【2025年11月24日】最新海外FX投資ニュース

おはようございます!FX編集部の田中です☀️

週明けの月曜日、皆さまいかがお過ごしでしょうか。週末をゆっくり過ごされた方も多いかと思いますが、海外市場では重要な動きがいくつかありました。

前週末11月21日(金)の米国市場では、NY連銀ウィリアムズ総裁の「近い将来の利下げ」発言を受けてダウ平均が493ドル高と大幅上昇しました。一方、エヌビディア決算後の調整が続き、ハイテク株は週間ベースで下落。為替市場ではドル円が157円台に迫る場面もあり、円安圧力が継続しています。

本日は、週明けの欧州市場で発表されたドイツの経済指標や、今週の注目イベントについてお届けします。それでは、週末から本日にかけての主要ニュースを見ていきましょう。


目次

本日の重要ニュース

独IFO企業景況感指数が予想外の悪化、欧州景気に暗雲

ドイツ11月IFO企業景況感指数が予想に反して88.1に低下し、企業の景気回復期待が後退。ユーロは堅調維持も欧州経済の先行き懸念が強まっています。

本日18:00に発表されたドイツIFO経済研究所の11月企業景況感指数は、88.1と前月の88.4から低下しました。市場予想の88.5を下回る結果となり、欧州最大の経済大国であるドイツの景気回復が遅れていることが明らかになりました。

IFOのフュースト所長は「企業は景気回復期待を失っている」と指摘しています。5月に発足したメルツ政権が経済再生を公約していましたが、具体的な成果が見えず、企業の間でいら立ちが広がっているとのことです。

特に製造業を中心に悪化が目立ち、サービス業のみがわずかに改善するにとどまりました。第2四半期がマイナス成長、第3四半期はゼロ成長という状況で、専門家は本格的な成長は2026年にならないと難しいと見ています。

市場の反応としては、為替市場でユーロドルは1.1530ドル台の高値圏を維持しましたが、これは米国の利下げ観測が支えとなっている側面が大きいようです。ユーロ円は180円50銭から180円93銭まで上昇しましたが、これは円安の影響が主因です。

投資家の皆さまへ
欧州経済の弱さは今後のECB金融政策にも影響を与える可能性があります。本日23:45にはラガルドECB総裁の講演が予定されていますので、追加利下げに関する言及があるか注目しましょう。


NY連銀総裁発言で12月利下げ観測再燃、ドル円は157円攻防

ウィリアムズNY連銀総裁が「近い将来の利下げ可能性」に言及し、12月FOMC利下げ観測が高まりましたが、ドル円は高市政権の財政拡張懸念で円安継続中です。

前週末11月21日、米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁がチリ中央銀行のイベントで重要な発言を行いました。「FRBはインフレ目標をリスクにさらすことなく、近い将来に利下げを実施できる可能性がある」との見解を示したのです。

この発言を受けて、市場では12月17-18日のFOMC会合での利下げ観測が再燃しました。金利先物市場では一時的に利下げ確率が高まり、米国株式市場ではダウ平均が493ドル高と大幅上昇しました。

ただし、現時点での12月利下げの織り込み度は6ベーシスポイント(0.06%)程度にとどまっており、市場はまだ様子見の姿勢が強いようです。

為替市場への影響ですが、通常であれば利下げ観測はドル売り要因となるはずです。しかし、ドル円は156円台後半から157円台で推移しており、円安トレンドが継続しています。これは日本の高市政権による大規模経済対策(総額21兆円)への財政悪化懸念が、円売り圧力として働いているためです。

今週の注目点
今週は米国の経済指標が複数発表されます。特に第3四半期GDP改定値や消費者信頼感指数など、12月FOMCの判断材料となる指標に注目が集まります。FRB当局者からの追加発言にも要注意です。


エヌビディア決算後の調整続く、AI相場の転換点か

エヌビディアが過去最高益を記録するも電力不足への懸念から株価は約9%下落。日経平均は下値を模索する展開が続いています。

11月19日に発表されたエヌビディアの2025年8-10月期決算は、売上高・利益ともに過去最高を更新し、アナリスト予想を上回る素晴らしい内容でした。しかし、市場の反応は意外なものとなりました。

決算発表直後こそ株価は時間外取引で6%超上昇しましたが、その後は利益確定売りに押される展開に。11月21日の終値は178.88ドルと、前週末の195.95ドルから約8.7%も下落しました。

下落の背景には、AI向けデータセンターの急拡大に対する電力供給不足の懸念があります。いくら高性能なAI半導体があっても、それを動かす電力が確保できなければ、成長が頭打ちになるのではないかという懸念が市場に広がっているのです。

日本市場への影響も無視できませんエヌビディアの動向は日経平均を大きく左右する要因となっており、同社株の調整を受けて日経平均は10月31日の高値52,636円から下落傾向にあります。日本経済新聞は「日経平均の下値は4万8,000円台」との見方を示しています。

皆さまの中にもAI関連銘柄に投資されている方が多いかと思いますが、短期的には調整局面が続く可能性があります。一方で、長期的なAI需要のトレンドは変わらないとの見方も根強く、押し目買いのチャンスと捉える投資家もいるようです。


高市政権の21兆円経済対策で「トリプル安」懸念、日銀利上げは遠のく

高市政権が21兆円規模の経済対策を発表し、財政悪化懸念から円安・株安・債券安が進行。日銀の12月利上げ確率は約20%まで低下しました。

高市早苗首相率いる新政権が「責任ある積極財政」の方針の下、総額約21兆円の総合経済対策を決定しました。物価対策と成長投資を柱とした大規模な財政出動ですが、市場の反応は厳しいものとなっています。

市場では「トリプル安」への警戒感が高まっています。トリプル安とは、円安・株安・債券安(金利上昇)が同時に進む現象のことです。大規模な財政出動が財政規律への懸念を生み、国債増発観測から長期金利が上昇。円は売られ、外国人投資家は日本株から資金を引き揚げる動きを見せています。

実際、11月18日の日経平均株価は一時1,600円超下落し、4万9,000円を割り込みました。ドル円相場は156-157円台で推移し、円安が加速しています。

日銀の動きにも注目です高市首相は11月18日に日銀の植田和男総裁と初会談を行いました。植田総裁は「データや情報次第で適切に利上げ判断する」との姿勢を示しましたが、少数与党で政権基盤が不安定な中、日銀は慎重な姿勢を維持すると見られています

短期金利市場では、12月18-19日の金融政策決定会合での利上げ確率は約20%まで低下しました(高市政権発足前は約70%でした)。市場は利上げ時期が2026年にずれ込むとの見方を強めています。

投資戦略のポイント
円安トレンドは当面継続する可能性が高そうです。ただし、157-160円のゾーンでは財務省による為替介入の可能性もあり、急激な円安には注意が必要です。


【商品市場】原油価格58ドル台、2026年は60ドル以下の見通し


NY原油は58ドル付近で推移し、供給過剰懸念からバンク・オブ・アメリカは2026年の価格が60ドル以下に留まると予測しています。

本日の時間外取引で、NY原油先物(WTI)は58ドル付近で推移しています。11月21日の終値は58.06ドルで、前日比1.59%減でした。過去1か月間で0.75%下落しており、弱含みの展開が続いています。

バンク・オブ・アメリカのアナリストは、ブレント原油先物が2026年に1バレル60ドル以下に留まる見通しを示しました。トランプ米政権による貿易戦争とOPEC+の価格戦争が重なる中、需給バランスの悪化が懸念されています。

供給面での要因としては、ロシアの石油輸出拠点が再稼働したことや、米国の原油在庫が2週連続で大幅増加していることが挙げられます。米EIA(エネルギー情報局)によると、11月7日時点の原油在庫は前週比で641.3万バレル増加し、約4億2,758万バレルとなりました。

原油価格の低迷は、資源国通貨(豪ドル、カナダドル、ノルウェークローネなど)にとって売り圧力となります。一方で、インフレ抑制には寄与するため、各国中央銀行の利下げ余地が広がるというプラス面もあります。


今週の注目ポイント

重要イベント・指標カレンダー

11月25日(月)

  • 23:45 ラガルドECB総裁講演 ※本日!

11月26日(火)

  • ニュージーランド中央銀行(RBNZ)金融政策決定会合
  • 米国 第3四半期GDP改定値
  • 米国 第3四半期コアPCE(個人消費支出)

11月27日(水)

  • 米国 10月耐久財受注
  • 米国 新規失業保険申請件数

11月28日(木)

  • 日本 2025年度補正予算案決定(予定)
  • 米国 11月消費者信頼感指数

今週のトレード戦略のヒント

  1. ドル円:157円の節目が上値抵抗として機能していますが、財政悪化懸念で円安圧力は継続。ただし、介入警戒感もあり、急激な動きには注意が必要です。
  2. ユーロドル:欧州経済の弱さが意識される一方、米国の利下げ観測が支えとなり、1.15ドル台での揉み合いが続きそうです。ラガルドECB総裁の発言次第では動意づく可能性があります。
  3. 株式市場:エヌビディアを含むハイテク株の調整局面が継続する可能性。米経済指標や感謝祭(11月28日)前後の薄商いに注意しましょう。
  4. :利下げ観測で支援される一方、ドル高圧力で上値は重い展開。3,990-4,010ドルのレンジを想定。

編集部からのコメント

今週は感謝祭(サンクスギビング)を控え、週後半にかけて市場参加者が減少することが予想されます。例年、この時期は流動性が低下し、予想外の値動きが出やすくなりますので、ポジション管理には十分ご注意ください。

また、日本では高市政権の経済対策を巡る議論が本格化します。11月28日に補正予算案が決定される予定ですが、少数与党での国会運営がどうなるかも市場の注目点です。政治リスクが高まると、さらなる円安圧力になる可能性があります。

欧州では景気減速懸念が強まっていますが、ECBがどこまで追加緩和に動けるかが焦点です。本日のラガルドECB総裁の講演では、12月理事会に向けたヒントが出るかもしれません。

米国では、ウィリアムズNY連銀総裁の発言で12月利下げへの期待が高まりましたが、まだ確定的ではありません。今週発表される経済指標を総合的に見て、市場のコンセンサスがどう形成されるか注目しましょう。

投資は自己責任で、無理のない範囲でお願いいたします。不確実性が高い局面では、レバレッジを抑えめにすることも重要な戦略です。


最後に

週明けから重要なニュースが多く、なかなか目が離せない相場展開となっています。今週は感謝祭もあり、週後半は動きが鈍くなる可能性がありますが、逆に流動性低下による急変動のリスクもあります。

皆さまの投資判断の一助となれば幸いです。また明日も最新のニュースをお届けしますので、ぜひチェックしてくださいね。

それでは、本日も良いトレードを!


FX編集部 田中

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