皆さま、おはようございます。FX編集部の田中です。 昨夜の海外市場では、本日から始まるジャクソンホール会議を控えて様子見ムードが強まる中、トランプ大統領のFRB圧力という政治的要因が市場を大きく動かしました。為替市場はドル売りが優勢となり、株式市場は調整色を強めています。
それでは、本日も投資に役立つ海外ニュースをお届けします!
重要ニュース
【最重要】ジャクソンホール会議開幕、パウエル議長講演に全市場が注目
米カンザスシティ連銀主催の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が本日から始まりました。市場参加者が最も注目しているのは、明日23時(日本時間)に予定されているパウエルFRB議長の講演です。
昨年の同講演では「政策を調整する時が来た」と発言し、その後9月のFOMCで0.5%の大幅利下げを実施したことは記憶に新しいですね。今年も9月16-17日のFOMCでの利下げを示唆する発言が期待されており、現在の市場は9月利下げの確率を83%で織り込んでいます。
この講演待ちの影響で、為替市場ではドル円が147円台前半で小動きが続いています。
【重要】トランプ大統領がFRB理事に辞任要求、政治圧力でドル急落
トランプ大統領が20日、クックFRB理事に対して「今すぐ辞任すべきだ!」とSNSで投稿しました。住宅ローン契約を巡る不正疑惑を理由としていますが、実質的にはFRBへの政治的圧力を強める狙いがあると市場では受け止められています。
この発言を受けて、NY外為市場ではドルが全面安となりました。ドル指数は0.13%下落し、円は対ドルで0.32%上昇して147.20円まで円高が進みました。
FRB理事7人のうち現在4人がトランプ氏任命の理事であり、さらなる人事による影響力拡大が懸念されています。市場は中央銀行の独立性に対する懸念を示した形です。
【注目】日銀利上げ観測で長期金利が17年ぶり高水準を更新
本日の日本債券市場では売りが続き、長期金利の指標となる新発10年債利回りが一時1.61%まで上昇しました。これは2008年以来、実に17年ぶりの高水準です。
背景には、ベッセント米財務長官の日銀が「後手に回っている」との発言以降、追加利上げ観測が強まっていることがあります。また、4-6月期のGDPが市場予想を上回ったことも、金融正常化が進むとの思惑を後押ししています。
スワップ市場では10月までの日銀利上げ確率を5割程度で織り込んでおり、この動きは株式市場にも影響を与えています。
【関連】NZ中央銀行が3年ぶり利下げ、NZドル大幅下落
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が20日の会合で、政策金利を3.25%から3.0%に引き下げることを決定しました。これは約3年ぶりの利下げとなります。
興味深いのは、会合では0.5%の大幅利下げも検討されたものの、最終的に4対2で0.25%の利下げに落ち着いたことです。当局者は今後数ヵ月でさらなる利下げの可能性も示唆しており、市場はハト派的な姿勢と受け止めました。
この結果、NZドルは対米ドルで1.12%急落し、0.5826ドルと4ヵ月ぶりの安値を付けています。
【商品】金価格5営業日ぶり反発、原油は需給引き締まりで続伸
20日のNY商品市場では、金先物が5営業日ぶりに反発しました。トランプ大統領のFRB理事辞任要求でドル指数が下落したことが金の支援材料となり、1オンス3348ドル付近まで上昇しています。
一方、WTI原油先物は3日続伸となりました。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計で在庫減少が確認され、需給の引き締まりを意識した買いが継続しています。現在1バレル65ドル台で推移しています。
今後の注目ポイント
- 明日23時のパウエル議長講演 – 9月利下げの方向性と規模への言及
- 日銀の金融政策 – 9月18-19日の政策決定会合での利上げ可能性
- トランプ政権のFRB圧力 – クック理事の対応と中央銀行独立性への影響
- 各国PMI発表 – 今夜発表予定の米国PMI速報値
編集部からのコメント
今回のトランプ大統領によるFRB圧力は、金融市場にとって新たな不安定要因となりそうです。特に明日のパウエル議長講演では、こうした政治的圧力にどう対応するかも注目されます。
投資家の皆さまには、短期的な政治的要因に振り回されず、経済ファンダメンタルズに基づいた冷静な判断をお勧めします。ジャクソンホール会議期間中は値動きが大きくなる可能性がありますので、リスク管理を徹底してください。
本日もお疲れさまでした!
明日のパウエル議長講演は市場を大きく動かす可能性があります。引き続き最新情報をお届けしますので、ぜひチェックしてくださいね。
良い投資の一日をお過ごしください!
FX編集部 田中








