【2025年11月3日】最新海外FX投資ニュース

こんにちは!FX編集部の田中です。

週明けの月曜日、いかがお過ごしでしょうか。週末を挟んで迎えた本日ですが、先週末から引き続きドル円は154円台での推移が続いています。日米の金融政策の違いが鮮明になり、円安圧力が強まっている状況です。

昨日11月3日は日本が祝日で東京市場は休場でしたが、海外市場では重要な動きがありました。本日は先週末に発表された日米金融政策決定会合の結果を中心に、週明けの市場を占う上で押さえておきたいポイントをお届けします。

それでは、週明けの市場を読み解くために、先週末から本日にかけての主要ニュースを確認していきましょう。


目次

本日の主要ニュース

【最重要】ドル円154円台突破、日米金融政策の違いで8カ月半ぶり円安水準

日銀が6会合連続で利上げ見送り、FRBは2会合連続利下げを決定したことで、日米金利差拡大観測が強まりドル円は154円台を突破しました。

先週10月29~30日に開催された日米の金融政策決定会合の結果を受けて、為替市場では円安が加速しています。

日本銀行は10月30日、政策金利を0.5%に据え置き、6会合連続で追加利上げを見送りました。植田和男総裁は記者会見で、トランプ関税による米国経済への影響など不確実性が高いことを理由に、利上げ時期への言及を避けました。市場では年内利上げの可能性が後退し、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場での12月会合での利上げ確率は40%台まで低下しています。

一方、米FRB(連邦準備制度理事会)は10月29日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、2会合連続となる0.25%の利下げを決定し、政策金利を3.75~4.00%としました。ただし、パウエル議長は記者会見で12月の追加利下げについて「既定路線ではない」と述べ、今後の経済指標を見極める慎重姿勢を示しました。

この日米金融政策のスタンスの違いから、ドル円は10月30日に154円台を突破し、約8カ月半ぶりの円安水準となりました。11月3日の海外市場でも154円20銭台で推移しており、円安基調が継続しています。

クロス円でも円安が進行しており、ユーロ円は史上最高値178.82円、スイスフラン円も史上最高値192.69円を記録しました。

市場への影響ポイント:

  • 輸出関連企業の業績には追い風となる一方、輸入物価上昇による国内インフレ圧力が懸念されます
  • 155円接近で日本政府の為替介入への警戒感が高まっています(片山財務相が「過度な変動に高い緊張感」と発言)
  • 日米金利差の拡大は当面続く見通しで、円安トレンドが継続する可能性があります

今後12月の日銀金融政策決定会合(12月18~19日)での判断が注目されますが、現時点では利上げの可能性は低いとの見方が優勢です。


米ISM製造業指数に注目、FRB追加利下げ判断の材料に

 本日24時発表予定の10月ISM製造業景況指数(予想49.4)は、米国景気の先行指標として、今後のFRB利下げペースを占う重要な指標となります。

本日11月3日の24時(日本時間)に、米国の10月ISM製造業景況指数が発表されます。市場予想は49.4で、9月実績の49.1から若干の改善を見込んでいますが、依然として好不況の分かれ目である50を下回る見通しです。

ISM製造業指数は毎月第1営業日に発表される最も早い米国景気指標として知られており、購買担当者へのアンケート調査に基づいて作成されます。9月は49.1と7カ月連続で50を下回り、製造業の縮小が続いていることを示していました。

先週のFOMCでパウエル議長が12月の利下げについて慎重姿勢を示したことから、市場は今後発表される経済指標を注視している状況です。本日のISM製造業指数が予想を上回れば米国景気の底堅さが確認され、利下げペース鈍化観測が強まる可能性があります。逆に予想を下回れば、景気減速懸念から追加利下げ期待が高まることになります。

注目すべき構成要素:

  • 新規受注指数(需要動向を示す先行指標)
  • 生産指数(製造業の活動水準)
  • 雇用指数(労働市場への影響)
  • 支払価格指数(インフレ圧力の判断材料)

結果次第ではドル円の方向性が決まる重要な指標ですので、発表後の市場の反応にご注意ください。


豪RBA政策会合、インフレ高止まりで利下げ見送りへ

本日開催される豪準備銀行(RBA)の政策会合では、予想外のインフレ上振れを受けて政策金利据え置きが濃厚となっています。

本日11月4日、オーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策会合が開催されます。市場では政策金利の据え置きがほぼ確実視されています。

その背景となったのが、10月29日に発表された第3四半期の消費者物価指数(CPI)です。前期比+1.3%、前年比+3.2%と、いずれも市場予想(+1.1%、+3.0%)を上回りました。豪RBAが重視するトリム平均値(刈込平均値)も予想を上回る結果となり、インフレ圧力の根強さが示されました。

この発表を受けて、一時80%近くまで織り込まれていた利下げ確率がわずか5%台まで急低下しています。豪RBAのブロック総裁は、インフレ率が目標レンジ(2~3%)に収まるまで慎重な政策運営を続ける姿勢を示しており、早期の利下げは困難な状況です。

豪ドル円への影響: 日銀の年内利上げが不透明な中、豪RBAが利下げを見送ることで、豪ドル円では円安圧力が強まる可能性があります。資源国通貨である豪ドルは商品市況の影響も受けやすいため、原油や鉄鉱石価格の動向にも注意が必要です。

今週は6日に英イングランド銀行(BOE)の政策会合も控えており、主要中銀の政策スタンスの違いが為替市場のボラティリティを高める展開が予想されます。


金価格4,000ドル台維持、長期的な上昇トレンド継続

 NY金先物は史上初の4,000ドル突破後に調整局面となっていますが、アナリストは年末までの再突破と2026年の5,000ドル到達を予想しています。

貴金属市場では、金価格が歴史的な高値圏での推移を続けています。

NY金先物相場は10月に史上初めて1オンス4,000ドルの大台を突破し、10月17日には4,254ドルまで上昇しました。その後は利益確定売りや米ドル高の影響で調整局面に入り、現在は3,990~4,000ドル近辺で推移していますが、長期的な上昇トレンドは維持されています。

2025年の金価格は年初来で約54%上昇しており、1979年の石油危機以来、最高のリターンを記録する見込みです。ロイターが実施したアナリスト39人への調査では、2026年の年平均価格が4,275ドル(初めて4,000ドルを超える年平均価格)になると予想されています。さらに、HSBCは2026年前半に5,000ドル到達の可能性を指摘しています。

金価格上昇の背景:

  • 世界的な地政学リスクの高まり(中東情勢、ウクライナ情勢など)
  • インフレヘッジ資産としての需要増加
  • 各国中央銀行による金購入の継続(特に新興国)
  • ドル安局面での安全資産需要
  • 金ETFへの資金流入の加速

短期的には4,000ドルの心理的節目を巡る攻防が続く見通しですが、中長期的な投資対象としての金の魅力は高まっていると言えるでしょう。ただし、FRBの利下げペース鈍化が金価格の上値を抑える要因となる可能性もありますので、米国の金融政策動向には引き続き注目が必要です。


日経平均5万円台定着なるか、今週は企業決算に注目

 日経平均株価は先週5万円台を突破し史上最高値を更新、今週から本格化する国内企業決算が5万円台定着の試金石となります。

先週10月31日、日経平均株価は50,228円で取引を終え、史上最高値を更新しました。この1カ月間で7,000円以上の上昇を記録し、ついに5万円台の大台に乗せています。

上昇の主な要因:

  • 米国株式市場の最高値更新によるグローバルなリスクオンムード
  • AI関連銘柄(半導体関連など)の堅調な推移
  • 高市早苗政権誕生による「積極財政」への期待
  • 円安進行による輸出関連企業の業績改善期待
  • 日本企業の自社株買いや株主還元強化

本日11月3日は文化の日で東京市場は休場でしたが、今週から国内主要企業の決算発表が本格化します。特に輸出関連大手企業(トヨタ、ソニー、任天堂など)の業績が注目されており、円安メリットがどの程度業績に反映されているかが焦点となります。

投資家が注目すべきポイント:

  • 円安による増益効果と原材料高騰のコスト増加のバランス
  • 今期の業績見通しの上方修正の有無
  • 自社株買いや増配などの株主還元策の発表
  • AI関連ビジネスの進捗状況

ただし、日経平均のPER(株価収益率)は過去平均を上回る水準まで上昇しており、バリュエーション面での割高感も指摘されています。企業決算の内容次第では利益確定売りが出る可能性もありますので、慎重な銘柄選択が求められます。


今週の注目ポイント

今週は重要な経済指標発表と中央銀行会合が目白押しです。特に以下の点にご注目ください:

📅 11月4日(月・本日)

  • 豪RBA政策金利発表(据え置き予想)
  • 米ISM製造業景況指数(24:00発表、予想49.4)

📅 11月5日(火)

  • 米ADP雇用統計(22:15発表)
  • 米ISM非製造業景況指数(24:00発表)
  • 米最高裁判所でトランプ関税に関する口頭弁論

📅 11月6日(水)

  • 英BOE政策金利発表とベイリー総裁記者会見

📅 11月7日(木)

  • 加雇用統計
  • 米ミシガン大学消費者信頼感指数【速報値】

また、FOMC明けでFRB高官の発言が相次ぐ見込みです。12月の追加利下げに関するヒントが得られる可能性がありますので、要人発言にも注意を払いましょう。


編集部からのコメント

先週の日米金融政策決定会合を経て、「日米金利差拡大」が当面のメインテーマとなりそうです。

ドル円154円台は輸出企業にとっては追い風ですが、155円接近では日本政府の為替介入リスクも意識されます。片山財務相が「過度な変動に高い緊張感を持って見極める」と発言しており、ベッセント米財務長官も日銀の政策について言及するなど、為替が「政治問題」として意識され始めている点は注目に値します。

突発的な円高調整のリスクも念頭に置きながら、ポジション管理には十分ご注意ください。

一方、株式市場では日経平均5万円台が視野に入り、投資家心理は明るいムードです。ただし、今週の企業決算で期待外れの内容が出れば、調整局面に入る可能性もあります。「期待先行」から「実態確認」のフェーズに入ったと言えるでしょう。

金価格は長期的な上昇トレンドが継続しており、ポートフォリオの一部として保有する価値は高いと考えます。地政学リスクやインフレ懸念が続く限り、安全資産としての金の重要性は変わりません。

本日発表される米ISM製造業指数は、今週の市場の方向性を決める重要な指標となります。予想を大きく外す結果が出た場合は、ボラティリティが高まる可能性がありますので、発表時刻前後のトレードには特にご注意ください。


それでは、本日も良い一日をお過ごしください。 市場の動きを見守りながら、冷静な投資判断を心がけましょう!

FX編集部 田中

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