皆さん、おはようございます。FX編集部の田中です。 昨日の海外市場は、米雇用統計の大幅下振れが市場に大きな衝撃を与えた一日となりました。
ドル円は一時146円台まで急落し、金価格は史上最高値を更新するなど、FRBの利下げ観測拡大を背景とした大きな相場変動が見られました。本日も引き続き市場の動向には要注意ですね。
重要ニュース① 米8月雇用統計が大幅下振れ、FRB利下げ観測が急拡大
昨日21時30分に発表された米労働省の8月雇用統計は、市場に大きな衝撃を与える内容となりました。最も注目される非農業部門雇用者数は2.2万人増にとどまり、市場予想の7.5万人増を大幅に下回りました。さらに前月分も7.9万人から7.3万人に下方修正され、労働市場の冷え込みが鮮明となっています。
失業率は4.3%と0.1ポイント上昇し、約4年ぶりの高水準に達しました。平均時給の前年比上昇率も3.7%と予想の3.8%を下回り、賃金上昇圧力の鈍化も示されました。
この結果を受けて、CMEフェドウォッチによる9月FOMCでの25ベーシスポイント利下げ確率は90%近くまで上昇しており、FRBの政策転換がほぼ確実視される状況となっています。
重要ニュース② 金価格が史上最高値更新、1オンス3653ドル突破
雇用統計発表後、安全資産としての金に資金が流入し、NY商品取引所の金先物12月物は前日比46.60ドル(1.29%)高の3653.30ドルで終了しました。これは清算値ベースでの史上最高値更新となります。
金相場の専門家は「弱い雇用統計を受けてFRBが9月に0.5%の大幅利下げに踏み切るとの見方が広がり、金買いが加速した」と分析しています。金利低下により、利息を生まない金の魅力が相対的に高まったことが背景にあります。
金相場は年初来で既に34%余りの大幅上昇を記録しており、アナリストは価格見通しを段階的に引き上げている状況です。
重要ニュース③ ドル円急落、植田日銀総裁発言も影響
ドル円相場は雇用統計発表後に急速に売られ、一時146円台まで下落しました。約2.5円の大幅な下落となり、利下げ観測拡大によるドル売りが強まった格好です。
また、週中には植田日銀総裁が石破首相との会談で為替について言及したと報じられ、149円台から148円台への急落場面もありました。日銀の為替への関心の高さを示す出来事として市場で注目されました。
米国債10年物利回りも4.08%まで急低下しており、日米金利差縮小による円高圧力が今後も継続する可能性があります。来週の米CPI発表や日銀金融政策決定会合(9月18-19日)での動向にも注目が集まっています。
重要ニュース④ 米株式市場は小幅安、ブロードコムが大幅高
米株式市場では景気先行き不透明感が重しとなり、ダウ平均は220ドル安の45,400ドルで終了しました。雇用統計の弱さから景気減速懸念が広がる一方、FRBの利下げ期待も高まるという複雑な市場心理が反映されました。
そうした中で、半導体大手ブロードコムが9.4%の大幅上昇となりました。OpenAIが来年、自社開発による初のAI半導体をブロードコムとの提携で生産する見通しと報じられ、AI関連の大型受注への期待が高まったためです。
銀行株は利下げ観測から売られ、S&P500銀行株指数は2.4%安となるなど、セクター間での明暗が分かれる展開となりました。
今後の注目ポイント
- 9月10日(火) 米8月消費者物価指数(CPI)発表 – インフレ動向とFRBの利下げ幅を左右する重要指標
- 9月17-18日 FOMC会合 – 25bpか50bpかの利下げ幅に市場の関心が集中
- 9月18-19日 日銀金融政策決定会合 – 追加利上げの可能性と為替への言及に注目
- 来週前半 欧州株式市場の動向 – 米国発の景気懸念の波及度合い
編集部からのコメント
昨日の雇用統計は本当に市場を驚かせる内容でしたね。特にドル円の2円超の急落は、FXトレーダーの皆さんにとってはかなりインパクトの大きな動きだったのではないでしょうか。
今回の結果で9月の利下げはほぼ確実となりましたが、問題は幅ですね。25bpか50bpかで今後のドル円の方向性も大きく変わってきそうです。また、金価格の史上最高値更新も注目で、有事の金買いが再び脚光を浴びる展開となっています。
来週のCPI発表まではまだ時間がありますが、市場のボラティリティは高い状態が続きそうです。リスク管理をしっかりと行いながら、チャンスを見極めていきたいところですね。
締めの挨拶
本日の海外FX・投資関連ニュースをお届けいたしました。週末を迎えますが、来週も重要な経済指標発表が控えており、引き続き市場動向への注意が必要です。
皆さんも良い週末をお過ごしください。来週月曜日の朝にまたお会いしましょう!
FX編集部 田中








