おはようございます!FX編集部の田中です。
昨日の海外市場は、米国政府機関の閉鎖解除見通しを好感する動きが目立ちました。NYダウが初めて4万8000ドル台に到達し、史上最高値を更新する一方で、ドル円は一時155円台まで上昇し、約9カ月ぶりの高値をつけています。本日も引き続き円安圧力が続いており、投資家の皆様は為替介入の可能性にも注意が必要です。
それでは、昨晩の主要ニュースを見ていきましょう。
重要ニュース1:ドル円155円台突破、日銀利上げ観測後退で円安加速
詳細
昨日の海外市場および本日の東京市場で、ドル円相場は一時155円台に到達しました。これは今年2月4日以来、約9カ月ぶりの円安水準となります。
円安が進んだ主な要因は2つあります。1つ目は、植田日銀総裁が参院予算委員会で行った発言です。総裁は基調的な物価上昇率について「2%に向けて緩やかに上昇している」と述べましたが、持続的な達成への確信は示されませんでした。この発言を受けて、市場では12月の日銀利上げの可能性が40%程度まで低下しています。
2つ目の要因は、米国政府機関の閉鎖解除見通しです。米議会下院が12日夜(日本時間13日午前)につなぎ予算案を可決したことで、史上最長となった政府閉鎖が終了する見通しとなりました。これにより経済指標の公表も再開される見込みで、市場の不透明感が後退しています。
片山財務相は「過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見極めている」と円安けん制の発言を強めていますが、市場への影響は限定的でした。
市場への影響
円全面安の展開となり、ユーロ円も180円台に迫る勢いです。輸出関連株には追い風となり、TOPIXが4営業日連続で史上最高値を更新しました。
今後の注目ポイント
155円台が定着するかどうか、そして2024年に実施された為替介入の水準(160円前後)に近づく中で、財務省がどのような対応を取るのかが焦点となります。また、12月17-18日の日銀金融政策決定会合での利上げの有無も重要な判断材料です。
重要ニュース2:NYダウ史上最高値、初の4万8000ドル台突破
詳細
12日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比326ドル(0.7%)高の48,254ドルで取引を終了し、初めて4万8000ドル台に到達しました。これで4営業日連続での史上最高値更新となります。
上昇の原動力となったのは、米議会下院がつなぎ予算案を可決したことです。2025年1月20日から続いていた史上最長の政府機関閉鎖(112日間)が終了する見通しとなり、投資家心理が大きく改善しました。セクター別では、ヘルスケア株と金融株が買われ、相場全体を押し上げる形となりました。
S&P500指数も4ポイント高の6,850ポイントで4営業日ぶりに最高値を更新しています。一方で、ナスダック総合指数は下落しました。AI投資への懸念から割高なハイテク株に売りが出ており、市場内での二極化が進んでいます。
金融政策面では、ボスティック・アトランタ連銀総裁らが金利据え置きを支持する発言を行い、急激な利下げ観測を牽制する姿勢を示しました。
市場への影響
米国株の上昇は日本株にも波及し、日経平均は0.4%高、TOPIXは0.7%高で取引を終えています。リスクオン地合いがドル高・円安を後押しする要因にもなりました。
今後の注目ポイント
政府機関再開後に発表される経済指標(雇用統計、CPIなど)の内容が市場の方向性を決める鍵となります。また、年末に向けてS&P500には上昇しやすいというアノマリー(季節的傾向)もあり、引き続き注目です。
重要ニュース3:WTI原油が58ドル台に急落、OPEC月報で需給緩和懸念
詳細
12日のニューヨーク原油先物市場で、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)12月限は前日比2.55ドル(4.2%)安の1バレル58.49ドルで取引を終了しました。4営業日ぶりの反落で、約3週間ぶりの安値水準です。
急落の要因は、OPEC(石油輸出国機構)が12日に公表した11月の月報にあります。報告書では、2025年と2026年の原油需要見通しは据え置かれたものの、非OPEC産油国の生産見通しが上方修正されました。この結果、世界の原油市場は供給過剰になるとの見方が強まり、売りが優勢となりました。
さらに、2025年7-9月期の世界原油市場が日量50万バレルの供給過剰だったことも判明しています(前月時点では40万バレル不足と推計されていました)。国際エネルギー機関(IEA)も2026年の供給過剰を予想しており、需給緩和懸念が市場全体を覆っています。
一方、NY金先物は97.3ドル(2.4%)高の4,213.6ドルと反発しました。米長期金利の低下により、金利のつかない資産である金の投資妙味が増したと見られています。
市場への影響
原油価格の下落は、資源国通貨(豪ドル、カナダドルなど)への下押し圧力となります。また、原油安は物価の下押し要因となるため、FRBの利下げ余地を拡大させる可能性があります。
今後の注目ポイント
12月のOPECプラス会合での増産延期判断、米国シェール生産の動向、そして中国経済の回復ペースが原油価格を左右する要因となります。投資家の皆様は、60ドルを下回る水準での推移が続くかどうかに注目しましょう。
重要ニュース4:TOPIX連日の史上最高値、円安と米株高が支援
詳細
13日の東京株式市場で、TOPIX(東証株価指数)は前日比0.7%高の3,381.72で取引を終了し、4営業日連続で史上最高値を更新しました。日経平均株価も0.4%高の51,281.83円で続伸しています。
上昇を牽引したのは、円安の恩恵を受ける電機・機械などの輸出関連株、そして銀行などの金融株です。三菱UFJフィナンシャル・グループ、日立製作所、アドバンテストなどが上昇寄与度の上位に並びました。東証プライム上場企業の約6割が上昇しており、幅広いセクターで買いが入りました。
これまで10月にかけてグロース株中心に急ピッチで上昇していた日経平均に、TOPIXが追いつく形で値上がりしています。株価の出遅れが指摘されていた銀行株に見直し買いが入るなど、投資マネーが向かう銘柄の裾野が広がりつつあります。
一方、指数への寄与度が大きいソフトバンクグループは続落しました。バリュエーション(株価評価)面での懸念が残っているとの見方があります。
市場への影響
日経VI(ボラティリティ指数)は低下しており、市場の警戒感は緩和されています。米政府機関の再開により経済データの発表が再開されれば、さらに投資判断がしやすくなると期待されています。
今後の注目ポイント
バリュー株への資金シフトが持続するかどうか、そして年末に向けたポートフォリオ調整の動きに注目です。米国の経済指標が再び発表されるようになれば、日本株への影響も見極めやすくなります。
今後の注目ポイント
本日以降、投資家の皆様に注目していただきたいポイントをまとめました。
1. 為替介入の可能性
ドル円が155円台で推移する中、2024年に実施された為替介入の水準(160円前後)に近づいています。片山財務相の発言トーンも強まっており、市場介入の可能性を意識した取引が必要です。
2. 米経済指標の発表再開
政府機関が再開されれば、延期されていた雇用統計やCPI(消費者物価指数)などの重要指標が発表されます。これらのデータがFRBの金融政策判断に大きく影響するため、要注目です。
3. 日銀の12月会合
12月17-18日の日銀金融政策決定会合で利上げが実施されるかどうかが、今後の円相場を大きく左右します。植田総裁の発言からは慎重姿勢が伺えますが、物価動向次第では政策変更の可能性もあります。
4. 原油価格の動向
WTI原油が58ドル台まで下落したことで、エネルギーコストの低下が見込まれます。これはインフレ抑制にプラスとなる一方、資源国経済への影響も考慮が必要です。
5. 年末ラリーの可能性
S&P500指数には年末にかけて上昇しやすいというアノマリーがあります。米国株の動向が日本株や為替市場にも波及する可能性があるため、引き続きウォッチしていきましょう。
編集部からのコメント
昨日の市場は、米国政府機関の閉鎖解除という明るいニュースに沸きました。ダウが4万8000ドル台に到達したことは歴史的な瞬間と言えます。
一方で、ドル円が155円台に到達したことは、輸出企業にとっては追い風ですが、輸入物価の上昇を通じて私たちの生活にも影響が及ぶ可能性があります。財務省の為替介入判断も気になるところです。
また、原油価格の急落は注目に値します。ガソリン価格の低下など、私たちの生活にプラスの影響が期待できる一方で、エネルギー関連企業の業績には逆風となります。市場全体のバランスを見極めながら、投資判断を行うことが大切です。
本日の東京市場も引き続き円安・株高の流れが続いていますが、過度な楽観は禁物です。冷静に情報を収集し、リスク管理を徹底しながら取引を行いましょう。
締めの挨拶
以上、本日の海外FX・投資関連ニュースをお届けしました。
市場は刻一刻と変化しています。FX編集部では、皆様の投資判断に役立つ情報を引き続きタイムリーにお届けしてまいります。
本日も良い一日をお過ごしください。そして、安全な取引を心がけましょう!
FX編集部 田中
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