皆さま、おはようございます。FX編集部の田中です。 昨夜の海外市場は、「高市トレード」の勢いが止まらず、ドル円が152円台後半まで上昇する展開となりました。一方で、米国株は政府機関の一部閉鎖による不透明感から軒並み下落となっています。本日も引き続き注目すべき動きが続いておりますので、一緒に確認していきましょう。
重要ニュース
高市早苗氏総裁勝利で円安加速、ドル円152.64円の8ヶ月ぶり高値更新
高市早苗氏の自民党総裁選勝利を受けた「高市トレード」が本格化しています。10月8日午後には一時152.64円まで上昇し、8ヶ月ぶりの高値を更新しました。
市場では、高市氏の掲げる積極的な財政政策と日銀の早期利上げに対する慎重姿勢への期待から、円売り圧力が高まっています。総裁選前の10月3日から約5円という急激な円安進行は、まさに「政治相場」の様相を呈していますね。
ユーロ円も177円台、スイスフラン円も190円台と最高値を更新しており、円の全面安が鮮明となっています。みずほ銀行の唐鎌氏は「期待先行で動いている状態」と指摘しており、今後の高市氏からの具体的な政策発言に注目が集まっています。
日本の8月実質賃金1.4%減、8ヶ月連続マイナスで予想下回る
厚生労働省が発表した8月の毎月勤労統計では、実質賃金が前年同月比1.4%減となりました。市場予想の-0.5%を大幅に下回る結果で、8ヶ月連続のマイナスとなっています。
名目賃金は30万517円(1.5%増)と春闘効果で上昇しているものの、消費者物価指数が3.1%上昇し、10ヶ月連続で3%を超えたことが響きました。特にボーナスなどの特別給与が10.5%減と大幅に減少したことも影響しています。
この結果は、個人消費の回復が思うように進まない現状を示しており、日銀の利上げペースをより慎重にさせる要因となりそうです。家計の実感としても、まだまだ厳しい状況が続いていることがデータで裏付けられた形ですね。
米国株3指数揃って下落、政府閉鎖による不透明感が重荷
10月7日のNY株式市場では、主要3指数が揃って下落しました。ダウ平均は46,602.98ドル(-0.20%)、ナスダック総合は22,788.36ポイント(-0.67%)、S&P500は6,714ポイント(-0.37%)となっています。
米政府機関の一部閉鎖により、雇用統計をはじめとする重要な経済指標の発表が延期される中、市場の不透明感が高まりました。IT・ハイテク株を中心に利益確定売りが優勢となった形です。
ただし、下落幅は比較的限定的で、相対的に日本株の堅調さが際立つ結果となりました。投資家の皆さまにとっては、地域分散投資の重要性を改めて感じる展開かもしれませんね。
金価格が史上最高値を3営業日連続更新、地政学リスクが支援
商品市場では金価格が3営業日連続で史上最高値を更新しています。中東情勢の緊迫化や米政府機関の一部閉鎖など、政治的不透明感が安全資産としての金需要を押し上げています。
一方で、原油価格(WTI)も3日続伸し、62ドル台で推移しています。OPEC+諸国の生産調整が価格を下支えしている状況です。
金と原油の同時上昇は、インフレ懸念の高まりを示唆しており、各国中央銀行の金融政策にも影響を与える可能性があります。ポートフォリオのリスクヘッジとしての金の役割が、改めて注目されていますね。
今後の注目ポイント
短期的な注目点(今週~来週)
- 高市新総裁からの具体的な政策発言とその市場反応
- 米政府機関閉鎖の解決時期と延期された経済指標の発表
- 日本株市場における「高市相場」の持続性
中期的な注目点(今月~来月)
- 日銀の10月会合での政策判断と市場の反応
- 米国第3四半期決算発表と企業業績の動向
- 中東情勢の展開と原油・金価格への影響
編集部からのコメント
今回の「高市トレード」は、政治的な期待感が市場を大きく動かす典型例となっています。ただし、期待先行の相場は調整も起こりやすいため、ポジション管理には十分注意が必要です。
特に円安の急速な進行は、輸出企業には追い風となる一方で、輸入コストの上昇による企業収益への影響も懸念されます。実質賃金の悪化も示すように、円安の恩恵が広く行き渡るには時間がかかりそうです。
米国の政府機関閉鎖についても、過去の例を見ると長期化するケースもあり、今後の経済指標発表スケジュールへの影響を注視していく必要があります。
本日もお疲れさまでした
本日の海外市場ニュースは以上となります。政治と市場の関係性が改めて鮮明になった一日でしたね。引き続き変動の大きな相場が予想されますので、リスク管理を徹底して取引に臨んでいただければと思います。
明日も皆さまにとって有益な情報をお届けできるよう努めてまいります。素敵な一日をお過ごしください!
FX編集部 田中








