おはようございます!FX編集部の田中です
昨日の海外市場は、米雇用統計の遅延発表を消化する動きが中心となりました。失業率の上昇が注目を集める一方、雇用者数が予想を上回ったことで市場は複雑な反応を示しています。ドル円は155円台で推移し、米株式市場はダウが続落する一方でナスダックが小幅高となるなど、セクターによって明暗が分かれました。
本日は日銀の金融政策決定会合を明日に控え、市場は様子見ムードが強まっています。それでは、昨夜の重要ニュースを見ていきましょう。
本日の主要ニュース
米11月雇用統計、失業率4.6%に上昇も雇用者数は予想上回る
米労働省が16日に発表した11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+6.4万人増加し、市場予想の5万人増を上回りました。しかし、失業率は4.6%となり、9月の4.4%から上昇して2021年以来4年超ぶりの高水準を記録しています。
10月の雇用者数は政府閉鎖の影響で-10.5万人の大幅減少となっており、11月はその反動も含まれています。政府閉鎖により15万人以上の連邦職員が離職したことが、データに大きな影響を与えました。
市場への影響
- ドル円は一時154円台から155円台に回復
- ダウ平均は302ドル安の48,114ドルで3日続落
- ナスダックは小幅高で取引を終了
平均時給の伸びも前年比+3.5%と、10月の+3.7%から鈍化しており、労働市場の減速を示唆しています。FRBの今後の金融政策判断において、雇用データの重要性が改めて浮き彫りになりました。
日銀、明日から会合開始 – 30年ぶり0.75%利上げの公算大
日本銀行は本日18日から金融政策決定会合を開催します。市場では0.25%の利上げがほぼ織り込まれており、実現すれば政策金利は0.75%と、1995年以来30年ぶりの水準に達します。
利上げの背景には、12月短観での景況感改善や、2026年度も高水準の賃上げが見込まれることがあります。構造的な人手不足と良好な企業収益を背景に、賃金上昇が持続すると日銀は判断しているようです。
注目ポイント
- 19日の植田総裁記者会見での「中立金利」に関する発言
- 2026年以降の利上げペース
- ハト派的な利上げ(据え置き期間が長い)となるか
市場では既に利上げを織り込んでいるため、発表時の反応は限定的との見方が強いですが、今後の利上げスケジュールに関する植田総裁の発言が注目されます。
英11月CPI、予想下回る3.2%に低下 – ポンド下落
英政府統計局が17日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+3.2%上昇となり、10月の+3.6%から鈍化しました。市場予想の+3.5%や英中銀の予想も下回る結果です。
月次ベースでは前月の+0.4%から-0.2%に転じ、変動の大きいエネルギーと食品価格を除いたコアCPIも月間で-0.2%下落しました。
市場の反応
発表を受けて英ポンドは対ドルで下落し、1.18ドル台での伸び悩みとなっています。本日18日に予定されているイングランド銀行(BOE)の政策決定会合では据え置きが見込まれていますが、2026年の利下げ期待が高まる材料となりました。
インフレの鈍化は家計にとっては好材料ですが、経済成長への影響も注視が必要です。
原油価格4日続落、WTI55ドル割れ – 2021年以来の安値
16日のニューヨーク原油先物市場で、WTI原油先物1月限は4営業日連続で下落し、一時55ドルを割り込みました。
下落の主な要因は以下の通りです:
- 2026年にかけて原油供給が需要を上回るとの予想
- ロシアとウクライナの和平交渉進展への期待
- 地政学リスクプレミアムの剥落
ゴールドマン・サックスは2026年のブレント原油平均価格を1バレル=56ドル、WTI原油を52ドルと予測しており、世界的な増産により価格下落が続くとの見方を示しています。
投資家への影響
原油安はインフレ抑制に寄与し、各国中央銀行の利下げ余地を拡大させる可能性があります。一方、エネルギー関連株には逆風となっており、ENEOS等の石油関連銘柄は下落しています。日本にとっては輸入コスト低下というメリットもありますね。
FRB、3会合連続利下げも反対票3名 – 2026年は慎重姿勢
米連邦準備制度理事会(FRB)は12月のFOMCで政策金利を0.25%引き下げ、3.50~3.75%としました。3会合連続の利下げとなりましたが、3名のメンバーが反対票を投じ、意見の対立が鮮明になっています。
パウエル議長は記者会見で「直近3回の会合で計0.75%利下げした。今後のデータや経済見通しに基づき、政策金利の追加調整の時期とペースを慎重に決定する」と述べ、追加利下げに慎重な姿勢を示しました。
新たなドットチャート(政策金利の見通し)では、2026年の利下げ回数が従来の4回から1回に大幅に下方修正され、市場に衝撃を与えています。これは明らかにタカ派的なメッセージと言えるでしょう。
今後の注目ポイント
短期(今週)
- 12月18-19日:日銀金融政策決定会合の結果と植田総裁会見
- 12月18日:イングランド銀行(BOE)金融政策決定会合
- 12月19日:ECB理事会(据え置き見込み)
中期(今月~来月)
- 2026年1月:次回FOMCでの据え置き公算
- 日銀の追加利上げ時期(市場予想は2026年半ば以降)
- トランプ政権の関税政策の具体化と影響
重要な経済指標
- 12月の米雇用統計(2026年1月発表)
- 各国の12月PMI(購買担当者景気指数)
- 日本の11月CPI(20日発表予定)
編集部からのコメント
昨日の米雇用統計は、数字の解釈が難しい内容となりました。雇用者数は予想を上回りましたが、失業率の上昇は無視できません。政府閉鎖の影響でデータに歪みが生じているため、来月の数字も併せて判断する必要がありそうです。
今週は日米欧の中央銀行イベントが集中しており、特に日銀とBOEの決定内容と今後のガイダンスが市場の方向性を左右するでしょう。日銀については利上げそのものよりも、植田総裁が「今後の利上げペース」や「中立金利の水準」についてどこまで踏み込んで発言するかがポイントです。
原油価格の下落は、世界的なインフレ鈍化を示唆する好材料ですが、エネルギーセクターの収益悪化や産油国経済への影響も懸念されます。複雑な市場環境が続きますが、冷静に情報を整理しながらトレードしていきましょう。
本日も良いトレードを!
市場は明日の日銀会合の結果待ちで様子見ムードが強いですが、英国CPIやその他の経済指標にも注目です。ボラティリティが高まる可能性もありますので、リスク管理を徹底してくださいね。
何かご質問やご意見がありましたら、編集部までお気軽にお寄せください。
FX編集部 田中
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