こんにちは、FX編集部の田中です!今朝も新鮮な市場情報をお届けします。
昨日(7月30日)の市場では、米FOMCの結果とパウエル議長の発言を受けて、ドル円が約4カ月ぶりの高値まで上昇しました。日米の金融政策の方向性の違いが鮮明となり、為替・株式市場ともに大きく動いた一日でしたね。さっそく重要ニュースをチェックしていきましょう!
米FOMC、政策金利を据え置き – パウエル議長は利下げに慎重姿勢
米連邦準備制度理事会(FRB)は30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決定しました。注目すべきは、ボウマン副議長とウォラー理事の2名が0.25%ポイントの利下げを支持して反対票を投じたこと。FOMCでの反対票は1993年以来、実に32年ぶりの出来事です。
声明では「純輸出の変動が引き続きデータに影響を与えているものの、最近の指標は今年の上半期の経済活動の伸びが緩やかになったことを示している」と景気判断をわずかに下方修正しました。
パウエル議長は記者会見で「9月については何も決めていない」と述べ、早期利下げに慎重な姿勢を示しました。特に「関税によるインフレへの影響はまだ初期段階」と指摘し、トランプ大統領からの強い利下げ圧力にも屈しない構えを見せています。
市場では、パウエル議長の発言を受けて、9月の利下げ確率は約6割から5割程度に低下。米長期金利は上昇し、ドル買いが進行しました。皆さんが気になる今後の米国の金融政策、予想よりも慎重なペースになりそうですね。
米GDP、4-6月期は年率3.0%増と予想上回る回復 – 輸入急減が寄与
米商務省が30日に発表した2025年4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率3.0%増となり、市場予想(2.4%増)を上回りました。1-3月期の0.5%減からプラスに転じた形です。
この回復の主な要因は輸入の急減にあります。前期にトランプ政権の関税発動を前にした駆け込み輸入が増えていた反動として、輸入が30.3%も減少。その結果、貿易赤字が縮小し、成長率を4.99ポイントも押し上げました。
一方で、GDP全体の約7割を占める個人消費は前期比年率1.4%増で、前期(0.5%増)からやや加速したものの、力強さには欠ける内容でした。また、企業の設備投資も4.8%増と、前期(23.7%増)から大きく鈍化しています。
トランプ大統領はこの結果を受けて「第2四半期のGDPが今出た。3%、予想よりもずっと良い!『遅すぎる男(パウエル議長)』は今すぐ金利を引き下げろ」とSNSに投稿し、利下げ圧力を強めています。
GDP数字だけを見れば好調に見えますが、内訳をよく見ると国内需要は弱い傾向にあります。表面的な数字に惑わされず、内容をしっかり分析することが大切ですね。
ドル円相場、149円台後半まで上昇 – 日米金利差拡大で150円台視野に
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円相場は、前日比1円の円安・ドル高となる1ドル=149円45~55銭で取引を終えました。一時は149円53銭と、4月上旬以来約4カ月ぶりの円安・ドル高水準を記録しています。
この円安進行の背景には、米国の4-6月期GDP速報値が予想を上回る年率3.0%増となったことや、FRB議長が記者会見で利下げに慎重な姿勢を示したことで米長期金利が上昇したことがあります。日米金利差の拡大観測が強まり、円売り・ドル買いが加速しました。
また、日銀が31日の金融政策決定会合で政策金利を0.5%で据え置く中、2025年度のインフレ見通しを2.2%から2.7%へと上方修正しました。しかし、当面の追加利上げには慎重姿勢を示しているため、さらなる円安要因となっています。
市場では日銀が年内に0.25%ポイントの追加利上げを行う可能性を約7割と見込んでいますが、日米の金利差が縮まらない限り、円安傾向が続く可能性が高そうです。円を持つ私たちにとっては輸入物価上昇が懸念されますね。
WTI原油、71ドル台に3日続伸 – 米欧経済指標の改善や供給懸念で
30日のWTI原油先物価格は前日比1.014ドル高(+1.45%)の71.115ドルで取引を終え、3営業日連続で上昇しました。
この上昇の主な要因は、米国とユーロ圏の四半期GDP発表がともに市場予想を上回ったことで、主要国経済の堅調さが確認され、原油需要の拡大期待が高まったことです。
また、米国によるロシアへの経済制裁強化観測も供給懸念を呼び、価格上昇要因となっています。トランプ大統領が31日、インド製品に対し25%の関税を課すと発表し、同時に「ロシアから原油を購入しているため追加制裁金を課す」と述べたことも市場の注目を集めました。
原油価格の上昇は、ガソリン価格など私たちの生活コストにも影響してきますので、今後の動向に注意が必要です。世界経済の先行きが不透明な中、エネルギー価格の変動は家計への影響も大きいですね。
今後の注目ポイント
- 日銀総裁会見(7月31日): 植田日銀総裁の会見での発言、特に追加利上げへのスタンスが市場に大きな影響を与えるでしょう。
- 米PCEデフレーター(7月31日): FRBが重視するインフレ指標の結果が、今後の金融政策の方向性を占う重要な材料となります。
- 米雇用統計(8月2日): 労働市場の強さを示す重要指標。FOMCの9月会合での利下げ判断に影響します。
- 日米貿易交渉の進展: トランプ政権の通商政策が今後の両国経済にどのような影響を与えるかが注目されます。
- 原油市場の需給バランス: トランプ政権の対ロシア・対インド制裁の詳細と、それが原油供給に与える影響に注目です。
編集部からのコメント
今回のFOMC会合と日銀決定会合の結果から、日米の金融政策の方向性の違いが鮮明になりました。日銀が物価見通しを上方修正しつつも慎重な姿勢を示す一方、FRBは利下げへの慎重姿勢を強めています。
こうした環境下では、円安傾向がしばらく続く可能性が高く、輸入企業や個人投資家は為替リスク管理を改めて見直す良い機会かもしれません。一方で、輸出関連企業の業績改善期待から日本株式市場にはポジティブな影響も考えられます。
投資判断をする際は、表面的な数字だけでなく、その背景にある経済のファンダメンタルズをしっかり分析することが大切です。特に米GDPの内訳を見ると、国内需要は弱い点に注意が必要ですね。
今後も皆さんの投資判断に役立つ情報を、分かりやすくお届けしていきます!
おわりに
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!明日も朝10時に最新の海外FX・投資関連ニュースをお届けします。皆さんの投資が実りあるものになりますように!
何かご質問やリクエストがありましたら、お気軽にコメント欄にお寄せください。それでは、また明日!
FX編集部 田中








