皆さま、おはようございます。FX編集部の田中です。
昨夜の海外市場は、トランプ政権の関税政策を巡る報道や、本日投開票の参院選への警戒感から、やや神経質な展開となりました。ダウ平均は3日ぶりの反落、為替市場では円安圧力が継続しています。
それでは、昨夜から今朝にかけての重要なニュースをお伝いたします。
重要ニュース
トランプ政権、EU向け関税で強硬姿勢を維持
英フィナンシャル・タイムズの報道によりますと、トランプ米大統領がEUに対して、いかなる合意であっても最低15-20%の関税を課す意向を示しています。これまでの30%関税要求からは一定の譲歩を見せたものの、依然として高水準の関税維持を求めており、8月1日の期限を前に交渉の先行きに不透明感が強まっています。
この報道を受けて、NY株式市場ではダウ平均が142.30ドル安と3日ぶりに反落しました。原油先物も需要減退懸念から0.3%下落し、世界的なリスク回避の動きが見られました。
貿易摩擦の激化は世界経済全体に影響を与える可能性があり、引き続き注意が必要ですね。
参院選への警戒感で円安圧力が継続
本日7月20日に投開票される参議院選挙では、自民・公明連立与党の過半数維持が微妙な情勢となっています。世論調査では、過半数確保に必要な50議席の獲得が不透明な状況で、市場では政治不安定化への懸念が高まっています。
ドル円相場は148.75円まで上昇し、前日比で0.15円の円安となりました。与党が過半数を失った場合、政策決定の複雑化や日米関税交渉への悪影響が懸念されており、円売り圧力が継続しています。
選挙結果次第では、来週の市場動向に大きな影響を与える可能性があります。
FRB理事発言で米金利低下、9月利下げ観測が台頭
ウォラー連邦準備理事会(FRB)理事が、労働市場への懸念を理由に7月末のFOMCでの25bp利下げを主張したことを受けて、米国債市場では利回りが全面的に低下しました。指標となる10年債利回りは前日比0.036%低い4.416%まで下落しています。
金利先物市場では、9月のFOMCで利下げが実施される確率が61%まで上昇しており、市場の利下げ期待が高まっています。
金利低下は債券価格の上昇要因となる一方、ドル安要因としても作用する可能性があります。
米消費者信頼感指数が改善、インフレ期待は低下
米ミシガン大学が発表した7月の消費者信頼感指数(速報値)は61.8となり、前月の60.7から改善しました。市場予想の61.5も上回る結果で、個人消費の底堅さが確認されています。
特に注目すべきは、1年先のインフレ期待が4.4%と前月の5.0%から大幅に低下し、5ヶ月ぶりの低水準となったことです。消費者のインフレ懸念が後退していることが示されました。
この結果は、FRBの金融政策判断にも影響を与える可能性があります。
商品市場は明暗分かれる、金反発・原油軟調
ニューヨーク商品市場では、貴金属と原油で異なる動きが見られました。
金先物(8月物)は、関税政策の不透明感を背景とした安全資産買いにより、前日比13.0ドル(0.4%)高の3358.3ドルで取引を終えています。
一方、WTI原油先物(8月物)は、貿易摩擦激化による世界経済への悪影響懸念から、前日比0.20ドル(0.3%)安の67.34ドルまで下落しました。
地政学リスクの高まりは、引き続き商品市場の重要な変動要因となりそうです。
今後の注目ポイント
- 参院選の結果:本日夜の開票結果と来週の政局への影響
- EU・米国の関税協議:8月1日期限に向けた交渉進展状況
- 7月30-31日のFOMC:利下げ実施の可能性と市場への影響
- 経済指標:来週発表予定の各国GDP速報値や雇用統計
編集部からのコメント
昨夜の市場は、政治リスクと貿易摩擦という2つの大きなテーマに左右された展開となりました。特に注目すべきは、これらの不確実性が安全資産への資金流入を促していることです。
投資家の皆さまには、短期的な市場変動に一喜一憂せず、中長期的な視点を保つことをお勧めいたします。また、政治イベントや政策発表には十分な注意を払い、リスク管理を徹底していただければと思います。
まとめ
本日は参院選の投開票日となります。結果次第では来週の市場動向に大きな影響を与える可能性がありますので、引き続き情報収集を怠らないようにしましょう。
皆さまにとって良い週末となりますように。来週も有益な情報をお届けできるよう努めてまいります。
FX編集部 田中








