おはようございます!FX編集部の田中です☀️
本日も朝10時のニュース更新をお届けいたします。
昨日(8月23日)の海外市場は、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長と植田日銀総裁の発言が大きな話題となりました。米利下げ示唆により米株は史上最高値を更新し、一方で日銀の利上げ姿勢継続により日米金融政策の方向性が完全に逆転する構図が鮮明となりました。それでは詳しく見ていきましょう。
パウエルFRB議長が利下げ示唆、NYダウ史上最高値45,631ドル
ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演が市場に大きなサプライズをもたらしました。議長は「雇用市場の下振れリスクが高まった場合、政策スタンスの調整が正当化される可能性がある」と発言し、9月のFOMCでの利下げを強く示唆いたしました。
この発言を受けてNYダウ平均は前日比846.24ドル(1.9%)高の45,631.74ドルで取引を終え、2024年12月以来約8カ月ぶりに史上最高値を更新。ナスダック総合指数も396.23ポイント高となり、まさに「利下げラリー」の様相を呈しています。市場では9月利下げの確率が約8割まで上昇しており、投資家心理の好転が顕著に表れました。
植田日銀総裁「賃金上昇圧力続く」発言で利上げ観測再燃
同じ会議に登壇した植田日銀総裁の発言も注目を集めました。総裁は「大きな負の需要ショックが生じない限り、労働市場は引き締まった状態が続き、賃金には上昇圧力がかかり続ける」と明言し、日銀の利上げ路線継続を示唆いたしました。
7月のコアCPIが8カ月連続で3%台となる中、市場では年内追加利上げ観測が一気に高まっています。ブルームバーグの調査では、次の利上げ時期として10月会合を予想するエコノミストが最多の42%となっており、いよいよ秋の金融政策決定会合が大きな山場となりそうです。
ドル円146円台に急落、日米金融政策の方向性完全逆転
両中央銀行トップの発言を受けて、為替市場では劇的な変化が起こりました。ドル円相場は一時146円58銭まで円高が進行し、150円台からわずか数週間で約4円もの円高となっています。
米10年債利回りが4.25%まで低下する一方で、日本の長期金利は上昇基調を維持しており、日米金利差の縮小期待が円買いを促進しています。市場関係者からは「日米金融政策の完全な方向転換」との声も聞かれ、今後の為替動向に大きな影響を与えそうです。なお、145円台を割り込んだ場合の為替介入への警戒感も根強く残っています。
米債券市場で利下げ期待拡大、10年債利回り4.25%に低下
債券市場でも利下げ期待の高まりが鮮明に表れました。パウエル議長の講演を受けて長期債を中心に買いが集まり、10年債利回りは前日比0.08%低い4.25%で取引を終えています。
イールドカーブ全体が低下する展開となっており、市場では年内に複数回の利下げを織り込む動きも見られます。住宅ローン金利の低下期待から不動産関連株にもプラス材料となっており、金利動向が今後の投資戦略の重要な判断材料となりそうです。
今後の注目ポイント
- 9月18日のFOMC:利下げ幅(25bpか50bp)と今後の利下げペースに注目
- 10月30-31日の日銀金融政策決定会合:年内利上げ実施の可能性
- 9月6日発表予定の米雇用統計:利下げペースを占う重要な経済指標
- 日米金利差の動向:為替相場への継続的な影響
- 145円台での為替介入の可能性:財務省・日銀の動向
編集部からのコメント
昨日のジャクソンホール会議は、まさに金融政策の転換点を印象づける歴史的な一日となりました。米国が利下げサイクルに入る一方で、日本は物価上昇を受けて利上げ継続という、完全に逆方向の政策運営が鮮明になったのは大変興味深い展開です。
特に為替市場への影響は甚大で、円キャリートレードの大規模な巻き戻しが起こる可能性も考えられます。投資家の皆様におかれましては、この大きな政策転換期において、リスク管理を十分に行いながら新たな投資機会を見極めていただければと思います。
ボラティリティの高い相場が予想されますので、ポジションサイズの調整や損切りラインの設定など、普段以上に慎重な取引を心がけてくださいね。
本日も一日、良い取引をお過ごしください!
週末に向けて、引き続き市場動向にご注意いただければと思います😊
FX編集部 田中








