おはようございます!FX編集部の田中です。
週明けの市場は、先週末のFOMC結果を受けた調整ムードが続いています。本日は前週末15日(月)の海外市場の動きと、今週の注目イベントについてお伝えします。今週は日米の金融政策会合が重なる重要な週となりますので、しっかりチェックしていきましょう。
前日の市場概況
為替市場: ドル円は155円台前半で推移。日銀短観の改善を受けた円買いが一時154円台まで進行したものの、その後は持ち直しました。
株式市場: NYダウは41ドル安、ナスダックは137ポイント安と小幅続落。米雇用統計の発表を控えた様子見ムードが強まりました。
債券市場: 米10年債利回りは横ばい圏で推移し、様子見姿勢が鮮明となりました。
日銀短観改善で利上げ観測再燃、円全面高に
一行サマリー: 12月期日銀短観で大企業製造業DIが予想通り15に改善し、18-19日の日銀会合での利上げ観測が強まり、円買いが優勢となりました。
詳細
15日に発表された日本の12月期全国企業短期経済観測調査(日銀短観)において、大企業・製造業の業況判断指数(DI)は15となり、市場予想通りの結果となりました。前回の14から改善し、3四半期連続の改善です。
米国の関税政策を巡る不確実性が低下したことが改善の背景にあります。ただし、大企業非製造業DIは34と予想の35をやや下回り、前回から横ばいとなりました。
この結果を受けて、木原官房長官は「概ね良好な結果」とコメントし、「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられており、適切な運営を期待したい」との見解を示しました。
市場では今週18-19日に開催される日銀金融政策決定会合での利上げ観測が再燃し、幅広く円買いが進みました。ドル円は一時154.83円前後まで下落しましたが、米長期金利の下げ幅縮小を受けて155円台を回復しています。
市場への影響
為替市場では円全面高の展開となり、ドル円は約0.4%下落しました。ユーロ円、ポンド円、豪ドル円なども円高方向に振れています。
債券市場では、日本の長期金利(新発10年物国債利回り)が1.955%に上昇しました。利上げ観測を反映した動きです。
今週の日銀会合に注目
18-19日の日銀金融政策決定会合では、政策金利が現行の0.5%から0.75%に引き上げられる可能性が高まっています。これが実現すれば、1995年以来30年ぶりの金利水準となります。植田総裁の会見での今後の利上げパスに関する発言も重要なポイントとなるでしょう。
米雇用統計の信頼性に疑問符、本日夜の発表に注目
詳細
本日16日の22:30(日本時間)に発表される米11月雇用統計は、市場予想では非農業部門雇用者数が前月比5.0万人増(9月実績は11.9万人増)、失業率は4.5%(前回4.4%)となっています。
しかし、今回の統計には特殊な事情があります。米政府機関閉鎖の影響で、本来はFOMC前に発表されるべき統計が後回しとなってしまいました。さらに、発表が見送られた10月分のデータが11月分に含まれるため、統計の連続性や正確性に疑問が呈されています。
ブルームバーグの調査によると、エコノミストの事前予想の中央値は5万人増で、数カ月にわたる労働市場の減速傾向を示唆しています。パウエルFRB議長も「4月以降の月平均増加数は4万人減」と指摘しており、労働市場の悪化懸念が高まっている状況です。
市場の反応は限定的か
通常の雇用統計と比べて、今回は市場の反応が鈍くなる可能性があります。データの信頼性が低いと見られているため、為替市場では一時的な反応にとどまり、むしろ18-19日の日銀会合への注目度が高まっています。
ドル円は154円台のサポートが堅い一方、156円台の上値は重い展開が予想されます。
1月FOMCへの影響
失業率が4.7%以上となった場合、2026年1月のFOMCでの追加利下げ観測が高まる可能性があります。また、18日発表の11月消費者物価指数(CPI)が、FRBの2026年の金融政策スタンスを占う上でより重要な指標となるでしょう。
皆さまも本日の夜は、雇用統計の発表時刻前後の急激な値動きにご注意くださいね。
FOMC3会合連続利下げも、2026年は慎重姿勢
詳細
12月10-11日に開催されたFOMCでは、FRBは3会合連続で政策金利を0.25%ポイント引き下げ、3.50-3.75%としました。市場予想通りの決定です。
しかし、注目すべきは今後の見通しです。FOMC参加者による政策金利見通し(ドットチャート)では、2026年末の政策金利の中央値が3.5%と示されました。これは、2026年中に0.25%の利下げが1回のみ実施されることを意味します。
9月時点では2026年に4回の利下げが見込まれていましたが、大幅に修正された形です。2027年と2028年は据え置きとの見立てが示されています。
パウエル議長の発言
パウエル議長は記者会見で「金融政策は良い位置にある」と述べ、FOMCが「緩やかに引き締め的な金融政策スタンスを中立へと移行させた」との認識を示しました。
また、インフレについては「関税によるインフレへの波及効果は見られない」とし、「関税は一時的な価格上昇を招いているが、持続的な上昇にはつながらない」との見解を示しました。ただし、関税の影響は「2026年に完全に現れる」と述べています。
市場の受け止め
当初は「タカ派的な利下げ」と警戒されましたが、実際の市場の反応は比較的落ち着いています。政策金利が中立水準に近づいていることから、今後の利下げペースが鈍化することは予想されていました。
2026年の金融政策は、経済指標次第で柔軟に対応する姿勢が示されており、特に雇用と物価の動向が重要になります。
NY株式市場は小幅続落、雇用統計待ちの様子見
詳細
15日の米国株式市場は続落しました。ダウ工業株30種平均は前日比41.49ドル(0.09%)安の48,416.56ドル、ナスダック総合指数は137.757ポイント(0.594%)安の23,057.413で取引を終えました。
半導体株の下落が目立ちました。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3日続落となっています。特に英半導体設計のアーム・ホールディングスが、証券アナリストの投資判断引き下げにより7カ月ぶりの安値に沈みました。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーも売られています。
雇用統計待ちのムード
週内に発表される一連の経済指標を見極めたいというムードが広がり、積極的な売買は控えられました。FRB当局者の発言や次期トランプ政権の政策に関する手掛かりを求める動きも見られました。
市場参加者は、本日の雇用統計と18日のCPIの結果を待っている状況です。これらの指標が、FRBの2026年の金融政策スタンスを占う上で重要となるため、慎重な姿勢が続いています。
今週の注目ポイント
🗓️ 12月16日(月)
- 22:30 米11月雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)
🗓️ 12月18日(水)
- 22:30 米11月消費者物価指数(CPI)
- 正午頃 日銀金融政策決定会合の結果発表(18-19日開催)
- 15:30 植田日銀総裁の記者会見
🗓️ 12月19日(木)
- 各種要人発言に注目
今週のポイント
今週は日米の金融政策に関する重要イベントが集中しています。特に日銀の利上げ判断と、米国の雇用統計・CPIが市場の方向性を決める重要なファクターとなるでしょう。
日銀が利上げを実施した場合、円高圧力が強まる可能性があります。一方、米国の経済指標が予想を下回った場合、ドル安が進む可能性もあります。両方が重なれば、ドル円は大きく円高方向に振れるシナリオも考えられます。
ボラティリティが高まる可能性がありますので、ポジション管理には十分ご注意ください。
編集部からのコメント
今週は本当に重要なイベントが目白押しですね。日銀の利上げがほぼ確実視される中、米国の雇用統計やCPIがどのような結果になるかで、年末年始の相場の方向性が決まってきそうです。
特に気になるのは、今回の米雇用統計の信頼性です。政府閉鎖の影響で統計の正確性に疑問符が付いているため、通常よりも市場の反応が読みにくくなっています。急激な値動きがあった場合でも、その動きが継続するかどうかは慎重に見極める必要がありそうです。
また、日銀の利上げについては、ほぼ織り込み済みとは言え、植田総裁が今後の利上げパスについてどのようなメッセージを出すかが重要です。「半年から1年ごとに利上げ」といった具体的な見通しが示されれば、円高が加速する可能性もあります。
年末に向けて市場参加者が減少する時期でもありますので、流動性の低下による値飛びにも注意が必要です。無理なポジションは避け、余裕を持った資金管理を心がけてくださいね。
私も引き続き、最新の市場動向をしっかりとお伝えしていきますので、一緒に乗り切っていきましょう!
締めの挨拶
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今週は日米の金融政策イベントが重なる非常に重要な週となります。本日夜の雇用統計から、週後半の日銀会合、そして米CPIと、市場を動かす材料が次々と登場します。
相場の急変に備えて、ストップロスの設定やポジションサイズの調整など、リスク管理を徹底していただければと思います。特に本日夜22:30の雇用統計発表前後は、スプレッドが拡大する可能性もありますので、ご注意くださいね。
それでは、良い一日をお過ごしください! また明日の朝、最新のニュースでお会いしましょう。
FX編集部 田中
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