おはようございます!FX編集部の田中です。
週明けの東京市場は、なかなか波乱の幕開けとなりました。先週末の米国市場は感謝祭明けで好調でしたが、本日は日銀・植田総裁の発言が市場に大きな衝撃を与えています。日経平均は一時1000円超の下落、ドル円は155円台半ばまで円高が進むなど、12月相場は荒れた展開でスタートしました。
本日も皆様のトレードに役立つ情報をお届けいたします!
本日の重要ニュース
【最重要】植田日銀総裁が12月利上げに前向き姿勢、日経平均950円安
本日午前、日本銀行の植田和男総裁が名古屋市内で講演を行い、12月18-19日の金融政策決定会合について「利上げの是非を適切に判断したい」と発言されました。
総裁は記者会見で「金融引き締め政策に遅れると混乱が生じる」と指摘し、来年の春闘に向けた企業の賃上げスタンスも踏まえて判断する方針を明らかにしました。また、利上げを実施しても「まだ緩和的な水準」であり、「ブレーキを踏むというよりは、アクセルを踏んだ状態で踏み方を調整している程度のもの」と説明されています。
市場の反応は即座でした。
- 為替市場: ドル円は一時155円30銭台まで急速に円高が進行(前日比約0.8円の円高)
- 株式市場: 日経平均株価は前週末比950円63銭(1.89%)安の4万9303円28銭で引け
- 金利市場: 金利スワップ市場での12月利上げ織り込み度が1週間前の20%前後から80%超に急上昇
東証プライム市場では約8割の銘柄が値下がりし、前週の4日間で1600円超上昇した反動も重なった形です。ただし、三井住友フィナンシャルグループなど金融株は利上げ期待から上場来高値を更新する動きも見られました。
トレーダーの皆様へ: 12月18-19日の日銀会合まで、円相場は神経質な展開が続くと予想されます。政策金利が現行の0.25%から0.5%へ引き上げられる可能性が高まっていますので、ポジション管理には十分ご注意ください。
米国株は5日続伸で11月を好調に終了、12月FOMCでの利下げ期待継続
感謝祭翌日のブラックフライデーで短縮取引となった11月28日、米国株式市場は主要3指数がそろって5日続伸となりました。
- ダウ平均: 前日比289ドル高の47,716ドル(+0.61%)
- S&P500: 36.48ポイント高の6,849.09ポイント(+0.54%)
- 週間成績: S&P500が3.7%、ダウが3.2%、ナスダックが4.9%の大幅上昇
感謝祭明けのブラックフライデー商戦が好調だったことに加え、12月9-10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測(0.25%の利下げをほぼ織り込み)が相場を支えています。
ただし、12月1日の米株価指数先物は時間外取引でやや軟調に推移しており、ダウ先物は約140-200ドル安となっています。12月相場入りで利益確定売りが出ているとの見方もあります。
注目ポイント: 今週12月5日には米雇用統計(11月分)の発表が控えています。雇用市場の動向がFOMCでの利下げ判断に影響を与える可能性がありますので、こちらも要チェックです。
金価格が1カ月半ぶり高値を更新、安全資産としての需要高まる
本日の国内商品先物市場で、金は小幅続伸し、中心限月として10月下旬以来約1カ月半ぶりの高値を付けました。
金価格上昇の背景には以下の要因があります:
- 米FOMCでの利下げ期待: 金利を生まない資産である金への投資妙味が高まっています
- 日銀利上げ観測による円高: 円建て金価格の下支え要因となっています
- 地政学リスク: 中東情勢やウクライナ情勢の不透明感が安全資産需要を喚起
- 各国中央銀行の金購入: 世界的な金需要が底堅く推移
ニューヨーク金先物も日本時間1日の取引で中心限月としておよそ1カ月半ぶりの高値を付けており、国内市場にも買いが波及した形です。田中貴金属工業の店頭小売価格も前日比で上昇しています。
投資家の皆様へ: 今後も各国の金融政策動向と地政学リスクが金価格の変動要因となりそうです。分散投資の一環として、金への投資を検討されるのも良いかもしれません。
OPECプラスが2026年第1四半期の増産停止を決定、原油価格は小幅上昇
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、先週末11月2日の会合で以下を決定しました:
- 2025年12月: 日量13.7万バレルの小幅増産を継続
- 2026年1-3月期: 増産を停止
当初は2025年1月から段階的な増産を計画していましたが、国際原油価格の低迷と供給過剰懸念から慎重な姿勢を維持する形となりました。
12月1日のNY原油先物は時間外取引で上昇してスタートしましたが、WTI原油価格は1バレル60ドル前後、ドバイ原油は64.30ドル前後と依然として低水準で推移しています。
米国エネルギー情報局(EIA)の見通しでは、2025年の世界原油需要は日量105万バレル増にとどまり、2026年は供給過剰がさらに拡大する見込みです。
原油関連銘柄や資源国通貨にご投資されている方は、OPECプラスの今後の動向にご注意ください。
ドイツCPIが9カ月ぶり高水準、ECBの金融政策に影響も
11月28日に発表されたドイツの11月消費者物価指数(CPI)速報値は、EU基準で前年比+2.6%と市場予想(+2.4%)を上回り、9カ月ぶりの高い伸びとなりました。
さらに、ECBが発表した10月調査では、1年先の期待インフレ率が2.8%と前月(2.7%)から上昇しています。
一方、ECBのナーゲル独連銀総裁は本日ソウルで講演し、「ECBの金融政策はおおむね中立」との見解を示しました。市場では12月18日に予定されるECB理事会で政策金利は据え置かれる見込みですが、インフレ率の高止まりが今後の政策判断に影響を与える可能性があります。
ユーロ円は本日180円27-31銭で推移し、前日比約0.6円の円安となっています。
ユーロ圏の経済指標にも引き続き注目が必要です。
今後の注目ポイント
📅 今週のイベントスケジュール
- 12月5日(木): 米雇用統計(11月分)発表
- 12月9-10日(月-火): FOMC会合
- 12月18日(水): ECB理事会
- 12月18-19日(水-木): 日銀金融政策決定会合
💡 トレードのポイント
- 日銀会合までドル円は神経質な展開: 155円から157円のレンジを想定し、利上げ観測の変化に注意
- 米雇用統計が次のFOMC判断を左右: 強い雇用統計なら利下げ見送りの可能性も
- 12月相場は利益確定売りに警戒: 年末に向けてポジション調整の動きが強まる可能性
- 金は安全資産として引き続き注目: 地政学リスクと金融政策の不透明感が支援材料
編集部からのコメント
12月相場の幕開けは、植田総裁の発言で大きく動く展開となりました。今月は日米欧の主要中央銀行が相次いで政策会合を開催するため、市場のボラティリティが高まることが予想されます。
特に注目したいのは、日銀とFRBの政策の「方向性の違い」です。日銀が利上げ方向、FRBが利下げ方向と、金融政策のスタンスが真逆になることで、ドル円相場にどのような影響が出るのか、しっかりと見極めていきたいですね。
また、先週末の米国株は堅調でしたが、本日の先物は軟調です。年末に向けて利益確定の動きも出やすい時期ですので、リスク管理を徹底しながら慎重にトレードしていきましょう。
金価格の上昇も見逃せません。不透明感が高まる中、ポートフォリオの一部を安全資産にシフトしておくのも一つの戦略かもしれません。
それでは本日も、良いトレードを! 何か気になることがあれば、いつでもコメント欄でお声がけくださいね。
FX編集部 田中
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