【2025年10月27日】最新海外FX投資ニュース

おはようございます!FX編集部の田中です。

週明けの市場は、週末の米中貿易協議の進展を受けて、リスクオンの動きが鮮明となりました。日経平均が史上初の5万円台に到達するなど、グローバル市場全体が活気づいた一日となっています。本日も投資家の皆様にとって有益な情報をお届けしてまいります。

それでは、前日の主要ニュースを見ていきましょう。


目次

日経平均が史上初の5万円突破!

 米中貿易摩擦緩和と高市政権への期待から、日経平均が史上初めて5万円台に到達し、終値は50,512円32銭となりました。

10月27日の東京株式市場で、日経平均株価が前営業日比1,212円67銭高(+2.46%)の50,512円32銭で取引を終了しました。これは終値ベースで史上初めて5万円の大台を突破する歴史的な瞬間となりました。

上昇の背景

今回の大幅上昇には、複数の好材料が重なりました。

まず、前週末24日の米国株式市場で主要3指数が揃って最高値を更新したことが大きな追い風となりました。ダウ工業株30種平均は472ドル高の47,207ドル、S&P500指数は6,791ポイント、ナスダック総合指数は23,204ポイントと、いずれも史上最高値を更新しています。

さらに、米中の貿易協議で実質的な枠組み合意が発表され、トランプ政権が警告していた100%追加関税の見送りが明らかになったことで、世界経済への懸念が大幅に後退しました。

国内要因としては、高市早苗首相の積極財政路線「サナエノミクス」への期待感が高まっていることも見逃せません。高い内閣支持率を背景に、外国人投資家が日本株を積極的に買い上げている様子がうかがえます。

市場への影響

日経平均の5万円突破は、単なる数字の節目を超えた意味を持ちます。構成銘柄の騰落数は値上がり200銘柄、値下がり25銘柄と圧倒的な買い優勢となっており、市場全体に買いが波及していることが確認できます。

この動きは為替市場にも影響を及ぼし、円キャリートレードの再活発化により円安圧力が増大しています。

今後の展開

市場関係者の間では、5万円台が定着するかどうかが最大の関心事となっています。野村證券では、2026年末にS&P500が7,200まで上昇するとの見通しを発表しており、日本株にも引き続き上昇余地があるとの見方が広がっています

ただし、10月30日に控える日銀金融政策決定会合での政策判断や、同日の米中首脳会談の結果次第では、調整局面に入る可能性もあるため、注意深く見守る必要があります。


米中が貿易協定の枠組みで合意、100%関税を回避

 ベッセント米財務長官が米中閣僚級協議で「実質的な枠組み」に到達したと発表し、100%追加関税の見送りとレアアース規制の1年延期で合意しました。

世界経済最大のリスクとされていた米中貿易摩擦に、大きな進展がありました。

合意の内容

10月26日、マレーシアのクアラルンプールで開催された5度目の米中貿易閣僚級協議において、ベッセント米財務長官は「非常に実質的な枠組み(very substantial framework)」に到達したと発表しました。

具体的には、中国側がレアアース(希土類)の輸出規制を1年間延期することを約束し、これを受けて米国はトランプ大統領が警告していた中国製品に対する100%追加関税の発動を見送る方向となりました。

トランプ大統領自身も「中国と合意に達することに楽観的だ」とコメントしており、10月30日に韓国で予定されている米中首脳会談では「完全なディール」が実現する可能性が高まっています。

市場の反応

この合意発表を受けて、グローバル市場は明確なリスクオンモードに転じました。

原油市場では、世界経済への懸念後退から需要見通しが改善し、WTI原油先物は6営業日連続で上昇、1バレル=61.96ドル(+0.75%)となりました。

株式市場では、中国株を含むアジア全域で買いが優勢となり、為替市場ではドル円が153円台に上昇するなど、円売りが加速しています。

注意すべきポイント

ただし、今回の合意はあくまで「枠組み」であり、具体的な詳細は今後の交渉で詰められることになります。10月30日の首脳会談が最大の山場となりますので、その結果を見極める必要があります。

また、米通商代表部(USTR)は第1段階貿易協定の履行状況に関する調査を開始しており、中国側の約束履行が引き続き焦点となることは変わりません。


米国株主要3指数が揃って最高値更新

 9月CPIが市場予想を下回ったことから利下げ期待が高まり、10月24日に米国株主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。

前週末の米国株式市場は、投資家にとって理想的な展開となりました。

各指数の動き

10月24日(金)の取引では、以下の通り主要3指数すべてが最高値を更新しました:

  • ダウ工業株30種平均:前日比472.51ドル高(+1.01%)の47,207.12ドル
    • 初めて47,000ドル台を突破
  • S&P500指数:前日比53.25ポイント高(+0.79%)の6,791.69ポイント
  • ナスダック総合指数:前日比263.07ポイント高(+1.14%)の23,204.87ポイント

上昇の要因

最大の材料は、9月の米CPI(消費者物価指数)が前年比+2.1%と、市場予想の+2.3%を下回ったことです。インフレ鈍化が確認されたことで、FRB(連邦準備制度理事会)による年内再利下げへの期待が一気に高まりました。

セクター別では、情報技術が+1.6%と最も上昇率が高く、全11業種中6業種が上昇する広範な買いとなりました。

FOMCへの期待

市場は現在、10月28-29日に開催されるFOMC会合での0.25%(25bp)利下げをほぼ100%織り込んでいます。9月の0.50%利下げに続く2会合連続の緩和となる見込みで、政策金利は4.50-4.75%から4.25-4.50%へ低下すると予想されています。

パウエルFRB議長の記者会見で、年内追加利下げの可能性について前向きな発言があれば、さらなる株価上昇の材料となる可能性があります。

投資家の皆様におかれましては、今週のFOMC会合が最大の注目イベントとなりますので、結果発表と議長会見を注意深くフォローされることをお勧めします。


円が対ユーロで史上最安値178円台を記録

 リスクオン環境で円キャリートレードが活発化し、ユーロ円は178円台と1999年のユーロ誕生以降の史上最安値を更新しました。

為替市場では、円の全面安が鮮明となっています。

最安値更新の背景

10月27日の東京外国為替市場で、円相場は対ユーロで1ユーロ=178円台をつけ、1999年の単一通貨ユーロ誕生以降の最安値を更新しました。

この円安には、複数の要因が重なっています。まず、米中貿易協議の進展により世界経済への懸念が後退し、リスクオン環境となったことで、低金利の円が売られやすい状況となりました。

また、ECB(欧州中央銀行)に関しては、複数のECB当局者が追加利下げ終了を示唆しており、10月30日の理事会では金利据え置きが予想されています。一方、日銀も同日の金融政策決定会合で据え置きが大勢予想(利上げ確率は約10%)となっており、日欧金利差が円安を後押ししています。

ドル円の動き

ドル円も153円台前半に上昇しており、円は主要通貨に対して全面安の様相を呈しています。高市政権の積極財政姿勢が円安を容認しているとの見方も、円売り圧力を強めている要因の一つです。

影響と今後の見通し

円安は輸出関連企業の収益改善につながるため、日本株には追い風となります。実際、本日の日経平均5万円突破の一因にもなっています。

一方で、輸入物価の上昇により国内のインフレ圧力が高まる可能性があり、日銀の金融政策正常化のペースにも影響を与える可能性があります。

10月30日のECB理事会と日銀会合での政策決定と、両総裁の記者会見での発言が、今後のユーロ円の方向性を占う上で極めて重要となります。特に、日銀の植田総裁が12月会合での利上げ可能性について言及するかどうかが注目されます。


今週の注目ポイント

今週は主要中央銀行の金融政策決定会合が集中する、極めて重要な一週間となります。投資判断に直結する情報が相次いで発表されますので、しっかりと押さえておきましょう。

10月28日(火)

  • 日米首脳会談(ワシントン)
    • 高市首相とトランプ大統領の初会談
    • 貿易・安全保障問題が議題に

10月28-29日(火-水)

  • FOMC(米連邦公開市場委員会)
    • 0.25%利下げがほぼ確実視(市場織り込み度:約100%)
    • パウエル議長の記者会見で年内追加利下げの可能性に言及があるか注目
    • 量的引き締め(QT)終了時期のガイダンスも焦点

10月30日(木)

  • 米中首脳会談(韓国)
    • 「完全なディール」実現への期待
    • 貿易協定の具体的内容が明らかに
  • 日銀金融政策決定会合+展望レポート
    • 政策金利0.25%の据え置き予想が大勢
    • 植田総裁の記者会見で12月利上げの可能性に言及があるか
    • 為替相場への見解も重要
  • ECB理事会
    • 政策金利据え置き予想(預金ファシリティ金利3.25%維持)
    • ラガルド総裁の会見で利下げサイクル終了が確認されるか

その他の重要指標

  • 10月27日(月):米9月耐久財受注
  • 10月28日(火):米10月コンファレンスボード消費者信頼感指数

編集部からのコメント

本日の市場は、まさに「リスクオン」という言葉がぴったりの展開となりました。

日経平均の5万円突破は、多くの市場関係者が予想していたよりも早い達成となりました。米中貿易摩擦という世界経済最大のリスクが後退したことで、投資家心理が大きく改善したことが背景にあります。

ただし、皆様にお伝えしたいのは、「今週は極めて重要なイベントが続く」という点です。特に10月30日は、米中首脳会談、日銀会合、ECB理事会という3つの重要イベントが重なる、非常に稀な日となります。

この日の結果次第で、今後数カ月の市場の方向性が決まると言っても過言ではありません。日銀が想定外の利上げを実施したり、米中首脳会談が不調に終わったりすれば、現在のリスクオンムードが一転する可能性もあります。

FOMCでの0.25%利下げはほぼ確実視されていますが、重要なのはその後のガイダンスです。パウエル議長が年内追加利下げについてどのようなトーンで語るかによって、ドル相場や米国株に大きな影響が出る可能性があります。

投資家の皆様におかれましては、ポジション管理を慎重に行いながら、今週の一連のイベントを注視していただくことをお勧めします。特に、レバレッジを効かせた取引をされている方は、予想外の展開に備えてリスク管理を徹底してください。

円安についても、178円という歴史的な水準に達しています。日本政府・財務省が為替介入を検討する可能性も完全には排除できませんので、急激な円高反転リスクにも留意が必要です。

とはいえ、現時点では「cautiously optimistic(慎重ながら楽観的)」なスタンスで市場を見守るのが適切かと思います。


それでは、本日も良い一日をお過ごしください。市場の動きをしっかりとフォローしながら、賢明な投資判断をされることを願っております。

何かご不明な点やご質問がございましたら、お気軽に編集部までお問い合わせください。

FX編集部 田中

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