おはようございます!FX編集部の田中です。
週末を挟んで、今週も市場が動き出しましたね。金曜日(10月17日)の海外市場は、米中貿易協議への期待感から全体的にリスクオン基調となりました。特に金価格の史上最高値更新や、トランプ大統領の発言が市場を大きく動かしています。
それでは、前日の重要ニュースを確認していきましょう。
前日の主要ニュース
【最重要】金価格が4300ドル台突破、史上最高値を連日更新
10月17日のアジア時間に、金現物価格が1オンス=4300ドル台を突破し、一時4380ドル付近まで上昇しました。今週は連日で史上最高値を更新し、週間で約8%の上昇となっています。これは2020年3月のコロナショック時以来の大幅上昇です。
金価格上昇の主な要因は以下の3点です:
- 米中貿易摩擦への懸念から安全資産需要が高まったこと
- 米国の利下げ観測が根強く、実質金利の低下が見込まれること
- 各国中央銀行による金購入が継続していること
国内でも円建て金価格が1グラムあたり2万2000円を超え、史上最高値を更新しています。円安の影響もあり、国内投資家にとっては二重に価格が上昇している状況です。
HSBCは2025年の金平均価格予想を1オンス当たり3455ドルへ引き上げ、2026年には5000ドルに達する可能性があるとの見通しを発表しました。
市場への影響
貴金属市場では投資家のリスク回避姿勢が鮮明になっており、金ETFへの資金流入も加速しています。為替市場では円建て金価格の上昇により、実物資産への関心が高まっています。
【重要】トランプ大統領が対中姿勢軟化、米中貿易協議が来週開催へ
トランプ米大統領は10月17日のFOXビジネスのインタビューで、中国に課すと予告していた100%の追加関税について「持続可能ではない」と述べました。これは市場にとって大きなサプライズとなり、リスクオン相場を後押ししました。
同日、ベッセント財務長官が来週スイスで中国副首相との貿易協議を開催することを正式に発表しています。トランプ氏は習近平国家主席との会談も予定通り行われる見通しだとし、「中国を傷つけるつもりはない」「貿易関係はすべてうまくいく」との楽観的な見方を示しました。
市場への影響
この発言を受けて、NYダウは238ドル高、ナスダックも117ポイント高と反発しました。為替市場ではドル買い・円売りが進み、ドル円は150円台半ばで推移しています。中国株を中心にアジア株式市場にも好影響が期待されます。
ただし、トランプ氏は過去にも発言を変更することが多いため、実際の協議結果を見極める必要があります。市場では慎重な楽観論が広がっている状況です。
【重要】植田日銀総裁が慎重姿勢、10月会合での追加利上げは見送り濃厚
植田日銀総裁は10月16日、訪問先のワシントンで記者会見を開き、「見通しの確度が上がればそれに応じて金融緩和の度合いを調整していく」と述べました。一方で、10月の金融政策決定会合に向けては「もう少し情報収集に当たりたい」と慎重な姿勢を示しています。
注目すべきは、会見後に広報を通じて「金融引き締めの度合い」という表現を「金融緩和の度合い」に訂正する異例の対応があった点です。これは現在の政策スタンスが依然として緩和的であることを強調する意図があると見られます。
自民党の高市早苗新総裁が金融緩和維持を志向しているとされる中、日銀の独立性と政策判断のバランスが注目されています。
市場への影響
10月利上げ見送り観測から円安が進行し、ドル円は150円台半ばで推移しています。日本国債の長期金利は0.9%台に低下し、円安メリットのある輸出関連株が買われる展開となっています。
次回の利上げ時期は12月以降にずれ込む可能性が高まっており、賃金動向や物価指標が今後の判断材料となります。
NYダウが238ドル高で反発、地銀決算が底堅く信用不安後退
10月17日のNY株式市場は、地方銀行セクターの底堅い決算を好感して3日ぶりに反発しました。ダウ工業株30種平均は前日比238.37ドル(+0.52%)高の46,190.61ドル、ナスダック総合指数も117.44ポイント(+0.52%)高の22,679.97で取引を終えました。
ザイオンズとウエスタン・アライアンスなど地方銀行の決算が市場予想を上回り、「問題が地銀業界の一部で起こった局地的なものだった」という安心感が広がりました。これまで懸念されていた地銀セクターの信用リスクが限定的であることが確認されたことで、金融株全体が買われる展開となりました。
また、トランプ大統領の対中姿勢軟化発言も市場心理の改善に寄与しています。
市場への影響
金融株が相場をけん引し、S&P500も続伸しました。この流れを受けて、日本市場でも週明けの日経平均先物が上昇しています。企業決算シーズンが本格化する中、今後のハイテク大手の決算内容に注目が集まります。
10月NY連銀製造業景気指数が予想外の改善、先行き見通しも楽観
ニューヨーク連銀が10月15日に発表した10月の製造業景気指数はプラス10.7となり、市場予想のマイナス1.8を大幅に上回りました。前月のマイナス8.7から大幅に改善し、2ヶ月ぶりのプラス圏回復です。
特に「新規受注」と「出荷」の項目が急回復したことが主因で、企業活動の活発化が確認されました。さらに注目すべきは、6ヶ月先の見通しが30.3と1月以来の高水準となり、企業の景気先行きに対する楽観的な見方が広がっていることです。
ただし、同日発表の10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数はマイナス12.8と予想の10.0を大幅に下回っており、地域による製造業の明暗が分かれる結果となりました。
市場への影響
指標発表直後はドル買いが進み、米国債利回りも上昇しました。FRBの利下げペースを判断する上で重要な材料となります。
今後の注目ポイント
今週から来週にかけて、以下のイベントが市場を動かす可能性があります:
今週の注目イベント:
- 10月20日週:米中貿易協議(スイス)- トランプ大統領の発言を受けた実際の協議内容に注目
- 10月24日(金):米9月CPI(消費者物価指数)発表 – 米政府機関閉鎖で延期されていた重要指標
来週の注目イベント:
- 10月29-30日:日銀金融政策決定会合 – 利上げ見送りが確実視されるも、声明文の表現に注目
- 10月30-31日:FOMC(米連邦公開市場委員会)- 0.25%の利下げがほぼ確実視
中期的な注目点:
- 米中首脳会談の具体的な日程
- 企業決算シーズンの本格化(ハイテク大手の業績とガイダンス)
- 日本の高市新政権の経済政策と日銀との関係性
編集部からのコメント
今週は「緊張緩和」がキーワードとなった一週間でした。米中貿易摩擦への懸念が後退したことで、株式市場は底堅い動きを見せています。
一方で、金価格が史上最高値を更新し続けているという事実は、投資家の不安心理が完全には消えていないことを示しています。地政学的リスクや経済の不確実性に対する警戒感は依然として根強く、安全資産への需要は旺盛です。
為替市場では、日銀の利上げ見送り観測から円安が進行しています。ドル円150円台の攻防が続く中、輸入物価の上昇による国内物価への影響も気になるところです。
来週は米中貿易協議と日米の金融政策決定会合という重要イベントが控えています。特に米中協議の具体的な内容は市場のセンチメントを大きく左右する可能性がありますので、最新情報をしっかりとチェックしていきましょう。
投資判断は慎重に、リスク管理を徹底しながら市場に向き合っていただければと思います。
締めの挨拶
本日の海外FX・投資関連ニュースは以上となります。
週末はゆっくり休んで、来週からの相場に備えていただければと思います。月曜日の市場オープンに向けて、週末のニュースにも注意を払っておきましょう。
また明日も、最新の市場情報をお届けいたします。良い週末をお過ごしください!
FX編集部 田中
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