おはようございます!FX編集部の田中です。
今週最後の取引日となった金曜日の海外市場は、米国の感謝祭翌日で薄商いとなりましたが、FRBの12月利下げ観測が一段と強まり、ドルが週間で7月以来の大幅下落となりました。ドル円は156円台前半まで円高が進行し、一方で日銀の12月利上げ観測も高まるなど、日米の金融政策の方向性の違いが鮮明になってきています。
それでは、週末を前に押さえておきたい重要ニュースを見ていきましょう。
本日の重要ニュース
【最重要】ドル急落、7月以来最大の週間下落率を記録
11月28日のニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨に対して大きく売られました。主要通貨に対するドル指数は99.44と、週間では0.61%の下落となり、これは7月21日以来の下落幅となります。
注目すべきは、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利先物市場が示す利下げ確率です。12月9~10日に開催されるFOMC会合での利下げ確率は87%と、わずか1週間前の71%から大きく上昇しました。
背景には、政府機関閉鎖後に発表された経済データが総じて軟調だったことがあります。スコシアバンクの外為ストラテジスト、エリック・セオレ氏は「データは全体的に明らかに利下げ方向に傾いている」と分析しています。
ドル円相場は、前営業日比25銭円高の156円15~25銭で取引を終えました。日米の金利差縮小が意識される中、円買い・ドル売りの流れが強まっています。
市場への影響:
- 為替市場全体でドル安が進行
- 米長期金利は上昇したものの、短期金利の低下期待が優勢
- リスクオン姿勢で株式市場は堅調
今週は感謝祭の連休もあり薄商いでしたが、来週は重要な経済指標が控えています。特に12月2日の植田日銀総裁の講演は、日本の金融政策の方向性を占う上で非常に重要になりそうです。
【最重要】日銀12月利上げ観測が急浮上、市場織り込み57%に
11月27日に総務省が発表した東京都区部の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回りました。生鮮食品を除くコアCPIは前年比2.8%上昇と、市場予想の2.7%を上回る結果となりました。日銀が目標とする2%を上回るのは、これで13カ月連続となります。
特に注目されるのは、エネルギー価格の動向です。政府による電気・ガス料金補助の終了に伴い、エネルギーは2.6%上昇と前月から伸びが拡大しました。また、インバウンド需要を背景とした宿泊料の値上がりも物価を押し上げています。
この結果を受けて、市場では日銀の12月利上げ観測が一段と高まっています。翌日物金利スワップから算出した12月18~19日の日銀会合での0.25ポイントの利上げ確率は57%、来年1月会合を含めると88%に達しました。
ブルームバーグ・エコノミクスの木村太郎シニアエコノミストは「インフレが根強い状態にあることを示しており、日銀は早ければ12月にも追加の金融緩和縮小を正当化できる」と分析しています。
今後の注目点:
- 12月2日の植田日銀総裁の講演内容(市場では「地ならし発言」があるかに注目)
- 円安が進行すれば、利上げ圧力がさらに高まる可能性
- 高市政権の円安に対する姿勢
日銀の利上げは円高要因となりますので、ドル円でロングポジションを保有されている方は、来週の植田総裁の発言に特に注意が必要です。
NYダウ5日続伸で47,716ドル、利下げ期待が株式市場を押し上げ
11月28日のニューヨーク株式市場では、主要3指数がそろって上昇しました。ダウ工業株30種平均は前日比289.30ドル(0.61%)高の47,716.42ドル、ナスダック総合株価指数も150.996ポイント(0.65%)高の23,365.686と、いずれも5営業日連続の上昇となりました。
株式市場を支えているのは、根強い利下げ期待です。FRBが12月会合で追加利下げを実施するとの見方が広がる中、特にハイテク株に買いが集中しました。メタ・プラットフォームズなどのテクノロジー大手が相場を牽引しています。
なお、CMEグループの取引システムで一時的にシステム障害が発生しましたが、ニューヨーク証券取引所やナスダック取引所での個別株取引には目立った影響は出ませんでした。
投資家の皆様へ: 感謝祭明けの薄商いの中での上昇ですので、来週の本格的な取引再開後の動向を見極める必要があります。史上最高値圏での取引が続いていますので、過熱感には注意が必要でしょう。
OPECプラス、11月30日会合で増産停止方針を維持へ
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスは、本日11月30日にオンライン会合を開催します。関係者によると、会合では2026年第1四半期(1~3月)の石油増産停止決定を維持する見込みです。
サウジアラビアを中心とする主要加盟国は、世界的な供給過剰と原油価格の下落圧力を受けて慎重な姿勢を継続しています。ブレント原油先物は11月27日時点で1バレル=63ドル近辺と、比較的低い水準で推移しています。
国際エネルギー機関(IEA)は、2026年第1四半期に在庫が1日あたり最大500万バレル増加する可能性があり、記録的な供給過剰になると予測しています。
原油価格の低迷は、インフレ鈍化には好材料となる一方、産油国経済や石油関連企業の収益には懸念材料となります。エネルギーセクターへの投資をされている方は、今後の需給動向に注意が必要です。
英ポンド、8月来の週間最高パフォーマンスを記録
11月28日の外為市場で、英ポンドは対ドルで1.3237ドルとほぼ横ばいでしたが、週間ベースでは8月序盤以来の最高パフォーマンスとなりました。
レイチェル・リーブス英財務相が11月26日に発表した予算案が市場に好感されています。予算案には法人税の引き上げや富裕層への課税強化が含まれており、英国の財政健全化への取り組みが評価されました。
ただし、増税が英国経済成長に与える影響については懸念も残されており、今後の経済指標が注目されます。ポンドは欧州通貨の中でも値動きが大きい通貨ですので、ポジション管理には十分な注意が必要です。
来週の注目ポイント
最重要イベント
📌 12月2日(月): 植田日銀総裁の講演 市場が最も注目しているイベントです。12月会合での利上げに向けた「地ならし発言」があるかどうかが焦点となります。発言内容次第では、ドル円が大きく動く可能性があります。
📌 12月5日(木): 米9月PCEデフレーター FRBがインフレターゲットとして最も重視する指標です。予想を下回れば利下げ期待が一段と高まり、ドル安が進む可能性があります。
📌 12月910日(月火): FOMC会合 今年最後のFOMC会合です。市場は87%の確率で利下げを織り込んでいますが、同時に発表される経済見通しと2026年の利下げペースに関するパウエル議長の発言が重要になります。
その他の重要指標
- 12月2日(月): 米ISM製造業景況指数
- 12月4日(水): 米ADP雇用統計(11月分)
- 12月1819日(水木): 日銀金融政策決定会合
編集部からのコメント
今週の市場を振り返ると、日米の金融政策の方向性の違いが鮮明になってきたことが最大のポイントでした。米国は利下げ、日本は利上げという真逆の方向性が意識される中、ドル円相場は156円台まで円高が進行しました。
特に注目したいのは、来週月曜日の植田日銀総裁の講演です。ここで12月利上げに前向きな発言が出れば、円高が一段と加速する可能性があります。一方、慎重な姿勢を維持すれば、再び円安に振れる可能性もあります。
また、株式市場は利下げ期待で史上最高値圏にありますが、薄商いの中での上昇という点には注意が必要です。来週から本格的な取引が再開されますので、実需の買いがどこまで続くかを見極める必要があるでしょう。
個人投資家の皆様には、週明けのボラティリティの高まりに備えて、ポジションサイズの調整やストップロスの設定を改めて確認されることをお勧めします。特にドル円でポジションを保有されている方は、植田総裁の発言を受けて大きく動く可能性がありますので、十分な注意が必要です。
締めの挨拶
今週もお疲れさまでした!
週末はゆっくり休んで、来週の重要イベントに備えていただければと思います。特に月曜日の植田日銀総裁の講演は要チェックですので、週明けの市場動向には十分注意してください。
それでは、良い週末をお過ごしください。また月曜日の朝にお会いしましょう!
FX編集部 田中
もし海外FXを始めたいなら…
海外FXを始めたいなら、安心できる海外FX業者のおすすめを選ぶのが大切です。
特に初心者は口座開設ボーナスが充実している海外FX業者を選ぶのがポイント。
それぞれコンテンツで解説しているので参考にしてください!










