聞いて

いないと思ってました。嗚呼、無知の涙。悔い改め心を入れ替えます。

さて、わたしの数百倍最新市場動向に詳しい澤田修が、ニ—ナ・シモンに捧げる

アルバムをファイルで聞かせてくれました。もう店頭に出回っていますかね。「近

日発売」というポップは目にしましたが、現物はまだ見ていません。

それで、今朝はそこでカヴァされていた物を中心に、ニーナ自身の歌をきいてい

ただきましょう。

まずはこれ、「マイ・ベイビイ・ジャスト・ケア・フォー・ミー」。

 

M12.My Baby Just Care For Me(3’36”)Nina Simone

-W.Donaldson,G.Kahn- Unionsquare SIMPTNCD005

 

N ニーナ・シモンで「マイ・ベイビイ・ジャスト・ケア・フォー・ミー」でした。これがオリヂナル・テ

イクかどうかは定かではありませんが、後年のカヴァではないでしょう。初期の

ニーナは実況録音盤が多く、収録曲も相当ダブってますから。今のは缶入り3枚

組の廉価盤からです。この缶、音質がいまひとつなのですが、収録曲は初期

の全域が網羅されているもので、見つけたらお買いになる事を勧めます。た

だ、クレジットは何もないですよ。

ニ—ナ・シモン、わたしは聞く度に不思議な感覚に囚われます。なぜでしょうか。

もっと聞いてみましょう。これも有名ですね。

「ブラック・イズ・マイ・カラー・オヴ・マイ・トルゥー・ラヴズ・ヘア」。

 

M13. Black Is My Color Of My True Love’s Hair( 3’36”)Nina Simone

-trd.- Rhino Rz 72567

 

M14.House Of The Rising Sun(4’35”)Nina Simone

-trd.- Rhino Rz 72567

 

N ニ—ナ・シモンで「黒い色は恋人の色」でした。先ほどの「マイ・ベイビイ・ジャスト・

ケア・フォー・ミー」はクラシック・ブルーズ的な、引き摺りながら引っ張っていく歌い方

一般的な分類で彼女は「ジャズ・シンガー」という事になっていますが、わたし

にはそこから逸脱した部分が気になります。いわゆる4ビート物はあんまり歌

っていない、というか興味がなかったんじゃないか、とさえ思えるのです。

ジュリアード音楽院を出たのち大衆音楽をあまり尊重せず、食べるために仕方な

くバ−でピアノを引き始め、それが嫌で嫌でたまらなかったという話ですから、

いわゆる俗な世界とは一線を画していたのでしょうか。

採り上げる楽曲も、町場のジャズ・バ−での洗練された定番とは少し異なっ

て、フォ—ク的、ルーツ的傾向が強かったですね。

その次の1曲は,ご存知「朝日のあたる家」でした。彼女の出すワルツのヘッド・カ

ウントがカッコよかったですね。初期の実況録音です。これはライノから出ていたコルピ

クス・レイベル時代のコムピ盤からです。ギターだけに近い伴奏もピッタリと合っていま

す。始めに騒がしかった店内も、終了する頃には静まり返っていました。こ

の暗さ、浅川マキ的でもあります。

彼女はあの声、第一声で自分だけの世界を創れます。得だよな。わたしも

この声さえ良かったら・・・、あ、お呼びでないですね、失礼いたしました。

彼女は20世紀末に自伝を発表していまして、わたしは未だ読んでおりませ

んが、その題名が「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」。スクリーミン・ジェイ・ホーキンズの

あの歌と同じです。もちろんそれを吹き込んでいまして、アルバム表題曲にもな

っていました。

 

M15.I Put A Spell On You(2’34”)Nina Simone

-S.J.Hawkins- Mercury 846 543-2

 

N この歌「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」ね、そもそも傑作で、スクリーミン・ジェイ

の、そしてジョン・フォーガティのヴァ—ジョンも素晴らしい出来ですけれど、決定的な

のは、これですね。深夜ひとりで聴いていると恐くなって来るような説得力

があります。恨み、嫉妬などの、愛情の否定的な感情作用が凝縮されている

感じ。怨念、藤圭子だなあ。

さて、このように普通のおジャズ歌手が歌わないリパトワが多かったニーナは、

R&Bや、ポップとかロックを独特の感覚でカヴァするのがとても上手でした。今の

「お前を呪い倒してやる」もそのひとつでしょうが、他にも沢山あります。

あまり知られていないところで、これなどは如何でしょう。

 

M16.Alone Again Naturally(6’27”)Nina Simone

-G.O’Sullivan- CY Records SSC 1144

 

M17.Nu Me Quitte Pas 3’37”)Nina Simone

-J.Brel,- Verve 543 251-2

 

N 面白いピアノのリフを持った「アローン・アゲイン・ナチュラリイ」どうでしたか。これも完

全に「ニーナの部屋」ですね。歌うすべてを自分の世界の物語にして語って行く、

素晴らしい解釈です。わたしはそもそも女性歌手が苦手で、特にジャズを歌う

女は、ごく少数の特例を除いて無視して来た位ですが、何故かニーナは別でした。

まずはあの声でしょう。そして次には彼女が勝手に創り出す大河ドラマに、

毎回惹き込まれるのでないか、と思ってます。どんな時も聞き流せない歌で

すね。

「行かないで」は、きちんとジャック・ブレルの原詩でした。そもそも芸名の「シ

モン」というのは憧れのフランス女優シモーヌ・シニョーレに因んでの命名だったそうですか

ら、この吹き込みには張り切って臨んのでしょう。

彼女は後年フランスに住み、そこで亡くなりました。当地では外の子供がうる

さいとかで、発砲事件を起こしたこともあるそうです。ジェイムズ・ブラウン並の

ヒス持ちです。確か日本公演中にも、マネイジャーか誰かと大喧嘩して、その腹いせ

に泊まっていたホテルの部屋を滅茶苦茶にした事があったそうです。この話は、

当時そばにいた人から聞きました。これを聞いた後、わたしが彼女の事を、

それ以前よりも更に好きになったのは、言うまでもありません。

「トゥ・ビ・ヤング・アンド・ギフテド・アンド・ブラック」。

 

M18. To Be Young, Gifted And Black(7’40”)Nina Simone

-N.Simone- BMG LSP-4248

 

M19.Twist ’N’ Twangin’ (2’15”)Duane Eddy

-D.Eddy- Not Music NOT2CD565

 

M20.Twistin’ & Groovin’(4’14”)Leon Bridges

-T.Bridges, A.M.Jenkins,J.Block, C.Vivion- Columbia 8887508914 2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 「若く、才長けて、黒人で」、ニーナ・シモン集の締めは、やはりこれでしょう、

と行きたいのですが、積み残しがいくつかあります、来週ちょっと遅延便で

お届けします。例のトリビュート・アルバムの話は一度も出ませんでしたね。失礼。

続いてはデュエイン・エディの「トゥイスティン・トゥワンギン」。これも実は先週の積み残し

でした。世界捻り年、1962年の発表です。次の「トゥイスティン・グルーヴィン」は、

新進の黒人歌手リオン・ブリッヂズの新しいアルバムからの1曲です。いい雰囲気で

すね。2015年の捻り。この新譜は全体がこんな感じ。きちんとした評価は、

、来週以降にいたしますが、このトラックには、文句無し。間奏のスライド・ソロも良

かったでしょ。

今週も特別付録付き。隠し場所と合い言葉は下記の通り。「ヤマ」、「カワ」。

http://firestorage.jp/download/52261df14f4522a11ef72ef555210a06d94b8778

ダウンロードパスワード 6bbxhf1r

これを4分で落とせる人がいるらしいですね。早いなあ。わたしが上げる

のには、全体の尺とほぼ同じ時間がかかってます。しかも監視してないと失

敗する。画面の前を離れられません。本当に、これは面倒です。70分以上、

じっとしてなきゃならない。

来週は、ジミヘンのライヴ盤も紹介します。かなりいいですよ、お楽しみに。

今朝もちょうど時間となりました。こちらは、

http://www.interfm.co.jp/mb/blog/

http://www.interfm.co.jp/mb/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

 

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/09/12

2015年9月12日 / Category:Entry

mb150912

 

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

リッキ—・リー・ジョーンズという、わたしの全く触れた事のない歌い手へのリクエストを

して下さった方から、マグロイサオという名前の由来を教えて頂きました。ありが

とうございます。わたしは確かに何かの強迫観念に追われて生きてるようで

す。ただし、常時働いていないと倒れてしまうような、勤勉男じゃないです

よ。といっても、それほどナマケモノでもない・・・、あー考えるとよく分らない。

では音楽、今朝の1曲目、ザ・マーセルズで「ブル—・ムーン」。

 

M01.Blue Moonlight(2’39”)The Marcels   ‘61

-Rodgers, Hurt- Oneday DAY2CD274

 

N 同名異曲を多く持つ「ブル—・ムーン」、マ—セルズでした。「月がとっても蒼いから、

遠回りして帰ろ・・・」なんて素敵な歌がありましたね、この国にも。

さて、チューシューのメーゲツ協賛で選んだ今朝の1曲目。これにはいつものような

訳がありまして、またまた同じようなコムピ盤を買ったからです。

『ザ・ヴェリ・ベスト・オヴ・ドゥー・ワップ』、2枚組、50のオリヂナル録音を収録し

て、856円。こういうブツの案内が南米の密林から直接届くのです。完全に好

みを読まれています。「ダブるからなあ・・・」なんて考えながらも、ワン・

クリックで購入。熱帯密林奥の極秘資料カモ番付筆頭に「マグロイサオ」と、あったりし

てね。

さあ、今朝は50年代のam帯AMラジオ-DJです。

次はスカイライナーズ、「シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー」、ナインティーン・フィフティ・ナイン。

 

M02.Since I Don’t Have You(2’35”)The Skyliners ‘59

-Rock, Martin, Beaumont, Vogel, Lester, Taylor- Oneday DAY2CD274

 

N 「シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー」、スカイライナーズでした。ほとんどが黒人グル—プの中

で検討するピッツバーグ、ペンシルヴエイニア身の白人ヴォーカル・グル—プ、スカイライナーズ。ド

ゥー・ワップの典型とは「2歩」離れたスタイルですが、これは名曲。盤の流れも崩し

ません。そしてその次の曲、1枚目の20番目のこの歌が、今回のワン・クリック購

入の引き金でした。

 

M03.Barbra Ann(2’18”)The Regents   ‘58

-Fassert- Oneday DAY2CD274

 

N リジェンツの「バーブラ・アン」でした。ビ—チ・ボ—イズが逆転発想的LP『パーティ』で

カヴァしてました。わたしがそれを初めて聞いたのが小学校5年生の時。それ

以来、生涯500曲に不動のランクインをしています。『アメリカン・グラフィーティ』の中にも

入っていますけれど、このトラックでは途中からヲーフマンが喋りを載っけて来るので、

素状態のが欲しかったんです。でも単独アルバムを買う程じゃないし・・・とい

うところに振り込まれた牌、すかさず鷲巣巌、「ロン」と声かけ一打で上がり、

あ、麻雀全く知りませんので、ご容赦。

このリジェンツも完全な黒人集団ではないようですね。各メムバーの名前から想像

すると、ブルックリン辺りのイタリア移民の集まりみたいです。発声もハ—モニ—も別物で

す。

ドゥー・ワップの編集盤というと、やはり黒人グループでまとめられる事が多く、

先ほどのスカイライナーズ、このリジェンツのような歌声は、なかなか聞けません。その

点、これは有り難い。そもそも最初がステレオのディオンとデルモンツで始まる位です。

とは言え、ワン・クリック購入の引き金となったのは、次の決定的な1曲があっ

た事にもよるのです。

 

M04.Love Portion No.9(1’55”)The Clovers ‘59

-Leiber, Stoller- DAY2CD274

 

N ご存知「恋の特効薬」、ザ・クローヴァーズでした。クローヴァーズはアトランティック時代の

ものを持っていますが、この曲はリーバー・ストーラーの作品集、出版社楽曲の売り

込み用に作られたデモ盤に入っているのがあっただけなので、大いに心を動

かされました。そんな事はともかく、この歌は傑作中の傑作と言って良い。

詞曲、編曲、演奏、歌、合唱、どれもこの一瞬でしか味わえない珠玉を集め

た宝石箱のような仕上がりです。間奏の裏で聞こえるコーラス・ワークに注意。痺れ

ます。「ロン」。

 

M05.Heart & Soul(1’53”)The Cleftunes   ‘61

-Carmichael, Loeser- Oneday DAY2CD274

 

N 2枚組50のオリヂナル録音を収録して856円の『ザ・ヴェリ・ベスト・オヴ・ドゥー・

ワップ』から、こちらもあまり紹介する機会のなかったクレフトーンズの「ハート・アンド・

ソウル」でした。オ—プニングの垢抜けない明るい響きがとても好きです。「ロン」。

さて、3月に勝手に6週間続けたドゥー・ワップ集中講座の時にも触れましたよ

うに、プラターズというグループは厄介です。模倣出来ない独特の形をもっていた

からでしょうか、素晴らしいヒット曲が連続し過ぎたからでしょうか、創造的な

黄金期が短かったからでしょうか、ともすると安易な「スタンダード」や「オールデ

ィーズ」の中に埋もれてしまいます。しかしこの2枚組には堂々と2曲が収録

されています。

では、もうどうしようもない名曲、「ザ・グレイト・プリテンダー」をどうぞ。

 

M06.The Great Pretender(2’39”)The Platters ‘55

-Ram- Oneday DAY2CD274

 

M07.Let’s Twist Again(Mummy Time Is Here)(2’20”)John Zacherle ‘62

-Appell, Mann- Not Music NOT2CD565

 

N やや感傷的になりがちなドゥ・ワップ集に続いて突然のノヴェルティ・ソング。お届け

したのは「レッツ・トゥイスト・アゲイン」でした。これは捻り屋チャビー・チェッカーがオリヂナル

ですが、このアメリカのテレビタレント、ジョン・ザカ−ルのカヴァは聞いた事ありましたか。

わたしは初めてです。彼については直接知りませんが、おそらくは奇異な性

格を売り物にする芸人だったようですね。今の「レッツ・トゥイスト・アゲイン」を聞い

ただけでも、変人ぶりは皆さんもお感じになられるでしょう。音頭場(オンドバ)

全屋台食覇を目指す博識ガクが詳しそうな領域です。何か知ってたら教えて下

さい。

チャビーのヒットの1年後に出された盤で、歌詞、演出に手が加えられています

が、バックトラックはどうやら捻り屋と同じものを使っているようです。レイベルがキャ

ミオ/パークウェイだしね。多分ノヴェルティLPのトラック数合わせに吹き込まれた1曲では

ないでしょうか。シングルにはなっていません。

ではオリヂナルを聞きましょう。「レッツ・オンド・アゲイン」の原曲です。

「レッツ・トゥイスト・アゲイン」、捻り屋チャビー・チェッカー。

 

M08.Let’s Twist Again(2’14”)Chubby Checker ‘61

-Appell, Mann- Not Music NOT2CD565

 

N ツイストが続くのには、これまたワケがありまして、同じく密林からの誘いに操ら

れ、PCのキイを叩いてしまったのです。それは『トゥイスティン・ザ・ナイト・アウェイ』と

いうやはり2枚組50曲収録、こちらはちょっと高価、それでも1453円。先

の『ザ・ヴェリ・ベスト・オヴ・ドゥー・ワップ』と同じメイルで売り込まれました。そ

れで、「えーい、もう一緒に来ーい」とばかりに「注文を確定」したのです。

これも楽しい1枚。サム・クックの「踊り明かそうトゥイストで」が冒頭の曲。これ

だけで、もう合格です。ただ、これまであまり比較的知られていないトラックも

沢山入っていました。これもそのひとつ、

ミ—ナで「エクリース・トゥイスト」。

 

M09.Eclisse Twist(2’51”)Mina ‘62

-Fusco, Ammonio- Not Music NOT2CD565

 

N ミーナで「エクリース・トゥイスト」でした。「太陽はひとりぼっち」という邦題の同名映

画主題歌です。聞いて驚いた。完全な歌謡曲ですからね。でも知らなかった

のはわたしだけのようで、園まりの歌ったヴァージョンもあり、持っているベスト

盤にも入っていました。ただこちらは異国旅情を歌ったムード歌謡曲で、この

ような軽快な疾走感はありません。園まりだからねえ。こうはならない。

映画は1962年の公開。アラン・ドロン主演です。「L’e Eclipse」と綴られたポス

タ—もあるけど、どっちが正しいんだろう。

まあとにかく見事なエレキ歌謡です。エミー・ジャクスンの「涙の太陽」は、これを

お手本に作られたんじゃないでしょうか。

このコンピ盤『トゥイスティン・ザ・ナイト・アウェイ』に収録されているのは、ほとんど

が1962年発表の物。この年、世界中がトゥイストに明け暮れていたようです。発

祥の国、アメリカ合衆国では保守反動の象徴、フランク・シナトラまでが腰を捻っていま

した。

 

M10.Everybody’s Twistin’(2’29”)Sinatra   ‘62

-Berry, Rubanis, Leeds- Not Music NOT2CD565

 

M11.The Bassie Twist(2’22”)Count Bassie & His orchestra     ‘61

-Carter- Not Music NOT2CD565

 

N 全米芸能界を代弁するかのようなゴーヂャスなサウンドのトゥイスト、「みんな捻ってる

ぜ」、でした。シナトラも捻っていたひとりだった訳ですね。後半のブレイクでリズミカ

ルに引っ張って行く辺りは、シナトラの歌の上手さが感じられますが、こういうダ

ンス曲に必要な「溌剌とした若さ」が足りない。まだたったの47歳だよ、この

時。もっとやれただろうになあ。

続いての器楽曲は「ベイシ—男爵のトゥイスト」でした。これカッコいいね。クインシーの

「ソウル・ボッサ・ノーヴァ」は、これからの発想だな。ベイシ—の少し照れながらのソロ

も面白い。ブラスのアンサムブルは流石です。

さて60年代初頭の全米捻り熱病は、ハリウド、カンザスシテシィ、そしてニューオーリンズ

にも感染地が拡大しました。

プロフェッサ—・ロングヘアで「ホウル・ロタ・トゥイスト」。

 

N12.Whole Lotta Twistin’(2’13”)Profess0r longhair   ‘61

-Byrd, Terry- Not Music NOT2CD565

 

M13.Soul Twist(2’37”)King Curtis   ‘62

-Ousley- Not Music NOT2CD565

 

N プロフェッサ—・ロングヘアで「ホウル・ロタ・トゥイスト」、そしてキング・カーティスの「ソウル・トゥイス

ト」でした。いつ聞いてもカッコいいです。カントリ—歌手ドゥワイト・ヨーカムがライヴのテ—マ

曲にしていてね、これも良かった。かつてわたしは、テレビのヴァラエティ番組「と

んねるずのみなさんのおかげですよ」の中の小さなコーナーの音楽を担当してい

たことがあって、それはブロ—ドウェイの小劇場で行われているコント中継という設

定で、MCは本物の白人。木梨憲武と小人プロレスのリトル・フランキーが出て来る舞台

の前にオーケストラ・ピットがあって、黄色いタキシードを着せられたバンド屋たちがコント

に合わせた生演奏を付けて行くんです。そのテーマに、わたしはこの「ソウル・トゥイ

スト」を持って来ました。あのギターのリフで幕が開き、MCが登場。コントが落ちて、

リトル・フランキーが逆立ちで走り回ってハラホロヒレハレで終ると、また「ソウル・トゥイスト」で

幕。結構キマってました、というのは自画自賛で、数回で終了でしたね。「ソウル・

トゥイスト」に何も罪はありません。

 

M14.Slow Twistin’(2’29”)Chubby Checker & Dee Dee Sharp ‘62

-Sheldon- Not Music NOT2CD565

 

N 捻り屋チャビーと同僚ディー・ディー・シャープのデューオで「スロウ・トゥイスティン」、これも

名曲です。こういうシムプルな造りで魅力的な音楽は、もう出て来ないのかな。

さて、ここまで世界中を席巻したトゥイスト、大元となった最初の1曲は、シング

ルのB面という形で世に出ました。ブ—ムとなる4年前にハンク・バラ−ドとミドナイタ

ーズが吹き込んでいましたが、J.B.の映画にも出て来る分からず屋、搾取家のキ

ング・レコ—ズ社主シド・ネイサンがこれを嫌って、このよう不当に処理されたそうで

す。全米人気テレビ番組「アメリカン・バンド・スタンド」の司会者ディック・クラークが拾い

上げてくれなかったら北半球を覆ったこのダンス熱病は巻き起こらなかったか

も。そうしたら、ビートルズの「トゥイゥト・アンド・シャウト」も世になく、わたしの人

生も大きく変わっていた事でしょう。その方が良かったか・・・。

ではその発端となった元祖「ザ・トゥイスト」、ハンク・バラドとミドナイターズです。

ちなみにこの歴史的重要作品は、この2枚組『トゥイスティン・ザ・ナイト・アウェイ』に

は収録されていません。何故なのかなあ。

 

M15.The Twist(2’37”)Hank Ballad & Midnighters   ‘58

-Stewart- アメリカーナ AM-23005B

 

M16.The Worst Is Yet To Come(3’57”)Keb’ Mo’ ‘15

-K.Moore- Kind Of Blues

 

N   さて、am帯AMラジオ-DJから2015年の「幻」DJに戻って続けましょう。

マグロイサオです。

47年の時空を超えてお届けしたのは、ケブ・モの新譜から、「最悪な時はまだ

来ていないよ」でした。大丈夫、という楽観なのか、もっと悪くなるという

悲観なのか、とにかくまだどん底ではない、と歌うケブです。この新譜、いい

です。いい仕上がりですね。全体にとても賢さが出ている。メイジャー・カムパニー

CBSを離れて、プレイング・フォ−・チェインヂの援助で活動を続けているようですが、

とても充実した作品が並んでいて、これまでの一貫した品質が保たれていま

す。ちょっといい子過ぎるかな。今週はドゥ・ワップとトゥイストへの緊急対応で予

定変更となりましたが、来週もっと聞いてもらいましょう。

そして、もう一枚。思わず唸らされた新譜があります。

 

M17.Born To Play Guitar(4’55”)Buddy Guy

-B.Guy- RCA 88875-12037-2

 

N カッコいいねえ、バディ・ガイです。『ギター弾くために授かった命』という題名の

新作表題曲、これがズシリと来ましたね。全体を通して聞くと、各種のパタンが

考えて収録されている、アルバム時代の作品としても立派な出来です。今年で79

歳か、やるねえ。こちらも来週のお楽しみ。

さて次は復活の1枚からです。おそらくどなたもご存じないでしょう。

ディ・エクサイターズで「ヌウ・バグ」。

 

M18.New Bag(6’25”)The Exciters

-J.Brown- Sound Way SNDWCD007

 

N 終り方があんまりですが、圧倒的なジェイムズ・ブラウン影響下にある、ディ・エク

サイターズの「ヌウ・バグ」、かの「パパ・ガッタ・ヌウ・バグ」を土台にJ.B.のダンス物

を組み合わせています。ラテン調を拭えないながら、ファンクへの熱い眼差しが感じ

られるところがいいですね。作者クレジットもちゃんとJ.B.になってる。エライ。

これは『パナマ!』という2006年に出たコムピ盤です。何年か前に手に入れて

この夏に聞こうと思っていたんですが、車のCDプレイヤ—に入っている時に、

後付け電装品が全てイカれるという急病が発声して、取り出せなくなってしま

ったのです。かなり複雑で面倒な症状で、長期入院でしたが完治せず。一般

走行には影響ないので一時退院後通常使用していましたが、この『パナマ!』は、

ずっと呑み込まれたままでした。

暑かったと思いますよ。北欧の音楽だったら熱中症で死亡していたでしょ

う。このたび少々の荒療治でオーディオが復活。無事に救出されました。本来で

したら熱い最中に聞いてもらおうと思っていましたが、もう秋。でもいいで

しょう、この盤から行きます。

今のは1971年の録音、次は72年の作品です。これもファンクですね、

「エル・メンサイエ」、ロス・ファビュロソス・フェスティヴァルです。『パナマ!』。

 

M19.El Mensaje(3’30”)Los Fabulosos Festivals

-Cymande- Sound Way SNDWCD018

 

N 「エル・メンサイエ」、ロス・ファビュロソス・フェスティヴァルズでした。いつものようにスパニッシ

ュのカタカナ表記には自信、確信ともにありません。念のため。

このアルバム『パナマ!』のライナには各曲を分類する表記がありまして、これは「ソ

ウル」になっています。わたしにはディスコ症候群に感染する直前の大型ファンク・グ

ループのダンス曲に聞こえました。日本のレコード会社主体で70年代に作ろうとし

た、ファンキ音楽との共通性も感じますね。参考までに前の「ヌウ・バグ」は、「ソウ

ル・ブーガルー」でした。

全曲にクレジット、解説などの文字資料がしっかりと付いていまして、良心的

な1枚と言えるでしょう。もう少し大きな文字で印刷してくれたら良かった

のに。

 

M20.Viva Panama(3’09”)Papi Brandao Y Sus Ejectivos

-P. Brandao – Sound Way SNDWCD018

 

M21.Old Buzzard(3’02)los Silvertones

-C.Allen-   Sound Way SNDWCD018

 

N 先のはクムビアの「ヴィヴァ・パナマ」、パピ・ブランダーノとスス・イエクティヴォズ、1969

年の録音でした。パナマ歌謡曲、といった趣きですね。そして次はロス・シルヴァトー

ンズの「オールド・バザード」、これは聞いてお分りの通りカリプソです。

このように、他の中米の国々のように特定の強大な音楽がなく、様々な種

類の物が混在するのがパナマの音楽現状でしょうか。これも日本と似ているな。

とは言えやはり中央アメリカのスペイン語圏内ですから、サル—サの延長線上に全てが

あるような気もします。先のジェイムズ・ブラウンにも強いサル−サの血を感じました。

この『パナマ!』には続編が出ていまして、手許には「2」でなく、「3」があり

ます。こちらも非常に面白い。来週お聞きいただく予定です。

では『パナマ!』から、ヌウ・ヨーク・ラテンを意識したような、オーケストラのプログレッシヴ

な演奏をどうぞ。

「デスカルーガ・チナクション」、ボリタ・イ・ス・チナクション・ラティーナです。

 

M22.Descarga Tinaction(8’31”)Bolita Y Su Tentaction Latina

-B.Gomez- Sound Way SNDWCD018

 

M23.All In Love Is Fair(3’43”)Stevie Wonder

-S.Wonder- BMG BVCM-5007

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 最後はスティーヴィーの「オール・イン・ラヴ・イズ・フエア」。邦題の「恋」ってのもなあ。

布施明じゃないんだよ。

先々週ですか、この時代スティーヴィーの3部作についてエラソーな事を言った直後

にヴェンテンさんからリクエストをもらいまして、探したら『イナーヴィジョンズ』、持って

ないじゃあーりませんか。慌てて手に入れてお送りしました。

ヴェンテンさん、盆踊り来られなかったんですね。初日の止まない雨の中で準

備を続けながら、「最強晴れ女が絶対来てくれる」と祈っていました。そうか、

来られなかったのか。とすると「最強本当に晴れ女」なんですね。

可笑しい事もありました。初日が終って舞台前で片付けをしていたら、妙

齢の女性が近づいて来て、「鷲巣功さんを、お願いします」と言うんです。

「はい、わたしです」と答えても、「いえ、鷲巣功さんです」と、もう一度。

「わたしが本人です」と言ったら、なんと「息子さんですか」だって。

「あの方はもっと重厚で含みのある方です」ともおっしゃる。

目の前にいる現物がよほど軽薄に見えたんでしょう。納得が行かないよう

でした。申し訳ない。それにしても「息子」とはなあ。こんな事は初めてだ。

他にもね、修がメイルで「地下鉄のポスタ—に出てる問い合わせ先、あれ鷲巣さ

んの携帯電話番号じゃないですか」って教えてくれました。確かにそうでし

た。どこでこうなったのかな。今年は関西の浪曲の重鎮をズラリ揃えたから、

早くから問い合わせが多くて、それもわたしのところにかかって来る。

開催間際なんて大変でした。初日にイントレの最上段で作業してる時に、「雨で

すが開催ですか」、「会場へはどう行けばいいんですか」なんて知らない人か

らの電話に対応しなきゃならなかったんです。一緒に高い所に居る仲間は実

に面白そうでね。いやはや何とも・・・。

みなさんのお陰であの突発時の周辺状況がはっきりして来ました。何人も

の方が、ご協力下さったようで、今更ながら感謝の気持ちで一杯です。また

改めてご挨拶させて頂きます。

先週の大雨、皆さんは被害に遭われていませんか。類似穴さんの鎌ヶ谷に

も避難指示が出ていました。大丈夫でしたか。わたしの近所では何も起こり

ませんでしたが、ちょっと不安になるような降りでした。わたし自身には、

ちょっとした被害がありました。二次、三次災害もね。

毎年この時期に続く大雨、長雨。この国の気候が変ったんだ、という思

いが確実になってきました。明らかな地球の変化です。

先週の特別付録、如何でしたか。直接は何の反応もなし。ちょっとガックリ。

今週も付録ありますよ。試してみて下さい。下記アドレスに用意してございます。

http://firestorage.jp/download/a8e7094db0498e70da480cf7adc43c72f11ce85a

ダウンロードパスワード iqpvwbce

いつも上げるのにとても時間がかかります。なぜだろう。電波状況かな。皆

さんが落とす時は如何でしょうか。

来週は、ストリート・ファイティング・メン・アンド・ウィメンの山場。

「幻」ではひとつの謎解きもあります。お楽しみに。

今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、

http://www.interfm.co.jp/mb/blog/

http://www.interfm.co.jp/mb/

「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

「ロン」・・・、「ヤス」・・・。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/09/05

2015年9月5日 / Category:Entry

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前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

マグロイサオという名前も先週頂戴致しました。なぜマグロだ。

9月の3時というと完全に夜明け前ですね。考えてみれば、あと2週間で秋分の日です。

今朝の1曲目は、ダクタ・フィールグドとインターンズで「ミスタ・ムーンライト」。

 

M01.Mr.Moonlight(2’39”)Dr.Feelgood & Interns

-R.L.Johnson- Varese Sarabande 302 066 334 2

 

N 盆踊りが終ったら、急に「寒さ」を感じる程の秋になってしまいました。風

邪ひいた人もいるんじゃないでしょうか。今年の「名月」は27日との事です。

奇麗に見られますように祈りをこめて「月光様」、ダクタ・フィールグドとインターンズ

でした。ビートルズのカヴァで有名ですね。ジョンが情熱的に歌っています。

次のは、オリヂナルがビートルズのカヴァだと言うんですが、果たして分る人いるか

な。

 

M02.フローム・ミー・トゥ・ユー(2’42”)エミ・ボニージャ

-J.Lennon, P.McCartney- オーディブック ABCD132

 

N フラメンコ版「フローム・ミー・トゥ・ユー」だそうです。わたしはまだどこが「フローム・ミー・

トゥ・ユー」なのか分らない。エミ・ボニージャという在スペインの歌い手ということ以

外は不明。他に3曲のビートルズ・ナムバを持っているそうです。でも、これがこ

の歌とはねえ・・・。

 

M03.フローム・ミー・トゥ・ユー(1’57”)ザ・ビートルズ

J.Lennon, P.McCartney- EMI TOCP-71052

 

N オリヂナルの「フローム・ミー・トゥ・ユー」、ザ・ビートルズでした。2曲は繋がりましたか。

これはかつて中村とうようが著作隣接権の切れた原盤を編集してまとめてい

たオーディブック・シリーズからです。今週レコ—ド店で久し振りに数種類を見かけまし

て、その中のこれまで知らなかった『ロック・アラウンド・ザ・ワールド』という1枚

に収められていました。ロックンロ—ル出現後、この音楽がどのように世界に影響を

及ぼして行ったか、レコードという実例を基に証言して行く面白いアルバムです。

「堅物」の印象が強く残る中村とうようも、ノヴェルティ系や可愛い音楽がかなり

好きだったようで、この作品でも彼のそんな性格と積み重ねられた知識が、

ほど良い釣り合いを見せています。

この中からもう1曲ビートルズ・チューンを聞いて下さい。西アフリカ、ガンビアのス—パ

—・イーグルズというロック・バンドの「ヘイ・ジュード」です。

 

M04.ヘイ・ジュード(3’14”)スーパー・イーグルズ

-J.Lennon, P.McCartney- オーディブック ABCD132

 

N ビートルズ、というよりウィルスン・ピケットのヴァージョンのカヴァですね、この「ヘイ・ジ

ュード」は。ガンビアのス—パ—・イーグルズでした。多分白人の泊まるホテルなどで演奏

するトップ40バンドなんでしょう。英名だしね。

このアルバム『ロック・アラウンド・ザ・ワールド』には、このように全世界の「ロック・

インフルーエンスド」エスニック歌謡曲がいっぱい入った楽しい内容。わたしは全て初めて

耳にする物ばかり。さすがレコード蒐集家、中村とうようの面目躍如です。

さて、ビ—トルズといえば、白夜書房から2006年初版、2009年に改訂版が発

行されていた「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」というのを読み終えました。

新品定価が2,800円だったのですが、2倍以上の高値で古本を購入。

著者はジェフ・エメリックという、彼等のセッションに最も長い時間付き合っていたエンヂ

ニアです。有名な「ビートルズ・レコーディング・セッションズ」の他にもスタジオ内の彼等の

ドキュメント的書物は沢山ありますが、情緒的に語られる事の多い他のものより、

ジェフの目を通しているとは言え、ここには説得力にみちた事実が満載でした。

彼が実際にビ—トルズの録音担当者として仕事を始めたのはアルバム『リヴォルヴァー』

のセッションからですが、その途中にあったシングル「ペイパーバック・ライター」の録音で、

新任エンヂニア、ジェフ・エメリックは素晴らしい仕事をします。

 

M05.ペイパー・バック・ライター(2’26”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney- EMI TOCP-71053

 

N 「ペイパーバック・ライター」でした。このトラックの特徴は何と言ってもポールのベイス

です。この頃から彼は録音でリケンバッカーのソリッド型に楽器を変更しました。そし

て、全盛期のジェイムズ・ジェイムスンが縦横無尽に低音ビートを叩き出すモータウンのレコード

を聴いては、もっと質感の高いベイス音を録れないか、と研究していたそうで

す。ここではジェフが低音用ス−ピーカーをマイク代わりに使うというコロ玉発想を実践

し成功に導いたあらましが、やや興奮的に語られています。全ての出来事は、

現在のように録音作業がコムピュータ主導で厳密に仕切られる以前ですから、作業

中のエンヂニアには、常に創意工夫が求められた時代です。

この一冊の前半はこのような技術的な奮闘記、そして後半は内部関係が悪

化し始めたロック・バンドとの付き合いが主な内容になっています。ラリッたメンバー

に振り回されて嫌気がさし、栄光の座を逃げ出す顛末も語られます。真実味

は確かに高い。

その他、歌、演奏、録音で過ちを犯して、そのまま世に出ている部分が、

エンヂニアらしく正確に記述されているのも、嬉しかったですね。意外と杜撰に

行われていた彼等の録音です。これまで何回聴いても疑問が解消しなかった

この歌も、間違えて歌っているのだ、とようやく納得が行きました。

 

M06.アイル・ゲット・ユー(2’06”)ザ・ビートルズ

-J.Lennon, P.McCartney- EMI TOCP-71052

 

N 「アイル・ゲット・ユー」、サビの部分のジョンは、ヴォーカル1本目とオーヴァダビングの2

本目で違う言葉を歌ってます。しかもその場でその時にみんな分っていたよ

うです。こういう判断も、最終的には全権プロデューサーのジョージ・マーティンが下し

た訳ですね。今も神様のように君臨するジョ—ジ・マーティンのスタジオ内での素顔も

描かれていて、わたしとしては「やっぱりな」という感じでした。他にも当

時のEMIスタジオの服装規定や仕事中の食事など、興味を惹くこぼれ話は盛り

だくさん。定価の2倍以上で買ったのも充分に元が取れた、という印象です。

あ、発行人が末井昭だった。

 

M07.リトル・レッド・ルースター(2’53”)サム・クック

-W.Dixon- ポリドール POCD-1907

 

N まだ16歳のビリー・プレストンをフィ−チュアしたサム・クックの「リトル・レッド・ルースター」で

した。

メンバーの間がこじれて行き、外部からも招かれざれる客が侵入し、混乱を極

めていた1968年からのビートルズ・ゲット・バック(レット・イト・ビ)・セッション。これを

音楽的になんとかまとめたのが、鍵盤楽器で参加した黒人青年ビリー・プレストン

だったはずです。わたしはこの「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」を読み進

むにつれて、堂々巡りを繰り返すじれったいスタジオ・ワークに、いつ彼が登場し、

ジェフと協力して録音作業を進めて行ったんだろう、と思っていたのですが、

ビリーはそれほど出て来ませんでした。ジェフがビートルズから逃げ出している間に

行われたのが、このセッションなんですね。場所もEMIではなかったし。ビリーは、

ビートルズのハンブルグ時代の知り合いで、テレビにレイ・チャールズのバックで出ているの

をジョージが見つけて、スタジオに引っ張って来たと聞いています。

その効果は絶大。シングル「ゲット・バック c/w ドント・レット・ミー・ダウン」だけを聞

くだけでもそれは分ります。それもそのはず、6年も前に今の「リトル・レッド・

ルースター」のような演奏が出来ていたのですから。

では次に18歳のビリー・プレストンを聞いて下さい。

レイ・チャールズでもお馴染みですね、「涙に溺れて」。

 

M08.Drown In My Own Tears(3’36”)Billy Preston

-H.Glover- Pヴァイン PCD-5346

 

M09.ソウル・セレナーデ(5’36”)キング・カーティス

-C.Ousley, L.Dixon-   イーストウエスト AMCY-2905

 

N ビリー・プレストンで、「涙に溺れて」、そしてキング・カーティス永遠のフィルモア・ウエスト実況

録音から「ソウル・セレネイドゥ」でした。「涙に溺れて」後半の3連アルペジオが、「ソウ

ル・セレネイドゥ」にも共通していましたね。ゲット・バック・セッションの後ビリーはソロ・アー

ティストとしてアップル・レコードと契約。盟友ジョージ・ハリスンの制作で2枚LPを出して

ます。ビートルズ色が濃いのは状況的に仕方ないでしょうが、同時代的ゴスペル感

覚の強烈さには、今聞いても圧倒されます。偉大な天才でした。

さて、ここにもビリ—・プレストン級の天才的オルガン奏者がいます。

大阪の現役女子中学生、山田音於のデビュー・アルバムから、

「カマキリ」。

 

M10.Mantis(4’32”)山田音於

-N.Yamada- O.G. Recorde OGD 0001

 

N 現役中学生ながら、成人男性のギタリスト、ドラマーを従えて堂々とハモンド・オルガン

を演奏する山田音於、名前は「ネオ」と発音します。如何でしたか。

時折この種の天才少年少女は出て来ます。ブルーズ・ハープの太郎という子が

いて、みんなを驚かせた事がありますね。いつか妹尾隆一郎と一緒の舞台が

あって、その袖に居るふたりを見た事があります。面白かったですよ。妹尾

ちゃんがね、本気になって夢中で話してんの。太郎の方が余裕がある感じ。

笑っちゃったですよ。あの人の言動には、こういう無意識の可笑しさがあり

ます。

さて山田音於、このアルバムで演奏されるのはジャズの定番がほとんどなんで

すが、今のは彼女のオリヂナル・ブルーズ。テーマがなかなか個性的で惹かれました。

ギタリストもいいね。かなりウエス調ではありますけれど。

どのような環境かは不明ですが、彼女自身の純粋な指向として今の形があ

るとはちょっと考え難いところです。またこのアルバムでは、徹頭徹尾オールド・

スクール・マナーに徹底しています。オルガン・ジャズの理想的な形が、60年代から70

年代に、多くの優れた演奏者によって作られたのは揺るぎない事実ではあり

ますが、わたしとしては、彼女に21世紀生まれの新しいオルガン・ジャズ感覚

を求めたい。次に何をやってくれるかに期待します。回りに潰されず、将来

どう成長していくか、遠くから見ていましょう。。

では女流ジャズ・オルガンの大先輩シャーリー・スコットが、かつての亭主スタンリー・タレンタイ

ンとビリー・ホリデイのナムバーを聞かせてくれます。

「ガッド・ブレス・ザ・チャイルド」。

 

M11.ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド(3’58”)

スタンリー・タレンタイン・フィーチュアリング・シャーリー・スコット

-B.Holiday, A.Herzog jr.- 東芝TOCJ-5239

 

M12.あなたに夢中(3’59”)エリーダ・アルメイダ

-E.Almeida- リスペクト RES-269

 

N さて2015年の新しい音です。1993年にセネガル沖のカーボヴェルデ共和国とい

う島で生まれた女性、エリーダ・アルメイダのアルバムから「あなたに夢中」でした。

本邦初登場となるこの女性、お聞きのようにとても爽やかです。洗練度も高

い。これで見た目が純情可憐だと「インチキだー」になりますが、ご安心を。逞

しさの感じられる容貌です。ここまでも、楽な人生ではなかったようですね。

アルバムの中にはギター主体の簡素な演奏で感傷的に歌われる楽曲も多く収録

されています。ただこういうのは英語詞だったら、普通のポップ曲と変りがな

くなってしまう程に洒落ているので、わたしは先のようなリンガラ、ルムバロック調

の方が気に入りました。さまざまな種類の踊りが出て来るPVもあります。

場所は、https://www.youtube.com/watch?v=eszj1xPGJiU。観て下さい。

ではエリーダ・アルメイダ、アルバム『歌わずにはいられない』から日本だけのボーナス・

トラックです。「私たちの素晴らしい宝物」。

 

M13.私たちの素晴らしい宝物(4’18”)エリーダ・アルメイダ

-E.Almeida- リスペクト RES-269

 

N まさに2015年のアフリカ音楽と呼ぶのに相応しい響きですね。かと思えば、こ

んな2015年の新録もあります。

 

M14.Wababa Na Wayaya(11’27”)Mchoya & Nyati Utamaduni

-unknown- Umoja Audiovisual (E.A)LTD A2174

 

N タンザニアのゴゴ族の師匠ムチョヤとニャティ・ウタマドニです。先ほどのエリーダ・アルメイダと

はかけ離れたひびきですが、こちらも2015年の制作。大所帯のヴォーカル・グル

ープ、いやクワイアと行った方がいいかな。聞いた瞬間にピグミーのポリフォニーを連想

しました。イクヲールではありませんが、間違ってもいなかったようです。

大勢の声の豪快な響きに圧倒されて、それで引っ張られますが、ヴォーカル・

アンサムブルの成り立ちはとても複雑で、全体構成もかなり考えられていますね。

こういう形で今も音楽として成立しているのには、少々驚かされます。11分

を超える長尺ですが、フェイド・アウト。何時まで続いたんでしょうか。これとは

違うテイクですけが彼等が野外で実演を見せてくれます。エルスール・レコーズのウェブサイ

トから入って行って下さい。

http://elsurrecords.com/2012/06/21/mchoya-nyati-utamaduni-china-nyemo/

そしてもうひとり、マリのカイラ・アービイという女傑の新譜も素晴らしい出来で

した。

 

M15.Al Jama’a Bisimillah(6’46”)Khaira Arby

-trd. arr.by K.Arby- Clermont Music CLE011

 

N   砂漠でマーシャル・アムプを鳴らすティナウェリンが一般化させた、アラビック・スケールを使うハ

—ド・ロック的ギター・ソロは、完全にこの地域の表現手段となった感があります。

でもここでは、それを上回る唄の迫力が驚異的。この手の人はすぐにアリサ・

フランクリンと対比されますが、民族衣装姿の彼女を見ると、確かにアルバム『至上の

愛』のアリサにイメヂが重なって来ます。

カイラ・アービイ、先日出たばかりのアルバム『ゴシップ』からもう1曲聞きましょう。

「ウームー・サル」。

 

M16.Oumou Sall(4’54”)Khaira Arby

-trd. arr.by K.Arby- Clermont Music CLE011

 

N 先週は品川図書館から2枚のCDを借り出しました。ひとつは、ザ・フ—のベ

スト盤。これからは「サマタイム・ブルーズ」を使用。そしてもう一枚はワーナーのコンピ盤

『ベスト・オブ・フォーエバー・ヤング RED』というC調なタイトルの1枚。こちらは「ア

ントニオの唄」をお届けするためでした。それに無視出来ない1曲が入っていま

したので、返却前に聞いてもらいましょう。

ラモーンズで「ドゥ・ユウ・リメンバー・ロックンロール・レイディオ」。

 

M17.リメンバー・ロックンロール・レイディオ?(3’52”)ラモーンズ

-Ramones- ワーナー WPCR-75681

 

M18.Home Village Identity Event(5’50”)Radio Vietnam

SFO95

 

M19.フィーリン・グルーヴィー(2’39”)ハーパーズ・ビザール

-P.Simon- ワーナー WPCR-75681

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 何故かわたしはいつもナンパな印象を受けるラモーンズで「ドゥ・ユウ・リメンバー・ロッ

クンロール・レイディオ」、ベイ・シティ・ローラーズの「サタデイ・ナイト」みたいでした。そして

次は本物のラジオ放送、レイディオ・ヴィエトナムの「ホーム・ヴィレッヂアイデンティティ・イヴェント」、

これは実際の放送を収録してコラージュしたもののようです。なかなかイクサイティング

です。このアルバムにはあと12のトラックが収録されています。もっと刺激的なも

のがあったら、また聞いてもらいましょう。

最後はハーパーズ・バザールで「フィーリン・グルーヴィー」、アル・クーパーのロック・ジャム2枚

組『フィルモアの軌跡』からのシングル曲にもなっていました。サイモンとガーファンクルの「59

番街橋の歌」ですね。これも『ベスト・オブ・フォーエバー・ヤング RED』に入ってい

ましたので、返却期限前にお届けしました。

 

さて、先週終了した「第34回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」重ねて御礼

申し上げます。27日に倒れた成人男性は、回復に向かっています。直接話を

する事も出来ました。完全に復調するまで、ゆっくり治してもらいましょう。

現場でのみなさんの適切な対応には、深く感謝しています。お陰さまで大

事に至らずに済みました。その辺りを只今調査中ですので、状況をご存知の

方は教えて下さい。当事者の方には名乗り出てもらいたいな。AEDをファミリ—マ

—トまで取りに行ってくれた「ヤマダマユミ」さん、この放送を聞いていまし

たら、どうぞご連絡下さい。

 

それ以外の皆さまにも、厚く御礼申し上げると共に、先週ファイアストレイヂに上

げたオンドミクスの収録曲を以下に記します。ご参考までに。今回これは3日間で

削除されてしまいまして、苦情が来ましたので、新たに再び上げておきます。

9日までは落とせる筈です。新しいありかは、下記の通り。

http://firestorage.jp/download/d45f8d15629b80aa092e61021087b6c2737337e7

ダウンロードパスワード u8xj0f7n

 

上州男一/京山幸枝若   テイチク TECH-32296/7

お笑い鉄砲節/鉄砲博秋 コロムビア COCJ-33830

民謡鉄砲節/鉄砲光三郎 テイチク TECH-32296/7

商売繁盛じゃ笹もってレゲエ/James Bon テイチク TECH-32296/7

大阪人情町歩き/Korikimaru SRS-001

旅立て俊徳丸/初音家賢次 歌舞音曲 KB-1001

赤城の子守唄/三音家浅王丸 歌舞音曲 KB-2000

江州音頭唯丸節/桜川唯丸 テイチク TECH-32296/7

気持ちヨホホイホイ/月乃家小菊 歌舞音曲 KB-1000

気持ちヨホホイホイ(ダブ)/スティーヴン・スタンリ 歌舞音曲 KB-1000

大阪人情町歩き(ダブ)/Ken Ken SRS-001

旅立て俊徳丸(冷や醒まし惰撫)/速水直樹 歌舞音曲 KB-1001

赤城の子守唄(惰撫)/速水直樹 歌舞音曲 KB-2000

河内音頭の伴奏/西崎恵美子(shm.)今野進(tko.)小山進(gtr.)

テイチク TECH-32296/7

DUB・商売繁盛/久保田真琴 コロムビア COCJ-33830

千両幟(Massive Gollywood)/久保田真琴 テイチク TECH-18295

 

いずれもここ数年のCDですから、購入可能です。特に歌舞音曲レイベルは不

良在庫が山になってますから、すぐにお届け出来ます。アマゾンでどうぞ。

 

そして更に今週は特別付録として、今朝放送の楽曲をファイアストレイヂに上げま

す。いつもムジ火の鳥さんが使用楽曲を熱心に探して告知してくれていたので、

申し訳なく思っていましたが、CD素材ならちょっとした手間だけで掲載可能

なので、一度やってみます。ただ制作時にはアナログで通して収録するので、ひ

とつのファイルになります。トラック毎には切れません。原則的に台本に則って1

曲ずつ、繋げている部分はそのように処理してありますが、業務用専門機器

を使っている訳ではありませんので、キューは曖昧です。共にご容赦下さい。アナ

ログ盤が絡んで来ると、ちょっと面倒になりますが、如何いたしましょうか。

今回の自身の感想は・・・、来週のお楽しみ。さてどうしましょう。とりあ

えずの試み、ご感想をお願いいたします。ダウンロードはこちらからどうぞ。

http://firestorage.jp/download/568877a0b0829c7da08a667bc55b50fc20c48b8c

ダウンロードパスワード u8xj0f7n

 

さて今朝もちょうど時間となりました。

こちらは、

http://www.interfm.co.jp/mb/blog/

http://www.interfm.co.jp/mb/

「マボロシ」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

s-IMGP1339

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/08/29

2015年8月29日 / Category:Entry

mb150829

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。
ようやく涼しい風が吹き始めました。
今朝の1曲目は、アイズリー・ブラザーズで「サマー・ブリーズ」。

M01.Summer Breeze(6’15”)The Isley Brothers
-Seals, Crofts- Rhino R2 70909

N テキサス出身、「テキーラ」の元チャムプスのメンバーだったというシールズ・アンド・クロフツのオリ
ヂナルですね、「サマー・ブリーズ」、アイズリーのカヴァでお聞きいただきました。アイズリー
のも確かに涼しそうなんですが、もうひとつ、どこか官能的な味わいが漂い
ます。流石でございます。
世界陸上を観ていましたらの中継番組スポンサーだったTDK、もと東京電気化
学が、スティーヴィ・ワンダーを起用して、テレビ・コマーシャルを打ってました。そこで使
われているのは、この曲。「ハイヤー・グラウンド」です。

M02.Higher Ground(3’34”)Stevie Wonder
-S.Wonder- Motown

N その昔、マイルス・デイヴィスを担ぎ出してコマーシャル打ってましたね、TDKは。スティ
ーヴィも2度目じゃなかったかな。大物好きなんでしょうか。この前は「心の
愛」だったはず。そのころはカセット・テイプを売ってたから、こういうコマーシャルも
効果的だったでしょうが、今TDKは、わたしたちが直接買える物を市場に出
しているのでしょうか。あのロゴタイプを、長いこと見た事ないなあ。
それはともかく、1973年のアルバム『イナー・ヴィジョンズ』から、シングルでも出て
いた「ハイヤー・グラウンド」でした。『トーキン・ブック』、この『イナー・ヴィジョンズ』、そ
して『ファースト・フィナーレ』、この3つが革命的三部作と呼ばれます。確かにそれま
でにない音楽の世界を完璧な形で創り上げた、この時代のスティーヴィ・ワンダーは、
恐ろしいまでに研ぎ澄まされた才能の塊でした。わたしは『ファースト・フィナーレ』
が、何故か好きだなあ。『イナー・ヴィジョンズ』とジャケットの色彩感が似ているので、
頭の中でよく一緒になってしまいますが、こっちには決定的なこの曲が入っ
ているので、絶対に外せません。

M03.Boogie On Reggae Woman~Drum Solo~Satain Soul(5’32”)Stuff
-S.Wonder, B.White- Video Arts

N 1976年の劇的、衝撃的なデビュ−・ライヴ、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのステーヂ
から、スティーヴィ・ワンダーの『ファースト・フィナーレ』収録曲「ブギ・オン・レゲ・ヲーマン」、
ステーヴ・ガッドの驚異的なドラム・ソロを挟んで、バリー・ホワイトの「サテン・ソウル」とメド
リーでお届けしました。
76年の夏から秋にかけてわたしは、このスタッフのモントルー・ライヴを毎晩聞いてい
ました。FM東京の特別番組の「エア・チェック」でね。当時マルイの月賦を払い続け
ていた4チャンネル・オープン・デッキを使ったにも拘らず、完全収録に失敗して部分
的にしか楽しめませんでした。
その半年先にこの放送局で仕事をする事になったわたしは、スイス国営放送か
ら送られて来て放送に使われ、放り出されていた実況録音素材の所在を偶然
見つけました。こっそり自分用に完全版デュプリケイトを作って持ち帰ったのは言
うまでもありません。
それから32年経ってこのCD『ライヴ・アット・モントルー1976』が出て、世界中の
誰もがその演奏を楽しめるようになりました。日本でとても人気があったこ
のR&Bインストルメンタル・グループ、スタッフは、わたしの判断だと、このモントルーの時の演
奏が最良で最高ですから、これには感謝感激マメタカネでした。その昔に不完全エア
チェックを一緒に何回も聞いていたガ—ル・フレンドに再会した時がちょうどこの盤の
発売直後で、半ば興奮的に伝えたんですが、「ふーん。まだそんなの聴いてん
の」と、まるで相手にされなかった記憶も鮮明です、ハイ。

M04.Give Life Back To Music(4’35”)Daft Pank
-Daft Pank- ソニー SICP-3817

N ほんの3年前なのに、既に妙な懐かしさが漂う「ギヴ・ライフ・バック・トゥ・ザ・
ミュージック」、ダフト・パンクでした。アップ・テムポーの楽しいダンス曲ですけれど、わた
しは聞く度に不思議な寂寥感に囚われます。これに関して、初めてエリスに寄せ
た拙文から引用しましょう。冒頭の「ガヤ」というのは、具体音、効果音の複数の人間達によるザワメキです。
・ ・・・「ガヤ」は複数の男女がはしゃいでいる音声で、ビートにハメらて
しまった終盤になって不意に現れる。表情は「クラブの熱狂」というより、
南仏海岸のオープンカフェ午後五時半の賑わい、といった趣で、どこかしら
虚無的に響く。「紅い夕日が校舎を染めて」いる校庭での「楡の木陰に弾む声」
である。聞く者はこの「ガヤ」によって、ふと素面に戻らされる。続いてき
た「捉えどころのない音色の曖昧なマイナー・コード感」とは絶妙の相性で、
コーダとなるブレイク・パートが淡々とした無常感を伴って消えて行く。専
門の音響効果屋による仕事の水準だ・・・・
如何でしょうか。何を言いたいのかよく分らない、という方も多いでしょ
う。でも「音楽にもいちどイノチを」という勇ましい呼びかけとは裏腹に、何故
か何処か、遠く後ろを見ているような姿が響きとなって伝わって来て、先ほ
ど言った「寂寥感」となるのですよ、いつも。きっとコムピュータ・ヘッドのダフト・
パンクの思うツボにはめられているんでしょう。
さて去り逝く今年の夏の忘れられない出逢いは、この歌でした。

M05.バラフ(4’52”)ソン・デ・マデーラ
-trd.- ミュージック・キャンプ BG-51186

N もうお馴染み、とまでは行きませんが、この響きには多分どなたも共感して
くれるでしょう。ソン・デ・マデーラの「バラフ」でした。間奏のレキント・ハローチョとい
う楽器のフレイジングが、妙に西アフリカのコラに似て聞こえたなあ。後半のヴァイオリンの
絡み具合がまたよろしい。
このアルバム『カリベ・マール・シンコバード』に初紹介当初から興味を示してくれて
いたまゆりんさん、銀座山野楽器で買ってくれたんですね。こういう音楽紹
介業をしていて一番嬉しいのは、自分の推薦したレコードを誰かが買って気に入
ってくれた時です。世の中に貢献したような気にもなります。まゆりんちゃ
ん、ありがとう。いつまでも大切にしてね。とても爽やかなカヴァ・ジャケット写
真。全体を覆う緑色も素敵です。
もう1曲行きましょう。古い労働歌で、テ—マは絶滅危機にある野鳥ココの事だ
そうです。
「エル・ココ」。

M06.エル・ココ(7’03”)ソン・デ・マデーラ
-trd.- ミュージック・キャンプ BG-51186

M07.アントニオの歌(虹を綴って)(5’03”)マイケル・フランクス
-M.Franks- ワーナー WPCR-75681

N すべての音楽の理想はボッサ・ノーヴァにある、と誰かが言ったとか。多少頷け
る説ですね。確かにそうかも知れません。ふと思い出した昔の夏の連想でや
ってみたボッサ・ノーヴァ集、意外にも沢山の反響をいただきました。その中に
今のマイケル・フランクス「アントニオの歌」を思い出してくれた人がいました。そうか、
これもあったな、と思い出した次第です。
厳密にはボッサ・ノーヴァではないでしょうが、「音楽の理想」的響きです。そ
れもその筈、ジョー・サンプルやデイヴィッド・サンボーンが一緒に演奏しています。誰
にでも割と簡単に雰囲気を創り出せるボッサ・ノーヴァですが、やはり上手な人た
ちが揃うと違いますね。
これが発表された時、日本では「シティ・ミュージック」なんて具体性のない音楽
分野がデッチ上げられて、マイケル・フランクスはその筆頭的存在でした。今の「アントニオ
の歌」収録アルバム『スリーピング・ジプシー』は、かなり売れたんじゃないかな。
よく知られている通り、この歌はアントニオ・カルロス・ジョビンが主人公です。
では、そのジョビンの代表作のひとつ、「おいしい水」。

M08.Agua De Beber(2’48”)Antonio Carlos Jobim
-A.C.Jobim,N.Mendoncia- ポリドール POCJ-9520/2

N 「おいしい水」、アントニオ・カルロス・ジョビンでした。これは1963年ニューヨークでの
録音。クラウス・オーガーマンの編曲、指揮、細かなパースネルは不明です。とっても凝っ
た造りのジャケットの『ザ・マン・フロム・イパネマ』という3枚組が1988年に出ていま
して、それからお届けしました。インタヴュウを含むライナも充分以上のヴォリウムがあ
り、ポリドールではその全文訳を冊子にして付けていました。確かわたしは、六
本木のウェイヴで買いました。
アントニオ・カルロス・ジョビンの伝記は、青土社の『ボサノヴァを創った男』というの
を読んだ事があります。山下洋輔がかなり長い文章を寄せていて、これがま
た秀逸です。彼は立派な文章家でもありますからね。1966年の彼はギャリー・
マクファーランドの洗礼を受けて帰国した渡辺貞夫がさっそく結成したグループの一
員で、初期のボッサ・ノーヴァ演奏家でもありました。
それはともかく、この本の中でジョビンは、「アントニオ・カルロス」ではなく、「トム」・
ジョビンなんです。多分に情緒的な訳によって、この謂れははっきりと説明さ
れていませんが、いきなり「トム」で登場します。なんか違和感がありますね。
「トム・ジョビン」だなんて。
では同じアルバムからもう1曲、「ジンジ」。

M09.ジンジ(2’41”)アストラッド・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビン
-A.C.Jobim,N.Mendoncia- ポリドール POCJ-9520/2

N 世紀の素人歌手アストラッド・ジルベルトをフィーチュアして、アントニオ・カルロス・ジョビンの
「ジンジ」でした。先の『ボサノヴァを創った男』では、このような英語詞にな
って自分の楽曲が変化して行くのに、トムは少なからず動揺を見せていたとい
うような記述があります。ましてアストラッドは英語を母国語としていませんから、
その場の空気はどんなだったんでしょうか。先日お話しした「イパネマの娘」冒
頭の深呼吸は、そんな緊張した雰囲気の反映だったのかも知れません。偉大
なる音楽家、トム・ジョビンのお話でした。
さて「トム」と来れば「ジェリ−」です。「ディス・マスカレイド」、ジェリー・ハリス。

M10.This Masquarade(5’46”)Jerry Harris
-L.Russel- ポリスター PSCW-116

N どうですか、カッコイイでしょう。ジェリー・ハリスはヌ・ヨークのジャマイカ人。わたしはブ
ルックリンで出会いまして、彼のヴォーカルに惚れ込み、たびたび録音に誘いました、
そのひとつが今の「仮面舞踏会」です。間奏の素晴らしいハーモニカ・ソロは、西村
ヒロ。紛れもなく彼の最も素晴らしい演奏のひとつでしょう。これにはジャマイカ
人もヒビックリでしたね。ヴォイシングやミックスのセッション中、「これは何だ」「シンセサイザーか」
「エレキ・ギターじゃないか」と、コントロール・ルームは大騒ぎでした。彼はレゲエのフェスティ
ヴァルなどで度々日本に来ていました。その種の音楽会が途絶えてしまった今
はあまり会う事もなくなりましたが、元気かな。わたし自身、久し振りに聞
いてみました。如何でしたでしょうか。
なぜ、トム・ジョビンとジェリ—・ハリスかと言いますと、先日バ−で古いアメリカのアニメイ
ション「トムとジェリ−」を観ましてね。実によく出来てるなあ、と再認識しました。
こういったコミカルなアニメイションの動画的ギャグは、この作品で既に完成しているの
も知りました。例えばフライパンで叩かれると、全身がその形になってしまうと
か、逆に暴走して突っ込むと壁に体の形の穴が空くとか、です。音楽と効果
音だけで台詞無し、言葉は交通標識や簡単な張り紙など、という分り易い構
成で、わたしのような日本の子供にも楽しく観られたのでしょう。正直言っ
て感心しました。
その場で、トムとジェリ−・・・と思い浮べた音楽家が、アントニオ・カルロス・ジョビン
とジェリー・ハリスという、全く関係のない二人だったのです。お粗末。

M11.Chan Chan(Charlie’s Blues) (5’46”)Charlie Musselwhite
-F.Repilado, C.Musselwhite- 7243 8 47130 2 7

N これはブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブでお馴染みの「チャン・チャン」ですが、部分的
に英語詞がついた変則ヴァージョン。誰の作品かお分かりでしょうか。
ブルーズ・ロックの初期に活躍したチャーリー・マッセルホワイトという人です。わたしも名
前と、フラワー・トラヴェリン・バンドが彼のリパトゥワを、ハードにヘヴィにカヴァしていたの
を知っている位でしたが、前世紀末、1999年に発表された『コンティネンタル・ドリフ
タ』というアルバムに興味を持ち、聞いてみました。すると、今のようなキューバの
音楽を演っていたんです。好々爺を連想させるポートレイトもなかなかでした。

M12.Siboney(4’03”)Charlie Musselwhite
-E.Lecuna- Point Blanc 7243 8 47130 2 7

N 今のは同じアルバムから「シボニー」いい感じのラテン風味でしょ。先の「チャン・チャン」
もそうでしたが、独特の「まがい物感」が漂っています。クレジットには「キューバ
ン・セッション」として、それらしき演奏家陣の名前が挙げられています。ただ録
音はノルウェイのベルゲンとサンフランシスコですから、本格的キューバ音楽を追求したのでも
なさそうです。ただ、アメリカとキュ—バの国交が回復しましたから、今後は現地に
乗り込んでのセッションも可能になった訳ですね。チャーリーはどうするのでしょう。
尤も、重要なルーツであるブルーズはここでもしっかりと彼を支えていまして、
アルバム全体はやっぱりブルーズ色の強い物になっていました。先のキューバ調音楽
でも、ハ—モニカの音は完全にブルーズでしたからね。メイシオ・パーカ−がジャズっぽくや
っても結局R&Bになってしまうのと同じでしょう。
ではチャーリー・マッセルホワイトのアルバム『コンティネンタル・ドリフタ』から、如何にもこの時点
の彼らしい1曲です。
「プリーズ・リメムバ・ミー」

M13. Plesase Remember Me(4’19”)Charlie Musselwhite
-C.Musselwhite- Point Blanc 7243 8 47130 2 7

M14.We Can’t End This Way(3’33”)Ben Harper with Charlie Musselwhite
-B.Harper- Stax 0888072338746

N こちらはそのチャーリー・マッセルホワイトが、ベン・ハーパーの助演で参加したアルバム『ゲッ
ト・アップ』から「こいつだけはやめられない」でした。2013年の発表ですか
ら一昨年前ですね。「現」でも紹介したかな。チャーリーは、今の「こいつだけは
やめられない」のバック・グラウンド・ヴォーカルを除くと、ハーモニカを吹いてるだけで
すが、共同名義人にもなっていますし、ふたりで笑い合う写真も何葉か収め
られています。ベンはチャーリーの事好きだったのかな。これらの写真で見る限り、
1999年よりもチャーリーの好々爺度は上昇しています。

M15.I Ride At Dawn(4’40”) Ben Harper
-B.Harper- Stax 0888072338746

N 同じアルバム『ゲット・アップ』から、これはおそらくベン・ハーパーだけでしょう、
「アイ・ライド・アット・ドーン」、いい演奏でしたね。ちょっとタージ・マハル的な部分も
感じられる、ここでのベン・ハーパーです。
先週、アルバート・キングの傑作「悪い星の下に」を紹介したばかりですが、
彼の1972年のライヴが発売になります。ドナルド・キンジーたちのバック演奏も切れ
味鋭く突っ込んできます。「ブートレグ・シリーズ」といいますが、音質はまあまあ。
16ビート・ニュアンスとオ—ソドックスな3連マイナーのブルーズをどうぞ。
「キリング・フロア」、
「エインジェル・オヴ・マーシー」。

M16.Killing Floor(3’42”)Albert King
-A.King- BSMF 2469

M17.Watermelon Man(2’35”)Albert King
-A.King- BSMF 2469

N 72年というと、アルバート・キングはまだ49歳。ロック・ミュージシャンたちから尊敬の
スポットライトを浴びて輝いていた、第二の全盛期です。ギターの音がすごいね。「パ
リの散歩道」のギャリー・ムーアはそっくりだね、アルバートに。といつも同じ事を言う
わたしです。
さて、8月最後の「幻」放送」、今年の夏の終わりは、これですね。
ヒツジヤマサザナミーさんからのリクエストにお応えしてザ・フー「サマタイム・ブルーズ」。

M18.Summertime Blues(3’36”)The Who
-E,Cochran, J.Capehart- ポリドール UICY-20308/9

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

N この夏のわたしのキーワード「ザ・フー」で「サマタイム・ブルーズ」でした。またまた
新発見の沢山あった夏が過ぎて行きます。
さて、「第34回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」に来てくれた皆さま、誠
にありがとうございます。二日目の事故には、一瞬目の前が真っ暗になりま
した。実はあの時、奥の方で取材を受けていて、何が起こったか分らなかっ
たんです。音が止まっているのに気付き慌てて戻ったら、「心肺停止」なんて
囁きが聞こえるじゃありませんか。踊っていた人が倒れたのです。28日の朝
刊の見出しが頭に浮かびました。状況を聞き現場に駆けつけたら、救急隊員
が人工呼吸中。恐かったですね。ただ、回りの皆さんがとても落ち着いてい
て、集団パニック状態になっていなかったのでわたしも正気を取り戻し、この後
の対応を考える事が出来ました。AEDを取りに走ってくれた方がいて、それ
で蘇生出来た、とも聞きました。何という機転でしょう。厚く御礼申し上げ
ます。
幸いにも倒れた方は息を吹き返し、墨東病院で回復に向かっているとの事。
ご家族とも連絡が取れて一段落。そこで途中経過を報告後、再開継続となっ
た訳です。あの最後の盛り上がりは、回復中と聞いた皆さんの「良かったね、
良かったね」という激励にも聞こえました。ありがとうございます。詳細は
改めてお伝えする事になるでしょうが、まずはお騒がせいたしました。大事
に至らなかったのは、皆さんのお陰です。ほんとうにありがとうございます。
今は心がまだ落ち着かず、全体の感想、報告は来週にいたします。
それまで、当日のBGMに使っていた近代河内音頭集大成を聞きながら、
お過ごし下さい。後半は、いつフェイド・アウトしてもいいように、ダブを並べて
あります。先週と同じようにこちらのアドレスから落として下さい。時間かかり
ますよ。

http://firestorage.jp/download/a7d2723d2378abfac05b5e096ea644df59531a54
ダウンロードパスワード i04pr2u9

さて今朝も、ちょうど時間となりました。今週はえらく大変だった。帰っ
て来て、まだ荷物も開けてない。29日午前3時前とは言いませんが、撤収終
了後の送信です。でもち冷えさんの「休んでね」を聞いて、「こりゃマ意地で
もボロシ放送しなきゃ」と奮励努力出来ました。ありがとね。
こちらは、
http://www.interfm.co.jp/mb/blog/
http://www.interfm.co.jp/mb/
「マボロシ」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

s-IMGP1337

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輪投師藍蔵王師匠
河内音頭大盆踊り、本当に本当におつかれさまでした!
今日はゆっくり過ごしてください。
幻スタッフより

【幻】モーニン・ブルーズ 2015/08/22

2015年8月22日 / Category:Entry

mb150822

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

今日は涼しいな、なんて感じても気温は31度あったりします。わたしたち

温帯の住民は、夏の亜熱帯気候にすっかり馴らされてしまったようです。

ここ数日はだいぶ過ごし易くなって来たのは事実。でもまだ夏です。

「イン・ザ・サマータイム」、マンゴ−・ジェリーでどうぞ。

 

M01.イン・ザ・サマータイム(3’31”)マンゴ・ジェリー

-R.Doset- テイチク TEDP-28254

 

M02.ホット・ロッド・ハート(5’00”)ジョン・フォガティ(with ブラッド・ペイズリー)

-J.Fogerty- ソニーSICP 3822

 

N 1970年夏のヒット曲「イン・ザ・サマータイム」、マンゴ−・ジェリーでした。確か来日して

ますね。でもわたしは彼等のリパトゥワをこれ以外の1曲も知りません。ライヴ主体

の活動をしていた筈ですから、豊富な持ち歌があったでしょうが、この後の

シングルは何だったのでしょうか。当時はジャグ・バンドの形が新鮮でした。45年

後に聞くと、随分とポップに作られていますね。当時は打楽器の音がもっと刺

激的に響いていたような記憶があります。

続いての「ホット・ロッド・ハート」は、ジョン・フォガティの2012年に出した『すべて

の人に歌を』、アルバム『グリ—ン・リヴァ』収録のあの名曲、それを表題としたカヴ

ァ・アルバムからです。ジョンが自分の代表曲を客演者と再演再唱しています。今

のはソロになってからの楽曲を、ブラッド・ペイズリーと一緒にやってます。エレキ合

戦が面白かったですね。こんな具合に、最初から終わりまで、あっという間

に聞き通せてしまう、気持ちの良い仕上がりです。いかに優れた楽曲群か分

かりますね。どこも悪くない、何の不満もありません。

先日ある処で耳にして手に入れよう、と決めてから、待てよ、ジャケットにど

こか憶えがある・・・探したら、やはり以前から持ってました。あぶねえ、

あぶねえ。ここのところ、こういう失敗が続いてますからね。

アルバム『すべての人に歌を』からもう1曲聞きましょう。これは誰とも絡ん

でいない、このアルバムのための書き下ろし曲です。

「ミスティック・ハイウェイ」。

 

M03.ミスティック・ハイウェイ(6’05”)ジョン・フォガティ

-J.Fogerty- ソニーSICP 3822

 

N 「ミスティック・ハイウェイ」でした。主題となっているのは旅する大家族、もちろん

車での移動でしょう。そう聞くと劇的な編曲の意図も伝わって来るような気

がします。また、こういった北米での田舎民族の習慣が当たり前のように歌

になって来るのには、羨ましいというか脱帽です。

さて、この企画で最大の興味は、この大ヒット曲を誰とどのように仕上げるか、

だったのではないでしょうか。見事です。お聞き下さい。

「プラウド・メアリ」

 

M04.プラウド・メアリー(4’26”)ジョン・フォガティ

(with ジェニファ−・ハドソン feat. アラン・トゥーサン & リバース・ブラス・バンド)

-J.Fogerty- ソニーSICP 3822

 

N アイク・アンド・ティナ・ターナーのハード・ディスコ・ヴァージョンでも知られた「プラウド・メア

リ」でした。これは、女性歌手ジェニファ−・ハドスンに、巨匠アラン・トゥーサンと リバース・

ブラス・バンドを従えた豪華版。非常に凝った造りになっています。出だしは完

全なカントリー調で驚きますが、いつの間にかヌウ・オーリンズ・スタイルで大円団。流石で

す。やられました。

他にも、ボブ・シーガー、アラン・ジャクスン、ザク・ブラウン・バンドなどが参加して、

ジョンの功績を讃えるアルバム『すべての人に歌を』、先ほども申し上げた通り、

何の不満もありません。

でもね、正直な事を言うと、ジョンにはこういう事やって欲しくないんだな、

まだ。バリバリの現役でしょ、頼みますよ。まあ、その後に出した新録音が標

準以上だったから、許したる。

 

M05.Shake Rattle and Roll(3’07”)Huey Lewis & The News

-C.Calhoun- Elektra 61500-2

 

N ビッグ・ジョー・ターナー、永遠の名唱「シェイク・ラトル・アンド・ロール」、ヒューイ・ルイス・アン

ド・ザ・ヌウズでした。こちらは1994年発表のアルバム『4つのコ—ドと数年間』

からです。世界的なロックバンドになったヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ヌウズが、自分た

ちを育ててくれた過去のリパトゥワを演ってみた、という趣旨の作品で、先ほど

のジョンの『すべての人に歌を』に似た主題と言えなくもないです。

こちらは自分たちの物じゃないので、もう少し突っ込んだ選曲になってい

ます。その一例が、これでしょう。

「サーチン・フォー・マイ・ラヴ」。

 

M06.Searching For My Love(2’51”)Huey Lewis & The News

-R.Moore- Elektra 61500-2

 

N 1966年、シカゴのチェスから発売されてスマッシュ・ヒットした「サーチン・フォー・マイ・ラヴ」。

アラバマのマスル・ショールズで録音されました。ボビー・ムーアとリズム・エイスです。例の映

画の中で、録音に立ち寄った彼等は、非常に統制が取れていて礼儀正しかっ

た、とリック・ホールが思い出していました。礼儀正しいんですね、ボビー・ムーアは。

この歌はわたしのとても好きな歌です。ヒューイたちもドサ回りで歌ってたので

しょうか。

ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ヌウズはなかなかの苦労集団で、アメリカ本国のレ—ベルと

契約が結べず、最初はイギリスのクリサリスからのデビュ−でした。確か一番初めに日

本に来た時は、渋谷のライヴ・ハウスで無料音楽会を開いて、みんなに聞いてもら

おうとした筈です。ところがその後でヒットを連発して、あっという間に大物に

なって、次の公演会場が後楽園球場じゃなかったかな。この違いの凄さ。

そんな嵐が去った後で、ちょっと落ち着いてから発表したのが、この『4つ

のコ—ドと数年間』でした。次もだいぶ凝った選曲ですね。

「ユ・レフト・ザ・ヲータ・ラニング」。

 

M07.You Left The Water Runnning(3’06”)Huey Lewis & The News

-R.Hall, O.Redding– Elektra 61500-2

 

N 「ユ・レフト・ザ・ヲータ・ラニング」、ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ヌウズでした。オーティス・

レディングがやはりマスルショールズで、デモ録音したものです。こんなのを持って来る

辺りに、ヒューイのR&B狂ぶりが感じられます。確かそのデモではオーティス自身がガ

ット弦のギターを弾いて歌っていたはずです。

こんな具合にこのアルバム『4つのコ—ドと数年間』には、通好みのナムバーが、ズ

ラリと並んでいます。ヒューイたちも伸び伸び演ってていて、楽しそうです。仕上

がりに何の不満もありません。

ただ、わたしとしては、やはりまだこの時点でこんな事やってほしくなか

った、という思いがあります。もっと新しい、オリジナルなヒット曲を聞かせてよ、

例えば、こんな具合に・・・。

 

M08.Simple As That(4’28”)Huey Lewis & The News

-Kupa, Castillo, Biner- 東芝 CP21-6019

 

N 名作『フォア』からヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ヌウズで「シムプル・アズ・ザット」でした。

こういう決定的なアルバムを作っちゃうと、その後が大変。売り上げ、品質の維

持も然ることながら、当事者たちは一種の虚脱状態になってしまうようです

ね。『ホテル・キャリフォーニァ』の後のイーグルスがそうだったでしょ。周囲の反応も絶対

変わって来ますし、そういう中で謙虚で確固たる創作意欲を維持するのは、

相当な困難でしょう。本当の意図は計り知れませんが、ヒューイたちもひとつに

は閉塞状況の打開のために、こんな企画を採り上げててみたのではないでし

ょうか。いや、芸人も楽じゃないですね。

 

M09.Eyesight To The Blind(3’03”)Hillbenders

-S. Williamson- BSMF 6064

 

N ようやく聴き通したフーのオリジナル『トミ—』、そこで気になったのが作者クレジット

に書かれていたサニー・ボーイ・ウイリアムスンという名前。6曲目の「アイサイト・トゥ・ザ・

ブラインド」が、サニー・ボーイ作となっているのです。でも、どうしてもそうは聞

こえないんだな。今お聞きいただいたヒルベンダ−ズのも楽器編成の変更だけで

ほぼ忠実に演奏していますから、印象は同じです。これでもサニー・ボーイの「アイ

サイト・トゥ・ザ・ブラインド」には聞こえない。

サニー・ボーイのオリジナルは、こんな感じなんですよ。

 

M10.Eyesight To The Blind(3’03”)Sonny Boy Williamson

-S. Williamson- Acrobat ACRCD210

 

N サニー・ボーイ・ウイリアムスンで「アイサイト・トゥ・ザ・ブラインド」でした。どうです、全然

違うでしょ。よく聞くと、歌詞、ことばね、それは共通しています。でもフ—

のはマイナ—・コードを使った、純西洋音楽になっています。知性派ピート・タウンゼント

の事だから当然サニー・ボーイは知ってた筈です。『トミ—』の物語展開では不具とい

う概念が主題のひとつなので、この「盲目に視力を与える」という惹句にピン

と来て歌詞を拝借、そして楽曲はオペラのために書き直したものの、原作への

敬意をこめて著作者として表記した、といういきさつなんでしょうか。

でもね、オリジナルの単純復刻と思われる、MCAD-10081盤には、この歌の詞

だけ記載がないんですよ。不思議だなあ。どなたか真相を教えて下さい。

ところで、わたしがソニー・ボーイ・ウイリアムスンという名前を知ったのは1969年。

この曲からでした。

 

M11.ソニー・ボーイ・ウイリアムソン(6’04”)マイク・ブームフィールド&アル・クーパー

-J.Bruce, P.Jones- ソニー SICP-1963/4

 

N アル・クーパーがサン・フランシスコのフィルモアで行ったロック・ジャムの中で、歌われた「ソニー・

ボーイ・ウイリアムソン」でした。ジャック・ブルース作で、セッション中に神経衰弱で逃亡した

マイケル・ブルームフィルドのトラとして、ここではカルロス・サンターナがギターを弾いています。

シングル盤「52番街橋の歌」のB面でしたね。その頃のわたしの悪い仲間の誰

かが買って、わたしはそれを借りて聞きました。構成も言葉も簡単なんで、

すぐにやってみようという事になったんですが、同じような響きになりませ

ん。「どうも違う」と、考えても謎は解けず。この子供達は、メイジャー・スケール上

の第三音と第七音をフラットさせるブルーノートの存在を知らなかったのです。いやは

やお恥ずかしいお話ですね。

でもね、「ブルース」という得体の知れない漠然とした概念にわたしの音楽の

興味が惹き寄せられて行った導入部分が、ここでした。ちょうど夏休みの終

わり頃の事です。何か妙に蘇って来るなあ。中学三年生、46年前の話だよ。

 

M12.逆説のブルーズ(4’31”) -W.C.Karasu- Pヴァイン PCD-25182

 

N   さて2015年現在進行形のブルーズ音楽を聞きましょう。W.C.カラスで「逆説の

ブルーズ」でした。彼は富山だったかな、北陸地方で林業を営んでいる男です。

林業と言っても自称「木こり」です。2年程前に存在を知って興味を持ちまし

た。彼の場合はそのまま当てはまりませんが、自分の暮らしている地域の言

葉、つまり方言で歌われる「弁ブルーズ」という世界があって、方言代表者が

集まる全国大会も行われているそうです。

W.C.カラスというのは、世界で初めて題名に「ブルーズ」という言葉を使った「メ

ムフィス・ブルーズ」の作者、W.C.ハンディからの命名でしょうか。ではカラスにもう一

声啼いてもらいましょう。

「労働は苦しい」

 

M13.労働は苦しい(5’43”) W.C.カラス

-W.C.Karasu- Pヴァイン PCD-25182

 

N 「労働は苦しい」、W.C.カラスでした。なかなか聞かせますね。わたしは浪花

節を連想しました。今の形だったら充分浪曲になりますよ。やってくれない

かなあ。あ、余計なお世話ですね。

方言で歌われる「弁ブルーズ」では、歌われる内容も地方の情景、出来事が

主体で、こちらにも注目しています。過剰な東京一極集中状況を冷ややかに

バッサリ切って、その断面を露わにして欲しい。W.C.カラス、期待します。

 

M14.Right Place Wrong Time(7’46”)ロニー・アール

-O.Rush- BSMF 2741

 

N 「ライト・プレイス・ロング・タイム」オーティス・ラッシュの名作を、白人ギタリスト・ロニー・アール

がヴォーカリスト、マイケル・レッドベターに歌わせて、新しいアルバムに収録しています。お

聞きの通り、カッコイイ仕上がりです。まあこれはオリジナルが素晴らしいからでもあ

りますがね。ヌウ・ヨーク・ドールズのデイヴィド・ヨハンセンが主宰していたビッグ・バンド、

ルームフル・オヴ・ブルーズに彼は在籍していました。その後ソロになって現在も活動

中という事です。ギターの音色がね、とても奇麗。フェンダー・ストラトキャスターの魅力、

能力を存分に引き出しています。

次も同じアルバムから、今度はカナダ人の女性ダイアン・ブルーの歌です。

「ワット・ハヴ・アイ・ダン・ロング」。

 

M15.What Have I Done Wrong(4’45”)ロニー・アール   feat. Diane Blue

-L.Allison- BSMF 2741

 

N 「ワット・ハヴ・アイ・ダン・ロング」、ロニー・アール・フィーチュアリング・ダイアン・ブルーでした。

どことなくステイプル・シンガーズを連想させますね。これもギターのクリアな音色が光

っています。いい音だなあ。

ここで彼が使っているフェンダー・ストラトキャスターは、発売当初ブラウン・サンバーストしか

カラー・ヴァリエイションがなく、別途追加料金で、数種類の特殊色が注文出来たんだ

そうです。その塗料は、当時のキャディラック、リンカンなどの高級車に使われていた

のと同等のラッカーで、デュポン社に発注していた特別仕様だった、という話が今

年使っているギター・カレンダーの8月頁に記されていました。今月はメタリック・シェアラ

イン・ゴールドという淡い緑を銀色で溶いたような、なんとも言えない美しい色

のストラトキャスターの写真です。

さて厚いホ—ン入りのダイナミックなブルーズを続けて聞いたら、こいつを思い出し

ました。

アルバート・キングの「悪い星の下に」。

 

M16. 悪い星の下に(2’48”) アルバート・キング

-B.T.Jones, W.Bell- ワーナー WPCR-27525

 

M17. Can’t Remember To Forget(2’58”)The Duke Robillard

-A.Basile- Pointblank 7243 8 42857 2 2

 

N まだのスタックスが「サウンド・オヴ・メムフィス」だった頃のブルーズの傑作、アルバ—ト・

キングで「悪い星の下に」でした。非の打ちどころのない仕上がりです。それ

にしても、アル・ジャクスンのドラムというのは・・・。いや、カッコいい。

続いては、先ほど名前の出たルームフル・オヴ・ブルーズでロニー・アールの前任者とし

てギタ−を弾いていたデューク・ロビラ—ドの「キャント・リメムバー・トゥ・フォゲット」。1997

年にポイント・ブランクから出したソロ・アルバムからでした。振り返ってみますとヴァー

ジン傘下のブルーズ・ルーツ系レーベル、ポイント・ブランクはかなり質の高い作品を出して

いましたね。いつかまとめてみたいな。これもそのひとつ。今の「キャント・リメム

バー・トゥ・フォゲット」はヌウ・オーリンズ・スタイルでしたけれど、他にも様々な形の音楽

が収められていて、幅広い解釈のブルーズ・アルバムと言えるでしょう。歌い方が、

誰だったかな、ポール・バタフィールドかな、いや違う、今思い出せないサムバディに

ちょっと似てる感じです。ロード・アイランド州のウエスト・グリニッヂでの録音。

ギタリストらしく、どの曲でどんなギターを弾いているか、クレジットがあります。

今の「キャント・リメムバー・トゥ・フォゲット」では、「1952年ゴールド・トップ・レス・ポール」

でした。

もう一曲聞きましょう。こちらでは、「チャンドラー・スピットファイア」というギターを

使っています。

「テイク・マイ・ワールド・フォ−・イト」。

 

M18. Take My World For It(3’04”)The Duke Robillard

-A.Basile- Pointblank 7243 8 42857 2 2

 

N 「テイク・マイ・ワールド・フォ−・イト」、デューク・ロビラ—ドでした。

マンゴー・ジェリーで始まったものの、妙にブルーズ的な今朝の「幻」モ—ニン・ブルーズ、

看板に偽り無し、です。

ただ、ここからは「モーニン・オンド」になります。「第34回すみだ錦糸町河内

音頭大盆踊り」も来週に迫って参りました。お天気大丈夫かな。「最強晴れ女」

ヴェンテンさんに頼もうかな。まあ、降っても高速高架下ですから実施に変りは

ありませんけれども。あ、「高速高架下」という主題で、NHKの新日本風土

記が収録に来ますよ。もう既に少し撮っていて、本番は27日撮影です。放送

日はまだ未定。分ったら教えるね。26日は有線テレビ・ネットワークのジェイコムの生中

継があります。

ここで皆さまに、プレゼント。先月紹介したユネスコ伝統音楽集大成に収録された

先代井筒家小石丸のアルバムに関して他、もちろん今年の大盆踊り情報などを出

版業界誌に寄稿した文章を下記サイトに上げておきますから、興味のある方は落

としてお読み下さい。

その時の注意をひとつ。99頁最終行は「でありました。」です。校正漏れでし

た。お恥ずかしい。この連載はもう1年近く続けさせられていますが、雑誌

の性格上、一般書店での立ち読みが出来ませんので、編集発行人の許諾を得

て、自分のところだけ、みなさんだけに公開することにしました。この後、

これまでの掲載分を暫時上げて行きますので、どうぞご覧下さい。

では河内音頭、行きましょう。昨年のアザヤカーな1枚、『オンド・フィ・グワン』

から、堺家小利貴丸です。

「大阪人情町歩き」。

 

M19.大阪人情町歩き(740)堺家小利貴丸

-S.Sakai- SRS-001

 

N 「大阪人情町歩き」、堺家小利貴丸でした。彼は十代の終わりから登場した

若手音頭取りの星です。子供の頃から本格的な「節」を身に着けていまして

ね、初めて聞いた時には、わたしも感心しました。その頃から巨漢でね。体

重が120kgはありました。今年の夏に大阪で若い音頭連と会った時に、馴染

みの顔見知りと数分話をしていて、突然相手が「僕の事、分ってますか」と

聞いて来たので、「おう、もちろん」と改めて顔を確認したら、なんと小利貴

丸ではないですか。聞けば、医師から危険信号を出されて、1年で75kg落と

したそうです。実際の過酷な減量状況はさておいて、すっかりスマートな若者に

ヘンシーン。タイトなスーツがよく似合っていました。もともと体は大きかったから、

カッコよくてね、見直しちゃった。

今の作品の背景は不明ですが、レゲ音楽集団ホーム・グロウンと一緒に制作された

もので、コンテムポラリーとトラディショナル、両方のスタイルが詠まれています。器用にやっ

てますね。こういうのが若さなんだろうな。流通に乗せてないので、入手に

は時間がかかるでしょうが、よく出来た1枚です。俺に黙ってやりやがって、

という思いは、聞く度に付きまといますがね。

さて次は、今年やって来る音頭取りを聞いてもらいましょう。信じられな

い豪華な顔触れの公益社団法人浪曲親友協会に対抗するのは、民謡河内音頭

つかさ会。堺市南野田に本拠を構える、今一番活気のある音頭会派です。若

手が次々に加わっていまして、層の厚さは河内一、つまり世界一です。その

中で、恵まれた喉を自由自在に操って聞かせる司家征俊、ツカサヤマサトシは、居並

ぶ長老達に勝るとも劣らない節回しで、きっと場内を揺さぶるでしょう。楽

しみにしていて下さい。

では師匠ゆずりの十八番でお時間まで。「佐渡情話」。

 

M20.佐渡情話(16’58”)司家征俊

-trd. arr.by Tsukasakai-   ミソラ MRON-3004

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 先ほどのダウンロ—ド元は、以下の通り。「でありました」訂正をお忘れなく。

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来週26日、27日の「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」、今年は早くから問

い合わせが多くてね。4回行った踊りの練習会も、全て満員御礼。当日の混雑、

混乱が予想されています。とにかく安全、平和に無事終ってくれることを、

今は仏様に祈るだけ。みなさんにもお運び願いますが、どうぞお気をつけて。

さて今朝も、ちょうど時間となりました。

こちらは、

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「マボロシ」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/08/15

2015年8月15日 / Category:Entry

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前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

 

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

70回目の8月15日のアサ—です。アサーはアマーく行きましょう。

ザ・ダンリアーズ「ワン・サマー・ナイト」。

 

M01.One Summer Night(2’12”)The Danleers

-D.Webb- Fantastic Voyage FVTD116

 

N ヌーヨークのドゥーワップ・グループ、ダンリアーズ58年のヒット「ワン・サマー・ナイト」でした。

この春にひとりで盛り上がって6週間だったか連続でお送りしたドゥーワップ集

の時にはお聞きいただいてなかった筈です。彼の地のオールディーズ番組では最も

リクエストの多い1曲と言います。ちょっと頼りないハーモニー・ワークも、十代の淡い恋

への連想で和みます。いかにも路上合唱の延長線上にある雰囲気ですね。

さて、先週は「サマー・ワイン」関連でナンシ—とフランクのシナトラ親子の「恋のひとこと」

をお届けしました。なにしろナンシ—・シナトラは、1967年の月刊誌「ボーイズ・ライフ」

巻頭ピンナップの白いビキニとロング・ブーツ姿を見て以来、憧れのお姉さんです。今

も鮮烈な画像として脳裏に焼き付いています。一緒にラジオ番組をやっていた

頃、萩原健太にこの話をしたら、「それは(顔がほぼ同じのフランク・)シナトラがビ

キニ着てるのと同じじゃないの」と、えらく面白がってね。ウェブサイトから拾った

ナンシ—のいろんな姿を見せてくれた事があります。どうも最後は脱いだらしく

てね。「肝心のそれが落とせなかった」と残念がっていました。ですからわた

しはまだその衝撃画像を見た事がありません。

あ、話題が違うか。ナンシ—とフランク、シナトラ親子の「恋のひとこと」でしたね。

ささきがくちゃんのご指摘通り、この歌の作者はヴァン・ダイク・パークスの兄弟の

カースン・パークス。先週のクレジットでは、カースンとパークスの共作となっていましたが、

今週のものが正しい表記です。失礼致しました。

他にもこの歌をマ—ヴィン・ゲイとタミー・テリルが歌っていた事実が、某秘密スジか

らの情報で判明しました。別にそれほど珍しい事ではありませんで、ただわ

たしが憶えていなかっただけです。なにしろ盤は持ってましたから。

マ—ヴィン・ゲイとタミー・テリル、ふたりの金字塔アルバム『ユナイテッド』に収録されてい

ます。この発表が67年だから、ナンシ—のヒットとほぼ同期のカヴァになります。オリヂ

ナルは全米第一位だってんだってね、これも知らなかった。

では「サムシン・ステューピド」、

邦題「恋のひとこと」、マ—ヴィン・ゲイとタミー・テリルでどうぞ。

 

M02.Somethin’ Stupid(2’39”)Marvin Gaye & Tammi Terrel

-C.C.Parks- ユニバーサル UICT-94163

 

N このモ—タウン的な出来、いいですね。ふたりがずっと二列の旋律を平行して歌

い通すのも、程よい緊張感を持続させていて効果でてます。こちらはハーヴィ・

フーカとジョニー・ブリストルの制作。多分ブリストルの仕事でしょう。LPだとこの次が、

あの「ヨ・プレシャス・ラヴ」に続いて行きまして、それも大変結構なのです。

さて次は本邦初登場のマーク・ロビンスンという歌い手です。

 

M03.Can’t Let Her See Me Cry(3’13”)Mark Robinson

-Lee Hazlewood – Ace CDCHD 1219

 

N   声と歌い方でお分かりだったらグレイト。このマーク・ロビンスンというのは、先

週お届けした「夢は夜ひらく」の元歌疑惑が「現」時代からmbで取沙汰さ

れて居る「サマー・ワイン」でナンシ—・シナトラと絡んでいるリー・ヘイズーウドの本名なので

す。まだ無名の1962年に吹き込んだ作品で、この時周囲にはリーバー・ストーラー

やフィル・スペクタ—、果てはマンキズとも関係のあったレスター・シルや、トゥワンギー・ギターの

ドュエイン・エディも居ました。無名時代の有名音楽家の録音を集めた『あんたは

ここであいつらを最初に聞いたんだよ(You Heard Them Here First)』という

面白いコムピレイションがあって、掃除の時に何気なくクレジットを見ていて発見しまし

た。

リー・ヘイズーウドはナンシーとの仕事で世に出られた訳ですが、このように無名時

代から志をしっかり持って音楽を作っていたのが伝わります。スーパーのワゴン・

セールで買ったナンシーのベスト盤でも、面白い事をいろいろやってました。どこか健

気な一途さが感じられるんだなあ。

ここ1週間で、ナンシ—・シナトラがグッと近づいて来ました。次は未確認ヌードか・・・。

ではナンシー・シナトラ、リー・ヘイズーウドとのデユーオで「ジャクスン」。

 

M04.Jackson(2’46”)Nancy Sinatra & Lee Hazlewood

-Wteeler, Rodgers- Paradiso PA 711-2

 

N ナンシー・シナトラとリー・ヘイズルウドで「ジャクスン」でした。先週、親父のフランクのアントニオ・

カルロス・ジョビンのアルバムの行りで、「声の質と発声法が、ボッサ・ノーヴァの涼しさと

調和していない」ひと言多くお伝えしました。その後で「どう調和していな

いのか」考えまして、「声が重い」という結論に達しました。あの時代のフランク・

シナトラは、常にビッグ・バンドと共に歌う一流シンガー。重厚な音声が求められてい

ました。わたしは気取らず普通に歌うシナトラが好きなので、ここでのスタイルはち

ょっと苦手です。日曜日に立ち読みしたボッサ・ノーヴァのアルバム・ガイド本にも「声

の重さ」という同じ表現にがあったので、一安心しました。そちらには調和

していないとは書かれていませんでしたがね。

さて、馴れない事やるとボロが出ます。終わりの頃に聞いてもらったショーロの

演奏者が間違っていました。ムジ火の鳥さんのご指摘通りです。20曲目の「ラ

メント」はアルタミロ・カリロー(Altamiro Carrilho)です。しかもOs Chorosは、オス・ショ

ーロスと発音しなきゃダメでした。では、そのお詫びにオス・ショーロスを聞いてもらい

ましょう。これなんかもフュ—ジョンだね。

「カベロス・ブランコス」、カタカナ表記大丈夫かな・・・。

 

M05.Cabelos Brancos(2’43”)Os Choros

-H.Martins, M.Pinto-   EMI 493123 2

 

M06.Cherokee Morning Song(4’35”)Wallea

-trd.arr. by R.Coolidge & P.Coolidge-   World Music Betwork RGNET 1029

 

N ブラジルのショーロに続いては「チェロキー族のアサーの歌」でした。ち冷えさんからの「北

米ネイティブの音楽ってどんなふう?」というお便りへのお答えです。

合唱しているのは、ヲ−リラというヴォーカル・トリオで、ここまでだと得体の知れな

い存在です。音楽自体も雲を掴むような感じでしたし。でもね、このトリオの3

人が、リタ・クーリッヂと彼女のお姉さんでブッカー・T・ジョーンズの奥さんでもあるプ

リシラ・クーリッヂとその娘ラウラだと分ると、急に身近に感じられて来ます。

彼女たちは1994年にザ・バンドのロビー・ロバートスンの協力を得て『ミュ—ジック・

フォ−・ザ・ネイティヴ・アメリカンズ』というアルバムを発表しています。お聞きのように

現代の録音技術で作られたかなりポップな成り立ちを持つ音楽ですが、ゴスペル

やフォークなどと近く、アメリカ先住民の音楽をモチーフとしているのが分ります。言語

も、どの部族のものか不明ながら、少なくとも英語ではなかったですね。

クーリッヂ一族にはアメリカ・インディアンの血が流れています。リタの顔を思い浮べて下

さい。チェロキ—族の末裔かも知れません。このグル—プはその後もライヴ活動を続け

ているようで、ユーチューブでその映像を見る事も出来ますよ。

このトラックは1998年に発表された『ネイティヴ・アメリカン・ミュージック』というCDに

収録されています。「ザ・ラフ・ガイド」とあるように入門用に既存の録音制作

物からの、比較的難解ではないアメリカ先住民音楽集です。それで今のヲ−リラのよ

うなグループも入っているのでしょう。ただしわたしにはどれも馴染みが薄い

物ばかり。また、どの程度が伝承されているままの部分なのか、という事も

手がかり不足で分りません。ち冷えさんのご質問の答えになるかどうか、ち

ょっと心許ないのですが、とにかく手持ちはこれだけだったので、何曲か聞

いてもらいましょう。

次はプリミューとマイクの「ヒーリング・ソング」です。

 

M07.Healing Song(3’23”)Primeaux & Mike

-trd.- World Music Betwork RGNET 1029

 

N プリミューはオグララ族、マイクはナヴァホ族、その二人による「ヒーリング・ソング」でした。

これは教会での儀式音楽です。といってもアメリカ先住民がどんな宗教を持って

いたかも知りません。少なくともキリスト教ではないでしょう。

とても静かな、瞑想を促進させるような響きです。アメリカ先住民の住居とい

うと、西部劇で目にする背の高いテントしか浮かばない、わたしの貧弱な知識で

す。教会とはどんな外観、内装になっているのでしょうか。

ここまでの2曲はいずれもロング・トーン主体のゆっくりと歌われるヴォーカル曲で、

やはり西部劇で昔から植え付けられている「ドンドッドッドッ、ドンドッドッドッ」

「アワワワワワ—」というリズム・パタンには巡り会えていません。あれは造り物なのか、

もう少し聞いて行きましょう。

 

M08.Mickey Mouse(3’46”)Black Lodge Singers

-trd.- World Music Betwork RGNET 1029

N ブラック・ロッヂ・シンガーズで「ミッキー・マウス」でした。なぜこれがこのタイトルなのか

不明です。子供達の集まりの時に歌われる物で、題材からして新作でしょう。

アメリカ先住民の生活慣習には「パウワウ」と呼ばれる一族の集まりがあって、そ

こでは、今のような歌と打楽器のアンサムブルで踊りが披露されるそうです。「パウ

ワウ・ソング」という括りもあります。今の録音では、一拍目を強く打つのでは

なく4拍が平均して鳴らされ続けます。もし4拍子とするならば、の話です

が。やはりあのインディアン・ビ—トは架空の物だったのでしょうか。

ではもう1曲、打楽器を伴った録音を聞いてもらいます。

「捧納仮面舞踏」、エド・リー・ナタイ。

 

M09.Sacred Mask Dance(3’02”) Ed Lee Natay

-trd.- World Music Betwork RGNET 1029

 

N 先ほどの「ヒーリング・ソング」にも感じられた、ハワイの伝統音楽的旋律が聞かれ

ましたね。「セイクリード・マスク・ダンス」でした。これもシェイカーというか何だろうな、

数珠を振るような音と、ミュートしたフロア・タム的打音が同じように頭拍を打ってい

ました。

少なくともこのアルバムの中には「ドンドッドッドッ、ドンドッドッドッ」「アワワワワワ—」

がありません。あれは既にビート継承者、族が存在しないのか、あるいは侵略

白人の想像が生んだものなのでしょうか。本物を一度は聞いてみたいですね。

ではその仮想インディアン・ビ—トをヒントに仕上げられたハード・ロックの名作をお聞

き下さい。

クリームです。「サンシャイン・オヴ・ヨ・ラヴ」。

 

M10.Sunshine Of Your Love(4’10”)Cream

-P.Bown, J.Bruce, E.Clapton- イースト・ウエスト AMCY-2600/1

 

N クリームで「サンシャイン・オヴ・ヨ・ラヴ」でした。これは録音担当のトム・ダウドがどこ

かで言ってましたね。インディアンのビートで閃いたんだって。ワールド・エスニック・ハード

ポップの祖ですか。最後はただのうるさいハード・ロックですがね。

70年代中期かなあ、アメリカ先住民で結成され、確かアイヴィーズと名乗ったロック・

バンドがこれまたそのまんま「ポイズン・アイヴィ−」をシングル曲で出していまして、

このリズム・パタンが「ドンドッドッドッ、ドンドッドッドッ」「アワワワワワ—」だった筈です。

どこかにドーナツ盤あるかな。ご存知の方、いらっしゃいますか。蛇足ながら

このグループはそれだけでは終らず、前世紀末にこの国で大ヒットした某アニメ主題

歌にクリソツなオリジナル曲をリパトゥワとして持っていました。あ、逆かな言い方が。

とにかく、「ドンドッドッドッ、ドンドッドッドッ」「アワワワワワ—」を、スクリ—ン外へ持ち出

そうという試みは、あれこれ行なわれていたみたいです。

そしてダンスホ—ル・時代のジャマイカには、居ましたねえ。その名もズバリ、アパチ・

インディアン。インドなのか北米大陸なのか、果ては西インド諸島なのか。「アパチ」

と付くからには、おそらく西部劇からの発想でしょう。彼の地のテレビでは未

だに古いアメリカ映画がよく流れていますからね。本人もデビュ—直後には「アワワワワ

ワ—」とやってました。

ではアパチ・インディアン、少しは落ち着いた頃1993年のヒット曲です。

「ショク・デア」

 

M11.Chok There(3’41)Apache Indian

-Indian, Simon, Dlamond- Island CIDTV 518 129-2

 

M12.I’ll Remember You(2’29”)Kui Lee

-K.Lee- Sony A 28604

 

N 普段ならこの時期の場面転換曲はミルス・ブラザーズのハワイアン・アルバムからなんで

すが、先日伊勢丹で使ったきり預けてあるので、今朝はクイ・リーの「想い出は

いつまでも」をお届けしました。涼しくなったでしょう。

さて、この夏の最大課題、ロックオペラ『トミ—』一気聴き、ついに先週果た

しました。家に一人の時にメイン・オーディオで少し大きな音で通しました。最初は

洗濯物を畳みながら、後半はアイロンを掛けながらでした。ナガラ仕事が全く出来

ないわたしにとって、これらは音楽をしっかりと聞く時に可能な数少ない作

業です。まずうるさい音が出ない、そしてそれほど頭脳を使わない。

さて相当に構えて臨んだ『トミ—』イッキギキは、意外や意外、実にスムースな時間と

して進行しました。全然暑苦しくなかったのです。これまで何度も言って来

た、あのグル—プの暴力的性格をわたしは必要以上に敬遠していたようです。

やはりウドゥストークの「サマタイム・ブルーズ」のトラウマかなあ。可愛い顔のメムバ—もいな

いし、属性で語られるのは楽器破壊か狂人的言動でしょ。自己防衛本能が働

いて当然です。打ちのめされないように、鎧甲冑を万全に身に着けて臨んだ

のです。

実は『トミ—』に挑んだ同じ日、その前に某熱烈ファンが選曲した勝手な私家盤

ベストも聴いたんです。その印象も、「あれ・・・」でした。

確かに荒々しいところは目立ちますし、ずっと苛立っているような印象は

拭えません。またそれが当時のモッズに支持された所以だというのも分ります。

でもそれだけではなく、詞曲演奏が非常に計算されていて、生の殺傷能力の

高い生演奏すら、その延長で緻密な演出の上に成り立っているような気がし

ました。「知性」を感じましたね。ヴォーカル・ハーモニーが美しいのも新しい発見で

した。その頃の英国のロック・バンド、ビ—トルズ、ストーンズ、そしてホリーズの要素を

持っていて、更にザ・フーなのだ、という印象。お分かりでしょうか。昔から

のファンには笑われそうですね、「何今頃言ってんだよ」と。

 

M13.Christmas(4’31”)The Who

-P.Townshend- MCA MCAD-10801

 

M13.Cousin Kevin(4’03”)The Who

-P.Townshend- MCA MCAD-10801

 

M14.The Acid Queen(3’33”)The Who

-P.Townshend- MCA MCAD-10801

 

N 大作『トミ—』から「クリスマス」、「カズン/ケヴィン」「アシッド・クイーン」でした。

長い序奏の後に走り出しし、段々と加速して巡航速度に達した頃、続けて

奏でられるこの5、6、7曲目は圧巻でしょう。気が付けば物語に惹き込まれ

ています。

オペラという形式ですから当たり前ですが、ヴォーカルが全体を動かして行く醍

醐味も満喫できます。これ以前に発表されたロックのコンセプト・アルバムというとビー

トルズの『Sgt.L.H.C.B.』がありますが、あれは13の短いトピック・ラジオ番組を

続けて聞いているような気分です。『トミ—』はやはり物語の筋立てが完璧。た

だ、オペラと言っても音だけですから。聞く者の想像力が心に奥深く複雑な

情景を映し出すのです。映像も詳しい解説もなく、そもそも情報量が圧倒的

に不足していた69年に、このアルバムを通して聴いていたフーのファンは偉いなあ、

とまで思いました。今ならCD1枚だけど、当時は3回も掛け直しが必要だっ

たしね。

 

M15.Go To The Mirror Boy(3’48”)The Who

-P.Townshent- MCA MCAD-10801

 

M16.Weicome(4’30”)The Who

-P.Townshent- MCA MCAD-10801

 

N フ—のロック・オペラ『トミー』から「ゴウ・トゥ・ザ・ミラー、ボーイ」、そして「ウェルカム」で

した。ここまで、わたしが恐れていた破壊的騒音は一度も出て来ません。全

体として非常に細やかな神経で演奏されているのも、大いに意外でした。こ

のグル—プ基本的な楽器はドラムズ、ベイス、ギターの3つだけですから、それでこ

こまで作ったのもエライ。もちろんオーヴァ・ダビングはありますが、妙に生演奏的

なんだな。これも『Sgt.』と大分違うところ。もっとリアルな音が飛び込んで来

ます。

『トミ—』の企画概念はずっと前からあったので、良い曲が出来るとその為に

取って置いた、というのは発表後のピートの言葉です。これも本当だったんだ

なあ、と思わされました。後半から選んだ先の二曲の出来は如何でしょう。

これはピートの作風かも知れませんが、とても純で素朴なモチ—フをかなり強引に

繋いで行く手法は、ほとんどの曲に共通した印象でした。

それではアルバム『トミ—』から最後の1曲をどうぞ。微妙なテムポー・チェインヂをし

ながら通して演奏されています。

「ウィア・ノット・ゴンア・メイク・イト」

 

M17.We’re Not Gonna Make It(7’02”)The Who

-P.Townshent- MCA MCAD-10801

 

M18.If 6 Was 9(5’32”)Jimi Hendrix Experience

-J.Hendrix- ユニバーサル MVCE-24028

 

N 1960年代末期のロンドンから、同格のロック・グル—プ、ジミ・ヘンドリクス・イクスピアリア

ンスで、「イフ・シクス・ヲズ・ナイン」でした。

「栄光への軌跡」という陳腐な題名のジミヘンの映画は、余り面白くなかった

のが正直な感想です。ただのナンパな男にしか見えて来なかった。親族の抵抗

で本人が演奏する原盤が使えなかった、という制約があったようですが、そ

れとは違う次元だなあ。あ、話題が古すぎました。とっくに公開は終ってま

すね。

とにかくジミ・ヘンドリクス・イクスピアリアンスで、「イフ・シクス・ヲズ・ナイン」、もし第六条

が第九条だったら・・・かな。

次はウィスン・ピケットがフィラデルフィアで録音した70年の作品です。

「ゲット・ミー・バック・オン・タイム、エンジン・ナムバ・ナイン パート1・アンド・トゥ」

 

M19.Get Me Back On Time, Engine Number Nine(6’23”)Wilson Pickett  

-K.Gamble, L.Huff- Atlantic 7 81737-2

 

N 俗に「エンヂン・ナムバ・ナイン」とも呼ばれる「ゲット・ミー・バック・オン・タイム、エンジ

ン・ナムバ・ナイン」フルサイズでお送りしました。

もう1曲、ナムバ・ナインです。

ザ・クローヴァーズ「媚薬第九番」。

 

M20.Love Potion #9(1’53”)The Clovers   ‘59

-J.Leiber, M.Stoller- Leiber –Stoller LS 101

 

M21.Revolution 9(8’23”)The Beatles   ’68     ワツシ、ツイスト

-J.Lennon, P.McCartney – EMI TOCP-71041/53

 

M22.終戦の詔書(4’43”)昭和天皇裕仁

-非音楽作品-   朝日文庫「天皇の玉音放送」付録

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 2015年8月15日アサーの放送は、後半「九」に因んだ楽曲をシューチュー的に

お届けしました。

「媚薬第九番〜ラヴ・ポーション・ナムバ・ナイン」これは「恋の特効薬」というイカ

したタイトルでもお馴染み。サーチャーズのもいいですね。

続いてはジョン・レノンの「革命九号」。わたしがミュージック・コンクレート、具体音楽と

いうのを初めて聞いたのはこれでしたね。群衆のシュプレヒコールが「世界中が見て

るぞ」に聞こえていましたが、シカゴ民主党大会の事件はこの発表後、68年8

月ですから違いますね。最後の方で「ワトゥーシ」が出て来ます。次が「トゥイスト」

ですから踊りの名前であるのは間違いありません。それにしても、これは実

際にジョンが「ここはこの音、次はこれね」なんて指示を出してつくったんで

しょうか。ジョンは自分の誕生日が9日で、一番大きい数字である事から、「九」

をラッキー・ナムバにしていた、と聞いた事もあります。

最後のは、「現」時代にも聞いて頂いた、最近ダイレクト・カッティ

ングの「玉音盤」が公開された、昭和天皇裕仁の「終戦の詔書」です。これは

テイクがふたつありまして、今のは放送された2度めのテイクのようです。当時は

SPなので、この長さだと2枚になります。放送時には途中で繋げたのでしょ

うか。ミクスDJは誰だったのでしょうか。

昨今、気になる「九」。果たしてその行き先は・・・。

さて今朝も、ちょうど時間となりました。

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「マボロシ」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

 

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/08/08

2015年8月8日 / Category:Entry

mb150808

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

8月8日のアサ—です。まだまだ続く早朝からの狂った暑さを乗り切るために、

さあ「サマー・ワイン」を召し上がれ。

 

M01.Summer Wine(4’12”)Nancy Sinatra & Lee Hazlewood

-Hazlewood- Paradiso PA 711-2

 

N 15、16、17と私の人生暗かった・・・と一緒に歌える「サマー・ワイン」、ナンシ—・

シナトラでした。品川の八潮団地のス—パ—で買った『ナンシ—・シナトラ・グレイテスト・ヒッツ』

からお届けしました。正式クレジットは「ナンシー・シナトラとリー・ヘイズルウド」なんで

すね。アルバム全20曲中に、このコムビのものが9つもあります。長い間タッグを

組んでたのでしょうか。他に「初恋の並木道」をディノと二重唱してます。

もちろん親父のフランキーとも「サムシング・ステューピド」を歌ってます。好きな歌で

すね。それも聞いてもらいましょう。大姉御のナンシーが妙にカマトトぶってるよう

に聞こえます。ボスの前だからでしょうか。

では「サムシング・ステューピド」、邦題「恋のひとこと」。

 

M02.Something Stupid(2’38”)Nancy Sinatra & Frank Sinatra

-Carson, Parks- Paradiso PA 711-2

 

M03.Meditation(2’52”)Frank Sinatra

-A.C.Jobim,N.Gimbel, N.Mendonca- Reprise 9 46948-2

 

N 娘とのデューオに続いては、ボッサ・ノーヴァのフランク・シナトラ、「メディテイション」でした。

これは1967年にアントニオ・カルロス・ジョビンをアメリカに呼び寄せて吹き込んだ有名

なボッサ・ノーヴァ・アルバム『フランシス・アルベルト・シナトラ・アンド・アントニオ・カルロス・ジョビン』

からです。アメリカ芸能界を代表する歌手が当時の最先端の音楽に挑戦。これは

シナトラ側からの企画立案だったようで、編曲者にクラウス・オーガーマンを配すなど万全

の体制で準備され、仕上がりも確かに高い完成度を持っています。この後も、

正式には発表されなかったボッサ・ノーヴァを、やはりジョビン、そして若き日のエウ

ミール・デオダートと共に作っているそうです。ボッサ・ノーヴァ・スタイルが相当気に入っ

てたのでしょうか。

シナトラ好きの人達はすべていい、となるのでしょうが、わたしはちょっと納

得が行かない部分もあります。今の「瞑想」も、声の質と発声法が、ボッサ・

ノーヴァの涼しさと調和していないように聞こえます。皆さんは如何だったでし

ょう。

次の有名曲では途中からジョビンが歌でも参入してきますから、その対比が

はっきり分ります。お聞き下さい、「イパネマの娘」。

 

M04.The Girl From Ipanema(3’14”)Frank Sinatra

-A.C.Jobim, V.Moraes- Reprise 9 46948-2

 

M05.Disfindo(4’15”)Antonio Carlos Jobim feat. Joao Gilbert

-A.C.Jobim, N.Mendonca- Verve 069 490 669-2

 

N やはりボッサ・ノーヴァを歌う声は、これですね。ジョアン・ジルベルトで、「ディサフィナ

ード」、アントニオ・カルロス・ジョビンのベスト編集盤からお届けしました。

どういう発声なんだろう。よく似た歌い方をする人は世界中に大勢います

が、ジョアンのは、よく聴くと単なる呟きでもないし、しっかりとした輪郭を持

つかなり強い声でもあります。リズムも非常に正確です。12年前に初めて日本

に来るのが発表された時には、ファンの間で大騒ぎになりました。飛行機ぎらい

とかで、生きてる間には来日公演が不可能、と言われていましたからね。で

も大成功した初公演の翌年にも再びやって来たりして、割と調子の良い所も

あるようです。

では初来日時の実況録音でどうぞ。「コルコヴァド」。

 

M06.Corcovad(4’20”)Joao Gilbert

-A.C.Jobim, N.Mendonca- ユニバ—サルUCCJ-1005

 

N 2003年、東京国際フォーラムのジョアン・ジルベルトで「コルコヴァド」でした。お客さん

の、熱狂的に反応したいんだけど、本人に気を遣って興奮を抑えている様子

が伝わって来ます。面白い雰囲気です。

では彼の別の側面といいますか、茶目っ気も感じさせるジョアン・ジルベルトも

聞いてもらいましょう。いずれも定番のカヴァです。

「ス・ワンダーフル」、

「オール・オヴ・ミー」。

 

M07.S’Wonderfull(4’11”)Joao Gilbert

-G.& I.Gerswin- Warner Brothers 9-45165-2

 

M08.Disse Alguem(All Of Me)(5’19”)Joao Gilbert

-S.Simones, G.Marks, H.Barbosa- Warner Brothers 9-45165-2

 

N 「ス・ワンダーフル」、「オール・オヴ・ミー」、ジョアン・ジルベルト、77年の『イマージュの部屋』

と81年の『海の奇跡』、この2枚をまとめた1枚のCDからでした。わたし

はこういうジョアンも好きだなあ。『イマ—ジュの部屋』の方はトミー・リプーマの制作。

では同じ盤から、アルバム『海の奇跡』本来の表題曲です。

「ブラジル」。

 

M09.Aquqrela Do Brasil(6’36”)Joao Gilbert

-Mateus, Dadinho- Warner Brothers 9-45165-2

 

N ジョアン・ジルベルトで「ブラジル」でした。この有名曲、長い間もう少し一般的な

アレンヂで聞いていたので、当初はジョアンのに馴染めなくてね。特に歌い出しが

全然違うのでかなり戸惑いましたが、聞き続けるうちに、断然こっちの方が

良くなって来ました。これも彼の歌唱力ゆえに成立した形なんでしょう。

同じ歌を女性、ジョイスが歌うとどうなるか、こうなります。

 

M10.サンバ・ブラジル~ブラジルの水彩画(4’38”)ジョイス

-A.Barroso-   オーマガトキ OMCX-1032

 

M11.エンブレイサブル・ユー(4’02”)ナラ・レオン

-G.& I.Gerswin- 日本フォノグラム PHCA-4212

 

N ジョイスの「ブラジル」に続いては、やはり日本でも人気があるナラ・レオンで、「エン

ブレイサブル・ユー」でした。確か初来日を青山学院の大講堂で観たな。大掛かり

な舞台構成だったような記憶があるけど、違ったかな。

60年代後半に世界中で親しまれるようになったボッサ・ノーヴァ。このスタイルを

一般的にしたのは、やはりアストラッド・ジルベルトですね。ジョビンやジョアン、スタン・

ゲッツも大きな貢献をしていますが、彼女の歌声があってこそ、この音楽が時

代を創れた、とも言えます。代表曲を聞いて下さい。

まず「シェルブールの雨傘」、

そして「いそしぎ」。

 

M12.待ちましょう(4’42”)アストラッド・ジルベルト

-M.Legrand, Gimble- ポリドール MV9068/9

 

M13.いそしぎ(2’29”)アストラッド・ジルベルト

-Webster, Mandel- ポリドール MV9068/9

 

N 「待ちましょう〜シェルブールの雨傘」、「いそしぎ」、アストラッド・ジルベルトでした。

やはり醸し出す雰囲気には圧倒的なものがありますね。彼女の歌がボッサ・

ノーヴァの形と色彩を決定づけた、とも言えます。でも今の2曲は、両方ともブ

ラジルと無縁の映画主題歌なんですね。ここがツボ。

更に言えば、アストラッドはそもそもプロの歌い手ではなく、「台所で鼻歌ぐらい

しか歌ったことのなかった」と言われています。例えば、代表曲「イパネマの娘」

を静かな所で聴くと、歌い出しの前、イントロの部分で、アストラッドは、なんとも不

安気に大きく深呼吸をしているのが分ります。相当な緊張です。これが初吹

き込みだったかも知れません。左側のスピ—カ—です。あ、これは大昔のステレオ・

レコードだから、今はどうなっているか、分りません。

彼女に目を着けたのは、スタン・ゲッツと、後にクロスオ—ヴァの世界で君臨するクリー

ド・テイラーだと言います。おそらくサムバの土着性、民族性を上手に一般化して

行く上で、アストラッドの声が大きな閃きとなったのでしょう。

デビュ—作1曲で「世界的ボッサ・ノーヴァ」歌手となったアストラッド・ジルベルトは、

その後もブラジル音楽よりポピュラー音楽の領域で活動を続けました。そのせいで

本国では意外なほど知られていないそうです。あの地には逞しい歌い手が何

人もいますからね。

わたしは70年代の終わりに世界歌謡祭で一度だけ彼女を観た事があります。

何故かとても寂しそうな印象を受けたのが心に残りました。

ではアストラッド・ジルベルト、先ほどフランク・シナトラが歌った「瞑想」、

そして東京で録音された「白い波」をどうぞ。

 

M14.瞑想(2’40”)アストラッド・ジルベルト

-A.C.Jobim,N.Gimbel, N.Mendonca- ポリドール MV9068/9

 

M15.白い波(3’41”)アストラッド・ジルベルト

-E.Mizuki, S.Watanabe-   ユニバーサル UCCV-3023

 

N アストラッド・ジルベルトで「瞑想」と「白い波」でした。今の「白い波」は、作曲

が渡辺貞夫。日本にボッサ・ノーヴァを紹介した一人です。彼は62年から65年ま

でボストンのバークリー音楽院に留学していました。ちょうどジャズの世界で新しい

リズム、感覚としてのボッサ・ノーヴァが徐々に影響を拡大しつつあった頃ですから、

当然その波を直接かぶっていまして、帰国後しばらくはボッサ・ノーヴァを熱心に

演奏していたそうです。なんとなく憶えているな。

滞在中にアルバイトのような感じで参加した録音も、ボッサ・ノーヴァ色の強い物で

した。セッションの名義人だったヴァイブラフォーン奏者ギャリー・マクファランドは当時この新し

いスタイルを既に全面的に導入していまして、録音時に貞夫さんは、あまりにボッ

サ・ノーヴァが多いんで嫌だったそうです。しかし一緒に演るうちにすっかり虜

になって行ったと言います。

この時のアルバムはいかにもマクファランドらしく、穏やかな音色で統一されていて

全てに甘—いスキャット・ヴォ—カルが配されています。

では、フルートとテナー・サキソフォンを渡辺貞夫が担当。ガボール・サボも参加したギャリー・

マクファランドの『ジ・イン・サウンド』から続けてお聞き下さい。

バカラック作曲「ヒア・アイ・アム」、

次はコール・ポーターの「貴方に夢中」、

そしてマクファランドのオリヂナル「ヴェルドーゴの丘」。

 

M16.ヒア・アイ・アム(2’12”)ゲイリー・マクファ−ランド

-H.David, B.Bacharach- ポリドール POCJ-2739

 

M17.貴方に夢中(2’50”)ゲイリー・マクファ−ランド

-C.Porter- ポリドール POCJ-2739

 

M18.ヴェルドーゴの丘(3’52”)ゲイリー・マクファ−ランド

-G.McFarland- ポリドール POCJ-2739

 

N   ギャリー・マクファランドで「ヒア・アイ・アム」、「貴方に夢中」、「ヴェルドーゴの丘」でし

た。昔のお昼のAMラジオでだらだらと流されていた曲のような印象です。総

じてボッサ・ノーヴァ調ではありますが、よく聴くとラテン全域からリズムのヒントを拝借

した凝った造りにもなっています。尤もそういう部分を強調したいレコード

ではないでしょうが。

さて、60年代初頭からブラジルではこういった新しい音「ボッサ・ノーヴァ」が

生まれ、世界に伝わって行ったことになりますが、いわゆるボッサ・ノーヴァのイメ

—ジは、アメリカのジャズ系ポピュラ—音楽界で造られたものではないか、とわたしは

考えています。ヴァーヴやA&Mといった中流階級的洗練を旨とするレイベルが

異国情緒を洗練させて新感覚として売り出した、と言ってしまうとアンマリかも

知れませんが、このやり方が成功して、歌謡曲にまで影響力を及ぼした、と

するのが、わたしの論だな。

もちろんその根底には、南米ブラジルという豊かな風土、優れた音楽家たち

の存在が不可欠だったのは、言うまでもありません。

一般的なボッサ・ノーヴァには先ほどのギャリー・マクファランドのヴァイブのように、ブラ

ジル以外の楽器が多用され、現代の音楽の体を成していますが、その一方でショ

ーロという現地の伝統音楽の流れもわたしは強く感じます。西洋の楽器とブラシル

が端正な形で融合した室内楽的響きを持った音楽、と言ったら想像して頂け

ますでしょうか。

では、実際にお聞き下さい。

 

M19.Cinco Companheiros(3’15”)Paulinho da Viola

-Pixinguinha-   EMI 493123 2

 

M20.Lamento(3’24”)Os Choros

-Pixinguinha-   EMI 493123 2

 

M21.インジェヌオ(4’46”)Chiquinho and Joel

-Pixinguinha-   ライス KPR-201

 

N ショーロの演奏、「シンコ・コムパヘイロス」、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ、「ラメント」、オス・コロス、

最後はシキョーロとジョーエルで「インジェヌオ」、いずれもブラジル音楽の父、と呼ばれるピ

シンギーニャの作品でした。

熱狂的な激しいリズムのダンス音楽サムバと並んでもうひとつ、このような控え

目な表現も、彼の地には確実に受け継がれています。

もうひとつ、ブラジル音楽の特徴として、独特のフュージョン感覚があるでしょう。

超絶演奏技術で主として打楽器、電気楽器を鳴らしまくる「サンバ・フュ—ジョン」

と呼ばれるひとつの分野もありますが、見聞きした物の中から気に入った物

を自然に混ぜ合わせてしまうやり方が、さまざまなブラジル音楽には共通して

いるように思えます。エウミール・デオダートなんかはその代表。先ほどのショーロはそ

の先魁でしょうか。

 

M22.コイサ No.10(4’33”)シブーカ

-M.Santos- ヴィヴィド VACD-1003

 

M23.Waves From The nucleus(3’26”)スカイマーク

-unknown- Pヴァイン PCD-93812

 

N ブラジル人のフュ—ジョン感覚を強く感じさせる演奏家シヴーカの、ヌーヨークはヴィレッヂ・

ゲイトの実況録音で「コイサ第十番」。先ほどのギャリー・マクファランドとは対照的な歪み

加減のスキャット・ヴォーカルが単純な旋律を繰り返す部分は、ちょっと奇異な印象を

生み出します。独特だなあ。こういうのは、やはり他の地域では得られない

感覚ですね。

シヴーカはギター、アコーディオン、確かハーモニカも演ったはず。ここでは、もちろんリード・

スキャット。ZZトップ風の髭ヅラで、一見の価値あり。

その次は今朝唯一の新しい音楽。発売されたばかりのスカイマークの新譜から、

最後に収められている「核の波動」、でいいのかな、「ウェイヴズ・フロム・ザ・

ヌウクリア」でした。ブラジルのクラブDJ音楽の最新型でしょうか。アルバムに収められ

ている他の曲には、ちょっと時代遅れの音色、リズム感も出て来ます。DJとい

う肩書きに納得の響きです。

さて、ボッサ・ノーヴァ中心にお送りして来た今朝の「幻」、かつて「現」版で

も紹介した事のあるこの1曲で締めましょう。

エラスモ・カルロスで「朝のコーヒー」、ヴォ—カルは、先ほども登場したナラ・レオンです。

 

M24.朝のコーヒー(3’22”)エラスモ・カルロス

-R.Carlos, E.Carlos- ポリドール MP 2642

 

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 実は先週、昔のカセット・テイプが出て来ましてね、掃除をしながら聞いていたん

です。そのタイトルが、なんと『永遠の響きを集めたボッサ・ノーヴァ専科〜物憂げな

夏に』というものでした。20代の終わり頃に作ったと思います。今に較べて

圧倒的に素材不足の状況下で、90分テイプを満たすのは大変でした。

とても恥ずかしいのですが、収録楽曲を挙げておきましょう。表記は書い

てあった通りです。

 

Side A

  1. オサーニャの歌/タムバ・フォ−
  2. 瞑想/アストラッド・ジルベルト
  3. いそしぎ/クリス・モンテス
  4. 恋の面影/クローディーヌ・ロンジェ
  5. 大地の歌/ルイス・エサとコロダス
  6. コンスタント・レイン/セルジオ・メンデスとブラジル’66
  7. オールド・デヴィル・ムーン/ボサ・リオ
  8. ノーモア・ブルース/アントニオ・カルロス・ジョビン
  9. ロシアより愛をこめて/ゲイリー・マクファランド楽団
  10. サマー・サムバ/ワルター・ワンダレイ
  11. 我がふるさとのサムバ/ジョアン・ジルベルト
  12. ワン・ノート・サムバ/スタン・ゲッツ
  13. 13.ディアローゴ/アントニオ・カルロス・ジョビン

Side B

  1. 波/アントニオ・カルロス・ジョビン
  2. ナイト&デイ/ブラジル’66
  3. ビン・ボン/ジョアン・ジルベルト

04.二人と海/タムバ・フォ−

05.愛の聖書/クリス・モンテス

06.ザンジバル/エドゥ・ロボ

07.ディサフィナード/スタン・ゲッツ

08.イパネマの娘/アストラッド・ジルベルト

09.花の乙女/ダルベルト・ホセ・デソウザ・カスチーニョ

10.ジェントル・レイン/ルイス・エサとコロダス

11.デイ・バイ・デイ/ボサ・リオ

12.男と女/ワルター・ワンダレイ

13.オルフェの歌/クローディーヌ・ロンジェ

14.アンティザ/アントニオ・カルロス・ジョビン

 

表記が統一されていなかったり、間違いもありますね。先週言及した「オルフ

ェの歌/クローディーヌ・ロンジェ」は、多分このカセットで何度も聞いていたんでしょう。

両面ジョビンで終えてるのは演出か・・・、いろいろと想像が膨らみます。当

時は今程のオーディオ・セットを持っていなかったんですが、とてもいい音で保存さ

れていて驚きました。カセット侮れず。

これをきっかけに、30数年後の自分がまとめたブラジル音楽集をお届けしま

したが、いかがでしたでしょうか。お分かりの方がほとんどでしょうが、あ

まり詳しくはないですよ。一生懸命やって、この位。わたしにとって、ブラジ

ルは余りに広大です。お許しを。

さあ今朝も、ちょうど時間となりました。

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「マボロシ」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/08/01

2015年8月1日 / Category:Entry

mb150801

前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

8月1日のアサ—です。

「幻」フラッシュ、それではここでみなさんの受信状態の確認と調整をしていた

だきましょう。これから、まず左側スピーカー、そして右のスピーカー、そして両方

という順番で、音楽をお送りしますので、受信状態、音量などを確かめて下

さい。

では、参ります。ワルター・ワンダレイです。「サマー・サムバ」。

M01.サマー・サンバ(3’07”)ワルター・ワンダレイ
-Valle, Sergio, Valle, Gimbel- ポリドール POCJ 2590

 

N   往年の名盤組NHK-FM「ジャズ・フラッシュ」風に始めました、今朝の「幻」

モーニン・ブルーズ、電波状況はいかがでしょうか。

さて、8月が「真夏だー」、「暑ーい」、なんて言ってるあなた、お分か

りですか、もう夏は終わりなのです。それが8月です。これからの1ヶ月は、

逝く夏を惜しむ為の31日間です。

いつからだろう、こんな事を感じるようになりました。もちろん、真夏で

すし、暑い。でも8月に入ると、季節の終末感が忍び寄る寂しさに襲われま

す。思い返せば、ずいぶんと若い頃、いや子供の時から、こんな気持ちで青

い空、入道雲を見上げていた記憶が蘇って来ます。

では、こんな心境に相応しい一曲を。

先週はじめてご紹介したマリオ・ウジョアのギタ—・ソロです、「古い家」。

 

M02.古い家(3’17”)マリオ・ウジョア
-E.Alfaro- アオラ BNSCD-7723

N マリオ・ウジョアのギタ—・ソロで「古い家」でした。「ギターは小さなオーケストラ」という

昔からの言い伝え通りの演奏ですね。こういうのをひとりで爪弾けるのは、

羨ましい。

マリオ・ウジョアの生まれたコスタリカ、わたしは地図の上でしか知りませんが、南米

大陸ブラジルが持つ躍動、熱狂の裏に潜む無常感を漂わせる音色、間が魅力で

す。

このアルバム『アラフェラの午後』は、同傾向の作品が自然な流れで続き、うだる

ような暑さの中でも心を落ち着かせてくれます。

ではもう一曲、女性の楽園を夢見て作られたという「パライーサ」。

M03.パライーサ(5’19”)マリオ・ウジョア
-M.Ulloa- アオラ BNSCD-7723

 

M04.黒いオルフェ(3’52”)クローディーヌ・ロンジェ
-A.Maria,L.Bonfa- キング GSW-305/6

N 取り扱い注意のクローディーヌ・ロンジェが歌った「黒いオルフェ」、別名「カルナヴァルの朝」

でした。その前の「パライーサ」が似たメロディを持っていたので、聞く度に「何だ

ったかなあ」と気になっていましたが、連想がようやく決着して、「これだ」

と分りました。超有名曲ですから数えきれない程のヴァ—ジョンがあります。わ

たしはこの楽曲の決定的な演奏というのは、ひょっとして聞いた事がないか

も知れませんが、それほど有名ではないと思われる、今のヴァ—ジョンで、ずっ

と親しんで来ました。冒頭に配されたパ—カッションのシーケンスに覆い被さって歌い出

されるクローディーヌのかすれた声は、終了部分で再びフェイド・インして来るパ—カッション

の中に消えて行きます。見事なコラージュですね。熱い陽射しの下で賑わう謝肉

祭の始まる日、ゆっくりと明けて行く、まだ静かな朝・・・先ほどの「無常

感」とも繋がるように感じられます。さっきのわたしの八月観は、この「黒

いオルフェ」の影響が大きいなあ。まだ観た事のない、これを主題歌にした映画、

どこかで手に入るかな。とても興味が涌いて来ました。

さて、いつになくもの静かに始まった「幻」のアサ—、このまま眠ってしまっ

てはいけません。マムボのリズムで喝を入れましょう。

アール・ボズティクで「マムボズティク」

M05.Mambostic(2’32”)Earl Bostic
-Bstic- Charley CD CHARLEY 51

N 「マムボズティク」アール・ボズティクでした。みんな目覚めたかな。

先週末は忙しく過ごしました。土曜日に神宮へ野球を観に行き、次の日は

昼前に伊勢丹で大人しいDJショウ、それが終ってすぐ上野駅から新潟に飛んで

「ニュ—沼垂(ぬったり)ラジオ」のイヴェント「続・音頭シンポジウム」に出席、翌日湯

沢に知人を見舞って帰京、その足で三鷹へ所用を済ませに・・・という強行

日程でした。

帰りの新潟から乗った新幹線でつい居眠りをしてしまい、気が付くと列車

が越後湯沢駅で停車中。「こりゃ遺憾」と慌てて降りようとしたら大きなリュック

を背負った大勢の白人が通路に雪崩込んで来ました。なんとか下車できまし

たが、駅構内の混雑振りは尋常ではなく、寝ぼけ頭では理解できません。

「そうか。昨日までフジロックだったのか」と悟ったのは、数十秒後でした。

M06.Flamingo(2’42”)Earl Bostic
-G.Anderson- Charley CD CHARLEY 51

 

M07.All Of Me(4’12”)Dina Washington
-Simons, Marks- ビクター VICJ-60705

N 同じくアール・ボズティクで代表曲「フラミンゴー」、そして映画「真夏の夜のジャズ」

オリジナル・サウンドトラックからダイナ・ワシントンの挑発的「オール・オヴ・ミー」をお聞きいた

だきました。

この7月27日の越後湯沢駅は、土曜の夜の新宿駅東口みたいな混雑ぶりで

した。切符売り場は長蛇の列、階段の踊り場あたりでは何人もがかなり堂々

と眠っています。みんな大きい荷物を背負っているのも、込み合った状況を

助長していました。でも混乱はなかったですね。フジロックの4日間、越後湯沢

駅では、こういう状態が続くんだそうです。同地に住む知人はこの混雑を見

に行った、と言ってました。

さて、ここまでの3曲、今の話と無縁ではありません。どんな関連でしょ

うか。それは、この人たちです。

M08. Twilght Time(3’53”)Bloodest Saxophne feat. Jewel Brown
-A.Nevins,M.Nevins, B.Ram- メディア・ファクトリー FAMC-161

 

N 昨年以来の組み合わせ、ブラデスト・サキソフォンとジュウェル・ブラウンです。昨年日本で

録音したアルバム『ローラー・コースター・ブーギー』から、「トゥワイライト・タイム」でした。

彼等は今年のフジロック、2日目、3日目に出演していました。ジュウェルは今年の

8月30日で78歳という高齢です。さぞや暑かったでしょうに、元気な舞台

を見せてくれたようです。その翌々日、28日の渋谷クアトロで、単独のショウがあり

ました。それを観て連想したのが、アール・ボズティクとダイナ・ワシントンだったのです。

ブラデスト・サキソフォンのテナー・サクソフォン奏者である伸太郎は、この晩やけに音色が

ボズティクに似ていたような感じでした。音色の歪ませ方が特に。もちろん本人

もボズティクは相当聴き込んでいるでしょうが、これまではそんなに思った事は

なかったですね。

一方のジュウェル・ブラウンは渋谷でも絶好調、大サーヴィス。特にスロウ・ナムバーの丁寧

な歌い方が印象に残りました。ブルーズを土台に、ジャズもR&Bまでもこなす

黒人女性歌手。エタ・ジェイムズとも重なりますし、アメリカでは決して珍しい存在で

はありませんが、日本ではなぜか無視されがちです。歌の表情、そして採り

上げるリパトゥワから思い浮べたのが、ダイナ・ワシントンでした。

 

M09.I’m Shakin’(3’01”)Jewel Brown
-R.Toombs- Dialtone unknown

 

N ジュウェル・ブラウン、こちらはテキサスの州都オースティンで録音されたミルトン・ホプキンズとの

合作から「アイム・シェイキン」、リトル・ウイリー・ジョンの曲ですね。オリジナルでは全てのブレ

イクに入るドラムのタム回しがなんとも滑稽で、聞く度に笑い転げていた頃があり

ます。それに較べると、こちらのヴァージョンはまともな演奏、どっしりとした

重量感を持つ作品に仕上げられています。

ステージでのブラデスト・サキソフォンとジュウェル・ブラウン両者は、もう既に信頼関係が確

立されている間柄で、進行もなめらか。冒頭で伸太郎が伝えてくれたように、

昨年よりも大きな声が出ていました。まだまだ元気に歌ってくれそうです。

次はこの晩も披露したナムバーを2曲続けましょう。

「ドント・ゴウ・ストレンジャーズ」、

そして「ビウィチード」。

M10.Don’t Go Strangers(5’02”)Bloodest Saxophne feat. Jewel Brown
-J.J.Cale- メディア・ファクトリー FAMC-161

 

M11.Bewitched(2’52”)Bloodest Saxophne feat. Jewel Brown
-H.Greenfield, J.Keller- メディア・ファクトリー FAMC-161

 

N J.J.ケイル作の「ドント・ゴウ・ストレンジャーズ」、そしてフランク・シナトラで有名なものと

は同名異曲の「ビウィチード」、共にブラデスト・サキソフォン・フィチュアリング・ジュウェル・ブラウ

ンでした。

ジャムプ・ブルーズという分野を独自の解釈で突き進むブラサキ。この晩は控えめ

ながら安定したリズムが特に心地良かったですね。この後は更なる独創性を期  待しましょう。

ではここしばらく彼等が最初に演奏する、ライオネル・ハムプトン楽団の十八番、イリ

ノイ・ジャケーのソロでも知られた、「世界最初のロックンロ—ル曲」説もある、

「フライング・ホーム」。

 

M12.Flying Home(5’39”) Bloodest Saxophne
-B.Goodman, E.delange, L.Hampton- メディア・ファクトリー FAMC-161

 

M13.Twilght Time(2’48”)The Platters
-A.Nevins,M.Nevins, B.Ram- Fantastic Voyage FVTD 116

 

N ブラデスト・サキソフォンの「フライング・ホーム」、裏に忍ばせたオルガンが効果的でした。

オリジナルにはない味わいですね。後半部分のテナ—のイナナキも気持ち良かった。こん

な感じのオリジナル作品が欲しい気がします。

続けてはジュウェルの歌で、妙にプラターズを聞きたくなった「トゥワイライト・タイム」で

した。そしてジュウェルはこの晩、こんな歌も聞かせてくれました。

 

M14.Everyday I Have The Blues(5’21”)Lambert, Hendricks & Ross
-Chatman- Jasmine JASCAD 480

N ご存知「エヴェデイ・アイ・ハヴ・ブルーズ」、それにしては洒落ていて、歌詞も

変わっているような・・・、そんな印象をもたれた方がいらっしゃるでしょ

う。これは超絶ヴォーカリーズ・トリオ、ラムバート、ヘンドリクス・アンド・ロスがカウント・ベイシー

楽団と1959年に吹き込んだヴァ—ジョンです。B.B.キングがこの曲を世界的に有名

にするかなり前ですね。ジョン・ヘンドリクスがオリジナルの歌詞を載せて、3人が見事

なヴォーカル・アンサムブルを披露しています。ラムバート、ヘンドリクス・アンド・ロスは結構沢

山の作品がありまして、わたしも大好きなだけでなく、大いに敬意を持って

接しているグループです。まず何と言ってもヘンドリクスの音韻、言語感覚が驚異的。

それをさらに高度なハーモニーで仕上げていて、もう別格的存在。特定の吹き込み

を土台にして、そのソロの部分までにも言葉を載せて、違和感なく聞かせる辺

りには、全く圧倒されてしまいます。ただ、それが故にちょっと難解さが付

きまとうのも事実で、敬遠する人もいるでしょう。本人達は実に楽しくやっ

ているのにね。

先週の伊勢丹の大人しいDJショウでは、このようなヴォーカル・グループに焦点を

当てて構成しました。ただ、時間が足りず、大ハショリという終わり方になって

しまった点が申し訳なかった。これまで多少の時間延長はしてきたのですが、

先ほども言いましたように、この日はその後の新潟行きがあって、終了せざ

るを得なかったのです。

佳境に入り、ラムバート,ヘンドリクス・アンド・ロスの段階になって、ヘンドリクスが参加し

たマンハタン・トランスファの『ヴォーカリーズ』アルバムを引き合いに、彼の底知れぬ能力につ

いて語ろうとするところで、「ちょうど時間となりました」だったのです。

これは今も大いに悔やまれるところ。もう少し整理して、分り易く、「幻」

でお届けしようかと考えています。ご期待下さい。

とりあえず、以下にこの日お聞きいただいた楽曲リストを挙げておきます。

 

01.If I Have A Hammer(1’57”)Peter, Paul and Mary

02.This Boy(2’11”)The Beatles

03.Sun King(2’31”)The Beatles

04.Please, Mr. Postman(2’27”)The Marveletts

05.Baby, It’s You(2’40”)The Shirells

06.Joshua Fit The Battle Of Jericho(2’39”)The Golden Gate Quartet

07.Lilies In The Rain(3’04”)The Ravens

08.Tea For Two(2’40”)The Ravens

09.Write Me A Letter(2’52”)The Ravens

10.If I Didn’t Care(2’59”)The Ink Spots   Lead v. Billy Kenny

11.I’m Making Believe(3’09”)EllaFitzgerald with The Ink Spots

12.It’s Only A Paper Moon(2’34”)

13.Fairy Tale(2’51”)EllaFitzgerald with The Mills Brothers

14.Tiger Rug(1’47”)The Mills Brothers

15.Sweet Georgia Brown(2’33”)The Mills Brothers

16.Brahms’ Lullaby(2’30”)Hi-Lo’s

17.To You(3’56”)The Manhattan Transfer

18.Oh, Yes I Remember Clifford(3’45”)The Manhattan Transfer

19.I Remember Clifford(7’06”)Lee Morgan

 

N これだけでも充分に時間超過だなあ。実はこれでも途中を大幅に削除しての

流れでした。放送関係者としては失格ですね。皆さんもおそらく並びを見た

だけでは、全体の姿が分からないでしょう。本来の構成に従ってもういちど

精査し、近日中にお届けしましょう。「幻集中講座 楽しいヴォーカル・グループ」

ご期待下さい。

M15.Talkin’ In Your Sleep(3’54”)Hillbenders
-Canler, Palamarchuk, Skill, Marinos, Solley- BSMF 6021

 

N お聞き頂いたのはニュウ・ウェイヴグループ、ロマンティクスのヒット「トーキン・イン・ヨ・スリープ」

を、もうすっかりお馴染みのブルーグラス・グループ、ヒル・ベンダーズがカヴァしたも

のです。この前のアルバム『キャン・ユー・ヒア・ミー』からです。彼等の意表を突いた

楽曲の取り上げは、以前からなんですね。今のもとても調和した編曲で違和

感なかったでしょ。オリジナルは、機械リズムでしたかな。これを聞いて伝わって

来るのはヴォ—カル解釈の個性的なところです。どんな音楽にでも「歌」を聞く、

そんな姿勢が徹底しているような気がします。

ヒル・ベンダーズと言えば、フーの『トミー』、まだ聴いてないのです。今も目の前

にあるんですけどね。しっかり時間を作って・・・なんて言ってるとずっと

聴けないかも知れません。日曜日だ。どこか涼しいところへ持って行って聴

けるかな。

さて、先週のソン・デ・マデーラ、すぐに「まゆりん」さんから、すぐに反応を

頂きました。ありがとうございます。銀座の山野楽器では重点的販促展開中

だそうです。未確認ですが、きっと試聴できますよ。わたしはタワ—の渋谷で聞

いて購入しました。この発売に漕ぎ着けるまでの苦労話を今週聞いたので、

来週にでもお話しましょうか。あ、エリスの次の記事にしよう。

では今朝のソン・デ・マデーラは、最新アルバム『カリベ・マール・シンコバード』から、

冒頭の一曲です。「バラフ」

M16.パラフ(4’51”)ソン・デ・マデーラ
-trd.- ミュージック・キャンプ BG-5186

 

M17.What’d I Say(5’33”)Albert King, Steve Cropper, Pop Staples
-R.Charles- Stax SCD-8544-2

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

N 今朝の最後は、アルバ—ト・キング、スティーヴ・クロッパー、ローバック・ポップ・ステイプルズ

がスタックスのスタジオで共演し当時大いに話題性を伴ったセッション・アルバム『一緒にジャ

ムを』から「ワダイセイ」でした。プロデュ—サ—、アル・ジャクスンがカッコイイですよ。分って

る、って感じ。

先週のモーニン・アレンヂの「伊勢佐木町ブルーズ/青江三奈」ね、「幻」9500万人

のリスナーのひとり、古軸泉さんの家にあったそうです。タイトルは「Passion Mina

In N.Y.」で、他の収録楽曲は以下の通り。

 

1.オープニング”moanin”〜伊勢佐木町ブルース

2.長崎ブルース

3.池袋の夜

4.国際線待合室

5.New York state of mind

6.上を向いて歩こう

7.Love is forever〜いつかまた〜

8.白樺の小径

9.淋しい時だけそばにいて

10.恍惚のブルース

11.女とお酒のブルース〜エンディング”moanin”

 

お便りによると「ライブ仕立てな演出がまたいいですね」とあります。と言

う事は、疑似ライヴになるのかな。いずれにせよ、聞いてみたい。

夏休みを取っている人達が多いですね。いいなあ。これからわたしは月末

まで土方的労働の日々が続きます。ナマズの蒲焼きで猛暑克服だ。皆さんも、

どうぞお元気で。

さあ今朝も、ちょうど時間となりました。

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「マボロシ」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来週もあなただけに。

 

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【幻】モーニン・ブルーズ 2015/07/25

2015年7月25日 / Category:Entry

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前TM : ヲーキン・ブルーズ(夜に近いアサー仕様)P.B.B.B.

N おはようございます。モーニング小僧。ワトゥーシ・アイザヲです。輪投師藍蔵王です。

7月25日のアサ—です。

今朝も、まず先週聞いてもらったバセク・クヤーテで始めましょう。

まずはこれです、「用心しろ」。

 

M01.用心しろ(5’47”)バセク・クヤーテ

-B.Kouyate- ライス INR-898

 

N このビート感がとても気持ちいい。鋭く刺激的で、なおかつ自然。ひとつひと

つの音が生きているように動き、それぞれ自発的な仕事をしています。理想

的ですね。羨ましい。

マリの音楽家バセク・クヤーテは、名前からもわかるように、グリオと呼ばれる音楽

家一族の出身です。彼の地では音楽を出来る人間が限られていて、世襲的に

伝統音楽を受け継いで行く習わしがあります。同じくマリの生まれで日本で活

動をしているママドゥ・ドゥンビアもそうした血統の下に音楽を続けている、と4

月の草月会館で言っていたようでした。これだけを聞きますと、因習に拘束

され形の継承だけに囚われているこの国の伝統芸能の世界を連想してしまい

ますが、お聞きのようにバセク・クヤーテは、自由に新しい音楽を生み出していま

す。ンゴニという弦楽器をギタ—のように立って演奏したのは、彼が最初だと言

います。ジャケット、ブックレットに写真は出て来ませんが、ヨ—ロッパの白人も多く参加

した今回のアルバムは、洗練されつつも土着性を失わず、高い完成度を持ちなが

ら、聞く人の自由な解釈を拡げてくれます。今のには普通のドラム・セットが導入

されていますが、その叩き方、パタ−ンが独特で、よくある西洋的なノリで支配さ

れていません。これには、デイヴ・スミスというイギリス人の理解力、能力に負うと

ころが大きいでしょう。

次は先週も聞いてもらった3番目のトラックです。

「それは無くなるよ」

 

M02.それは無くなるよ(5’50”)バセク・クヤーテ

-B.Kouyate- ライス INR-898

 

N バセク・クヤーテ、新しいアルバムから「それは無くなるよ」でした。暑い時には、

音楽そのものを聞きたくなくなる事もあります。今週の月曜日がそうでした。

片付けをしていた一日中、あの温度、湿度。歳のせいか非常にこたえまして、

午後は休みを取りながら作業を続け、やっと奇麗になりました。こういう時

は音が鳴るだけでも不快指数が上がるような気がします。でもバセク・クヤーテの

ようなアフリカの音楽には、それほど拒絶反応が出ませんね。聞いた瞬間に、直

射日光に照らされた未舗装の道路が浮かんで来るくらい、暑い事は暑い音な

のですが・・・。

さて、先週のピンポンDJヨコハマ選手権、熱烈なご支援をありがとうございます。

いろいろと考えて、レコード店回りをしたり、知人(本人)に借りたりした結果、

割とうまく行った、と自負しております。途中から対戦相手が「『タバコ』で絞

って行くぞ」と宣言した時には、「やった、上手い展開に持ち込めた」とひと

安心しました。また、最後にジュリ—・ロンドンが出て来たのも嬉しかったですね。

青江三奈の「伊勢佐木町ブルーズ」に繋げられましたから。

終了後、来てくれていた知り合いに教えて貰ったのが、これです。

 

M03.伊勢佐木町ブルース(3’37”)青江三奈

-K.Kawauchi, Y.Suzuki-
https://www.youtube.com/watch?v=mf9XeooYXOY

 

N 「お前、モ—ニンで始まる『伊勢佐木町ブルーズ』知ってるか。ユーチューブにあるぞ」

と、その知人が教えてくれました。とっても興味が涌いて、土曜日だったか

な、探したら比較的すぐに辿り着けました。それが今のヴァージョンです。最初

に観た映像はビクター・レーベルの盤が回る画でしたから、正式な実況録音盤とし

て発売されて居たのかも知れません。他にはどんな曲が収録されているので

しょうか、気になりますね。日ノ出町からすぐの伊勢佐木町には、この歌の

碑もあります。「伊勢佐木町ブルーズ」があの町に溶け込んだ夜でした。

さて、その後「この歌も聞きたかった」と、何人かに言われました。そう

でしたか。では遅ればせながらお届けいたしましょう。

いしだあゆみで、「ブルー・ライト・ヨコハマ」

 

M04.ブルー・ライト・ヨコハマ(3’05”)いしだあゆみ

-J.Hashimoto, K.Tsutsumi- ビクター LL-10181-J

 

N いしだあゆみ最大のヒット曲、「ブルー・ライト・ヨコハマ」でした。これね、もちろん

あの時持っていたんですけれど、安易に使ってはいけない、逆にシラケさせるの

ではないか、と出さなかったんです。「港町ヨコハマ」で「ブルー・ライト・ヨコハマ」、あ

んまりじゃアーリませんか。流れとしても繋がらず、正直なところ、使わずに済

んで、ホッとしておりました。でもみなさんはお聞きになりたかったようで・・・。

ここは外しちゃったかな。

もし「ブルー・ライト・ヨコハマ」を使う事があったらこれを続けよう、と用意して

いた1曲もありました。

続けてお聞き下さい。サンドラ・アレキサンドラの「ブルー・ライト・ヨコハマ」です。

 

M05.ブルー・ライト・ヨコハマ(2’55”)サンドラ・アレキサンドラ

-J.Hasimoto, K.Tsutsumi- コロムビア COCP 34687

 

N 「ブルー・ライト・ヨコハマ」、サンドラ・アレキサンドラでした。

これは1970年の秋に国内発売されていたアルバムの収録曲です。数年前にCD

で再発売になっていたようですね。わたしが知ったのは昨年暮。ちょっとし

た驚きでした。『サンドラと12人の侍たち』という題名のLPで、「そう言えば

ジャケットは憶えがあるなあ」という程度の記憶。手許に現物がないので詳細不

明ですが、おそらくは12人の異なった作曲家の歌を並べているのでしょう。

殆どは、その頃のヒット曲のカヴァです。アメリカの歌い手で、それほど色は濃くあり

ませんが、黒人のようです。本国では普通のアルバムを最低1枚発表している

との事。このLP発売の経緯は不明です。「ブルー・ライト・ヨコハマ」のアレンヂはコムボ・

ジャズ風味歌謡曲といった趣き。決して悪い出来ではありません。この他に「い

いじゃないの幸せならば」も聞いていまして、そちらも「上」の出来です。

近いうちにまた改めて、聞いていただきましょう。

さて、そのピンポンDJヨコハマ選手権、後半戦開始後のラリーの際に「これで応え

ておけば良かったな」、というのが出て来ました。これです。

チャック・ベリー、「もううんざりだ」。

 

M06.Too Much Monkey Business(2’56”)Chuck Berry   1956

-C.Berry- MCAMVCM-48001/3

 

N 1956年のヒット曲チャック・ベリーの「トゥー・マッチ・モンキー・ビジネス」でした。矢沢永吉

の「チャイナ・タウン」に先方がチャック・ベリー「キャロル」のボレーで返して来た時、打ち込

みたかったのです。用意しておきたかったのですが、アナログがなくてね。残念

でした。

何故これかと言いますと、後半部分に「ヨコハマ」が出て来るからです。歌自

体はそれほど論理的に書かれている詞(ことば)ではなく、辛い労働環境や

混乱した日常を、チャックの得意な早口言葉の羅列で綴っています。

 

兵役でヨコハマに滞在した事がある

軍の金融機関、軍服、軍用車両・・・

嗚呼、もううんざりだ

 

という程度で、前後のコーラスとも無関係。決して歌全体の舞台、主題ではな

いですね。チャックは兵役に行ってたかな。刑務所には入っていますけどね。ど

こかで憶えた「ヨコハマ」という地名が突発的に出て来たのではないか、とも思

えます。でもこの晩のわたしの鍵、「港町ヨコハマ」と重なるでしょ。スマッシュ決め

たかったなあ。

 

M08.ラ・イグアナ(4’42”)ソン・デ・マデーラ

-trd.- ミュージック・キャンプ BG-5186

 

N これはメキシコ関連の発売物が多い、ミュージック・キャムプからの新譜です。ソン・ハロー

チョと呼ばれる伝統音楽形式で、レキント・ハローチョ、マンドリン、ハラーナ・テルセラ、ヴァイオリン

などの弦楽器主体のアンサムブルで奏でられます。ライナに上手い事が書いてありま

す。曰く「アフロカリブのリズムとヨーロッパ伝来の楽器や旋律が融合した音楽」と。

なるほどその通りです。「ヨーロッパ」は「スペイン語圏」でもいいかも知れません。

特にメキシコという地域は、このような自然なクロスオーヴァ現象があちこちで見られ

るようです。これがこの国の面白いところ。ただ基本は世界じゅうのどこで

も聞かれる可搬形多弦楽器と声の応答形式。だから親しみ易く聞こえて来る

のでしょう。今のは珍獣イグアナの冒険を描いた伝承曲だそうです。

レキント・ハローチョ、という楽器でひとつ思い着く事があります。この国の歌謡曲

で、ガット・ギターをテンションの高い音で素早く弾くスタイルを「レキントン・ギター」と言い

ますね。鶴岡雅義が上手です。都はるみの「大阪しぐれ」も、かなり達者な

「レキントン」調のギターが印象的です。長いこと何の事か分らなかったのですが、

多分このレキント・ハローチョと関係ありそうです。チューニングかな、奏法かな。

ソン・デ・マデーラは1992年の結成と言いますから、まだ新しい・・・、あ、

ちっとも新しくないですね。わたしの感覚だと、80年代以降はつい昨日、と

なっているので、このように語ってしまいますが、1992年の結成なら20年

以上のキャリアを持つグル—プ、もうヴェテランですね。

では、彼等の最新アルバム『カリベ・マール・シンコバード』から、もう一曲。

ちょっと時間的に長いですけれど哀愁味が日本人の心を揺さぶるでしょう。

「ハラベ・ガトゥーノ」、長く歌い継がれたソン・ハローチョのスタンダード曲だそうです。

 

M09.ハラベ・ガトゥーノ(9’53””)ソン・デ・マデーラ

-R.Gutierrez, M.Sinta, A.Hidalgo- ミュージック・キャンプ BG-5186

 

M10.ラ・バンバ(2’56”)ロス・ロボス

-trd. arr by R.Valens- ポリドール POCD-1813

 

N スペイン系の、これまた素敵なクロスオーヴァ。ロス・ロボスで「ラ・バムバ」でした。

今の終了部分で聞かれる別テムポウになってのコーダ、これも少々ソン・ハローチョ風で

すね。

実は先々週、これを主題歌に使った同名映画を観ました。1991年ですから、

さっきのソン・デ・マデーラ結成よりも前に公開されています。わたしはその時以

来、四半世紀振りでした。最後の帰らざる飛行機に乗り込む時のバディ・ホリー

がもっとオカマっぽかった記憶以外、全体の印象はそれほど変わっていなかった

ですね。

そして、その時も今回も感心した程よく似ていたのが、

この男、ブライアン・セッツァーの演じるエディ・コクランでした。

 

M11.サマータイム・ブルース(2’43”)ブライアン・セッツァー

-E.Cochran-  ポリドール POCD-1813

 

N 映画「ラ・バムバ」サウンド・トラックから、ブライアン・セッツァーの「サマタイム・ブルーズ」、

カッコイー。拍手・・・。

この「サマタイム・ブルーズ」、日本ではエディの盤でちょっとヒット、そして67年頃

にブルー・チアという長髪3人組がサイケ調でカヴァしたのが、これまたちょっとヒット。

しかし最も有名にしたのは、やはりフー、ウドゥ・ストークでの暴力的実演でした。

 

M12.Go To The Mirror(3’00”)The Hillbenders

-P.Townsent- BSMF 6064

 

M13.Tommy, Can You Hear Me(0’57”)The Hillbenders

-P.Townsent- BSMF 6064

 

N フーのロック・オペラ『トミー』をブルーグラスでカヴァしたヒルベンダーズの『トミー ア・ブルーグ

ラス・オープリー』から、「ゴー・トゥ・ザ・ミラー」、そして「トミー、キャン・ユー・ヒア・ミー」、

共にウドゥ・ストークでも演奏された2曲でした。

先週このオリジナルを聞かなきゃ、と言っていたわたし。最も簡素な初版も入

手していたのですが、暑さのせいもありまして、未聴のままです。普段初め

て耳にする盤は、掃除しながらという場合が多いのですが、これは物語展開

だし、ここまでカヴァを持ち上げてるんで、通して静聴しなければ、と思って

います。

これまでにヒルベンダーズを薦めて来たフーのファンの感想には、「やっぱフーを聞き

たくなるね」、というのが圧倒的です。ならば夏休みの宿題にわたしも通すぞ。

さて先週末、『トミー』も聴かずに何をしていたか、と言いますと、実は漫画

八巻を読破したのです。その題名は「ワシズ -閻魔の闘牌-」。以前パチンコ台の

キャラクターとして知った麻雀漫画です。横浜のピンポンDJヨコハマ選手権の時に類似穴

さんから全八巻セットを戴きましてね。さっそく頁を開いたら止まらなくなって

しまって、ほぼ2日間で読み終わりました。大変に奇抜な筋書きですが、ひ

ょっとしたら・・・と思わせる説得力があります。各考証も確かで、完全に

理解するには歴史や物理、生物の知識も必要でしょう。主人公「鷲巣 巌」

の容貌が気持ち悪いのと、クライマックスが毎回麻雀対決なので、その展開がわたし

にはさっぱり分らない不完全燃焼が残りますが、面白いですよ。全体を通し

て高い緊張感が続きながら、ユ—モアも散りばめられているし、麻雀雑誌では人

気あったことが想像出来ます。

わたしは賭け事が全くダメなので、麻雀の経験は一度もありません。ルールも

非常に難しく思えます。世代的に親しんでいたのは、わたしたちが最後かな。

ちょっと年上の人達は、必須科目のように遊んでましたね。テレビ番組「11PM」

では有名人同志 の対局が中継され、週刊誌に対戦記連載があったり、国民

的な娯楽のひとつでした。相当に奥深いゲイムなんでしょう。現金を賭けたら、

その面白みは倍増。丸三日打ち続けていた現場を見た事があります。知り合

いは賭博の現行犯で逮捕されていました。タバコが付き物。総じて健康的では

なかったな。少し前に再興の兆しがあったようですが、今はもう聞きません

ね。こんな外側からの懐かしさも蘇った集中読書でした。

ルイジアナさん、ありがとうございます。全巻セットだと、とても高価ですね。申

し訳ありません。悪かったなあ。

では、御礼にお聞き下さい。「第一回テーブル・ゲーム 世界選手権大会 於 青森」、

俗名称「四カ国親善麻雀」。

 

M14.第一回テーブル・ゲーム 世界選手権大会 於 青森(3’56”)タモリ

-K.Morita- ソニー MHCL-1238

 

N 昭和の傑作LP『タモリ』から、「第一回テーブル・ゲーム 世界選手権大会 於 青森」

でした。いつ聞いても馬鹿バカしいなあ、エライ。星5ツ差し上げましょう。

さて、麻雀の歌と言いますと、他に大瀧詠一の「楽しい夜更かし」がすぐ

に挙げられますが、今朝はその原曲です。アーニー・ケイドウの「義母」をどうぞ。

 

M15.Mother In Law(2’37”)Ernie K-Doe

-A.Toussaint- Charley CD Charley 99

 

M16.Let Them Talk(4’10”) Hugh Laurie

-H.A. Carlson, L.Douglas, E.king- Warner Bors. 2564674978

 

N 6月27日以来、何度も聞いてもらっている「レット・ゼム・トーク」、ヒュー・ローリー

でした。横浜でピ—タ—と、このアルバムの事をちょっと話したんですが、慌ただ

しい現場だったので、周辺事情の聴取には至らずでした。また訪ねてみます。

さて、この後わたしガラミの催事と言いますと、今年もやって来ました、

「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」です。その前になんとも嬉しいニュウズが届

いております。

 

それはMaster Of the Kawachi Ondo Epic Izutsuya Koishimaruの音頭C

Dが、ユネスコ伝統音楽集大成(Unesco Collection Of Traditional Music)のひ

とつとして、スミソニアン・フォークウェイズ・レコーディングズから「出版」された事です。

以前から一部では同録音の存在は確認されていて、話題にも上っていました

が、誰もが手に入れられる形で市場に出たのは、初めての事です。わたしは

七月上旬に入手出来ました。

 

以上は、月刊誌「出版人・広告人」2015年8月号にわたしが寄せた紹介文

の冒頭です。ここでかなり詳しく紹介していますので、後日それはご覧戴く

として、まず聞いていただきましょう。

先代 井筒家小石丸、「佛供養地蔵和讃」。

 

M17.佛供養地蔵和讃(17’00”)井筒家小石丸

-K.Izutuya- Smithonian Folkways Recordings UNES 08319

(Unesco Collection Of Traditional Music)

 

N 17分の長丁場、いよこそご静聴いただきました。

先代 井筒家小石丸師とは少々のお付き合いもあり、わたしは実力を高く評

価していた音頭取りです。この盤は、ドイツ人のエマヌエル・ルベという女性

がプロデューサーとなって制作されたアルバムです。録音は1991年、師が亡くなる1

年前に、大阪府八尾市で行われています。極く少数がこれまでに市場に出て

いたようですが、今回のユネスコ伝統音楽集大成への収録でお墨付きとなり、

確かな文化的評価が得られました。おそらく日本には入って来ないでしょう

が、ウェブサイトで簡単に購入する事ができます。ちょっと高いけどね。この話題

に関しては、また来週もお伝えしましょう。

 

M18.月明かりのもとで(4’00”)マリオ・ウジョア

-G.Gutierrez- アオラ BNSCD-7723

 

 

N この音楽なら、暑い時は涼しく、寒ければ暖かく1年中いつでも聞けるよう

な気がします。先週と同じく、おしまいはアクースティク・ギターの調べです。コスタリカ

生まれのマリオ・ウジョアというギタリストの新しいアルバム『アラフェラの午後』から「月明

かりのもとで」を聞いていただきました。

決してヨーロッパのクラシック曲ではありませんが、ギタ—用の作品は、楽器の性格か

らでしょうか、民族音楽、大衆音楽、古典音楽の区別がかなり曖昧で、今の

「月明かりのもとで」も本来はヴァイオリンとピアノのために作られていたものを、

マリオ・ウジョア自身が1985年にギター用に編曲して、今のような演奏にまとめたん

だそうです。端正な小品ですね。コスタリカにまつわる題材の10の楽曲が入った

素晴らしい新作は、この系統の響きで心を落ち着かせてくれます。では表題

曲を聞いて下さい。

「アラフエラの午後」。

 

M19.アラフエラの午後(4’45”)マリオ・ウジョア

-E.Alfaro- アオラ BNSCD-7723

 

M20.One Fine Day(2’54”)Bette Midler

-J.Geffin, C.King- Warner 825646215331

 

後TM:ボーン・イン・シカゴ(アサー仕様)P.B.B.B.

 

N 梅雨が明けて、「今日も天気になあれ」ベット・ミドラーで「ワン・ファイン・デイ」

でした。先週の「ヲーターフォール」は、3月28日にお届けした事があるようです。

失礼いたしました。ムジ鳥さんご指摘のお陰です。ありがとうございます。

さあ、これから暑いぞ。でも22日の水曜日に少し強く吹いたのは、明らか

に次の季節、つまり秋を招き入れる風でしたね。分ったかな。7月も終わりに

なると、必ずこういう一日があるんです。「暑い、暑い」と言っているうちに、

秋は忍び込んできています。衰えている食欲も少し復活して来るでしょうか。

さて先週のヨコハマの晩のプレイリスト、間に合わなかったピ—タ—の10曲を、フェス・

ロンゲさんが教えてくれました。わたしのも含めて、以下に記します。

 

前半戦

浪路はるかに/ビリー・ヴォーン楽団

シー・クルーズ/リコ・ロドリゲス

誰にも見えない、臭いもない/ランキン・タクシー

革命はテレビ中継されない/ギル・スコット・ヘロン

これぞ男達の人生/オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

スモーク・スモーク・スモーク/テックス・ウイリアムズ

月光仮面/ザ・モップス

ゴロワーズを吸ったことがあるかい/かまやつひろし

港のヨーコ、ヨコハマ・ヨコスカ/ダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンド

禁煙音頭/竜ヶ崎宇童

 後半戦

チャイナタウン/矢沢永吉

キャロル/チャック・ベリー

本牧ブルーズ/ザ・ゴールデン・カップス

ストップ・メシン・アラウンド/フリートウド・マック

午前3時のハプニング/ザ・ゴールデン・カップス

スリー・オクロック・ブルーズ/B.B.キング

ビューティフル・ヨコハマ/平山三紀

クライ・ミー・ア・リヴァ/ダイム・アロセナ

伊勢佐木町ブルーズ/青江三奈

ノー・モア/ソニー・ロリンズ・ウィズ・ モダーン・ジャズ・クヲーテット

以上です。かなり変わったプレイリストになりました。

 

さあ今朝も、ちょうど時間となりました。

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