【2025年11月16日】最新海外FX投資ニュース

目次

おはようございます!FX編集部の田中です

昨日の市場は、AI・半導体関連株の調整が続き、やや重たい展開となりました。ただ、日経平均が5万円の大台を守ったことで、市場には底堅さも感じられます。

それでは、11月14日-15日の主要な海外市場の動きを、重要度順にお伝えしていきます。


本日のヘッドライン

日経平均905円安、AI関連株に利益確定売りが集中

米株安を受けて日経平均は905円安の5万376円と大幅反落。AI・半導体株の割高感から一時1000円超の下落場面もありましたが、5万円台は維持しました。


11月14日の東京株式市場では、日経平均株価が3日ぶりに大幅な反落となりました。終値は前日比905円30銭安の5万376円53銭で取引を終えています。

前日13日の米国市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の慎重な発言を受けて追加利下げ観測が後退し、ハイテク株を中心に売りが広がりました。この流れが東京市場にも波及し、特にAI・半導体関連銘柄に売りが集中する展開となりました。

注目ポイント:

  • 取引時間中は一時1000円を超える下落を記録
  • ソフトバンクグループなどAI関連主要3社だけで日経平均を222円押し下げる影響
  • 不動産などの内需株は逆に買われ、全面安は回避

市場関係者からは「節目の5万円を割り込まなかったことで、底堅さが確認できた」との声も聞かれています。ただ、来週19日に控えるエヌビディアの決算発表が大きな焦点となりそうです。結果次第では、さらなる調整も想定しておく必要があるかもしれません。

市場への影響度: ★★★★★ 信頼性: 高(時事通信、日本経済新聞等)


パウエルFRB議長の利下げ牽制発言、ドル円は154円台で推移

 パウエル議長が「追加利下げは既定路線ではない」と発言し、12月の利下げ期待が90%から50%へ急低下。ドル円は154円台半ばで膠着状態が続いています。


10月末のFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見で、パウエル議長が12月の追加利下げについて慎重な姿勢を示したことが、引き続き為替市場に影響を与えています。

議長は会見で「追加利下げは既定路線ではない。そう呼ぶ状況からは程遠い」と明言し、データ次第で慎重に判断する方針を強調しました。この発言を受けて、市場が織り込んでいた12月の利下げ確率は約90%から約50%へと大幅に低下し、据え置きとほぼ拮抗する状況となっています。

為替市場の動き:

  • ドル円:11月12日に155円04銭まで上昇(2月上旬以来の高値)
  • 11月14-15日は154円台半ばで方向感に欠ける展開
  • 日本当局の円安牽制発言も相場の重石に

テクニカル分析では、155円を突破すれば156円、さらには158円を目指す展開も視野に入ってきます。ただ、上値では日本の財務当局による円安牽制の動きにも注意が必要です。

来週19日に発表される10月FOMC議事要旨の内容が、次の重要な判断材料となるでしょう。利下げに慎重な姿勢が目立つ内容であれば、さらなるドル高・円安が進む可能性があります。

市場への影響度: ★★★★★ 信頼性: 高(ロイター、Bloomberg等)


史上最長43日間の米政府閉鎖が終了、経済指標の空白に懸念

10月1日から続いた米政府機関の閉鎖が11月13日に終了。経済損失は約1.7兆円に達し、10月分の失業率データは「永遠に発表できない」状況です。


10月1日から続いていた米政府機関の一部閉鎖が、11月13日にようやく終了しました。43日間という史上最長の閉鎖期間となり、経済への影響も深刻です。

米議会予算局(CBO)の試算では、今回の閉鎖により10-12月期のGDP成長率が1.5ポイント押し下げられ、経済損失は約1.7兆円規模に達するとされています。

経済指標への影響:

  • 10月3日発表予定だった9月の雇用統計が未発表のまま
  • 消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)も延期
  • 米労働統計局は「状況確認後、予定は分かり次第発表」と表明

特に深刻なのは、米国家経済会議(NEC)のハセット委員長が「10月分の失業率は永遠に発表できない」とコメントしている点です。データ取得そのものができなかったため、この期間の統計には穴が空いてしまうことになります。

9月分の指標は比較的早期に発表されると期待されていますが、10月分のデータ欠損は、FRBが12月のFOMCで判断する際の材料不足につながる可能性があり、利下げ見送りの要因となるかもしれません。

市場への影響度: ★★★★☆ 信頼性: 高(日本経済新聞、ロイター等)


エヌビディア決算が来週19日、AI相場の行方を左右する試金石に

時価総額5兆ドル超のエヌビディアが19日に決算発表。AI投資の持続性を占う重要イベントとして、市場の緊張感が高まっています。


来週11月19日(米国時間、日本時間20日早朝)に、AI半導体の世界的リーダーであるエヌビディアが2025年8-10月期の決算を発表します。市場の注目度は極めて高く、この結果が日米株式市場の今後の方向性を大きく左右すると見られています。

注目される理由:

  • 時価総額が5兆ドル(約771兆円)を突破し、世界初の快挙
  • AI相場の牽引役として、その業績が市場全体のセンチメントに直結
  • 「AIバブル」説も浮上する中、成長持続性の確認が焦点

アナリストの予想では、売上高・一株当たり利益(EPS)ともに50%を超える増加が見込まれています。ただ、市場で重視されるのは過去の実績よりも、今期(11月-2026年1月期)の見通しです。

市場の懸念材料:

  • 競合他社の台頭によるシェア低下の可能性
  • 中国市場へのアクセス制限による影響
  • AI投資の過熱感と調整リスク

日本市場でも、ソフトバンクグループをはじめとするAI関連銘柄が、この決算結果に連動して大きく動く可能性があります。特に結果が市場予想を下回った場合、日経平均が5万円を割り込むシナリオも想定しておく必要があるでしょう。

市場への影響度: ★★★★☆ 信頼性: 高(日本経済新聞、Bloomberg等)


【参考】金価格は4,108ドルへ調整、原油は政府再開期待で60ドル台回復

 金(ゴールド)は連日の最高値更新後に利益確定売りで4,108ドルへ調整。WTI原油は米政府閉鎖終了期待で60.88ドルまで上昇し3日続伸となりました。


商品市場では、11月14日に金先物が調整局面に入る一方、原油相場は堅調な推移となりました。

金市場:

  • COMEX金先物12月限:4,094.20ドル(前日比-100.30ドル)
  • 10月中旬には4,241ドルまで上昇し過去最高値を更新
  • 米中貿易摩擦への懸念と安全資産需要が背景
  • 国内市場では初の2万1,000円台を突破

原油市場:

  • WTI原油先物:60.88ドル(3日続伸)
  • 米政府機関の再開期待とドル安が支援材料
  • エネルギー需要の回復見通しも追い風

金価格については、地政学リスクとFRBの金融政策のバランスで4,000ドル台の高水準が続くと見られています。ロイターの調査では、2026年の金平均価格予想は4,275ドルとなり、年間平均として初めて4,000ドルを突破する見通しです。

原油については、60-65ドルのレンジで推移する可能性が高く、この水準であれば世界経済やインフレ圧力への影響は限定的と考えられます。

市場への影響度: ★★★☆☆ 信頼性: 中(ザイFX、日本経済新聞等)


今週の注目ポイント

来週(11月17日-22日)は、以下のイベントに特に注目です:

📅 11月19日(水)

  • 10月FOMC議事要旨の公表:12月利下げの可能性を見極める重要資料
  • エヌビディア決算発表(日本時間20日早朝):AI相場の試金石

📊 経済指標

  • 米9月雇用統計などの延期指標が順次発表される可能性
  • 11月分の指標は12月から通常通り発表再開の見込み

💱 為替市場

  • ドル円155円突破の有無が重要な分岐点
  • 日本当局の円安牽制と米金利動向の綱引きが継続

編集部からのコメント

今週の市場を振り返ると、AI・ハイテク株の過熱感に対する調整圧力と、FRBの利下げペース鈍化への警戒感が色濃く出た一週間でした。

特に注目したいのは、来週19日のエヌビディア決算です。時価総額が5兆ドルを超える超巨大企業の業績が、今後のAI投資の方向性を示す重要な指標となります。市場予想を上回る好決算であれば、日米株式市場の上昇トレンドが再開する可能性がありますが、期待外れの内容だった場合は、本格的な調整局面入りも覚悟しておく必要があるでしょう。

為替市場では、ドル円が155円を明確に突破できるかどうかが焦点です。突破すれば158円方向への上昇も視野に入りますが、日本当局の円安牽制姿勢も強まっており、上値は重い展開が予想されます。

米政府閉鎖が終了したことで、経済指標の発表が順次再開されます。ただ、10月分のデータに欠損があることが、FRBの政策判断にどう影響するかは不透明です。データ不足を理由に12月の利下げが見送られるシナリオも、十分に想定しておく必要があると考えています。

FX編集部 田中

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