皆さま、おはようございます!FX編集部の田中です。
昨日の海外市場は、米国の経済指標が予想を下回ったことで利下げ観測が一気に高まり、NYダウは664ドル高と大幅続伸となりました。この流れを受けて、本日の東京市場でも日経平均が899円高と好調なスタートを切っています。
また、日銀の12月利上げ観測が浮上したことでドル円は155円台まで下落するなど、為替市場も大きく動いています。それでは、昨晩から今朝にかけての重要ニュースを見ていきましょう。
米経済指標の軟調でFRB利下げ観測が急浮上、NYダウ664ドル高の大幅続伸
11月25日(月)のニューヨーク株式市場では、主要株価指数が揃って大幅上昇となりました。
【市場の動き】
- NYダウ平均:前日比664.18ドル高(+1.43%)の47,112.45ドルで3営業日続伸
- ナスダック総合指数:153.586ポイント高(+0.672%)の23,025.591で続伸
- 日経平均株価(26日):前日比899円55銭高(+1.85%)の49,559円07銭で続伸
この上昇の背景には、米国で発表された経済指標が予想を下回ったことがあります。市場では、経済の減速懸念からFRB(米連邦準備制度理事会)が12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げに踏み切るとの観測が急速に高まりました。
短期金融市場では、12月の利下げ確率が50%を超える水準まで上昇しており、投資家の期待が鮮明になっています。
【為替への影響】 利下げ観測の高まりを受けて、ドル円相場は一時155円台まで下落しました。米金利の先安観測がドル売り圧力を強めた形です。
株式市場全体が堅調に推移する一方で、為替市場ではドル安・円高方向への調整が入っており、輸出関連企業の業績への影響も注視する必要がありそうです。
日銀12月利上げ観測が再燃、ドル円が156円台から155円台後半へ円高進行
26日の東京外国為替市場では、日銀の早期利上げ観測を受けてドル円が大きく下落しています。
【為替の動き】
- 東京市場12時時点:1ドル=155円85〜86銭(前日17時比77銭の円高・ドル安)
- 一時的な安値:155円65銭まで下落する場面も
- 12月利上げ織り込み:市場の織り込み度合いが35%から50%弱まで上昇
【きっかけとなった報道】 ロイター通信が「日銀がタカ派シグナルを発信し、市場に12月利上げに備えさせている」と報じたことが、円買い・ドル売りのきっかけとなりました。
関係者によると、日銀内部では高田創審議委員や田村直樹審議委員が近い将来の利上げを支持する姿勢を示しているとのことです。また、急激な円安進行に対する警戒感も、日銀のタカ派姿勢の背景にあると見られています。
【今後の焦点】 12月18〜19日に開催される日銀金融政策決定会合での実際の判断が焦点となります。植田和男日銀総裁や他の審議委員からの追加発言にも注目が集まるでしょう。
米国のFRBも12月会合を控えており、日米の金融政策のタイミング調整が為替相場に大きな影響を与えそうです。
NZ中銀が0.25%利下げも利下げサイクル終了を示唆、NZドル急伸
26日午前、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は金融政策決定会合を開催し、政策金利の引き下げを決定しました。
【政策決定の内容】
- 政策金利:2.50%から2.25%へ0.25%引き下げ(市場予想通り)
- 委員会の投票:政策委員6人のうち5人が利下げに賛成、1人は据え置きを主張
- 今後の見通し:最新予測では、来年第2四半期の政策金利は2.20%と予測
【重要なメッセージ】 今回の会合で注目すべき点は、RBNZが「経済活動は2025年初めから改善している」と景気認識を改善させたことです。これは、利下げサイクルがほぼ終了に近づいていることを示唆するものと受け止められています。
また、インフレ率については2026年半ばまでに目標の2%前後に戻るとの見方を示しました。
【市場の反応】 発表直後、NZドルは急伸しました。これまでのハト派姿勢からの転換として受け止められ、NZドル円・NZドル米ドルともに上昇しています。
高金利通貨として人気のあったNZドルですが、今回の決定により、その魅力が一定程度維持される見込みとなったことは、投資家にとって朗報と言えるでしょう。
ロシア・ウクライナ和平交渉が進展、原油価格が1カ月ぶり安値に
エネルギー市場では、ロシア・ウクライナ情勢をめぐる和平交渉の進展を受けて、原油価格が大きく下落しています。
【原油価格の動き】
- WTI原油先物(2026年1月限):一時57ドル台前半まで下落し、約1カ月ぶりの安値を記録
- 東京商品市場:国内原油先物は4営業日続落
【和平交渉の進展】 11月23日にスイス・ジュネーブで米国、ウクライナ、欧州の高官協議が開催され、トランプ米大統領が提示した28項目の和平案について修正が進展しました。
25日には、トランプ大統領がモスクワへ特使を派遣し、プーチン大統領と直接協議すると発表。Bloomberg通信によると、米国とロシアが水面下で数週間にわたる交渉を実施していたことも明らかになっています。
【市場への影響】 市場では、停戦が実現すれば対ロシア制裁が解除され、原油供給が増加する可能性があるとの見方が広がっています。これがエネルギー価格の下押し圧力となっています。
エネルギー関連株には下落圧力がかかる一方、インフレ鈍化観測につながることから、債券市場にはプラスの材料となる可能性があります。
金価格が反発、FRB利下げ観測とドル安で上昇
貴金属市場では、金価格が反発しています。
【金価格の動き】
- NY金先物(25日):前日比1.13%高で終了
- 東京金先物(26日午前):中心限月2026年10月物は前日比11円安の1グラム21,190円で推移したものの、午後にかけて下げ幅を縮小
【上昇要因】 金価格の上昇要因としては、以下の点が挙げられます。
- 米FRBの早期利下げ観測:実質金利の低下期待が金価格を支援
- ドル安進行:ドル建て金の相対的な魅力が上昇
- 不確実性の高い環境:地政学リスクは後退したものの、安全資産需要は継続
金は利息を生まない資産のため、金利が低下する環境では相対的な魅力が高まります。今回のFRB利下げ観測は、金投資家にとって追い風となっています。
今後の注目ポイント
1. 本日は米国感謝祭(サンクスギビング)で市場休場
27日は米国の感謝祭のため、米国市場は休場となります。実質的に週末まで連休となるため、市場の流動性が低下します。薄商いの中で急激な値動きが発生する可能性がありますので、ポジション管理には十分ご注意ください。
2. 12月の日米中央銀行会合に向けた思惑
- 日銀金融政策決定会合:12月18〜19日
- FOMC(米連邦公開市場委員会):12月中旬予定
両会合に向けて、市場の思惑が交錯する展開が予想されます。経済指標や要人発言には引き続き注意が必要です。
3. ロシア・ウクライナ和平交渉の行方
和平案の最終的な合意内容(特に領土問題や安全保障の枠組み)が焦点となります。進展次第では、エネルギー市場だけでなく、欧州経済全体に大きな影響を与える可能性があります。
4. 月末要因によるポジション調整
11月末が近づいており、機関投資家による月末のポジション調整が入る可能性があります。特に為替市場では、実需の動きにも注意が必要です。
編集部からのコメント
昨日から今朝にかけての市場は、米国の利下げ観測と日銀の利上げ観測という、対照的な金融政策見通しが交錯する興味深い展開となりました。
特に注目すべきは、日米の金融政策の方向性が逆方向になる可能性が高まっていることです。これは為替相場にとって大きなテーマとなります。FRBが利下げを進める一方で日銀が利上げに転じれば、日米金利差の縮小により円高圧力が強まる可能性があります。
ただし、本日は米国が感謝祭で休場となるため、市場参加者が少なくなります。このような環境では、思わぬ値動きが発生することもありますので、レバレッジの管理や損切りラインの設定など、リスク管理を徹底することをお勧めいたします。
また、ロシア・ウクライナの和平交渉については、短期的には原油価格の下落要因となっていますが、長期的には世界経済の安定化につながる可能性があります。エネルギー価格の安定は、インフレ鎮静化にもプラスに働くため、今後の展開を注視していきたいと思います。
締めの挨拶
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
明日は米国市場が休場ということもあり、比較的落ち着いた相場展開が予想されますが、流動性の低下による急変動には十分お気をつけください。また、週末にかけて新たなニュースが飛び込んでくる可能性もありますので、情報収集は怠らないようにしましょう。
それでは、本日も良いトレードを!
FX編集部 田中
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