おはようございます!FX編集部の田中です。
週末のクリスマス休暇明け、週明け早々の市場は動きが出ていますね。前週末の日銀利上げ後の展開を受けて、本日29日午前8時50分に公表された「金融政策決定会合における主な意見」が注目を集めました。また、貴金属市場では銀価格が史上初の80ドル突破という歴史的瞬間を迎えています。
それでは、12月28日夜間~29日早朝の海外市場と本日東京時間の重要ニュースを詳しく見ていきましょう。
本日の重要ニュース
日銀「主な意見」で追加利上げ継続姿勢を明示
日本銀行は本日午前8時50分、12月18-19日に開催された金融政策決定会合の「主な意見」を公表しました。
公表された主な内容
- 政策金利を0.25%から0.75%へ引き上げた判断について、複数の委員が「適切なタイミングでの金融緩和度合いの調整が必要」と強調しています
- 一部の委員からは「数カ月に1回ペース」での利上げが適切との意見も出されました
- 日本の実質政策金利が「群を抜いて世界最低水準」にあるとの認識が共有されています
- 円安による輸入物価上昇が消費者物価を押し上げるリスクへの懸念が複数の委員から示されました
市場の反応
ドル円は156円台前半で推移しており、前週末に東京都区部12月CPIが市場予想を下回ったことで円安が進んでいた流れに、一定の歯止めがかかった形です。ただし、次回1月会合での連続利上げには市場は慎重な見方を維持しています。
債券市場では長期金利(新発10年物国債利回り)が2.055%まで上昇し、約1週間ぶりの高水準となりました。特に2年債の利回りは1996年8月以来、実に28年9カ月ぶりの水準まで上昇しており、日銀の利上げ継続観測が市場に織り込まれつつあることを示しています。
投資家の皆様へ
今回の「主な意見」公表により、日銀が想定以上にタカ派的なスタンスであることが明らかになりました。2025年第1四半期中の追加利上げの可能性も視野に入れた戦略が必要かもしれませんね。
銀価格が史上初の80ドル突破、最高84ドル台まで急騰
本日のアジア時間早朝、貴金属市場で歴史的な瞬間が訪れました。スポット銀価格が1オンス=80ドルの心理的節目を初めて突破したのです。
価格の推移
- 日本時間29日午前8時42分時点:82.22ドル(前日比+3.9%)
- 取引時間中の最高値:83.62~84ドル台
- その後、利益確定売りで若干調整
急騰の背景要因
- 需給逼迫:太陽光パネルやエレクトロニクス分野での産業需要が堅調に推移している一方、鉱山からの供給は限定的です
- 在庫の減少:世界的な銀在庫の減少傾向が続いており、需給バランスが逼迫しています
- 地政学リスク:中東情勢の緊張継続により、安全資産としての需要が高まっています
- 米追加利下げ観測:金融緩和期待が貴金属全般への資金流入を促しています
- 金価格との相関:金が1オンス=2,630ドル前後の最高値圏で推移する中、相対的に割安な銀への投資家の関心が集まっています
今後の見通し
一部のアナリストは、2026年に銀価格が100ドルを超える可能性を指摘していますが、短期的には80ドル台での抵抗も強く、70~85ドルのレンジで値固めする可能性もあります。
貴金属への分散投資を検討されている方には、興味深い動きですね。
米ウクライナ首脳会談、和平案合意至らずも作業部会設置へ
12月28日(米国時間)、フロリダ州のトランプ大統領私邸で、ウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談が行われました。
会談の主要ポイント
- 焦点となっていた領土問題(東部ドネツク州の扱いなど)では合意に至りませんでした
- ゼレンスキー大統領は会談後「大きな進展があった」と前向きに評価しています
- 米ウクライナ代表団が来週会合を持つことで合意しました
- トランプ大統領は「和平交渉は最終段階」「数週間以内に判明する」と発言しています
米ロ間の動き
ロシアのウシャコフ大統領補佐官によると、米国の提案により2つの作業部会が設置されることになりました。1つは安全保障問題、もう1つは経済問題を扱う予定です。これらの作業部会は「ウクライナに関する状況を管理する取り組み」として機能します。
市場への影響
原油市場では、和平交渉の進展期待から対ロシア制裁緩和の可能性が意識され、WTI原油が反落する展開となりました。ロシア産原油の供給増加観測が背景にあります。
2026年1月の動向次第では、エネルギー市場や欧州通貨に大きな影響を与える可能性がありますので、引き続き注視が必要です。
日本の長期金利が2.055%へ上昇、2年債は28年9カ月ぶり高水準
本日の国内債券市場では、利回りが全般的に上昇(債券価格は下落)する展開となりました。
主要利回りの動き
- 10年債(長期金利):2.055%(前週末比+0.015%)
- 2年債:1996年8月以来、28年9カ月ぶりの高水準
- 債券先物3月限:132円61銭で引け
上昇の背景
日銀の「主な意見」で利上げ継続姿勢が明確になったことに加え、米長期金利も4.13%台で推移しており、グローバルな金利上昇圧力が影響しています。また、年末の機関投資家によるポジション調整も要因の一つです。
実生活への影響
住宅ローンをご検討中の方は、変動金利・固定金利ともに上昇圧力がかかる可能性がありますので、タイミングの見極めが重要になってきますね。
一方で、銀行株は利ざや改善期待から買い材料となる可能性があります。
出典: 日本経済新聞
日経平均は反落スタートも下げ幅縮小、年末商状で方向感乏しい
本日の東京株式市場は、売り先行でスタートしました。
日経平均の推移
- 寄り付き:50,691円(前週末比-59円)
- 午前安値:50,350円台(一時-400円超)
- 午前終値:50,550円(-200円、-0.39%)
下落要因と下支え要因
下落要因としては、日銀の利上げ継続観測による金利上昇懸念と、値がさハイテク株への利益確定売りが挙げられます。一方で、前週末の米株高(NYダウは48,710ドル)とAI関連株の底堅さが下支えとなっています。
年末年始の市場
大納会は明日12月30日で、年明けの大発会は1月6日です。薄商いの中での値動きとなりますので、過度なポジションには注意が必要かもしれませんね。
出典: 日本経済新聞
今後の注目ポイント
📅 短期的な注目材料(1~2週間)
- 12月30日:2025年の大納会、年末のポジション調整
- 2026年1月6日:大発会、新年相場のスタート
- 1月中旬:米ウクライナ・ロシア間の作業部会協議開始
- 1月下旬:日銀金融政策決定会合(追加利上げの可能性)
📊 中長期的な注目テーマ
- 日銀の金融政策正常化ペース:市場は2025年中にさらに0.25~0.50%の追加利上げを織り込み始めています
- トランプ政権の政策:2026年1月20日の正式就任後、関税政策や財政政策の具体化が注目されます
- ウクライナ情勢:和平交渉の進展度合いが原油価格と欧州経済に影響を与えます
- 貴金属市場:銀価格の100ドル到達可能性と、金価格の最高値更新継続
編集部からのコメント
本日は日銀の「主な意見」公表と銀価格の歴史的高騰という、2つの大きなニュースが市場を動かしました。
特に日銀については、市場が想定していた以上にタカ派的な議論が行われていたことが明らかになり、2025年の金融政策見通しを見直す動きが出てくるかもしれません。「数カ月に1回ペース」という具体的な利上げペースに言及する委員がいたことは、かなり踏み込んだ内容だと感じています。
一方で、銀価格の80ドル突破は、貴金属市場全体の活況を象徴する動きですね。金が最高値圏で推移する中、「金の弟分」とも呼ばれる銀への注目が集まるのは自然な流れかもしれません。ただし、短期的には利益確定売りも入りやすい水準ですので、慎重な判断が求められます。
年末年始は例年、薄商いの中で思わぬ値動きが出ることもあります。ポジション管理には十分ご注意くださいね。
締めの挨拶
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
明日12月30日は2025年の大納会です。1年間の総決算となる日ですので、ポジションの整理や来年の戦略を考えるには良いタイミングかもしれませんね。
年明けは1月6日の大発会からスタートします。新年相場に向けて、しっかりと情報収集と準備を進めていきましょう。
それでは、良い1日をお過ごしください!
FX編集部 田中
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