おはようございます!FX編集部の田中です。
昨日の海外市場では、41日間も続いていた米政府機関の閉鎖がようやく解除に向けて大きく前進しました。米上院がつなぎ予算案を可決したことで、市場全体にリスクオンムードが広がり、ドル円は9カ月ぶりの高値となる154円台まで上昇しています。
本日は、この政府閉鎖解除の動きを中心に、欧州の金融政策、商品市場の動向など、トレードに役立つ重要ニュースをお届けします。
本日の重要ニュース
【最重要】米政府機関閉鎖が41日目で解除へ、ドル円は154円台で9カ月ぶり高値を更新
米上院は10日夜、連邦政府閉鎖を終わらせるためのつなぎ予算案を賛成60、反対40で可決しました。史上最長となった41日間の政府閉鎖に、ようやく終止符が打たれる見通しとなっています。
この動きを受けて、11日の東京市場では朝方からドル買いが優勢となり、ドル円は一時154.49円まで上昇しました。これは今年2月以来、実に9カ月ぶりの高値更新です。17時時点でも154円19~20銭と、前日比15銭の円安水準を維持しています。
つなぎ予算案には、来年1月30日までの予算措置が盛り込まれており、農務省、退役軍人省、食品医薬品局(FDA)などへの予算が確保されます。また、政府閉鎖中に給与が支払われなかった連邦職員への給与支払いや人員削減禁止も含まれています。
下院での採決は12日に予定されており、トランプ大統領も法案への支持を表明していることから、可決の公算が大きいと見られています。
**市場では「リスクオンの円売り」の動きが鮮明で、低金利の円を売ってドルを買う流れが加速しました。**国内銀行のストラテジストからは「上値の重さを確認していったん軟化したものの、方向性は上」との声が聞かれています。
ただし、片山財務相による円安けん制発言や、米国側からの円安是正要求への思惑もあり、「さらに円安方向には攻めづらい」との慎重な見方も出ています。
📊 今後の注目ポイント
- 12日の米下院採決の結果(可決されれば政府機関が正式に再開)
- ドル円155円の心理的節目突破の可否
- 2024年高値161.96円と2025年高値158.88円を結ぶ上値抵抗線(154円半ば)の動向
【重要】ECB専務理事「インフレリスク均衡、現行金利は適切」と発言
欧州中央銀行(ECB)のエルダーソン専務理事が、スペイン紙エクスパンシオンのインタビューで注目すべき発言を行いました。
通常、金融政策についてあまりコメントしない同専務理事ですが、今回は「インフレが予想より上振れ、あるいは下振れするリスクは均衡している」と明言し、「総じて、インフレ率が中期的に目標の2%に収束するのを見ている」との見解を示しています。
また、オーストリア中銀のコッハー総裁も11日、「ECBの金利は今後数カ月は動きないと予想」とコメントしており、当面は金利据え置きの姿勢が続く見通しです。
この発言は、ECBが現在の政策金利水準に満足していることを示唆しており、市場では当面の追加利下げ観測が後退する可能性があります。
📊 今後の注目ポイント
- 次回ECB理事会(12月)での政策判断
- ユーロ圏のインフレ率推移(目標2%への収束状況)
- ユーロドルの方向性(1.08~1.10レンジでの推移が継続か)
【重要】金価格が4日続伸、米利下げ観測と景気減速懸念で2週間ぶり高値
11日の国内商品市場で金先物が4日続伸し、中心限月は10月下旬以来の高値圏に達しました。NY金先物も前日比2.80%高と大幅上昇で終了しています。
金価格上昇の背景には、米連邦準備理事会(FRB)の12月利下げ観測が高まっていることがあります。金利が付かない金にとって、政策金利の低下は投資魅力を高める材料となります。
また、一連の経済指標が世界的な景気減速懸念を強めたことも、安全資産としての金需要を喚起しました。米政府機関閉鎖の長期化による不透明感も、金買いを後押ししています。
円安が進行していることから、国内の円建て金価格は一段と上昇しており、国内投資家にとっては魅力的な水準となっています。
📊 今後の注目ポイント
- FRBの12月FOMC会合での利下げ判断
- 米雇用統計など主要経済指標の動向
- 金価格の心理的節目(1オンス=2,200ドル)突破の可否
【注目】日経平均は小反落68円安、AI関連株に売り圧力
11日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に反落し、終値は前日比68円83銭(0.14%)安の5万0842円93銭でした。
前日の米株高を受けて、寄り付きは402円高の5万1314円と続伸してスタートしましたが、買いが一巡すると徐々に上値が重くなり、午後には下げに転じました。
特にアドバンテスト(6857)が4%下落するなど、半導体関連の値がさ株に売りが集中しました。市場では「米政府再開を見越した持ち高調整の動き」との指摘が聞かれています。
ただし、TOPIX(東証株価指数)は小幅続伸しており、全体としては底堅い動きを維持しています。売買高は24億2797万株(東証プライム概算)と、標準的な水準でした。
📊 今後の注目ポイント
- 米半導体企業の決算発表(エヌビディアなど)
- 国内企業の第3四半期決算の本格化
- 日経平均5万円の心理的サポートライン維持の可否
【注目】原油価格は調整局面、供給過剰懸念で60ドル割れに軟化
NY原油先物12月限(WTI)は前日、米政府閉鎖解除への期待を背景に60.13ドル(+0.38ドル、+0.64%)で終了しました。しかし、11日の東京時間16時時点では59.87ドル(-0.26ドル、-0.43%)と反落しています。
背景には、供給過剰懸念と世界的な需要減退があります。2025年に入ってから原油価格は依然として損失を被っており、株高の動きが一巡したことで利益確定売りが出ました。
国内原油先物(2026年4月物)は前日比20円高の6万1110円で寄り付いた後、もみ合いの展開となっています。
原油価格の低位安定は、航空・物流業界にとってはコスト抑制の好材料となる一方、エネルギー関連企業の業績には逆風となります。
📊 今後の注目ポイント
- OPEC+の生産方針(減産維持か増産か)
- 中国の原油需要動向(景気回復の進展状況)
- WTI原油60ドルの心理的節目維持の可否
今後の注目ポイント
【短期:今週の重要イベント】
- 11月12日(水) 米下院でのつなぎ予算案採決(政府機関再開の最終関門)
- 11月13日(木) 米国の経済指標発表(小売売上高、新規失業保険申請件数など)
- 英雇用統計の発表
【中期:今月の注目】
- FRBの12月FOMC会合に向けた利下げ観測の動向
- 日銀の次回利上げ時期の思惑(来年1月説が有力)
- 国内企業の第3四半期決算発表の本格化
- ドル円155円の心理的節目突破の可否
【テクニカル面】
- ドル円:154円半ば(上値抵抗線)を突破できるかが焦点
- 日経平均:5万円の心理的サポートラインを維持できるか
- 金:1オンス=2,200ドルの節目への挑戦
編集部からのコメント
昨日の市場は、まさに「政治が市場を動かした一日」でしたね。41日間も続いた米政府機関の閉鎖がようやく解除に向かい、市場全体に安堵感が広がりました。
特にドル円の動きは印象的で、154円台まで上昇したのは9カ月ぶりのことです。リスクオンムードの中、低金利の円が売られる流れは当面続きそうですが、155円の心理的節目や、日本政府の円安けん制発言には注意が必要です。
一方で、金価格が4日続伸しているのは、市場参加者の間に景気減速への警戒感が根強く残っていることを示しています。株高とゴールド高が同時進行するのは少し不思議な感じもしますが、これは「政府再開への安心感」と「景気減速への懸念」が併存している現在の市場心理を反映しているのかもしれません。
本日12日の米下院採決は非常に重要です。トランプ大統領も支持を表明しており可決の公算は大きいですが、万が一否決されれば市場は混乱する可能性があります。注意深く見守りましょう。
リスク管理を徹底しながら、冷静なトレードを心がけてくださいね。
用語解説コーナー
つなぎ予算(Continuing Resolution)
正式な予算が成立するまでの間、政府機関の運営を継続するための暫定的な予算措置です。通常、数週間から数カ月の期限が設定されます。
リスクオン/リスクオフ
リスクオンは、投資家がリスクを取りやすい心理状態で、株式や新興国通貨などリスク資産が買われる状況。リスクオフはその逆で、安全資産(円、金、米国債など)が選好されます。
上値抵抗線(レジスタンスライン)
過去の高値同士を結んだ線で、価格がこの水準に達すると売り圧力が強まり、上昇が止まりやすくなるテクニカル指標です。
それでは、本日も良いトレードを!
相場の変動には十分ご注意くださいね。
FX編集部 田中
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