皆さま、おはようございます!FX編集部の田中です。
昨日(8月29日)の海外市場は、米経済指標の発表ラッシュで大きく動きました。特に米GDP改定値の上方修正とPCE物価指数の結果を受けて、各市場で明暗が分かれる展開となりました。ドル安が進行する中、株式市場は最高値更新、金価格も史上最高値圏での推移と、投資家の皆さまには見逃せない動きが続出しています。
それでは、昨夜の重要ニュースを順番に見ていきましょう。
米GDP改定値3.3%増で株式市場が最高値更新
昨日発表された米4~6月期の実質GDP改定値は、前期比年率3.3%増と速報値の3.0%増から大幅に上方修正されました。市場予想の3.1%増も上回る結果で、米経済の底堅さが改めて確認されました。
この好材料を受けて、NYダウは71.67ドル高の45,636.90ドルで取引を終了し、3日続伸で史上最高値を更新しています。S&P500指数も20ポイント高の6,501ポイントとなり、2日連続での最高値更新となりました。
個人消費が1.6%増、設備投資の大幅改善が成長を押し上げた要因です。投資家の皆さまにとって、米経済の堅調さを示す心強いデータと言えるでしょう。
金価格が3,518ドル台で史上最高値圏に急騰
貴金属市場では、NY金12月限が前日比41.8ドル高の3,516.1ドルで取引を終了しました。日中高値は3,518.5ドルまで上昇し、史上最高値圏での推移となっています。
この急騰の背景には、後述するPCE物価指数の結果を受けた米利下げ観測の拡大があります。ドル安・ユーロ高基調も金価格の押し上げ要因として働きました。
NY白金も8.8ドル高の1,370.5ドル、NY銀は102.0セント高の4,072.3セントと、貴金属全般で上昇が見られました。インフレヘッジ需要の高まりを感じさせる動きですね。
PCE物価指数2.6%で利下げ観測が86%まで上昇
7月の米PCE物価指数は前年比2.6%上昇となり、市場予想と一致しました。コアPCE物価指数も前年比2.9%と市場予想と同水準で、インフレの鈍化傾向が確認されています。
この結果を受けて、CMEのFedWatchツールによる9月FOMCでの利下げ確率は約86%まで上昇しました。市場では「9月の利下げはほぼ確実」との見方が広がっています。
ドル円相場は利下げ観測の拡大でドル売り圧力が強まり、146円台後半での推移となりました。為替トレーダーの皆さまには、来週の雇用統計が利下げ幅(25bpか50bp)を左右するキーイベントとなりそうです。
原油価格は64ドル台に反落、需給緩み観測で
エネルギー市場では、WTI原油10月限が前日比0.59ドル安の64.01ドルで取引を終了しています。
下落要因は主に2つです。まず、米国のドライブシーズン終了に伴う需要の後退。そして、OPECプラスの段階的増産による供給拡大懸念です。OPECプラスは9月7日に10月の生産方針を決定する会合を予定しており、有志8カ国による自主減産の縮小で日量54.7万バレルの増産が既に合意されています。
原油価格の下落は、インフレ鈍化要因として株式市場には好材料となる一方、エネルギー関連銘柄には下押し圧力となりそうです。
今後の注目ポイント
来週の重要イベント
- 9月6日(金):8月米雇用統計
FRBの利下げ幅を左右する最重要指標。ウォラーFRB理事も「次回雇用統計で利下げ規模の見方が変わる可能性」と発言しています。 - 9月7日(土):OPECプラス会合
10月の原油生産方針を決定。増産規模が原油価格に大きく影響します。
注目通貨ペア
- ドル円:利下げ観測でドル安圧力継続、145円台への下落可能性
- ユーロドル:ECB政策との比較で上昇基調維持か
編集部からのコメント
昨日の市場は「良いニュースは株式市場に、利下げ期待は金市場に」という典型的なパターンでした。特に印象的だったのは、GDP上方修正という好材料があっても、PCE物価指数の結果次第でドル安が進行したことです。
これは市場参加者の関心が「経済の強さ」よりも「FRBの政策変更」に向いていることを示しています。来週の雇用統計は、この流れを決定づける重要な指標となりそうです。
投資家の皆さまには、短期的な材料反応に惑わされず、中長期的なトレンドを見極めることをおすすめします。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
週末のトレードプランニングにお役立ていただければ幸いです。
来週月曜日の更新もお楽しみに♪
FX編集部 田中








