皆さま、おはようございます!FX編集部の田中です。
週明けの東京市場が始まりましたね。先週末から週明けにかけての市場は、日銀の歴史的な利上げ決定が大きな話題となりました。「利上げなのに円安」という一見矛盾した動きに、多くの投資家が注目しています。
それでは、前日から本日朝にかけての重要ニュースをお届けします。トレードの参考にしていただければ幸いです。
重要ニュース
【最重要】日銀が30年ぶり0.75%利上げも、円安157円台に
12月19日、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を0.5%から0.75%へ引き上げることを決定いたしました。これは今年1月以来7会合ぶりの利上げで、政策金利としては1995年9月以来、約30年ぶりの水準となります。
注目されたのは会合後の植田和男総裁の記者会見でした。市場では「中立金利(景気を熱しも冷ましもしない金利水準)の見通しが引き上げられるのでは」との期待がありましたが、総裁は「推計は相当なばらつきがあり、前もって特定は難しい」と述べ、具体的な言及を避けました。
この慎重な姿勢を受けて、「日銀は当面大きく利上げできない」との見方が市場に広がり、ドル円は157.77円前後まで上昇しました。本日22日の東京時間でも157円台半ばで推移しており、年初来高値(158.87円)更新も視野に入ってきています。
片山財務相が「一方向で急激な動き」と円安をけん制する場面もありましたが、効果は限定的となりました。
💡投資家の皆さまへ
利上げ局面でも円安が進むという珍しい展開です。日米金利差の動向と、158円台での為替介入の可能性には十分ご注意ください。
日本の長期金利が2.1%へ急騰、約27年ぶりの高水準
本日22日の東京債券市場では、指標となる新発10年物国債の利回りが一時2.100%まで上昇いたしました(債券価格は下落)。終値ベースでは2.080%となっており、前週末比で0.065%も上昇しています。
この急激な金利上昇には複数の要因があります。まず、日銀が利上げを継続する方針を明確にしたことで、国債利回りの上昇圧力が強まりました。さらに、2026年度予算の編成で予算規模が膨らむ見通しとなっており、国債増発による財政リスクへの警戒感も高まっています。
加えて、為替市場での円安進行により、インフレ圧力が高まるとの懸念から、早期の追加利上げ観測も金利上昇を後押ししています。
💡投資家の皆さまへ
長期金利の上昇は住宅ローン金利や企業の資金調達コストに直結します。株式市場では、金利上昇が株価のバリュエーションを圧迫する要因となる点にご留意ください。
日経平均が5万円台回復、895円高で週明けスタート
本日の東京株式市場は力強いスタートとなりました。日経平均株価は寄り付きから577円高で始まり、その後も買いが継続。一時は1,000円を超える上昇を記録し、終値は前週末比895円高(+1.81%)の5万402円となりました。
上昇の背景には、前週末の米国市場でナスダック総合指数が+1.31%の大幅高となったことがあります。トランプ政権がAI半導体「H200」の対中輸出を認可する可能性が報じられ、エヌビディア株が急伸しました。この流れを受けて、東京市場でも半導体関連株に買いが集中しました。
また、ドル円が157円台で推移したことで、輸出関連企業の業績改善期待も高まりました。東証TOPIXも同28.41ポイント高の3412.07ポイントと上昇し、市場全体に買いが広がりました。
ただし、午後に入ると国内長期金利が2.1%に上昇したことで、上げ幅は縮小する場面もありました。
💡投資家の皆さまへ
年末のサンタラリーへの期待感もある一方、欧米投資家のクリスマス休暇入りで商いが薄くなる時期です。ボラティリティの拡大にはご注意ください。
国内金価格が最高値更新、円安と地政学リスクで上昇
本日の国内商品先物市場では、金が4日続伸し、中心限月として最高値を更新いたしました。
上昇の要因は複数あります。まず、円安が進行したことで、円建てで取引される国内金の割安感が増しました。また、日本時間の取引でニューヨーク金先物が急騰したことも、国内金価格を押し上げました。
海外市場では、米国とベネズエラの対立懸念が高まっており、相対的に安全な資産とされる金への需要が高まっています。さらに、中東情勢の不安定化や米国の通商政策への警戒感も、安全資産としての金の魅力を高めています。
ゴールドマン・サックスは、2026年末までに金価格が1オンス=4,900ドルに達するとの予測を発表しており、中長期的な上昇トレンドが期待されています。
💡投資家の皆さまへ
金は伝統的なインフレヘッジ資産です。円安と地政学リスクが続く環境では、ポートフォリオの一部として検討する価値があるかもしれません。
米FRBが利下げペース鈍化を示唆、2026年は2回予測
米連邦準備制度理事会(FRB)は12月10-11日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、政策金利を0.25%引き下げ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.5~3.75%としました。
今回の決定は賛成9名、反対3名と、近年では異例の意見対立が見られました。注目されたのは2026年の金利見通しで、FOMCメンバーの予測中央値は2026年末に3.9%と、従来予測(3.4%)から大幅に引き上げられました。これは利下げ回数が2回に減少することを意味します。
パウエル議長は記者会見で「今後のデータに基づいて追加調整の程度とタイミングを判断する」と述べ、慎重な姿勢を示しました。米国経済は底堅く推移しており、インフレ率が目標の2%を上回って推移していることが、利下げペース鈍化の背景にあります。
💡投資家の皆さまへ
FRBの利下げペース鈍化は、日米金利差が縮小しにくい状況を意味します。これは円安基調を長引かせる要因となる可能性があります。
今後の注目ポイント
📅 今週の重要イベント
- 12月22日(月): 英国第3四半期GDP確報値
- 12月23日(火): 米国第3四半期GDP確定値
- 12月24日(水): クリスマスイブ(市場は短縮取引の可能性)
- 12月25日(木): クリスマス(主要市場は休場)
🎯 注目の市場テーマ
- 為替介入の可能性: ドル円が158円台後半に接近すれば、日本政府の為替介入が警戒されます
- クリスマス商戦: 欧米市場の商いが薄くなる時期、急な値動きにご注意ください
- 日本の長期金利動向: 2.2%、2.5%への上昇が続くか注目です
- 2026年度予算編成: 財政規模と国債発行計画が明らかになります
編集部からのコメント
今週は日銀の利上げが大きな話題となりましたが、市場の反応は「利上げなのに円安」という教科書とは逆の展開となりました。これは、日銀が追加利上げに慎重な姿勢を示したことで、「利上げ余地が限定的」との見方が広がったためです。
一方で、長期金利は27年ぶりの高水準となっており、債券市場は「日銀は今後も利上げを続ける」と見ているようです。為替市場と債券市場で異なるシグナルが出ている点は興味深いですね。
クリスマス休暇が近づき、欧米投資家の多くが休暇に入る時期となります。商いが薄くなると、通常よりも大きな値動きが起こりやすくなります。ポジション管理には特に気を配っていただければと思います。
年末年始に向けて、落ち着いた投資判断を心がけていきましょう。
締めの挨拶
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
今週は年末の重要週となります。クリスマス休暇で市場参加者が少なくなる分、想定外の動きが出る可能性もあります。無理なポジションは避けて、余裕を持った運用を心がけてくださいね。
明日も皆さまにとって有益な情報をお届けできるよう努めてまいります。本日も素敵な一日をお過ごしください!
FX編集部 田中
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