【2025年11月15日】最新海外FX投資ニュース

皆さま、おはようございます!FX編集部の田中です。

11月14日(木)の海外市場は、FRB(米連邦準備理事会)の12月利下げ観測が大きく後退し、市場全体にリスク回避の動きが広がりました。ダウ平均は309ドル安と続落し、利下げ確率は前週の67%から50%を割り込む水準まで低下しています。

一方で、6週間続いた米政府機関の閉鎖がようやく終了し、来週から大量の経済指標が発表される見通しとなりました。市場では、これらのデータがFRBの政策判断を大きく左右すると見て、警戒感を強めています。

それでは、昨日の重要ニュースを順番に見ていきましょう。


目次

米株式市場続落、12月利下げ確率が50%割れ

 米株式市場はダウが309ドル安で続落、FRBの12月利下げ確率が前週の67%から50%未満に急低下しました。

14日のニューヨーク株式市場では、主要3指数がまちまちの展開となりました。ダウ工業株30種平均は前日比309.74ドル(0.65%)安の47,147.48ドルで2日連続の下落。S&P500指数も3.38ポイント(0.05%)安の6,734.11と小幅続落しました。一方、ナスダック総合指数は30.23ポイント(0.13%)高の22,900.59で4日ぶりに反発しています。

市場が最も注目したのは、FRBの金融政策見通しです。CMEフェドウオッチによると、12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%ポイントの追加利下げが決定される確率は50%以下に低下。前週の67%から大幅に低下しました。

複数のFRB当局者から、12月の追加利下げに慎重な姿勢を示す発言が相次いだことが背景にあります。カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は「追加利下げは労働市場を支える効果よりも、高インフレを定着させるリスクの方が大きい」と明言しました。

債券市場では米10年債利回りが4.15%まで上昇(前日比+2.9bp)し、米2年債利回りも3.61%に上昇(+1.5bp)しています。金利上昇は借り入れコストの増加を意味するため、株式市場には重しとなりました。

個別銘柄では、医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループが3.2%安、クレジットカード大手ビザが1.8%安となり、ダウ平均の下落要因となっています。

投資家の皆さまにとっては、利下げペースの鈍化が今後の資産運用にどう影響するか、慎重に見極める必要がありそうです。


米政府閉鎖が終了、9月雇用統計は11月20日発表へ

過去最長6週間続いた米政府機関の閉鎖が終了し、遅延していた9月雇用統計が11月20日に発表されることが決定しました。

トランプ大統領が11月12日夜に「つなぎ予算案」に署名したことで、6週間にわたって続いていた米連邦政府機関の一部閉鎖がようやく解消されました。これは米国史上最長の政府閉鎖となります。

米労働統計局(BLS)は14日、延期されていた9月の雇用統計を11月20日(水)米東部時間午前8時30分(日本時間午後10時30分)に公表すると発表しました。また、9月の物価調整済み賃金データは11月21日に公表されます。

この閉鎖により、10月1日以降に発表予定だった多数の経済指標が未公表のままとなっており、FRBの金融政策判断に必要なデータが大幅に不足していました。市場関係者の間では、今後大量に発表される経済指標によって、12月のFOMCでの利下げ判断が大きく左右されるとの見方が広がっています。

為替市場では、ドル指数が0.07%高の99.31とほぼ横ばいで推移しました。市場参加者は、経済指標の発表再開によってボラティリティ(価格変動率)が上昇することを警戒しています。実際、JPモルガンのグローバルFXボラティリティー指数は10月下旬以来の高水準に達しました。

DRWトレーディングのストラテジスト、ルー・ブライエン氏は「経済指標の発表が滞ったことに加え、FRB当局者の発言にそれぞれ反応が出ていることで、市場の動きはちぐはぐになっている」と指摘しています。

来週以降、市場の変動が大きくなる可能性がありますので、ポジション管理には十分ご注意ください。


原油価格が2.4%上昇、地政学リスクで供給懸念

ウクライナによるロシア港への攻撃とイランによるタンカー拿捕で原油供給への懸念が高まり、WTI原油は2.4%高の60.09ドルとなりました。

14日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、WTI原油先物12月限は前日比1.40ドル(2.4%)高の1バレル60.09ドルで取引を終了しました。ロンドンICEの北海ブレント1月限も2.2%上昇し64.39ドルとなっています。

原油価格上昇の背景には、2つの地政学リスクがあります。

1つ目は、ウクライナ軍によるドローン攻撃です。ロシアの黒海沿岸にあるノボロシースク港の石油輸出施設が攻撃を受け、操業が停止しました。ロイター通信によると、同港からの輸出は日量220万バレルで、世界供給量の約2%に相当します。ブルームバーグのデータでは、同港から9-10月にロシア産原油が日量約70万バレル、近隣のターミナルではカザフスタン産原油が日量150万バレル超輸出されていました。

2つ目は、イランによるタンカー拿捕です。米国防当局者によると、イラン軍が14日、世界の原油の約2割が通過する要衝ホルムズ海峡を通過してオマーン湾を航行中のタンカーを拿捕しました。国営イラン通信によると、この船は3,000リットルの燃料を密輸していたとされています。

JTDエナジー・サービス創業者のジョン・ドリスコル氏は「一時的な上昇と急激な反落が頻繁に起こるパターンが繰り返されている」と述べつつも、ウクライナによるロシア施設への攻撃リスクや地政学的な不透明感、年末にかけた原油需要が下落時の下支え要因になっていると分析しています。

エネルギー価格の上昇は、ガソリン代などの生活コストに直結しますので、今後の動向に注意が必要です。


金価格が2.4%下落、利下げ期待後退で

FRBの12月利下げ観測後退を受けて、金利の付かない資産である金の投資魅力が低下し、NY金先物は2.4%安の4,094ドルとなりました。

14日のニューヨーク商品取引所(COMEX)で、金先物12月限は前日比100.30ドル(2.4%)安の1トロイオンス4,094.20ドルで取引を終了しました。スポット価格も75.67ドル(1.8%)安の4,095.85ドルと、2日連続で下落しています。

金価格下落の主な要因は、FRB当局者による利下げに慎重な発言の相次ぎです。カンザスシティー連銀のシュミッド総裁、ダラス連銀のローガン総裁、アトランタ連銀のボスティック総裁など、複数の当局者が12月の追加利下げに消極的な姿勢を示しました。

金は利息を生まない資産であるため、金利が高い環境では相対的な投資魅力が低下します。市場では今回、安全資産としては米国債の方が金よりも選好されました。

TDセキュリティーズのシニア商品ストラテジスト、ダン・ガリ氏は「今回のリスク回避局面では、安全資産として米国債が金を上回るパフォーマンスを示している」と指摘。拡大する財政赤字から資産を守る「ディベースメント取引(通貨価値切り下げトレード)」の巻き戻しが年末に向けて始まっていると分析しています。

コメルツ銀行の為替・商品調査部門責任者、トゥ・ラン・グエン氏は「一部のFRB当局者は労働市場やインフレに関する信頼できるデータが得られない中での追加利下げには慎重な姿勢を示していた。そのため、状況が再び明確になるまでの間、12月の利下げを見送る判断を多数の当局者が下すリスクがある」と述べています。

金投資をされている方は、今後発表される経済指標と実質金利の動向に注目する必要があります。


エヌビディア決算が19日に迫る、市場は緊張

AI関連株の中心であるエヌビディアが11月19日(火)に8-10月期決算を発表予定で、オプション市場は発表後に株価が上下いずれかに6.2%変動する可能性を織り込んでいます。

米半導体大手エヌビディアは、米西部時間11月19日(日本時間20日)に2025年8-10月期の決算を発表します。市場では50%を超える売上成長と、一株当たり利益(EPS)の大幅増加を予想しており、AI(人工知能)ブームの持続性を占う重要なイベントとして注目が集まっています。

オプション市場では、決算発表後の株価が上下いずれの方向にも6.2%動く可能性が織り込まれており、市場の関心の高さを示しています。14日の取引でエヌビディア株は約1%上昇しましたが、前日までAI関連株全体が大きく売り込まれていたため、市場のセンチメント(心理)は不安定な状況です。

ホライズン・インベストメンツの調査・戦略責任者、マイク・ディクソン氏は「エヌビディアの決算が失望を誘えば、厳しい評価を受ける。ただ、すぐに押し目買いが入り、相場が下支えされる可能性もある」と指摘しています。

キャピタル・ドットコムのカイル・ロッダ氏は「決算は市場とAIトレードにとって重大な試練となる。AI関連企業のバリュエーション(株価評価)に対する懸念を和らげる可能性もあれば、むしろ一段と強める可能性もある」と述べており、決算内容次第では株式市場全体が大きく動く可能性があります。

AI関連株に投資されている方は、19日の決算発表とその後の株価動向に十分ご注意ください。


今後の注目ポイント

来週以降、市場を動かす重要イベントが目白押しです。特に以下の5点に注目しましょう。

1. 11月19日(火):エヌビディア決算発表 AI関連株の方向性を占う重要イベントです。市場予想を上回る内容となるか、ガイダンス(業績見通し)の内容が注目されます。

2. 11月20日(水):9月米雇用統計の発表 政府閉鎖で遅れていた9月の雇用統計がついに発表されます。労働市場の軟化度合いが、FRBの利下げ判断を大きく左右します。

3. 11月21日(木):9月物価調整済み賃金データ 実質賃金の動向は、消費者の購買力を示す重要な指標です。インフレ圧力の判断材料となります。

4. 12月17-18日:FOMC(連邦公開市場委員会) FRBが追加利下げを実施するかどうかの最終判断が下されます。現時点では確率50%未満と、かなり微妙な情勢です。

5. 遅延していた各種経済指標の発表 政府閉鎖で発表が遅れていた大量の経済指標が、来週から順次発表されます。市場のボラティリティが高まる可能性がありますので、ポジション管理にご注意ください。


編集部からのコメント

昨日の市場を一言で表すなら「利下げ期待の後退」でしょうか。

FRB当局者から相次いだタカ派的な発言により、12月の利下げ確率が前週の67%から50%未満まで急低下しました。市場参加者は、これまで利下げ期待を背景に株価が上昇してきただけに、期待が剥がれることへの警戒感を強めています。

特に気になるのは、AI関連株のバリュエーションです。エヌビディアをはじめとする大型ハイテク株は、将来の成長期待を織り込んで高い株価水準にあります。19日のエヌビディア決算が市場予想を下回った場合、AI相場全体が調整局面に入るリスクがあります。

一方で、6週間続いた政府閉鎖が終了し、来週から経済指標の発表が再開されることは前向きな材料です。ただし、大量のデータが一気に出てくることで、市場のボラティリティは確実に上昇するでしょう。

原油価格については、地政学リスクが供給懸念を生んでいます。ロシアとウクライナの紛争、中東情勢の緊張など、不安定要素が多い状況です。エネルギー価格の上昇は、インフレ圧力を高める要因にもなりますので、FRBの政策判断にも影響を与える可能性があります。

今は、慎重にリスク管理をしながら、来週以降の経済指標やエヌビディア決算の内容をしっかり見極める時期だと思います。焦らず、冷静に市場を観察していきましょう。


締めの挨拶

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

来週は市場を動かす重要イベントが目白押しですので、ポジション管理には十分お気をつけください。特に、19日のエヌビディア決算と20日の雇用統計発表は、市場が大きく動く可能性があります。

それでは、本日も良い取引を! 次回の更新は週明けとなります。良い週末をお過ごしください。


FX編集部 田中

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