2025年10月11日(土)朝10時のマーケット情報をお届けします。
昨日の海外市場は、まさに「嵐の一日」となりました。トランプ大統領の突然の対中関税発表により、株式市場は大幅下落、為替市場では円高・ドル安が急速に進行するなど、リスクオフムードが市場全体を覆いました。投資家の皆様には、改めて地政学的リスクの重要性を実感していただく一日だったのではないでしょうか。
重要ニュース
【最重要】トランプ大統領、対中100%追加関税を発表で市場大混乱
10月10日、トランプ大統領がSNS「トゥルースソーシャル」で衝撃的な発表を行いました。中国が前日発表したレアアース輸出規制強化への対抗措置として、「11月1日から中国に対し現在課している関税に加え100%の関税を課す」と表明したのです。
さらに、重要な米国製ソフトウェアの対中輸出規制導入と、習近平主席との首脳会談中止も示唆しました。
市場の反応は即座でした:
- NYダウ:878.82ドル安(-1.90%)
- S&P500:2.7%安(半年ぶりの大幅下落)
- ナスダック:820.20ポイント安(-3.56%)
- VIX指数:22台まで上昇
この発表により、5月から続いていた関税休戦が終了する可能性が高まり、投資家の間では米中貿易戦争の再燃に対する懸念が一気に広がりました。
ドル円、151円台まで急落!円高圧力が一気に強まる
為替市場では、株式市場の急落と歩調を合わせるように円買い・ドル売りが加速しました。トランプ発言前は153円台で推移していたドル円相場が、発表後わずか数時間で151円台半ばまで下落。約1円という大幅な円高進行となりました。
この動きは、地政学的リスクの高まりによる典型的な「質への逃避」の動きです。安全資産とされる円に資金が流入し、米長期金利も4.03%まで低下しました。
高市自民党総裁が前日に「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」と牽制発言を行っていましたが、結果的にはこの地政学的要因による円高の方が大きな影響を与える形となりました。
原油価格、4カ月ぶり60ドル割れで大幅下落
エネルギー市場では、WTI原油先物が大幅下落となりました。終値は58.90ドル(前日比-2.61ドル、-4.24%)で、一時は58.70ドルまで売り込まれ、4カ月ぶりに60ドルを割り込みました。
下落要因は二つあります:
- 中東情勢の緊張緩和:イスラエル軍の動向により、原油供給への懸念が和らいだこと
- 経済成長懸念:米中貿易戦争の再燃により、世界経済の減速と原油需要の減少が懸念されたこと
資源関連株や資源国通貨への影響も出始めており、来週の動向が注目されます。
金価格は8週連続上昇、安全資産需要が継続
貴金属市場では、金相場の堅調推移が続いています。1オンス4000ドル前後での横ばい推移となりましたが、8週連続の上昇基調を維持しています。
トランプ発言によるリスクオフ局面では、伝統的な安全資産である金への需要が高まる傾向があります。加えて、FRBの追加利下げ期待も金の投資魅力を高める要因となっています。
米政府閉鎖で経済指標発表に影響、CPI24日発表へ
10月1日から続く米政府機関の一部閉鎖により、重要な経済指標の発表スケジュールに大きな影響が出ています。9月雇用統計やPPI(生産者物価指数)の発表が延期される中、CPI(消費者物価指数)のみが2026年の公的年金支給額算出に不可欠として、24日の発表が決定されました。
この状況は、FRBの金融政策判断に必要なデータが不足する可能性を示唆しており、市場の不確実性を高める要因となっています。
今後の注目ポイント
来週の重要イベント:
- パウエルFRB議長の講演(金融政策に関する発言に注目)
- 田村日銀委員の発言(タカ派として円安への見解)
- 豪雇用統計(16日発表予定)
中期的な注目点:
- 11月1日の対中関税実施の実行性
- 米中首脳会談の行方(11月10日の関税休戦期限)
- 政府閉鎖解決と経済指標発表の正常化
編集部からのコメント
昨日の市場動向を見ていて改めて感じたのは、地政学的リスクが金融市場に与える影響の大きさです。特に今回は、SNSでの一つの投稿が世界中の市場を大きく動かしたという点で、現代の情報伝達速度の速さを実感させられました。
投資家の皆様には、こうした突発的な材料に対しても冷静に対応できるリスク管理の重要性を、改めてお伝えしたいと思います。特に週末を挟むため、月曜日の市場開始時の動向には十分ご注意ください。
それでは、素敵な週末をお過ごしください! 来週もタイムリーな市場情報をお届けしてまいります✨
FX編集部 田中
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