Reborn-Art Festival Radio Supported by 木下グループ

5.25 SAT. 第1回放送

島袋道浩×小林武史

生きてるってそういうことなんだろうなと思うんですよね、
それが本当に『いのちのてざわり』っていうことなんだろうなと思うんですよ

対談を収録した鮎川の民家

Reborn-Art Festival Radio Supported by 木下グループ
8月3日土曜日から9月29日日曜日まで58日間にわたって開催されるReborn Art Festival 2019、宮城県の牡鹿半島と石巻市街地を舞台にした、アート・音楽・食を楽しむことのできる総合芸術祭。

第2回目の開催となる今回のテーマは「いのちのてざわり」
各エリアをプロデュースする7組のキュレーターと40組以上のアーティストがそれぞれの地域で住民や土地の記憶に触れ、未来に向けたアート作品を発表します。

番組では毎月、実行委員長及び製作委員長を務める音楽プロデューサー小林武史によるキュレーターやアーティストとの対談模様や地元住民の方々の生の声をオンエア。
第1回目に登場するのは牡鹿半島の先端、鮎川エリアを担当するキュレーター島袋道浩。

神戸市出身、12年間のドイツベルリン滞在後2017年より那覇市在住1990年代初頭より国内外の多くの場所を旅し、そこに生きる人々の生活や文化、新しいコミュニケーションのあり方に関するパフォーマンスやインスタレーション作品を制作、パリのポンピドゥー・センターやロンドンのヘイワード・ギャラリーなどでのグループ展や国際的なビエンナーレにも数多く参加、前回2017年のReborn-Art Festivalでは浜辺に流れ着いた流木をひたすら起こしていくというアート作品「起こす」を発表して強烈なインパクトを残しました、鮎川エリアで島袋道浩がコラボレーションするのは日本を代表する詩人、吉増剛造、気鋭のシンガーソングライター青葉市子、彼らがアートで表現する「いのちのてざわり」とは。

番組内でお送りする音楽はすべて小林武史がセレクト、Reborn-Art Festivalの世界感を音楽で表現していきます。東北石巻にトリップする1時間。


小林「今日はReborn-Art Festivalのキュレーターという、アート選んでReborn-Art Festivaにくるお客さんにそれを伝えていく一番大事な役割、音楽でいうプロデューサーと言うか映画でいうディレクターというか、そういう存在なんですが、今回2回目のReborn-Art Festivalではマルチキュレーターという、ひとりの人が全てを決めるのではなくて、精鋭のチームの計7人のキュレーターがいるんですが、その中でも今日登場するこの人は僕の完全な影版と言っております。一応、僕がですね総合的なプロデューサーをやっているんですけども、本当に僕はこの人がいなかったら第2回目のマルチキュレーターも全体像も思いつかなかっただろうなと考えながら感謝している男でございましてキュレーター島袋道浩さんです」

島袋「どうもこんにちは島袋です」

小林「ほんとしょっちゅう会っているんですが、2017年 第1回目のReborn-Art Festivalで彼がやってくれた作品というのがもうちょっと強烈なものがあって、あの時は草間彌生さんとか、このReborn-Art Festivalでは、色んな場所で写真で使われた名和晃平のすごい大きい6mぐらいのホワイトディアっていう作品とか、すごく強いある種派手な作品がある中で、もう一つのやっぱり本当にとんがったと言うか、異彩を放ちまくった作品を作ってくれたのが実は島袋さんだった、その『起こす』という作品、ちょっとそれから振り返ってみようかな、あの作品が何か Reborn Art Festival の方向を示してくれてたって僕だけじゃない、本当にいろんな人が感じたんですよね。」

島袋「牡鹿半島の一番先端、石巻から1番遠い1時間ぐらいかかるところなんですが、そこにいくと終点なんだけど何かが始まるような場所っていうか、のり浜という場所を見つけてしまったので、もうここで作品をやるしかないなと、ちょっとわがままを言わして頂いて、遠いからどうなんだって話もあったんですけど、ここでやらないと意味がないよって」

小林「浜に降りるのにも本当に大変で、高さどれぐらいあるだろう100mくらいはあるかもしれない」

島袋「もっとあるかもしれないですね、歩いて10分はかかる、来た人はみんなどこに連れて行かれるんだろうってなりますね、でもそうするとあの絶景が広がっている、今沖縄に住んでるんですけど沖縄から来てもあそこは綺麗だな、僕だけじゃなくて他の沖縄の人達でも、ここはなんて綺麗なんだとびっくりするような浜なんですよね」

小林「波もね、荒いというか力強い波があってサーフィンの隠れ聖地のような場所で、でも島袋さんはそこで何をやるか、そもそも、その浜に降りていくこと自体、大丈夫なのかとおもっていたですが『起こす』という作品はいったいどうやって思いついたんですか?」

島袋「もちろんすごく綺麗な浜なんですけど、あそこは国立公園になってて、ものを設置とかっていうことができない場所ということは最初から聞いてたんですよね、それでもやっぱりあの場所に行かないと、牡鹿半島に来た意味がないと言うかそう思ったんで、最小限のことでもいいのであそこに人を連れてくるようなことをしたい、それで見てると木がいっぱい流れついてるんですよね、木が倒れている、倒れかかってる木も実際あると、だからこれをとりあえず起こしてみようと本当に単純に起こすって言う、それでたくさんの人に手伝ってもらいながら毎日起こすっていう、それでみんな心配してたのが波が来たとき、大潮のときなどは流されてしまう、そうするとまたみんなで起こすっていうのをやり続けた」

小林「僕も質問にしましたもんね、波が来て流されたらどうすんのって?また起こせばいいっていうのは、そん時なんかストーンとやっぱりもう落ちたと言うか繋がったなっていうものでしたね」

島袋「倒れたり壊れたりするってことも自然に起こるんですけど、でもそれを倒れたり壊れたりしてそれを直したいというのも、またもう一つの自然だと思うんですよね、だから本当に自然にあそこの場所にいて、倒れてるたくさんの木を見たら起こしたいなと」

小林「それでも実際にアート的に視覚的に美的に、本当にこうつらつらと並んでるのを見るとなんかね、くるんですよ」

島袋「あれは行ってみないと、あの大変な思いをして浜におりて絶景が広がっててそれでたくさんの木がもう一度再生してるって言うかね、ああいうのはやっぱ行ってみてもらわないと分からない所ありますよね」

小林「そして人が介在しているっていうことの力みたいなものが伝わってくるからね、自然とああなるわけないので何か不自然な絵なんだけど、それがすごいすごい力でしたね」

島袋「こちらが起こしてるとお客さんも一緒に起こそうとやっぱり立ててくれる人とかいるんですよね、そうやって動いていった作品ですよね」

小林「それで今年2回目のキュレーションにあたってね、やっぱり特に鮎川エリア、他のキュレーターという構想もあったんだけど島袋君以外に誰か頼むっていうことが、何かね切ないくらいな思いがあって、まずは彼に打ち明けましたね。僕は「起こす」をもう1回やってもいいんじゃないかと思ってたんだけど、やる・やらないも少なくともあそこから彼がどういう風に発想するのかっていうのが振り返ってみると今回の出発点だったような気がするんですけど、それを受け止めてくれたっていう感じはあったんだけど、それはどういう感じでした?」

島袋「すごく嬉しかったですよ、やっぱりすごく愛着のある場所だったんで、もう一度そこでやってくれないかと言われてすごく嬉しく思いました。それで今回、展示には使わないんですけれど、そこでビデオの作品を作ろうとしてます、それで今年はのり浜の続きというかのり浜の『起こす』の続きみたいなものを構想してやってます、あの場所よりもすごい場所を見つけてしまったので、小林さんとも一緒に行きましたけれど」

小林「さらにベクトルっていうかなんかね方向性がいろいろ出てきてるような感じだよね」

島袋「そういう意味でこの牡鹿半島の突端、金華山の見える所ってすごい重要な場所だと思うんですよね、石巻から車で通ってくるとずっとあの防潮堤がね、立っててやっぱりなんとなく海の際なのに海が見えないなんとなく気持ちがダウンしてくるようなところがあるんですけれど、この最後の鮎川っていうところに着くと、自然に溢れてて防潮堤もなくなり出口っていうか終点そして新しい始まりいっていうのを感じる場所だと思うんですよね。今回、4人の作家を選ばせてもらったんですね、それでやっぱりこの状況をきっちり見て、ここから何か根ざしたものを作ってくれる人を選びたいなって思うと、必然的に外国人の作家もたくさん友達いる中で日本人の作家になっちゃったんですね、地震が起こった場所っていう意味がわかって、ここに滞在できるって言う、一番年上の人は80歳の日本を代表する詩人の吉増剛造さんという方に声かけさせていただいたら、ぜひぜひって言っていただいて、そしてなんと2ヶ月ここに住むっていうんですよね、住んで何かやるっていうことを今計画されてて、だからそういう人がこの街に毎日いるって事がなんか大きな社会的影響っていうか、この鮎川って街に対して持ってくるんだと思うんですよね。だってまず詩人って出会ったことあります?詩人に一度も出会ったことない人生ってのもあるんですけど、鮎川の人は詩人を必ず目にするって言う、それだけでも何か詩人にあったことあるよって言える人生と、会ったことのないっていう大きな違いだから、まず鮎川の人は詩人に出会うし、このReborn-Art Festivalで鮎川に来た人はその詩人の目の当たりにする、どうなるか分かんないですけど吉村さんが住んでるところにお客さんが泊まれるようなことも考え始めてて、だからそれはすごいことだなぁと思うんですよね」

小林「たしかに詩人が鮎川にくると、詩人が街をウロウロしていることはすごいことですよ 」

島袋「町にちょっと幅が出てくるというか、いつもいる人達じゃない人達が来て、お客さんもたくさん来られるでしょうけど、なんか街が少しカラフルになってくると言うか」

小林「詩を朗読してくれたりしたら、なんかすごい時間になりそう」

島袋「詩人の家といって、吉増さんとか青葉市子さんとかまあ僕もですけど、いつも誰かが居る平たく言えばアートセンター的な場所を作ろうとしてて、そこでは連日となるかわかりませんけれど、イベントみたいなことももちろん朗読とかコンサートみたいなこともやっていきたいなと思ってますね」

小林「いいと思う、そういうのも東京で全部わかるみたいなタイムスケジュールに全部落とし込まれてんじゃなくてさ、行った時に運悪く見れないこともあんだろうけど、それもまぁそうですよね人生っていうか、そういうものだから、ちょっと何回か行って出会うと、おーっていうことがすごい時間になるんじゃないかと思いますけどね、みなさんにとってね、あと青葉市子ちゃんの紹介を」

島袋「まだ20代ですごい天才的な人だと思う青葉市子さん、ミュージシャンなんですけど、たまたまちょっと去年一緒にプロジェクトすることがあって、その時にお話してこれからどんなことがしたいんですかって聞いたら音楽のこと言うのかなと思ったら、なんか使われなくなったものとか古くなったものにもう1回息を吹き込むというか生き返らせるようなことをしてみたいって言ったんですよね、それってまさに Reborn-Art Festivalじゃないですか、だからこれはちょっと誘ってみようかなと思ったらすぐに了解して頂いて彼女も忙しい中もう4回ぐらい来てくれてますね」

小林「彼女は1回目の2017年にも来てくれて、ギター弾いてSalyuと一緒にやったりとか」

島袋「もともと青葉さんのファンではあったんですけどその時に初めて、小林さんに紹介して頂いた縁で始まったんですよね、だからReborn-Art Festivalの縁でReborn-Art Festivalにがっつり関わってもらうことになったという」

小林「こないだ一緒にライブにいったもんね」

島袋「浅草のライブいきましたね」

小林「ギター1本で生活感、生活の中に音を声で響かすっていうことができるから、吉増さんもそうかもしんないけれども、本当になんか日常的に音楽が、なんかこう歌い手がいるっていう感覚にしようと思ってんじゃないかと思ったんだよね」

島袋「青葉さんも実は、会期中も滞在したいって言ってくれてて半分まで行くかどうかですけど3週間ぐらいは鮎川に滞在して、このあたりに出現するというか運が良ければ、青葉さんに会えるかもしれないという」

小林「ちょっとした料理だか、お酒の場所のことも何か考えてるんですか」

島袋「そうなんですよね、だから夜とか青葉さんが少しお料理をして食べれるようなことができたらいいなっていう話をしてますね」

小林「そういえば今回のテーマの言葉になっている『いのちのてざわり』っていうのは、もともと僕が日常的に『生きる実感ってさあるでしょ?』みたいな時にいのちのてざわりみたいな言葉を無意識に近い感じで使ってたんだけど、その言葉がいいよって言ってくれたのが、実は島袋くん」

島袋「ぐっときますよね、『いのちのてざわり』」

小林「『いのちのてざわり』にして良かったねって、彼も言ってたけどやっぱりね、そこに入り込んでって擦れ合うみたいな部分がないと」

島袋「てざわりの『ざ』っと言うか、なんかやっぱり生きてるってそういうどっか摩擦いうか、人と人が出会ったらやっぱり衝突もするし、肌と肌が触れ合ったらザラザラもするしスベスベもしますけど、スベスベの『べ』ですよね、やっぱりそういう一種の抵抗感とか、そういう摩擦とか」

小林「異物感と言うか」

島袋「生きてるってそういうことなんだろうなと思うんですよね、それが本当に『いのちのてざわり』っていうことなんだろうなと思うんですよ」

小林「ここから船でわたる網地島の方とかも紹介も」

島袋「和田利恵津子・浩一の二人がキュレーションしている」

小林「先端ものすごい力入ってるから、市内もすごくいいんですが石巻駅付近よりも、奥に行かざるを得ない出来栄えになっております」

島袋「見落せないエリア、体で全体汗かいて来てほしいですよね」

小林「そうだよね」

島袋「美術館とかで見てると、どうしても目と頭だけって感じがするんですけど、Reborn-Art Festivalというのはもう体全体ですよね、体感する芸術祭っていう感じになると思うんです、だから皆さんカッパを持参で、けっこう雨が降るんですよね」

小林「今年は雨が降らないのを祈っているけど、一回目は36日間連続雨だった、初日から記録作っちゃって」

島袋「僕も鮎川きたらいつも長靴です、あと虫除けね、蚊とか色々多いんで、そういうこと準備して見に行く美術展はなかなかないのはね私も面白いと思います」

番組に登場していただいた鮎川の方たち

カキ養殖を営む地元のとっちさん
荻浜のみゆきさん
カキ養殖を営む漁協の伏見さん

SONG LIST

  1. Nirvana - Lithium
  2. The Strokes - All The Time
  3. Robert Wyatt - Sea Song
  4. Rickie Lee Jones - Skeletons
  5. 来生たかお - 浅い夢

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