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NEWS

9月7日(月)放送のテーマ:「AIと人類の滅亡」

番組から
2026/09/16

Dr.苫米地 Cosmic Radio

テーマ 「AIと人類の滅亡」

第74回(2026年9月7日放送)


今月から毎月第一月曜日の20時からの1時間番組になった『Dr.苫米地 Cosmic Radio』。

今回、最初に取り上げたニュースは、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏が、AIを国際的に管理する新たな組織の創設を提案したという話題です。

ゲイツ氏は、AIが雇用、教育、医療などに大きな変化をもたらす一方、サイバー攻撃、生物兵器、自律兵器などに悪用される危険があると指摘。核兵器の国際査察制度や国際航空の安全規制などを参考に、高度なAIの能力を検査する仕組みや、事故や安全上の問題を各国が報告する国際的な基準が必要だとしています。このニュースを入り口に、今回の本編では「AIと人類の滅亡」というテーマについて考えていきました。

まず注目したのは、AIによって大きく変わる「雇用」です。これまで高度な教育を受けた人が担ってきたマネジメント、ビジネス、金融、コンピューター、法律、芸術、メディアといったホワイトカラーの仕事ほど、AIに置き換えられる割合が高いという予測があります。一方、輸送、修理、建設、農業、パーソナルケアなど、人間が現場で身体を使う仕事は比較的残りやすいとされています。これまでの「機械が単純労働を奪う」というイメージとは逆の変化が起き始めています。

法律の世界もその一例です。過去の判例や事例を大量に読み込み、そこから推論する作業はAIが非常に得意とする分野です。将来的には、弁護士や検察官などの役割の多くをAIが担う可能性もあります。

教育や芸術、メディアも例外ではありません。人間にしかできないと思われてきた知的労働や創造的な仕事まで、AIが急速に入り込んでいることが大きな変化です。

一方、ゲイツ氏が危険性として挙げたサイバー攻撃、生物兵器、自律兵器については、別の角度から考える必要があります。これらの技術を研究する側は、必ずしも悪用を目的としているわけではありません。軍事や安全保障の世界では、攻撃そのものよりも、それをどう防ぎ、どう抑止するかという目的で研究が進められています。問題は、そこに組み込まれたAIが人間の意図通りに動き続ける保証があるのかという点です。AIを兵器や重要インフラに組み込むほど、「AIそのものが裏切る可能性」を考えなければならなくなります。

特にサイバー空間では、攻撃側が圧倒的に有利です。どれだけ防御のルールや安全基準を作っても、新しい攻撃方法は次々に生まれます。国家レベルのサイバー攻撃では、最終的には「攻撃されたらこちらも攻撃できる」という抑止力が重要になります。法律や規制だけで国家や重要インフラを完全に守ることはできません。AIが自律的に攻撃方法を発見するようになれば、この問題はさらに複雑になります。その意味で、AIを国際機関によって管理するという発想そのものには理解できる部分があります。しかし、核査察とAIの査察では大きな違いがあります。核兵器は物理的な設備や物質を確認できますが、AIは査察する側を騙すことさえ可能です。「検査を受け入れた」と見せながら、実際には別の動きをする可能性もあります。また、国際的な規制を作れば、それを守るための認証やコンサルティングが巨大なビジネスとなり、規制そのものが新たな利権になる危険もあります。

さらに、日本のAI開発についても厳しい現実があります。現在のAI開発には、GPUをはじめとする大量の計算資源だけでなく、膨大な電力と水が必要です。アメリカや中国は、日本よりはるかに低いコストで計算資源を動かすことができます。中国は重要なレアメタルやその精錬でも強く、国家政策としてAIを支えています。日本が同じ金額を投じても、実際に得られる計算能力には大きな差が生まれます。そのため、単純に巨額の予算を投入して「国産AI」を作れば追いつけるという状況ではありません。

そこで海外のAI企業と提携する方法も考えられますが、金融、電力、防衛などのミッションクリティカルなシステムに海外企業のAIを深く入れることには別のリスクがあります。AIにシステムを守らせるためには内部へのアクセスを認める必要がありますが、その入口自体が攻撃経路になる可能性があります。企業そのものが信頼できても、その企業のシステムやAIが侵入されれば、安全保障上の問題につながります。

また現在のAIは、一つの専門分野だけで人間の最高峰を超えたというより、非常に多くの分野を同時に高いレベルで扱えるところに特徴があります。数学、歴史、法律、医学、言語など、細分化された多数の専門領域を横断し、さらに膨大な言語を扱うことができます。一つの専門分野ではトップの研究者がまだAIを上回るとしても、あらゆる分野を総合した能力では、すでに人間が追いつけない領域が生まれています。今後さらに進化すれば、個々の専門分野でも人間のトップを超えていく可能性があります。

今回の放送では、AIの危険性を単純に「悪用される技術」として捉えるのではなく、雇用の変化、軍事利用、サイバー攻撃、国際規制、国家間の開発競争、そしてAIそのものの自律性という複数の側面から考えていきました。

AIを止めることができるのか、管理することができるのか。そして、人間より広い知識と高速な情報処理能力を持つAIと、これから人類がどのような関係を築いていくのか。技術の進歩だけでは答えの出ない、新しい安全保障と社会の問題がすでに始まっています。

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毎月第一月曜日 8pm - 9pm

Dr.苫米地 Cosmic Radio

DJ:苫米地英人

メール:cosmic@interfm.jp

ハッシュタグ:#cosmicradio

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