皆さま、おはようございます!FX編集部の田中です。週末お疲れさまでした。今朝は2025年9月8日(月)の海外FX・投資関連ニュースをお届けします。
前日の海外市場は、9月5日(金)に発表された米雇用統計の大幅な予想下振れが最大の材料となりました。労働市場の急速な悪化を受けて、米株は下落、米債券は大幅高、ドルは全面安となる展開でした。金価格は史上最高値を更新し、市場では9月FOMCでの利下げが完全に織り込まれる状況となっています。
米雇用統計の大幅悪化でFED利下げ観測が急拡大
9月5日に発表された8月の米雇用統計が市場に大きな衝撃を与えました。非農業部門雇用者数は前月比わずか2.2万人の増加となり、市場予想の15万人を大幅に下回りました。失業率も4.3%に上昇し、約4年ぶりの高水準となっています。
さらに深刻なのは、過去データの下方修正により、6月の雇用者数が2020年以来初めて減少に転じたことです。これを受けて金融市場では、FRBが9月16-17日のFOMC会合で0.25%の利下げを行うことがほぼ確実視されており、年内に計3回(0.75%)の利下げが実施される可能性も高まっています。
この雇用市場の急速な悪化は、米経済の先行きに対する懸念を深めており、投資家の皆さまにとっても注意深く見守る必要がある状況です。
金価格が史上最高値を連続更新、3600ドル突破
米雇用統計の悪化を受けて、金市場には大きな資金流入が見られています。金スポット価格は1オンス=3600.16ドルまで上昇し、過去最高値を更新しました。
金価格上昇の背景には、利下げ観測による実質金利の低下があります。利息を生まない金にとって、金利低下は大きな追い風となります。また、労働市場の急速な悪化による景気後退懸念も、安全資産としての金への需要を押し上げています。
トランプ政権によるFRBへの圧力も、中央銀行の独立性に対する懸念を生み、金への逃避需要を支えている要因の一つです。ゴールドマン・サックスは、FRBの独立性が損なわれた場合、金価格が5000ドル近くまで上昇する可能性があるとの見解を示しています。
米株式市場は下落、景気後退懸念が重し
米株式市場では、雇用統計の悪化を受けて売りが優勢となりました。S&P500指数は前営業日比20.58ポイント(0.32%)安の6481.50で終了し、ダウ工業株30種平均も220.43ポイント(0.48%)下落しました。
投資家の間では、利下げへの期待と景気後退への懸念が交錯しています。利下げは通常株式市場にとってプラス材料ですが、今回のように雇用市場の急激な悪化を背景とした利下げは、経済の先行きへの不安を高める結果となっています。
特に労働集約的な業種や景気敏感株に売り圧力がかかっており、市場センチメントの悪化が見られます。今後の経済指標の動向が、株式市場の方向性を左右する重要な要因となりそうです。
原油価格は3日続落、OPECプラス増産観測で下落
原油市場では弱い流れが続いており、WTI先物は前日比1.61ドル(2.5%)安の61.87ドルで終了しました。週間では3.3%の下落となり、5月以来の安値水準まで売り込まれています。
下落の主因は、9月7日に予定されているOPECプラス会合で、サウジアラビアが追加の増産を求めているとの報道です。世界市場シェアの奪回を目指すサウジアラビアは、価格下落を生産量増加で相殺するため、さらなる増産を望んでいるとされています。
また、米経済の減速懸念も原油需要の下押し要因となっており、供給過剰と需要減少の両面から原油価格に下落圧力がかかっている状況です。
今後の注目ポイント
- 9月16-17日 FOMC会合: 利下げ幅(0.25%か0.5%か)とパウエル議長の記者会見
- 9月11日 ECB理事会: 欧州の金融政策動向
- 今週の米経済指標: CPI、小売売上高など追加の経済データ
- OPECプラス会合結果: 原油市場への影響
- 日本の政治動向: 石破首相退陣表明を受けた自民党総裁選の行方
編集部からのコメント
今回の米雇用統計は、市場予想を大幅に下回る内容で、改めて経済指標の重要性を実感させられました。特に投資家の皆さまには、雇用市場の動向が金融政策や市場全体に与える影響の大きさを再認識していただければと思います。
利下げ観測の高まりは一見ポジティブに見えますが、その背景にある経済の実態にも目を向ける必要があります。今週のFOMCまでは市場のボラティリティが高まる可能性があるため、リスク管理を徹底していただければと思います。
本日も一日、安全で収益性の高いトレードを心がけてくださいね!何かご質問がございましたら、いつでもお気軽にお声かけください。
FX編集部 田中








