皆さま、おはようございます。FX編集部の田中です。
昨日(8月2日)の海外市場は、予想外の米雇用統計の結果が金融市場全体に大きな衝撃を与える展開となりました。特にドル円の急激な変動は、多くの投資家の方にとって印象的だったのではないでしょうか。
それでは、昨日の重要なニュースを詳しく見ていきましょう。
米雇用統計が予想を大幅下回り、市場全体が急変
米労働省が発表した7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比7.3万人の増加となり、市場予想の10.4万人を大きく下回りました。さらに注目すべきは、過去2カ月分の雇用者数が計25万人も下方修正されたことです。
失業率も前月の4.1%から4.2%に上昇し、労働市場の急激な悪化を示す結果となりました。この発表を受けて、CMEフェドウォッチによるFRB9月会合での利下げ確率は86.5%まで急上昇(前日は37.7%)しました。
投資家の皆さまにとって、この雇用統計は今後の金融政策を占う重要な指標となりそうです。
ドル円が3円超の急落、147円台まで円高進行
雇用統計の発表直後から、ニューヨーク外国為替市場ではドル売り・円買いの動きが加速しました。ドル円相場は一時147円30銭前後まで下落し、前日から3円を超える急激な円高となりました。
この動きは、米金利低下期待の高まりと、リスクオフムードによる安全資産としての円買いが重なったものです。ドル指数も一時1%安となり、4月21日以来の大幅下落を記録しました。
為替取引をされている方は、昨年8月の「円キャリートレード巻き戻し」を思い起こされたかもしれません。
NY株式市場も大幅下落、ダウは542ドル安
米国株式市場では、雇用統計の結果とトランプ大統領の関税政策への懸念が重なり、全面安の展開となりました。ダウ工業株30種は542ドル安で取引を終え、5日続落となりました。
個別銘柄では、アマゾン・ドット・コムが8.3%安と大幅下落。クラウド部門の成長鈍化が懸念されました。また、アップルも関税コストが11億ドルに拡大するとの見通しから2.5%下落しました。
VIX指数(恐怖指数)も20.38まで上昇し、6月20日以来の高水準となりました。
日本の長期金利が急変動、朝方上昇後に急低下
日本の債券市場では、朝方に長期金利が前日比0.015%高い1.440%まで上昇しましたが、午後の米雇用統計発表後は一転して急低下しました。
最終的には前日比0.125%低い1.340%で推移し、安全資産需要の高まりを反映した動きとなりました。この金利低下は、住宅ローン金利などにも好影響を与える可能性があります。
金利の急変動は、投資家心理の変化を如実に表していると言えるでしょう。
今後の注目ポイント
- FRB9月会合の行方
利下げ確率が86.5%まで上昇しており、実際の政策変更があるかが焦点です - トランプ関税政策の具体化
メキシコ・カナダへの25%、中国への10%関税の実際の発動時期 - 円キャリートレード巻き戻しの継続性
昨年8月のような大規模な市場変動の再来があるかが重要 - 労働市場悪化の持続性
一時的な悪化なのか、トレンド転換なのかの見極めが必要
編集部からのコメント
昨日の市場動向は、改めて経済指標の重要性を実感させる内容でした。特に雇用統計は、FRBの金融政策に直結する指標として、今後も注目度が高まりそうです。
投資家の皆さまには、急激な相場変動に備えたリスク管理の重要性を再認識していただければと思います。また、円高・ドル安の流れが継続するかどうかは、今後発表される経済指標次第という面もあります。
一喜一憂せず、中長期的な視点を持った投資判断を心がけていただければと思います。
それでは、本日も良い一日をお過ごしください。
引き続き、最新の市場情報をお届けしてまいります!
FX編集部 田中








