おはようございます!FX編集部の田中です。
11月12日火曜日の朝を迎えました。昨日の海外市場は、米政府閉鎖終了への期待が高まる中、リスクオン相場が展開されました。NYダウが史上最高値を更新する一方で、為替市場では円安が全面的に進行し、ユーロ円が史上初の179円台に到達するなど、大きな動きが見られました。
本日も重要なニュースをしっかりお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
ニュース1: NYダウが史上最高値更新、559ドル高で47,927ドルに
11月11日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比559.33ドル(1.18%)高の47,927.96ドルと大幅に上昇し、3日続伸で終値ベースの史上最高値を更新しました。
この上昇の背景には、10月初旬から続いていた過去最長53日間の政府機関閉鎖が終了に向かうとの期待があります。米上院が11月10日につなぎ予算案を賛成60票、反対40票で可決し、下院での採決が日本時間13日午前6時に予定されています。予測市場プラットフォームのポリマーケットでは、週内の解決が完全に織り込まれている状況です。
一方で、ナスダック総合指数は58.87ポイント(0.25%)安の23,468.30ポイントと反落しました。ソフトバンクグループがエヌビディアの全株式を58億ドルで売却したことが明らかになり、エヌビディアは約3%下落。さらにAIインフラ企業のコアウィーブが通期売上高予想を下方修正し16%超急落するなど、AI関連株に割高バリュエーション懸念が再燃しています。
市場への影響ポイント:
- 政府再開により、遅れていた経済指標の発表が再開される見通し
- ハイテク株から伝統的な景気敏感株への資金シフトの可能性
- 本日の日経平均は米株高を好感し、51,000円台が視野に
投資家の皆様にとっては、AI関連株の調整局面が押し目買いのチャンスになるのか、それとも更なる調整が続くのか、見極めが重要になりそうですね。
ニュース2: ユーロ円が史上最高値を更新、179円台に到達
本日の東京為替市場では、ユーロ円が179円05銭まで上昇し、ユーロ成立後初めて179円台に到達しました。178円90銭での史上最高値更新に続く記録的な円安水準です。ドル円も154円77銭まで上昇し、円売りが全面的に優勢な展開となっています。
この円安進行の主要因は、米上院のつなぎ予算案可決を受けた政府機関閉鎖終了への期待です。リスク選好姿勢が強まったことで、安全資産とされる円が売られ、ドルやユーロなどの主要通貨が買われる展開になりました。
ただし、午後には片山財務相が「足元は為替の一方的で急激な動きがみられる」「円安のマイナス面が目立ってきた」と発言し、ドル円は154円79銭から154円60銭付近まで約20銭下落する場面もありました。政府の為替介入への警戒感が市場に広がっています。
市場への影響ポイント:
- 輸入企業の原材料コスト上昇により、企業収益へのマイナス影響
- 155円の心理的節目到達時の政府・日銀の対応に注目
- 円安による国内インフレ圧力の高まり
ここまでの円安進行は、海外旅行や輸入品の価格上昇として私たちの生活にも影響してきますので、今後の政府の動きには注視が必要です。
ニュース3: 片山財務相が円安を牽制「マイナス面が目立ってきた」
本日の参議院予算委員会で、片山さつき財務相が外国為替市場での円安進行について重要な発言を行いました。
「経済への影響はプラス面とマイナス面があるが、マイナス面が目立ってきたことは否定できない」と述べ、さらに「足元は為替の一方的で急激な動きがみられる」と指摘しました。また「政府としては投機的な動向も含め、為替の過度な変動や無秩序な動きについて、高い緊張感を持って市場動向を注視している」と強調しています。
この発言は、輸入物価上昇による家計への圧迫を念頭に置いたものと見られ、いわゆる「口先介入」として市場に受け止められました。実際にドル円は154円79銭から154円60銭付近まで約20銭下落する場面がありましたが、その後は再び円安方向に戻しています。
市場への影響ポイント:
- 155円突破前に実弾介入が実施される可能性
- 日銀の追加利上げ判断にも影響を与える可能性
- 為替リスク管理の重要性が高まる局面
政府の発言だけで相場が大きく動くことはありませんが、実際の介入に踏み切る可能性を示唆するサインとして、トレーダーの皆様は警戒が必要です。
ニュース4: 原油価格が3日続伸、金価格は4,108ドルへ調整
NY原油先物(WTI)12月限は、時間外取引で前日比0.54%高の60.88ドルと3営業日続伸しました。米政府閉鎖終了による経済活動正常化と需要回復への期待、さらにドルインデックスの低下が原油価格の上昇要因となっています。国内市場でも原油先物2026年4月物は62,120円と、9月末以来約1カ月半ぶりの高値で取引を終えました。
一方、金(スポット)は0.5%下落し1オンス4,108.36ドルとなりました。前日は米政策不透明感から4,126ドル台まで上昇していましたが、政府再開見通しとリスク選好姿勢の高まりから、利益確定売りが優勢となりました。
市場への影響ポイント:
- 原油高はガソリン・灯油価格の上昇圧力に
- エネルギーコスト上昇によるインフレ懸念の再燃
- 金の調整は市場のリスク選好姿勢を示唆
原油価格の上昇は、車をお使いの方やご家庭の暖房費に直接影響してきますので、冬に向けて家計への影響も気になるところです。
ニュース5: 日本国債市場で長期金利が低下、1.685%へ
本日午前の国内債券市場では、新発10年物国債の利回り(長期金利)が前日比0.005%(0.5ベーシスポイント)低下し、1.685%をつけました。午後には一時1.680%まで低下する場面も見られました。
英独市場で長期金利が低下した流れを引き継いだことに加え、日本銀行が予定する定例の国債買い入れオペが相場の支援材料となっています。時間外取引での米金利低下も追い風となりました。
市場への影響ポイント:
- 長期金利低下により住宅ローン金利などへの低下圧力
- 日米金利差拡大により円安圧力が継続
- 13日の5年利付国債入札の結果に注目
住宅ローンを検討されている方にとっては、金利が低位で推移していることは朗報ですね。
今後の注目ポイント
11月13日午前6時: 米下院でのつなぎ予算案採決
最大の注目イベントです。可決されれば政府機関閉鎖が終了し、遅れていた経済指標の発表が再開される見通しです。市場は可決をほぼ織り込んでいますが、万が一否決となれば市場の混乱は避けられません。
ドル円155円の心理的節目
現在154円台後半で推移しているドル円が155円を突破するか、それとも政府の介入により反落するかが焦点です。片山財務相の牽制発言もあり、155円手前での攻防が激しくなる可能性があります。
AI関連株の調整深度
エヌビディアをはじめとするAI関連株の調整がどこまで進むかに注目が集まっています。バリュエーション懸念が解消されれば、再び上昇トレンドに戻る可能性もあります。
日銀の追加利上げ時期
円安進行と長期金利の低下により、日米金利差が拡大しています。日銀の次回会合(12月予定)での追加利上げの可能性について、市場の思惑が交錯しています。
編集部からのコメント
昨日の市場は、米政府閉鎖終了への期待を背景に、リスクオン相場が展開されました。株式市場ではNYダウが史上最高値を更新する一方で、為替市場では記録的な円安が進行し、ユーロ円が史上初の179円台に到達しました。
特に注目すべきは、片山財務相の円安牽制発言です。「マイナス面が目立ってきた」という表現は、政府が為替介入を検討する段階に入った可能性を示唆しています。155円という心理的節目を前に、政府・日銀がどのような行動に出るのか、十分な警戒が必要です。
また、AI関連株の調整も見逃せません。ソフトバンクグループのエヌビディア株売却というビッグニュースは、今後のハイテク株市場に大きな影響を与える可能性があります。一時的な調整なのか、本格的なトレンド転換なのか、慎重に見極める必要があります。
本日の取引では、米下院でのつなぎ予算案採決(13日午前6時)に向けた思惑が相場を動かす可能性が高いと考えられます。可決はほぼ織り込まれているものの、万が一の事態に備えたリスク管理は怠らないようにしましょう。
原油価格の上昇とインフレ懸念の再燃も気になるところです。エネルギーコストの上昇は企業収益だけでなく、私たちの生活にも直接影響してきますので、今後の動向を注視していきたいと思います。
本日も市場は大きく動く可能性がありますので、ポジション管理にはくれぐれもご注意ください。リスクを適切にコントロールしながら、チャンスを逃さない取引を心がけましょう。
それでは、本日も良い一日をお過ごしください!
FX編集部 田中
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