【2025年8月29日】最新海外FX投資ニュース

おはようございます!FX編集部の田中です。

昨日(8月28日)の海外市場は、FRBのウォラー理事による利下げ発言と東京CPI発表を受けて、ドル全面安の展開となりました。米株式市場では堅調なGDP改定値を背景にダウとS&P500が史上最高値を更新する一方、為替市場では日米金利差の縮小観測が強まり、ドル円は一時146円台まで下落しました。

今朝は特に重要な4つのニュースをお伝いたします。


目次

東京CPI発表でドル円急落、147円の壁厚く

東京8月CPIコア指数が予想通り2.5%となり円買いが進行、ドル円は147円を割り込み146円台へ下落

8月29日朝に発表された東京都区部の消費者物価指数(CPI)が、為替市場に大きな影響を与えました。

生鮮食品を除くコア指数は前年比2.5%上昇と、市場予想と一致したものの、前月の2.9%から縮小となりました。一方で、日銀が重視するコアコア指数(生鮮食品・エネルギー除く)は3.0%と、5ヶ月連続で3%台を維持しています。

この結果を受けて、ドル円は朝方の147円台から146.85円まで急落し、その後も146円後半での推移が続いています。ロイター調査では約3分の2のエコノミストが年内の日銀追加利上げ(25bp)を予想しており、日米金利差の縮小観測が円買い圧力を強めています。

トレーダーの皆さんは、147円台が当面の上値抵抗として意識されそうですね。


ウォラーFRB理事「9月利下げ支持」でドル全面安

ウォラーFRB理事が9月25bp利下げを支持し、今後3-6ヶ月での追加利下げ予想を示したことでドル売り圧力が強まる

日本時間の朝方に伝わったウォラーFRB理事の発言が、ドル相場に大きな下押し圧力をかけました。

同理事は「9月会合で25ベーシスポイントの利下げを支持する」と明言し、さらに「今後3-6ヶ月での追加利下げを予想している」として、継続的な金融緩和姿勢を示唆しました。また、「最近の雇用者数修正は転換点を示唆している可能性がある」と述べ、労働市場の弱さに対する懸念を表明しています。

この発言を受けて、CME FedWatchによる9月FOMCでの25bp利下げ確率は86%まで上昇しました。市場では9月5日に発表される米8月雇用統計が、利下げペースを決定する重要な指標として注目されています。

金利動向は為替相場の大きな方向性を決めるだけに、来週の雇用統計は要注目です。


米株式市場でダウ・S&P500が史上最高値更新

米2Q GDP改定値が年率3.3%と上方修正されたことを受け、ダウは+71.67ドルの45,636.90ドルで史上最高値を更新

前日の米株式市場では、堅調な経済指標を背景に主要指数が揃って上昇しました。

ダウ平均株価は71.67ドル高の45,636.90ドルで3日続伸し、史上最高値を更新しました。ナスダック総合指数も115.02ポイント高の21,705.16で3日続伸、S&P500指数も同様に史上最高値を更新しています。

上昇の背景には、2025年4-6月期の実質GDP改定値が前期比年率3.3%と、速報値の3.0%から上方修正されたことがあります。ビジネス投資の増加と貿易収支の改善が主な押し上げ要因となりました。

注目のエヌビディアは決算発表後に1%安となりましたが、全体相場への影響は限定的でした。金利低下期待と堅調な経済指標が投資家心理を支えている状況が続いています。


ドイツ雇用統計が予想外の改善、ユーロ買い反応

ドイツ8月失業者数が前月比9千人減と市場予想の1万人増から予想外の改善を見せ、ユーロ買いが一時的に強まる

欧州時間に発表されたドイツの雇用統計が、市場予想を大きく上回る結果となりました。

8月の失業者数は前月比9千人減となり、市場予想の1万人増から大幅に改善しました。失業率(季節調整済み)は6.3%で横ばいと、市場予想と一致しています。前月が2千人増だったことを考えると、雇用環境の改善傾向を示す結果となりました。

この結果を受けて、ユーロドルは一時的に買われ、1.1650付近から上昇する場面がありました。ユーロ円も171円台半ばで底堅い推移を見せています。

ただし、連邦雇用庁は「労働市場は依然として近年の景気低迷の影響を受けている」とコメントしており、今後の動向には注意が必要です。


今後の注目ポイント

本日注目の経済指標

  • 21:30 米7月PCEデフレーター(コア予想:前年比2.9%)
  • 21:00 ドイツ8月CPI速報値(前年比予想:2.0%)

来週の重要イベント

  • 9月2日(月):氷見野日銀副総裁講演
  • 9月5日(木):米8月雇用統計
  • 9月17-18日:FOMC会合

特に本日発表される米7月PCEデフレーターは、FRBが最も重視するインフレ指標として、9月の利下げ幅を決定する重要なデータとなります。市場予想通りかそれを下回る結果であれば、9月の利下げがほぼ確実視される展開となりそうです。


編集部からのコメント

昨日の市場を振り返ると、日米両国の金融政策の方向性が鮮明になってきた印象です。日本では東京CPIの結果が日銀の追加利上げ観測を支える一方、米国ではFRB理事の発言が利下げ路線を明確化しました。

この金利差の縮小観測は、今後数ヶ月間のドル円相場の大きなテーマとなりそうです。特に147円台での上値の重さが確認された形となり、当面は146-147円でのレンジ相場が続く可能性があります。

また、米株式市場の史上最高値更新は心強い材料ですが、FRBの利下げペースや企業業績の持続性については、引き続き注意深く見守る必要があるでしょう。

本日のPCEデフレーターの結果次第では、相場の方向性がより明確になる可能性があります。投資判断の際は、リスク管理を十分に行った上で臨んでいただければと思います。


今日も一日、安全なトレードを心がけてくださいね! 何かご質問がございましたら、いつでもお気軽にお声かけください。

FX編集部 田中

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