おはようございます!FX編集部の田中です。
昨日(8月7日)の海外市場は、FRB高官による早期利下げ示唆発言が大きな話題となりました。複数の米金融当局者が経済の転換点を示唆したことで、ドル全面安の展開となり、為替相場に大きな動きが見られました。一方で、株式市場は利下げ期待を好感し、日経平均が約1週間ぶりに41,000円台を回復するなど、堅調な推移を見せています。
それでは、昨日の主要なニュースを重要度順にお伝えいたします。
FRB高官発言でドル円急落、年内2回利下げ期待が高まる
昨日最も注目を集めたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)高官による相次ぐ発言でした。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「関税の影響が明確になるまで、短期的にフェデラルファンド(FF)金利の調整を開始することが適切になる可能性がある」と述べ、近い将来の利下げ実施に前向きな姿勢を示しました。
また、FRBのクック理事は7月雇用統計で大幅な下方修正が行われたことについて、「懸念すべき内容で、雇用データの大幅修正は転換点によくみられる傾向だ」と警告を発しました。
これらの発言を受けて、ドル/円は一時146.69円まで下落。市場では5日安値の146.61円前後を試す可能性も意識されており、ドル売り圧力が強まっています。投資家の皆様は、今後のFRB高官発言に引き続き注目していく必要がありそうです。
日経平均41,000円台回復!3日続伸で264円高
日本株市場では、嬉しいニュースが飛び込んできました。日経平均株価が前日比264.29円高の41,059.15円で取引を終了し、7月31日以来約1週間ぶりに41,000円台を回復しました。
取引時間中には一時41,164円まで上昇し、上げ幅は300円を超える場面もありました。前日の米国株高に加え、欧米株に対する日本株の出遅れ感が買い材料となったようです。
興味深いのは、ドル/円が軟調に推移する中でも日本株が上昇したことです。これは企業業績への期待や、海外投資家による日本株見直しの動きが背景にあると考えられます。投資家の皆様にとって、明るい材料と言えるのではないでしょうか。
英中銀が0.25%利下げ実施、政策金利は4.0%に
イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は、予想通り政策金利を0.25ポイント引き下げて4.0%に決定しました。これは四半期に1回のペースでの利下げ継続となります。
BOEは、インフレ率が1年5カ月ぶりの高水準になったものの、国内総生産(GDP)が前月比で2カ月連続マイナスとなったことや失業率の上昇を重視した判断を下しました。ベイリー総裁は直近のインフレ加速について「一時的」との見解を示しており、段階的な利下げ方針を維持する構えです。
ポンドへの影響も気になるところですが、市場では今回の決定がほぼ織り込まれていたため、大きな変動は見られませんでした。
中国が国債利息収入への課税を30年ぶりに再開
中国から重要な政策変更のニュースが入りました。中国財政省は本日(8月8日)から、国債・地方債・金融債の新規発行分について、利息収入への増値税(付加価値税)課税を再開すると発表しました。
この措置は約30年ぶりのもので、中国債券市場に大きな構造変化をもたらす可能性があります。既発債は課税対象外となるため、新発債と既発債の利回り格差が5-10ベーシスポイント(bp)程度拡大すると予想されています。
中央・地方政府および金融機関の債券発行残高は中国全体の約70%を占めるため、この変更の影響は相当大きなものになりそうです。
今後の注目ポイント
本日以降、以下の点にご注目ください:
📊 経済指標
- 米新規失業保険申請件数(本日21:30発表予定)
- 米4-6月期単位労働コスト・速報値
🎙️ 要人発言
- ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- その他FRB高官による発言
🔍 市場動向
- ドル/円の5日安値146.61円前後のブレイクの可否
- 日経平均の41,000円台定着の可否
- 中国債券市場の新税制導入後の動向
編集部からのコメント
昨日は、FRB高官発言によるドル安が最大のテーマとなりました。特に注目すべきは、複数の高官が同じような認識を示したことです。これは偶然ではなく、FRB内部で利下げに向けたコンセンサスが形成されつつある可能性を示唆しています。
一方で、日本株の堅調な推移は、円安効果への期待だけでなく、企業業績や構造的な競争力向上への期待も反映していると考えられます。投資家の皆様には、短期的な為替変動に一喜一憂することなく、中長期的な視点での投資判断をお勧めいたします。
また、中国の債券課税再開は、アジア全体の金融市場に波及効果をもたらす可能性があります。今後の動向を慎重に見守っていく必要があるでしょう。
本日も一日、良いトレードを! 何かご質問やご意見がございましたら、お気軽にお声かけください。
FX編集部 田中








