おはようございます!FX編集部の田中です。
12月9日の海外市場は、本日未明のFOMC(米連邦公開市場委員会)を目前に控え、慎重なムードが広がりました。ドル円は156円台を回復し、約1週間ぶりの円安水準となっています。株式市場は様子見姿勢が強く、NYダウは小幅反落となりました。
それでは、昨日の重要ニュースを順番に見ていきましょう。
本日の重要ニュース
ドル円156円台回復、FOMC直前で米金利上昇
12月9日の東京外国為替市場では、ドル円相場が一時156.12円まで上昇しました。これは約1週間ぶりの円安水準です。午後4時時点では1ドル=156円00銭前後と、前日比で65銭もの大幅なドル高・円安となりました。
円安が進んだ主な要因は、米10年債利回りが4.15%付近まで上昇したことです。本日未明(日本時間12月11日午前4時)に発表されるFOMCの結果を前に、市場では0.25%の利下げがほぼ織り込まれています。FedWatch(連邦金利観測ツール)では、利下げ確率が87%を超えている状況です。
注目すべき点として、野村證券が従来の「据え置き」予想から「0.25%利下げ」に予想を変更しました。ただし、これがパウエル議長体制下で最後の利下げになるとの見方が優勢となっています。
市場への影響:
- 輸出企業にとっては追い風となる一方、輸入コストの増加が懸念されます
- 日米金利差の拡大により、今後も円安圧力が継続する可能性があります
- 12月18-19日の日銀金融政策決定会合での利上げ判断が、円相場の方向性を左右しそうです
皆様の取引戦略にも影響する重要な局面ですので、FOMC結果の発表には十分ご注意ください。
豪中銀が政策金利据え置き、インフレ警戒姿勢を鮮明に
12月9日12時30分、オーストラリア準備銀行(RBA)は政策金利を3会合連続で3.60%に据え置くことを決定しました。市場予想通りの結果でしたが、声明内容がやや予想よりタカ派的だったことが注目されました。
ブロック豪中銀総裁は記者会見で「利下げの根拠を検討しなかった。追加利下げは必要ないようだ」と明言しています。中銀声明では「インフレは2022年のピークから大幅に低下したものの、足元では上昇傾向にある」と指摘し、「最近のデータはインフレリスクが上振れ傾向にあることを示唆している」と警戒感を表明しました。
豪中銀は2025年に入ってから、2月・5月・8月と3回の利下げを実施してきましたが、ここにきて利下げサイクルは一旦停止となる見通しです。
市場への影響:
- 豪ドル円は103円台前半で5営業日連続上昇となりました
- タカ派的な声明を受けて、豪ドルは対主要通貨で堅調に推移しています
- 資源国通貨として、商品市況の動向も引き続き注目材料です
豪ドルをお取引の方は、12月11日発表の豪州雇用統計もチェックしておくとよいでしょう。
日経平均は小幅続伸も商い低調、日米金融政策会合控え様子見
12月9日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比73円16銭(0.14%)高の50,655円10銭で終了しました。一見すると続伸ですが、上げ幅は限定的で、取引高も伸び悩む展開となりました。
午前中は106円高まで上昇する場面もありましたが、午後は伸び悩みました。前日のNYダウが215.67ドル安と反落したことも、投資家心理の重石となりました。
セクター別では、ファナックなどのフィジカルAI関連銘柄に買いが入りました。前日の米国市場でSOX指数(半導体指数)が80.38ポイント上昇したことが好材料となったようです。
市場関係者の間では、今週のFOMCと来週の日銀金融政策決定会合という「3羽のタカ」(3つの中銀タカ派イベント)を警戒する声が聞かれました。
市場への影響:
- 大きな方向感が出にくい地合いが続いています
- 円安進行は輸出企業の業績にプラスですが、市場の反応は限定的でした
- 年末に向けた機関投資家のポートフォリオ調整も意識されています
株式投資家の皆様は、短期的には金融政策イベントを通過するまで、慎重な姿勢が賢明かもしれません。
金先物・原油が揃って反落、FOMC前のポジション調整
商品市場では、FOMC前の手仕舞い売りが目立ちました。
NY原油先物(WTI・2026年1月限)は、12月9日午前10時16分時点で1バレル=58.84ドル(前日比-0.04ドル、-0.07%)となりました。前営業日は2%の下落を記録しており、利益確定売りが優勢な状況です。
ロシア・ウクライナ和平交渉への期待感と、米FOMC結果待ちの様子見姿勢が交錯する中、積極的な買いは入りにくい状況でした。ドバイ原油も9日午後、62.90ドル前後で推移しています。
金先物市場も同様に、FOMCの結果を見極めたいとのポジション調整が進みました。IG証券のアナリストは、FOMC後の金価格レンジを4,075ドル~4,300ドルと予想しています。
市場への影響:
- 原油価格の低迷は、産油国経済にマイナスですが、消費国にはプラス材料です
- 金価格下落により、安全資産としての需要はやや後退しています
- 原油安はインフレ率低下に寄与する可能性があります
資源国通貨(カナダドル、ノルウェークローネなど)をお取引の方は、原油価格の動向にもご注意ください。
今後の注目ポイント
本日から明日にかけて、市場を大きく動かす可能性のあるイベントが目白押しです。特に注目すべきポイントをまとめました。
⏰ 最重要イベント
【本日未明】12月10-11日 FOMC政策金利発表
- 発表時刻:日本時間12月11日午前4時
- 市場予想:0.25%の利下げ(確率87%超)
- パウエル議長の記者会見(午前4時30分~)
- ドットチャートでの2025年金利見通しに注目
📅 その他の重要イベント
12月11日(水)9:30 – 豪州雇用統計(11月分) 豪ドルの方向性を左右する重要指標です
12月12日(木)未定 – 米国JOLTS求人件数 FRBの金融政策判断に影響を与える労働市場指標
12月18-19日 – 日銀金融政策決定会合 利上げの有無が最大の焦点。円相場を大きく動かす可能性があります
12月下旬 – 機関投資家の年末リバランス ポートフォリオ調整による相場変動に注意が必要です
編集部からのコメント
12月9日の市場は、まさに「嵐の前の静けさ」といった様相でした。
最も印象的だったのは、ドル円が156円台を回復したことです。野村證券が予想を変更したことからも分かるように、市場は今回のFOMCでの利下げをほぼ織り込んでいます。ただし、問題は「その先」です。パウエル議長が記者会見で2026年の金融政策についてどのようなメッセージを発するのか、ドットチャートで示される経済見通しがどの程度タカ派的なのか—これらが今後の相場の方向性を決定づけるでしょう。
豪中銀の政策決定も興味深い内容でした。主要中銀の中で比較的早期に利下げサイクルに入った豪州ですが、ここにきてインフレ再燃への警戒感が高まっています。グローバルにインフレとの戦いがまだ終わっていないことを改象徴する出来事だと感じました。
日経平均の動きを見ると、投資家の慎重姿勢が鮮明です。今週と来週に日米の重要な金融政策会合が集中しているため、無理にポジションを取る必要はないという判断なのでしょう。年末相場特有の薄商いも影響しているかもしれません。
トレーダーの皆様へのアドバイス: 本日未明のFOMC発表前後は、相場が大きく動く可能性があります。レバレッジを抑え、ストップロスを適切に設定するなど、リスク管理を徹底することをお勧めします。また、パウエル議長の記者会見は言葉の端々まで注意深く聞く価値があります。
締めのご挨拶
本日未明のFOMC発表は、年内最後の大きなイベントの一つとなります。市場の反応次第では、年末にかけての相場の流れが大きく変わる可能性もあります。
睡眠時間を削ってリアルタイムで追う必要はありませんが、朝起きたら必ず結果をチェックしてから取引を始めることをお勧めします。
それでは、本日も安全で収益性の高いトレードを!
FX編集部 田中
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