【2025年12月18日】最新海外FX投資ニュース

おはようございます!FX編集部の田中です。

昨日の海外市場は、AI関連株の急落をきっかけに投資家心理が冷え込む展開となりました。米国ではオラクルのAIデータセンター資金調達問題が浮上し、ハイテク株を中心に売りが広がりました。NYダウは228ドル安と4日続落、ナスダックも軟調な展開に。一方、為替市場ではドルが底堅く推移し、ドル円は155円台後半で取引されています。本日は日銀の金融政策決定会合初日、そして欧州の中央銀行の政策発表が予定されており、目が離せない一日となりそうです。

それでは、昨日の主要ニュースを詳しく見ていきましょう。


目次

本日の主要ニュース

日銀、本日より会合開始――明日0.75%への利上げが濃厚に

日銀が本日18日-19日の会合で0.25%の利上げを決定し政策金利を0.75%とする見込みで、これは1995年以来30年ぶりの高水準となります。

日本銀行は本日18日から2日間の日程で金融政策決定会合を開催します。市場では政策金利を現在の0.5%から0.25%引き上げ、0.75%とする見通しがほぼ確実視されています。実現すれば1995年以来、実に30年ぶりの高水準となります。

注目すべきは、利上げそのものよりも、明日19日の昼頃に予定されている植田和男総裁の記者会見です。今後の利上げペースや中立金利に関する見解が示されるかどうかが、市場の最大の関心事となっています。

日銀短観では景況感の改善が確認され、来年度の賃上げも今年度並みの高水準が見込まれていることから、利上げ環境が整ったと判断されています。ただし、植田総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示した場合、ドル円は158円台に向けて円安が進む可能性も指摘されています。

市場への影響
為替市場では利上げ自体は織り込み済みのため、植田総裁の発言内容が相場の方向性を左右することになりそうです。株式市場では金利上昇による企業の資金調達コスト増が懸念されますが、日本経済の正常化を示すポジティブなシグナルとも捉えられています。


オラクル株急落でAI投資懸念再燃――日経平均510円安に

米オラクルのAIデータセンター資金調達難が報じられ、AI関連株が急落。日経平均は510円安の49,001円で引け、下げ幅は一時800円を超えました。

昨日の米国市場で、データベース大手オラクルの株価が5.4%急落しました。同社がミシガン州で計画するAIデータセンター建設に関する100億ドル規模の出資協議で、投資会社ブルー・アウルが交渉から撤退したと報じられたことが要因です。オラクル株は9月の高値から約半値となり、AI投資の持続可能性に対する懸念が市場全体に広がりました。

この影響は本日の日本市場にも波及し、アドテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンなど半導体・AI関連株が軒並み下落。日経平均株価は終値で510円78銭安の49,001円50銭となり、取引時間中には11月26日以来となる節目の49,000円割れとなる場面もありました。

米国市場では、NYダウが228ドル安で4日続落、ナスダックも3週間ぶりの安値を記録しています。AI関連の巨額投資が本当に収益に結びつくのか、投資家の間で疑問が再燃している状況です。

市場への影響
グローバルにハイテク株への警戒感が高まっていますが、東証プライムの値下がり銘柄数は3割強にとどまり、全面安は回避されています。今後、他のAI関連企業への波及が注目されます。


FRB、利下げペース鈍化を示唆――2026年は年1回のみに

FRBは12月FOMCで0.25%の利下げを決定しましたが、2026年の利下げ見通しを年2回から1回に下方修正し、タカ派姿勢を鮮明にしました。

米連邦準備制度理事会(FRB)は12月9-10日に開催したFOMCで、3会合連続となる0.25%の利下げを決定し、政策金利を3.50-3.75%としました。しかし、同時に発表されたドットチャート(参加者の金利見通し)では、2026年の利下げ回数が従来の年2回から年1回のみに下方修正されました。

パウエル議長は記者会見で、インフレ圧力の残存と経済の底堅さを理由に、今後の利下げペースを慎重に進める方針を示しています。市場では次回の利下げは2026年4月との観測が優勢となっており、FRBの慎重姿勢が明確になった形です。

2027年、2028年についても0.25%ポイントの利下げがそれぞれ1回ずつ見込まれており、中長期的にも緩和ペースは緩やかなものになる見通しです。

市場への影響
利下げペースの鈍化観測により、米長期金利は4.15%前後で推移し、ドル高圧力が継続しています。ドル円は155円台後半で堅調に推移しており、FRBのタカ派姿勢が円安を支える構図となっています。


本日、英中銀・ECBが政策発表――英は利下げ、ECBは据え置き見込み

本日21時に英中銀は0.25%の利下げをほぼ確実視、ECBは政策金利据え置きが予想され、欧州の金融政策の方向性が注目されます。

本日18日は、欧州の主要中央銀行による金融政策発表が相次ぎます。日本時間21時にはイングランド銀行(BOE、英中銀)が結果を発表予定で、政策金利を現在の4.0%から3.75%に引き下げる確率がほぼ100%織り込まれています

前回11月の会合では5対4の僅差で据え置きが決定されたため、今回の投票内訳が市場の関心を集めています。利下げ派と据え置き派の勢力バランスが、今後の政策見通しを占う上で重要な手がかりとなります。

一方、欧州中央銀行(ECB)の理事会では政策金利の据え置きが予想されていますが、ラガルド総裁の記者会見での今後の政策見通しに注目が集まっています。ユーロ圏経済の減速懸念が高まる中、ECBがどのような姿勢を示すかが焦点です。

市場への影響
ポンドは昨日のNY市場で0.34%下落し、利下げ観測を織り込む動きとなっています。投票内容や総裁発言次第では、ポンドやユーロのボラティリティが高まる可能性があります。


原油価格6日ぶり反発――ベネズエラ巡る地政学リスクで

トランプ次期米大統領がベネズエラへの圧力を強化し原油タンカーを拿捕したことで、原油供給減懸念から原油価格が反発しました。

昨日のNY原油市場でWTI原油先物は5営業日ぶりに反発しました。トランプ次期米大統領がSNSでベネズエラの港への入出港を阻止する方針を示し、実際に超大型タンカーを拿捕したことが報じられ、地政学リスクが意識された形です。

本日の東京商品市場でも原油は6営業日ぶりに反発しています。ただし、ベネズエラの産油量は世界供給の1%未満にとどまるため、需給面への実質的な影響は限定的との見方もあります。WTI原油価格は1バレル56.95ドル前後(+1.81%)で推移しています。

また、ロシアとウクライナの和平合意観測による供給過剰懸念は依然として根強く、原油価格の上昇余地は限られるとの指摘もあります。

市場への影響
短期的には下げ止まりを見せていますが、全体的な需給環境が供給過剰懸念に傾いているため、価格上昇は限定的と見られています。日本のINPEXなど石油関連銘柄には若干のプラス材料となりました。


今後の注目ポイント

本日から明日にかけて、複数の重要イベントが控えています。まず本日21時の英中銀とECBの政策発表では、投票内訳や総裁発言に注目です。そして明日19日昼頃には日銀の政策決定と植田総裁の記者会見が予定されており、今後の利上げペースに関する発言が相場を大きく動かす可能性があります。

また、オラクルのAI投資問題が他のハイテク企業にどこまで波及するかも重要な注目点です。エヌビディアやマイクロソフトなど、他のAI関連企業の動向にも目を配る必要があるでしょう。

為替市場では、各国中央銀行の政策スタンスの違いが鮮明になっており、ドル円の方向性は日銀会合の内容次第で大きく変わる可能性があります。植田総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示せば円安、積極的な姿勢を示せば円高というシナリオが想定されます。


編集部からのコメント

昨日の市場は、AI投資への懸念と各国中央銀行の政策スタンスの違いが交錯する複雑な展開となりました。オラクルの問題は、ここ数年続いてきたAI投資ブームに一つの疑問符を投げかけています。ただし、AI技術の重要性が失われたわけではなく、むしろ収益性を伴う「持続可能なAI投資」への選別が始まったと捉えることもできます。

日銀の利上げは市場にとってサプライズではありませんが、30年ぶりの高水準という事実は、日本経済が長年のデフレから脱却しつつある証でもあります。金利のある世界への回帰は、投資戦略の見直しを迫る重要な転換点となるでしょう。

本日は複数の中央銀行イベントが重なり、相場が大きく動く可能性があります。慎重にポジション管理を行いながら、各国の政策スタンスの違いを冷静に分析することが重要です。


それでは、本日も良い取引を!

FX編集部 田中

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