おはようございます!FX編集部の田中です
昨晩の海外市場は大きな動きがありました。パウエルFRB議長の発言を受けてドル売りが進み、ドル円は151円台から150円台まで下落しています。また、米中貿易摩擦の激化懸念から金価格が史上最高値を更新するなど、リスク回避の動きが目立ちました。
本日も皆様の投資判断に役立つ情報をお届けしてまいります。
昨日の主要ニュース
ニュース1:パウエルFRB議長が追加利下げを強く示唆
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10月14日、全米企業エコノミスト協会の年次会合で講演を行いました。
議長は「労働市場はかなり著しい下振れリスクを示している」と明言し、市場では10月29-30日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)での0.25%利下げがほぼ確実視される状況となりました。
さらに注目すべきは、「物価上昇は主に関税を反映しており、広範なインフレ圧力を反映しているわけではない」との認識を示した点です。これは、インフレ懸念よりも雇用重視の姿勢を鮮明にしたものと言えます。
また、議長は数カ月以内に量的引き締め(QT)を停止する可能性にも言及しており、金融緩和姿勢が一層強まる見通しです。
市場の反応:
- ドル円:151円台後半から一時150.90円付近まで下落
- 米国債利回り:低下し、ドル売り圧力を強化
- 米国株:利下げ期待から前日上昇
この発言は、FRBが景気減速リスクに本格的に対応する姿勢を示したものとして市場で好意的に受け止められています。今後の雇用統計の内容が、一層重要になってきますね。
ニュース2:米中貿易摩擦が再燃、11月1日から100%追加関税発動へ
トランプ米大統領は10月10日、自身のSNSで11月1日から中国に対し100%の追加関税をかける方針を表明しました。
これは中国による米国産大豆の購入拒否や、レアアース輸出管理強化への対抗措置とされています。グリア米通商代表部(USTR)代表も14日、「中国の行動次第」としながらも発動方針を確認しました。
一方、中国政府は韓国造船大手ハンファオーシャンの米関連企業5社に制裁を発表し、報復姿勢を明確にしています。さらにトランプ氏は「中国との食用油取引終了を検討している」とも発言しており、摩擦がエスカレートする様相を呈しています。
市場の反応:
- 為替市場:リスク回避の円買い圧力が強まり、ドル円の上値を抑制
- 米国株:前日のS&P500は-0.16%と小幅安
- 原油:供給過剰予想と貿易摩擦懸念で3日続落、WTI原油は58.70ドル(-1.33%)
- 金:安全資産需要から史上初の4200ドル台を突破
貿易戦争の激化は世界経済全体にとってマイナス要因です。10月末に予定される米中首脳会談で、どこまで関係修復が図られるかが注目されます。
ニュース3:金価格が史上最高値4200ドル突破、安全資産需要が急増
10月15日のアジア取引で、金現物価格が1オンス=4200.11ドルと、史上初めて4200ドル台を突破しました。
NY金先物12月限も4218ドルまで上昇し、中心限月として最高値を更新しています。日本時間15時59分時点で金現物は4199.99ドルと1.4%高で取引されています。
金価格の上昇を後押ししているのは、主に以下の3つの要因です:
- FRBの利下げ期待による実質金利の低下
- 米中貿易摩擦激化による地政学リスクの高まり
- 世界的な不確実性の増大
国内商品先物市場でも金は続伸しており、実物資産としての「安全資産」需要が高まっています。
金は無利子資産のため、金利が低下する環境では相対的な魅力が増します。今回のように利下げ期待とリスク回避が同時に進む局面では、特に買われやすい傾向にあります。
ニュース4:日経平均825円高で大幅反発、4万7672円に
10月15日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比825円(1.76%)高の4万7672円で取引を終えました。午後には上げ幅が一時900円を超える場面もありました。
前日の米国株上昇の流れを受けて買いが先行し、内需株への期待も相場を押し上げました。日経平均VI(ボラティリティ・インデックス)は低下しており、市場の警戒感はひとまず緩和されています。
ただし、注意すべき点もあります。日本では次期政権を巡る与野党の攻防が続いており、政局不安が円高圧力の一因となっています。また、米国では半導体株の軟調さも警戒材料として残っています。
株高と円高が同時進行する異例の展開となっており、投資家の皆様は引き続き慎重な判断が求められます。
ニュース5:IMFが世界経済見通しを上方修正、日本は1.1%成長へ
国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しを公表し、2025年の世界GDP成長率予想を7月時点の2.8%から3.2%に上方修正しました。
関税の影響や金融環境が当初想定より穏やかだったことが主な理由です。国別では以下のように修正されています:
- 米国:2.0%(7月時点:1.9%)
- ユーロ圏:1.2%(7月時点:1.0%)
- 日本:1.1%(7月時点:0.7%)
日本については、上期における米国関税回避のための輸出前倒し効果に加え、賃金上昇と個人消費の伸びが寄与すると分析されています。
この上方修正は、中長期的な円買い材料となる可能性があります。また、日銀の追加利上げ観測にも影響を与える可能性があるため、今後の金融政策の動向にも注目が必要です。
今後の注目ポイント
直近の重要イベント
- 10月29-30日:FOMC(米連邦公開市場委員会)
- 0.25%の利下げがほぼ確実視
- パウエル議長の記者会見での今後の利下げペースに関する発言に注目
- 11月1日:米国の対中追加関税発動予定日
- 実際に100%の追加関税が発動されるか
- 中国の更なる報復措置の有無
- 10月末:米中首脳会談(予定)
- 貿易摩擦緩和の糸口が見つかるか
- 両国の歩み寄りの可能性
- 11月発表:米国雇用統計
- 労働市場の弱含みがさらに進むか
- FRBの今後の政策判断の重要な材料
投資家の皆様へ
現在の市場は、利下げ期待と地政学リスクが交錯する複雑な局面にあります。
- ドル円は151円ラインの攻防が続いており、150円台定着の可能性も
- 金は4200ドル台を維持できるかが焦点
- 日本株は政局不安が重石となる可能性に注意
短期的なボラティリティの高まりが予想されますので、ポジション管理には十分ご注意ください。
編集部からのコメント
昨晩の市場は、パウエル議長の発言が大きなインパクトを与えました。労働市場への懸念を率直に示したことで、市場の利下げ期待が一段と強まっています。
一方で、米中貿易摩擦の再燃は懸念材料です。トランプ大統領の発言は変更される可能性もありますが、11月1日という具体的な日付が示されたことで、市場の緊張感が高まっています。
このような環境下で、金が4200ドルの大台を突破したことは象徴的です。投資家の皆様がリスクヘッジを強化している様子がうかがえます。
今週から来週にかけて、米中関係の動向とFOMCの結果が市場の方向性を大きく左右しそうです。最新情報のチェックをお忘れなく、慎重な投資判断を心がけてください。
本日も良い投資の一日をお過ごしください
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FX編集部 田中
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