おはようございます!FX編集部の田中です☀️
週明けの東京市場、皆さまいかがお過ごしでしょうか。週末から本日にかけての海外市場では、政府要人発言による急激な円高や貴金属市場の歴史的高値更新など、年末とは思えないほど活発な動きが見られました。
クリスマス休暇を前に市場参加者が減少する中、少ないニュースが大きな価格変動を引き起こす「薄商い相場」特有の展開となっています。本日も引き続き注意が必要な状況です。
それでは、前日の重要なニュースを確認していきましょう!
本日の重要ニュース
片山財務相の強硬発言でドル円が急落!156円台へ
23日、片山さつき財務相は閣議後の記者会見で、足元の円安進行について極めて強い警戒感を示しました。
具体的には「ファンダメンタルズを反映しているとは到底思えない。投機的と言っていい」と明言し、9月に発出された日米財務相共同声明に沿って「行き過ぎた動きには対応をとる」と述べました。さらに「私はフリーハンドだ」と強調し、為替介入の実施を辞さない姿勢を鮮明にしています。
実はこの発言、22日夜のブルームバーグのインタビューでも同様の内容が報じられており、2日連続での円安牽制となりました。市場は「ここまで言うということは、本気で介入する可能性が高い」と受け止め、急速に円買い・ドル売りが進みました。
市場の反応は顕著で、ドル円は157円台から155円91銭まで約1円以上下落。クロス円も全面的に円高となり、ユーロ円は184円69銭→183円60銭(約1円超の下げ)、ポンド円は211円49銭→210円30銭(約1円20銭の下げ)という大きな動きとなりました。
年末の薄商い相場で投機的な円売りポジションが積み上がっていた可能性があり、財務相発言がそれらの巻き戻しを誘発した形です。輸出関連企業にとっては逆風となる一方、輸入コスト削減には追い風となります。
今後の焦点は、実際に介入が実施されるかどうか。過去の事例では157円台後半が一つの目安とされていますので、再びその水準に近づいた場合は要警戒です。
金価格が史上最高値4497ドル突破!銀も最高値更新
貴金属市場が歴史的な高騰を見せています。23日のロンドン金市場で、金現物価格が史上最高値の1オンス=4497.55ドルまで上昇し、大台の4500ドルに迫りました。日本時間午後の時点では4479.18ドル(前日比+0.8%)で取引されています。
上昇の主な要因は2つあります。
第一に、地政学リスクの高まりです。トランプ米大統領が先週、ベネズエラに出入りする制裁対象の石油タンカーに対する全面封鎖を命じたことで、米・ベネズエラ間の緊張が急速に高まっています。こうした不確実性の高まりは、安全資産とされる金への投資需要を強めました。
第二に、FRBのハト派色強まる観測です。トランプ氏が2025年1月初旬までにFRB次期議長を指名する可能性があり、ハト派(金融緩和派)の人物が選ばれるとの見方が浮上しています。金利低下は金価格にとってプラス材料です。
注目すべきは金だけではありません。銀も史上最高値の69.98ドルを記録し、供給不足・工業需要・投資資金流入を背景に年初来の上昇率は141%という驚異的な伸びを示しています。
さらに、プラチナは約17年ぶりの高値、パラジウムは3年ぶりの高値をつけるなど、貴金属市場全体が強気相場となっています。国内市場でも金が5日続伸し中心限月として最高値を更新、白金(プラチナ)も初の1万円台に乗せました。
アナリストの見方では、金は今後5000ドル、銀は75ドルを目指す可能性があるとされています。ただし、休暇シーズンに伴う流動性低下により、一時的な調整が入る可能性もありますので、短期的な価格変動には注意が必要です。
日経平均は僅か10円高、円高進行が重荷に
23日の東京株式市場は、前日の米株高(ダウ+227ドル)を受けて幅広い銘柄に買いが入り、スタートは好調でした。米株の変動性指数(VIX、別名「恐怖指数」)が1年ぶりの低水準に低下し、投資家のリスク選好姿勢が強まったことが背景です。
実際、東証プライムの値上がり銘柄数は全体の7割強にあたる1217銘柄と広範囲に及び、銀行・証券などの金融セクターや、ソニーグループ・任天堂など足元で下げが目立っていたゲーム関連銘柄に見直し買いが入りました。
しかし、午後に入ると状況が一変します。片山財務相の円安牽制発言でドル円が155円台後半まで円高・ドル安が進んだことから、トヨタ・ホンダなどの自動車株やファナックなど機械株が後場に一段安となり、指数を押し下げました。
結果として、日経平均は前日比わずか10円48銭(0.02%)高の50,412円87銭という小幅な上昇にとどまりました。一方、TOPIXは18.08ポイント(0.53%)高の3423.25と、日経平均を上回るパフォーマンスを見せています。
売買代金は4兆1374億円と9月2日以来3カ月半ぶりの少なさで、クリスマス休暇に入った海外投資家の不在が目立つ状況でした。
円高は輸出企業にとっては業績圧迫要因となる一方、金融株など内需関連には好影響となる場合もあり、今回のように個別セクターで明暗が分かれる展開となりやすいです。年末年始の薄商い相場では、こうした二極化がさらに鮮明になる可能性があります。
本日22時半、米GDP第3四半期確定値が発表予定
本日22時30分(日本時間)に、米商務省から2025年第3四半期(7-9月期)GDP確定値が発表されます。本来であれば10月末に発表される指標でしたが、米連邦政府機関閉鎖の影響で延期されていたものです。
市場予想は前期比年率+3.2%(速報値は+3.8%)、個人消費は+2.6%(速報値+2.5%)となっています。
この数字が注目される理由は、政府機関閉鎖によりデータ発表が限定的となる中で、現在の米国経済状況を判断する数少ない重要指標だからです。同時に耐久財新規受注などの経済指標も発表予定で、米ドルの方向性を決める重要なイベントとなります。
結果が市場予想を上回れば、米経済の底堅さを示すものとしてドル買い要因となる可能性があります。一方、予想を下回れば、景気減速懸念からドル売りが進む可能性があります。
また、この数字はFRBの今後の金融政策(追加利下げのペース)にも影響を与えますので、金利市場や株式市場にも波及効果が期待されます。現在の為替水準(156円台)が財務相発言で形成されたばかりのため、この経済指標発表でさらなる変動が起きる可能性があります。
発表時間が日本時間の深夜となりますが、FXトレーダーの皆さまにとっては見逃せないイベントですね。
豪準備銀行がインフレリスク強調、2026年利上げ議論も
23日に公表された豪準備銀行(RBA)の12月理事会議事録では、政策金利を3.60%に据え置いた背景と今後の方針が明らかになりました。
ブロック総裁は「国内インフレの予想外の上昇」を受けて、金利は長期間にわたって現状維持が必要になると述べています。注目すべきは、議事録の中で2026年の金利引き上げの可能性についても議論されている点です。
これは、多くの中央銀行が利下げ方向に舵を切る中、豪州だけは逆にインフレ対策として利上げを検討しなければならない状況にあることを示しています。7-9月期の消費者物価の動向から、利下げよりも利上げの可能性が高いというスタンスです。
ただし、市場の反応は限定的でした。豪ドル/ドルは0.6664ドル前後、豪ドル円は104.40円近辺で小動きとなっています。これは、発表内容がある程度市場に織り込まれていたことに加え、日本円の急激な上昇が豪ドル円の動きを相殺した可能性があります。
中長期的には、資源国通貨である豪ドルにとって、インフレ環境下での高金利維持は支援材料となります。特に中国経済の回復度合いが豪州経済(最大の貿易相手国)に影響しますので、今後の中国の経済指標にも注目が必要です。
今後の注目ポイント
短期(本日~今週)
- 本日22時30分の米GDP確定値発表:予想との乖離次第でドル円が大きく動く可能性
- 為替介入の実施有無:ドル円が再び157円台後半に近づいた場合は最警戒
- クリスマス休暇入りでの薄商い:少ない取引量で価格変動が大きくなるリスク
中期(年末~年明け)
- トランプ氏によるFRB次期議長指名:1月初旬までに発表予定、ハト派かタカ派かで金利見通しが変化
- 米・ベネズエラ情勢:石油供給への影響と地政学リスクの行方
- 日本の長期金利動向:27年ぶり高水準の2.1%到達後の財政懸念
長期(2026年)
- 豪準備銀行の利上げ実施:インフレ抑制のため2026年の利上げ可能性
- 金価格5000ドル、銀価格75ドル到達:アナリストが目標とする水準
- 日銀の追加利上げペース:円高圧力と国内経済のバランス
編集部からのコメント
今回最も印象的だったのは、片山財務相の「私はフリーハンドだ」という強い発言です。過去の為替介入の経緯を見ても、ここまで明確に介入姿勢を示すのは異例で、政府の危機感の高さが伝わってきます。
年末の薄商い相場では、こうした要人発言がいつも以上に大きな影響力を持ちます。投機的なポジションが一方向に偏っている場合、政府の一言で巻き戻しが起きやすい環境です。
また、金価格の史上最高値更新は、世界的な不確実性の高まりを象徴しています。トランプ政権の政策、米・ベネズエラ緊張、FRBの金融政策など、複数の不安要素が重なり、投資家が安全資産に資金をシフトしている構図です。
本日夜の米GDP発表は、こうした流れの中で米経済の実態を確認する重要な機会となります。予想を大きく外した場合、年末の薄商いも相まって急激な価格変動が起きる可能性がありますので、ポジション管理には十分ご注意ください。
締めの挨拶
今週はクリスマスを挟むため、海外市場の参加者が大幅に減少します。通常よりもボラティリティが高まりやすい環境ですので、いつも以上にリスク管理を徹底していただければと思います。
年末年始のお忙しい時期かと思いますが、市場の動きは待ってくれません。重要なイベントは随時チェックして、冷静な判断を心がけましょう。
それでは、本日も良い投資判断ができますように!
FX編集部 田中
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