【2025年11月18日】最新海外FX投資ニュース

おはようございます!FX編集部の田中です。

週明けの海外市場は、投資家の皆さまにとって少し厳しい展開となりました。米国の利下げ期待が後退したことで、株式市場は全面安に。為替市場では円安が一段と進み、ユーロ円は史上初の180円台を記録するなど、大きな動きが見られました。本日は米半導体大手エヌビディアの決算発表を控えており、市場は慎重なムードが続いています。

それでは、前日の主要ニュースを見ていきましょう。


目次

米国株が大幅続落、利下げ期待後退で年末相場に暗雲

 NYダウが557ドル安、S&P500も3日続落し、12月FOMCでの利下げ期待後退とエヌビディア決算への警戒感が市場を圧迫しました。

17日のニューヨーク株式市場は、主要3指数が揃って大幅に下落しました。ダウ工業株30種平均は前週末比557ドル24セント安(-1.18%)の46,590ドル24セントで3日続落。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は192ポイント安の22,708ポイントで反落し、S&P500株価指数は61ポイント安の6,672ポイントで3日続落となりました。

下落の主な要因は、米連邦準備制度理事会(FRB)の12月利下げ期待が後退したことです。FRB高官からタカ派的な発言が相次ぎ、市場では「12月は利下げを見送るのではないか」との観測が強まっています。また、19日に予定される米半導体大手エヌビディアの決算発表を控え、AI関連株を中心に利益確定の売りが優勢となりました。

VIX指数(恐怖指数)も上昇しており、投資家の不安心理が高まっていることが数値からも読み取れます。年末相場を前に、慎重な投資判断が求められる局面となっています。

【市場への影響】

  • NYダウ:46,590.24ドル(-1.18%)
  • ナスダック:22,708.08(-0.85%)
  • S&P500:6,672.41(-0.92%)
  • VIX指数:上昇(リスク回避の動き強まる)

ユーロ円が史上初の180円台!ECB利下げ終了観測でユーロ全面高

 ユーロ円が1999年のユーロ導入以来初めて180円台を突破、欧州経済の回復期待とECBの利下げサイクル終了観測が背景です。

17日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が対ユーロで大きく下落し、一時1ユーロ=180円02銭と史上最高値を更新しました。ユーロは1999年1月に導入されて以来、円に対してこれほど高い水準をつけたのは初めてのことです。

この動きの背景には、欧州中央銀行(ECB)の金融政策スタンスの変化があります。ECBは2024年6月以降、計8回・合計2%の大幅な利下げを実施してきましたが、10月の理事会で政策金利を据え置きました。市場では「ECBの利下げサイクルが終了した」との見方が強まっており、ユーロの下支え要因となっています。

さらに、欧州委員会が17日に発表した2025年のユーロ圏経済成長率見通しが1.3%と、5月の予測から0.4ポイント上方修正されたことも、ユーロ買い材料となりました。欧州経済の底堅さが確認されたことで、投資家のユーロに対する見方が改善しています。

一方、ドル円も155円30銭台まで上昇し、約9カ月ぶりの高値圏で推移しています。円安の進行は日本の輸入物価に影響を与える可能性があり、今後の日銀の政策判断にも注目が集まります。

【市場への影響】

  • ユーロ円:180.02円(史上最高値更新)
  • ドル円:155.30円台(約9カ月ぶり高値)
  • 輸入企業のコスト増加リスク
  • 日銀の追加利上げ圧力高まる可能性

高市首相と植田日銀総裁が初会談、追加利上げは「データ次第」

高市首相と植田総裁が就任後初めて会談し、総裁は「物価2%目標達成に向け金融緩和を調整」と説明、追加利上げは経済データ次第と述べました。

18日午後3時半、高市早苗首相と日本銀行の植田和男総裁が首相官邸で初めて会談しました。会談時間は約30分で、経済・物価情勢と金融政策について意見交換が行われました。

植田総裁は会談後、記者団の取材に応じ、「物価が2%に安定的に着地するように金融緩和を調整していると説明した」と述べました。追加利上げについては「今後のデータ・情報次第で適切に判断する」と従来のスタンスを繰り返し、具体的な時期については言及を避けました。

注目されていた為替問題については、「為替は安定的に推移するのが望ましい」とコメント。ただし、首相から金融政策に関する具体的な要請や要望はなかったとのことで、日銀の独立性が維持されていることが確認されました。

現在、ドル円は155円台、ユーロ円は180円台と円安が進行しています。この状況が続けば、輸入物価の上昇を通じてインフレ圧力が高まる可能性があり、日銀の追加利上げ判断にも影響を与えそうです。次回の金融政策決定会合は12月18-19日に予定されています。

【今後の注目点】

  • 12月の日銀金融政策決定会合での政策判断
  • 円安進行に対する政府・日銀の対応
  • 賃金・物価データの推移

ビットコインが9万ドル割れ、高値から27%の急落で市場に衝撃

 ビットコインが6カ月ぶりの安値9万ドル台に急落し、10月高値から27%下落、暗号資産市場全体が「極度の恐怖」状態に突入しました。

18日、ビットコイン(BTC)は一時9万1,545ドルまで下落し、4月22日以来となる6カ月ぶりの安値を記録しました。10月に付けた史上最高値12万6,000ドルからは約27%の下落となり、2025年に入ってからの上昇分を全て失う形となっています。

イーサリアムも一時3,000ドルを割り込み、史上最高値から40%下落するなど、暗号資産市場全体が調整局面に入っています。市場の恐怖度を示す「暗号資産恐怖貪欲指数」は「極度の恐怖」ゾーンに突入しており、投資家心理の悪化が鮮明となっています。

今回の下落について、明確な引き金となる材料は見当たりません。ただし、①米株式市場の調整、②米利下げ期待の後退によるドル高、③リスク資産全般からの資金流出、④利益確定の動きなど、複合的な要因が重なったと見られています。

一方、著名投資家のロバート・キヨサキ氏(「金持ち父さん貧乏父さん」著者)は、この下落局面でビットコインを追加購入したことを明らかにし、「将来的には25万ドルに達する」との強気見通しを維持しています。

【市場への影響】

  • ビットコイン:91,545ドル(-27%)
  • イーサリアム:3,000ドル割れ(-40%)
  • 市場全体の時価総額:約6,000億ドル消失

今後の注目ポイント

短期(今週)

  1. 11月19日(火):エヌビディア決算発表
    • 市場予想:売上高548億ドル、EPS前年比53.8%増
    • AI関連株全体への影響が注目されます
  2. 11月22日(金):米雇用統計発表
    • 米政府機関再開後、初の重要経済指標
    • FRBの12月利下げ判断を左右する可能性

中期(今月~来月)

  1. 12月12日(木):ECB理事会
    • 利下げサイクル終了が正式に確認されるか
  2. 12月17-18日(水木):FOMC(米連邦公開市場委員会)
    • 追加利下げの有無が最大の焦点
  3. 12月18-19日(水木):日銀金融政策決定会合
    • 円安進行を受けた追加利上げの可能性

編集部からのコメント

皆さま、前日の市場は全体的にリスクオフの流れが強まりました。特に印象的だったのは、ユーロ円の史上初となる180円台突破です。1999年のユーロ導入以来、一度も見たことのない水準ですので、歴史的な瞬間と言えるでしょう。

現在の市場は「待ち」のムードが強く、エヌビディアの決算発表と米雇用統計という2つの重要イベントを控えています。特にエヌビディアの決算は、AI相場の今後を占う上で非常に重要です。市場予想を上回る好決算となれば、下落基調の株式市場に反転のきっかけを与える可能性があります。

為替市場では、円安が一段と進行しています。輸出企業にとっては追い風ですが、輸入物価の上昇を通じて家計や企業のコスト負担が増す可能性もあります。日銀の植田総裁が「為替の安定的な推移が望ましい」と述べた背景には、こうした懸念があると考えられます。

ビットコインの急落は、リスク資産全般に対する警戒感の表れです。ただし、長期的な視点で見れば、調整局面は買い増しのチャンスと捉える投資家もいます。ご自身の投資方針とリスク許容度に合わせて、冷静な判断を心がけてください。

今週は重要イベントが目白押しです。市場のボラティリティ(変動性)が高まる可能性がありますので、ポジション管理には十分ご注意ください。


それでは、本日も良い投資判断ができますように!

FX編集部 田中

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