皆さま、おはようございます!FX編集部の田中です。
昨日の海外市場は、NVIDIA決算後のハイテク株乱高下や米国の利下げ観測後退により、株式・暗号資産ともに大幅下落となりました。本日の東京市場も円安進行と財政懸念から日経平均が1,000円超の急落となっており、投資家の皆さまには落ち着いた対応が求められる展開です。
それでは、昨夜から今朝にかけての主要ニュースをお届けします。
重要ニュース
【最重要】米ハイテク株が急反落、NVIDIA好決算も利益確定売りで主要3指数すべて下落
11月19日の引け後に発表されたNVIDIA決算は、第4四半期(2025年11月〜2026年1月期)の売上高見通しが650億ドル前後と、市場予想の620億ドルを大きく上回る好内容でした。
時間外取引では同社株が一時6%高まで急伸しましたが、20日の本取引では一転して売り優勢となり、ハイテク株全般が大きく値を下げる展開となりました。AI投資ブームの持続性やハイテク株の高バリュエーションへの警戒感から、利益確定の売りが加速したと見られています。
主要株価指数の動き
- NYダウ平均:45,752.26ドル(-386.51ドル、-0.84%)
- S&P500:6,538.97ポイント(-103.19ポイント、-1.55%)
- ナスダック総合:続落し約2.2%安と、9月以来の安値圏に
また、市場の不安心理を示すVIX指数(恐怖指数)が4月以来の高水準まで上昇しており、世界的にリスク資産への慎重姿勢が強まっています。好決算にもかかわらず株価が下落するという展開は、市場の期待水準の高さと、今後の調整リスクを示唆していると言えるでしょう。
市場への影響 日本市場でも半導体・AI関連株への売り圧力が強まり、東京エレクトロンやアドバンテストなど主要銘柄が軟調な推移となっています。
ユーロ円が史上最高値182円台、円安加速も口先介入の効果は限定的
21日午前の東京外国為替市場で、ユーロ円は181円台半ばから182円台へ上昇し、史上最高値を連日で更新しました。ドル円も157円台半ばで推移しており、約10カ月ぶりの高値水準を維持しています。
片山財務相は同日、「為替介入は選択肢として考えられる」「介入は対応策の一つとして含まれる」と口先介入を実施しましたが、市場の反応は極めて限定的で、円安の流れを止めることはできませんでした。市場参加者の間では、口先介入の効果のなさに驚きの声が上がっているようです。
主要通貨ペアの動き
- ドル円:157.45円前後(前日比横ばい圏)
- ユーロ円:181円台半ば〜182円台(史上最高値更新)
- ポンド円:205円後半
- 豪ドル円:101円半ば
植田日銀総裁は21日の国会答弁で、「円安進行は消費者物価の押し上げ要因になる」と述べ、予想物価を通じて基調的な物価上昇率への影響にも留意する姿勢を示しました。10月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年比3.0%上昇と、日銀の目標である2%を大きく上回る状況が続いています。
クロス円全般で円売りがやや落ち着く場面もありましたが、全体としては円安基調が継続しており、12月の日銀金融政策決定会合での利上げ判断が焦点となっています。
ビットコインが8万6千ドル台に急落、4月以来の安値で調整局面入り
20日から21日にかけて暗号資産市場は大きく下落し、ビットコインは一時86,000ドル台まで値を下げました。10月につけた史上最高値の126,000ドルから約30%の下落となり、本格的な調整局面に入ったと見られています。
下落の主な要因
- 米利下げ観測の後退:9月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回り、FRBの利下げペースが鈍化するとの見方が強まっています
- 古参保有者の売却:長期保有していた「クジラ」と呼ばれる大口投資家による売却が確認されました
- リスク資産全般への警戒:米国株の下落に連動する形で、暗号資産市場にも売り圧力が波及しています
市場アナリストの間では、年末までにビットコインが9万ドルを割り込む確率が50%程度との予測も出ており、弱気派が優勢となっています。一部のアナリストは、ハイテク企業の評価を巡るボラティリティーによって、年末までに75,000ドルまで下落する可能性も指摘しています。
暗号資産投資をされている方は、価格変動リスクを十分に考慮し、無理のない範囲での投資を心がけることが大切です。
日経平均が1,000円超の急落、財政拡大懸念で「トリプル安」進行
21日午前の東京株式市場で、日経平均株価は一時1,170円安の48,653円まで下落し、下落率は2%を超えました。前日終値は49,823円でしたので、大幅な調整となっています。
高市政権が最終調整中の21.3兆円規模の経済対策では、税収の上振れだけでは賄いきれず追加国債の発行が必要となる見通しです。このため、国債市場では長期金利の上昇と債券価格の下落が続いており、「株安・債券安・円安」のいわゆる「トリプル安」が進行しています。
市場が警戒しているポイント
- 大規模な国債増発による財政悪化リスク
- 長期金利上昇による企業の資金調達コスト増加
- 製造業PMIが5カ月連続で50を下回るなど、景気の足踏み
輸送用機器や金融、ハイテクなど金利敏感株が特に大きく売られる一方、円安の追い風を受ける一部輸出関連には押し目買いも入っており、銘柄ごとの強弱が分かれる展開となっています。
週末から3連休を控えており、ポジション調整の動きも重なっていると見られます。
原油価格が3日続落、ウクライナ和平進展で地政学リスク後退
21日朝方の国内商品市場で原油は続落し、中心限月の2026年4月物が前日比670円安の60,940円で寄り付きました。
ウクライナのゼレンスキー大統領が20日、ロシアとの戦闘終結に向けた新たな和平案を米国から受け取ったと表明したことで、和平交渉進展への期待が高まっています。地政学リスクプレミアムが縮小し、原油供給不安が和らぐとの見方から売りが優勢となりました。
一方、金市場では東京市場で一時上昇後に下げに転じており、NY金先物は前日比22.80ドル安の4,060.00ドルとなっています。米株安や暗号資産下落など、リスク資産全般への慎重姿勢が商品市場にも波及している状況です。
原油価格の下落は、ガソリン価格など身近なエネルギーコストにも影響しますので、今後の動向を注視していきたいところです。
今後の注目ポイント
本日の重要イベント
- 23:45(米)11月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値 製造業とサービス業の景況感を示す重要指標です。市場予想を下回る場合、景気減速懸念が高まる可能性があります。
- 24:00(米)11月ミシガン大学消費者態度指数 米国消費者の景況感を測る指標で、個人消費動向の先行きを占う上で重要です。
週末〜来週の重要ポイント
- 12月の日銀金融政策決定会合での利上げ判断
- 10月CPIが3.0%上昇と高止まりしていることから、利上げ観測が再び高まっています
- ドル円が160円に接近する場合、為替介入の可能性も
- 米FRBの金融政策の方向性
- 複数のFRB高官が利下げに慎重な姿勢を示しており、利下げペースの鈍化が予想されます
- 日米金利差の動向が為替市場の重要な材料となります
- ハイテク株のバリュエーション調整
- AI投資ブームの持続性への懸念が浮上
- 今後のハイテク企業決算が市場の方向性を左右します
編集部からのコメント
昨夜の米国市場では、NVIDIA決算という好材料があったにもかかわらず、むしろそれを契機に利益確定売りが加速するという展開となりました。「良いニュースで売る」という相場格言を地で行く動きでしたね。
日本市場も財政悪化懸念と円安進行で「トリプル安」が進んでおり、投資家心理は慎重になっています。こういう時期こそ、短期的な値動きに一喜一憂せず、中長期的な視点を持つことが大切です。
為替市場では、口先介入の効果が限定的であることが改めて示されました。実効性のある対策が求められる局面ですが、12月の日銀会合までは様子見ムードが続きそうです。ドル円157円台、ユーロ円182円台という水準を、どう評価するかが今後のポイントとなるでしょう。
ビットコインをはじめとする暗号資産も大きく値を下げており、リスク資産全般に対する警戒感が高まっています。年末に向けて、ポートフォリオの見直しやリスク管理を改めて確認する良いタイミングかもしれません。
本日は週末前の調整ムードの中、米国の経済指標発表がありますので、市場の反応に注目していきましょう。
まとめ
本日も激動の相場展開となっておりますが、こういう時こそ冷静な判断が求められます。無理なポジション取りは避け、リスク管理を徹底していきましょう。
明日以降も引き続き、最新の市場情報をお届けしてまいります。本日も良い一日をお過ごしください!
FX編集部 田中
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