おはようございます!FX編集部の田中です。
昨日(11月6日)の海外市場は、米国の経済指標が市場予想を上回ったことで、ドル高・株高の流れが継続しました。また、英国中銀が予想外の利下げを決定するなど、主要中央銀行の政策方針の違いが鮮明になってきています。それでは、昨日の重要ニュースを順番に見ていきましょう。
米国経済指標が予想上回り、市場にポジティブサプライズ
米国時間11月5日に発表された経済指標が、市場に明るい材料を提供しました。
まず、10月のADP雇用統計では、民間雇用者数が前月比+4.2万人増加しました。9月の-2.9万人から大きく改善した形です。また、同日発表されたISM非製造業景況指数は52.4と、8カ月ぶりの高水準を記録しました。市場予想を上回る結果となり、投資家の間では米国経済のハードランディング(急激な景気後退)への懸念が後退しています。
これらの好材料を受けて、ドル円は154円台前半まで円安が進行し、9カ月ぶりの高値圏に到達しました。また、米国株式市場も全面高となり、ダウ平均は225.76ドル高の47,311.00ドルで取引を終えています。
【市場への影響】
- ドル円:153円台→154円台前半へ上昇
- 米国株:ダウ+0.47%、ナスダック+0.85%
- 米10年債利回り:上昇
週末の雇用統計を控えて、市場は米国経済の強さを再評価する動きが続きそうです。
英国中銀が3カ月ぶり利下げ、政策金利4.75%へ
英国時間11月6日に開催された金融政策委員会で、英イングランド銀行(BOE)は政策金利を5.0%から4.75%へ引き下げることを8対1の投票で決定しました。これは8月以来、3カ月ぶりの利下げとなります。
市場では事前に「据え置き」との予想が65%程度を占めていたため、やや予想外の決定となりました。ただし、BOEは声明文の中で、英国政府の予算案が今後のインフレを押し上げる可能性について警告しており、今後の利下げペースは慎重になる可能性を示唆しています。
【市場への影響】
- ポンド円:200円割れ→200円後半へ反発後、もみ合い
- 英国債利回り:低下
- 英国株:小幅上昇
英国のシンクタンクNIESRは、11月26日に発表される来年度予算案に大幅増税が盛り込まれない場合、2022年の「トラスショック」のような債券市場の暴落が起こりかねないと警告しています。今月下旬の予算案発表が次の焦点となりそうです。
日経平均が大幅反発、671円高で5万円台を維持
11月6日の東京株式市場では、日経平均株価が3日ぶりに大幅反発しました。終値は前日比671円高(+1.34%)の50,883円となっています。
前日までの2日間で約2,200円下落していた反動から、自律反発を狙った買いが主力株を中心に入りました。寄り付き直後には上げ幅が1,000円を超える場面もありましたが、その後は円相場の変動を受けて上げ幅を縮小する不安定な展開となりました。
【市場への影響】
- 日経平均:+671円(+1.34%)
- 上げ幅:一時1,000円超
- 主導セクター:輸出関連株、ハイテク株
市場関係者の間では、「AI関連など一部セクター主導の株高を、全般的なリスクオンと呼べるかは判断が難しい」との慎重な見方も出ています。ハイボラティリティな相場環境が続いていますので、今後も日々の値動きには注意が必要です。
ドル円153円後半で膠着、154円台定着には至らず
東京時間午後3時時点で、ドル円は153円後半で取引されました。前日に152円台まで下落した後、海外市場で154円台まで回復しましたが、東京市場では再び153円台へ反落する展開となっています。
オーダーブックを見ると、153円付近に厚い買い注文が集中している一方、154円台半ばには厚い売り注文が控えており、上値の重い状況が続いています。また、三村財務官が「最近の円の動きはファンダメンタルズから外れている」と発言しており、155円に近づいた場合の為替介入リスクにも警戒が必要です。
【今後の注目水準】
- サポート:153円、152円
- レジスタンス:154円台半ば、155円
週末の米国雇用統計が、ドル円の方向性を決める重要なイベントになりそうです。
原油5日ぶり反落、金は円安で反発
国内商品先物市場では、原油が5営業日ぶりに反落しました。カナダ政府が石油・ガス排出量の上限規制を撤回する可能性を示したとの報道を受け、カナダの原油生産増加への思惑が供給緩和観測を強めました。原油の中心限月は前日比560円安の60,310円で取引を終えています。
一方、金は3営業日ぶりに反発しました。円安・ドル高が進んだことで、円建ての金価格が上昇しています。
【市場への影響】
- 原油価格の低迷:インフレ圧力緩和に寄与
- 金価格:安全資産需要と通貨変動の両面から変動
OPEC+の生産方針や中東情勢の変化が、今後の原油価格を左右する要因となりそうです。
今後の注目ポイント
11月8日(金):米国雇用統計
今週最大の注目イベントです。ADP雇用統計が予想を上回ったことで、雇用統計への期待も高まっています。結果次第では、ドル円が155円を試す可能性もあります。
11月26日:英国予算案発表
BOEが警告したインフレリスクの程度が明らかになります。増税規模や財政健全性の内容に注目が集まります。
FRBの金融政策スタンス
好調な経済指標を受けて、利下げペースの見直しが議論される可能性があります。今後のFOMCメンバーの発言に注意が必要です。
編集部からのコメント
昨日の市場を見ていて感じたのは、米国経済の「底堅さ」が改めて確認されたということです。ADP雇用統計の大幅改善は、9月の落ち込みを取り戻す形となり、市場参加者に安心感を与えました。
ただし、ドル円が154円台で上値が重い状況が続いているのも事実です。155円に近づくと日本政府の為替介入リスクが意識されますし、週末の雇用統計を前にポジション調整の動きも見られます。
また、英国中銀の利下げは市場に一定のサプライズを与えましたが、今後の利下げペースについては慎重姿勢を示しています。主要中央銀行の政策スタンスが分岐する中、通貨ペア間の動きにも注目していきたいと思います。
週末の雇用統計に向けて、ポジション管理には十分ご注意ください。
それでは、本日も良い一日をお過ごしください!
FX編集部 田中
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