皆さん、おはようございます。FX編集部の田中です。
昨日(8月13日)の海外市場は、ベッセント米財務長官の発言が大きな波紋を呼び、金融市場全体を揺さぶる展開となりました。米国株は史上最高値を更新する一方で、為替市場では円が大幅高となり、本日の東京市場にも大きな影響を与えそうです。
それでは、昨夜の重要なニュースを順番に見ていきましょう。
重要ニュース
ベッセント米財務長官が異例の発言、9月大幅利下げを要求
昨日最大の注目を集めたのは、ベッセント米財務長官のブルームバーグTVでの発言でした。財務長官は「FRBの政策金利は現在より1.5~1.75%低くあるべきだ」と述べ、9月のFOMCでは通常の倍にあたる0.5%の利下げが望ましいとの考えを示しました。
さらに注目すべきは、同長官が日銀の植田総裁との会談を明かし、「日銀は後手に回っている。利上げをしてインフレをコントロールする必要がある」と異例の批判を行ったことです。
この発言を受けて、ドル円は147.42円から146.39円まで1円以上の急落となりました。日米金利差の縮小観測が一気に強まった格好です。
米財務長官が他国の中央銀行政策に直接言及するのは極めて異例で、今後の日米関係にも注目が集まります。
米株式市場は史上最高値を連日更新
利下げ期待の高まりを受けて、米株式市場は力強い上昇を見せました。NYダウ平均は前日比463.66ドル高の44,922.27ドルで取引を終え、ハイテク株比率の高いナスダック総合は31ポイント高の21,713ポイントとなりました。
特に注目すべきは、ナスダックとS&P500が2日連続で史上最高値を更新したことです。金利低下による恩恵を受けやすい住宅関連株や、成長株への資金流入が顕著でした。
市場では「FRBが早期に利下げを行い景気を下支えする」との安心感が広がっており、リスクオン的な投資家心理が鮮明になっています。
英国第2四半期GDP、予想を大幅上回る成長
英国立統計局が発表した第2四半期GDPは、前期比0.3%増と市場予想の0.1%を大幅に上回りました。6月単月では0.4%増となり、5月の0.1%減からプラス転換しています。
サービス業、工業生産、建設部門すべてが予想を上回る成長を示し、英国経済の底堅さが確認されました。この結果を受けて、BOE(イングランド銀行)の利下げペース鈍化観測が強まっています。
英ポンドは対円・対ドルで上昇し、英国債利回りも上昇する展開となりました。
IEA月報で原油需給の緩み鮮明、価格は続落
国際エネルギー機関(IEA)が発表した8月の石油市場月報では、2025年の世界石油供給見通しを日量250万バレル増(従来210万バレル増)に上方修正した一方、需要見通しは日量68万バレル増(従来70万バレル増)に下方修正しました。
OPECプラスの増産計画が供給増の主因となる一方、主要国での消費者景況感悪化が需要鈍化の背景にあります。WTI原油先物は62.65ドルまで下落し、需給緩和懸念が価格を圧迫しています。
今後の注目ポイント
9月17-18日のFOMC: ベッセント長官の発言を受けて、0.25%か0.5%かの利下げ幅に注目が集まります。
日銀の対応: 米財務長官の異例の批判を受けて、9月19-20日の日銀会合での政策判断が注目されます。
円高の行方: 日米金利差縮小観測から始まった円高がどこまで進むか、145円台突入の可能性も視野に入ります。
編集部からのコメント
昨日の市場は、まさに「政治が市場を動かした」典型例でした。ベッセント財務長官の発言は、FRBの独立性という観点からも議論を呼びそうです。
特に日銀への直接的な批判は、為替介入の可能性も含めて日本政府の対応が注目されます。トレードする際は、政治的な発言やサプライズにも十分注意を払いたいところですね。
短期的には円高圧力が続きそうですが、米株の堅調さとは対照的な動きが続くかもしれません。
本日もお疲れさまでした
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
東京市場では円高の影響で調整局面に入る可能性がありますが、冷静な判断でトレードに臨んでくださいね。また明日の朝、最新情報をお届けいたします。
良い投資ライフを!
FX編集部 田中








