皆さま、おはようございます。FX編集部の田中です。
8月12日(月)の海外市場は、米関税政策への期待感とオーストラリアの金融緩和を受けて、全体的にリスクオン(積極的な投資姿勢)の展開となりました。特に日本時間の夜間に発表された米消費者物価指数(CPI)への警戒感もあり、投資家の皆さまにとっては注目の一日だったのではないでしょうか。
それでは、昨夜から今朝にかけての重要なニュースを確認していきましょう。
重要ニュース解説
オーストラリア中央銀行が2年ぶりの利下げを決定
オーストラリア準備銀行(RBA)は12日の理事会で、政策金利を0.25%引き下げて3.60%とすることを全会一致で決定いたしました。この利下げは2年ぶりの低水準となります。
決定の背景には、インフレ率の鈍化と労働市場の減速があります。ブロック総裁は理事会後の会見で「さらに数回の利下げを想定している」と発言し、追加緩和に前向きな姿勢を示しました。ただし「不確実性の高まりを踏まえ慎重な見通しを維持する」とも述べており、データ次第の対応となりそうです。
豪ドル/円は一時的に下落したものの、その後は回復基調を見せています。商品通貨をお取引の皆さまは、今後の豪州経済指標にご注意ください。
米7月CPI発表を控えて市場は警戒モード
米労働省が12日21時30分(日本時間)に発表予定の7月消費者物価指数(CPI)への注目が高まっています。市場予想では前年同月比+2.8%(前月+2.7%)、コアCPIは+3.0%(前月+2.9%)とインフレ加速が見込まれております。
特に今回は、トランプ政権による関税措置の影響と、統計局長解任後初の重要指標発表ということもあり、例年以上に注目度が高い状況です。
11日のNYダウは200ドル超の下落となり、警戒感が表れています。ドル円は148円台で推移しており、CPI結果次第では9月FOMC会合での利下げ観測に大きな影響を与える可能性があります。
金価格が関税懸念後退で急落
COMEX金先物12月限は前週末比2.5%安の1オンス=3,404.70ドルで取引を終了いたしました。
下落の要因は、トランプ大統領が「金は関税の対象にならない」と発言し、金に対する関税懸念が払拭されたことです。3営業日ぶりの下落で、前週まで続いていた上昇トレンドが一服した形となります。
金をヘッジ目的で保有されている投資家の皆さまは、今後の米インフレ動向と実質金利の推移にご注目ください。
原油価格が持ち高調整で小幅上昇
WTI原油先物は前日比0.08%上昇の1バレル=63.97ドルで推移しています。7営業日連続で下落していたことから、持ち高調整の買いが入った形です。
ただし上昇幅は限定的で、世界経済の先行き懸念が重石となっている状況に変わりはありません。エネルギー関連の投資をお考えの皆さまは、今後の在庫統計にもご注意ください。
今後の注目ポイント
短期的な注目点:
- 米7月CPI結果:予想上振れの場合、9月利下げ観測に影響する可能性
- 日経平均の動向:史上最高値更新後の持続性と調整リスク
- 豪ドルの反応:RBA利下げ後の通貨動向と追加緩和期待
中長期的な注目点:
- 米関税政策の具体的影響:企業業績への実際の波及効果
- 各国中央銀行の政策スタンス:金融緩和サイクルの広がり
- 地政学リスク:安全資産需要への影響
編集部からのコメント
本日は特にオーストラリアの金融緩和が際立ったニュースでした。世界的に金融緩和の流れが広がる中、各国の経済情勢を総合的に判断することがより重要になってきています。
米CPIの結果次第では、今後のドル円の方向性に大きな影響を与える可能性があります。短期的なボラティリティ(価格変動)の拡大にご注意いただきながら、リスク管理を徹底してお取引ください。
また、日本株の史上最高値更新は明るいニュースですが、過度な楽観は禁物です。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づいた冷静な判断を心がけましょう。
それでは、本日も良いお取引を!
市場は常に変化し続けています。最新の情報を確認しながら、安全なお取引を心がけてください。
何かご質問やご不明な点がございましたら、お気軽にお声かけくださいね。皆さまの投資が実り多きものとなりますように!
FX編集部 田中








