
第36回(2025年12月11日放送)
今回のテーマは「憲法9条改正の論議について」でした。
苫米地さんが繰り返し語っていたのは、9条という条文の善悪ではなく、「それを議論するタイミングの適切さ」でした。
世界情勢はすでに平時でも有事でもない、グレーゾーンの状態に入り、武力行使や国境侵犯が宣言なく進む国が複数存在し、外交と抑止の均衡が揺れている時期にあります。
その中で9条を“今”改定することは、理念の議論ではなく情勢に押されての「反応」になってしまい、本来必要な熟議から遠のく危険性があるという指摘が印象的でした。
日本は9条によって一人の戦死者も出していない国です。
同時に、国際社会から「貢献不足」を指摘されてきた歴史もあります。
その二面性を対立させず、どちらも見つめながら議論を重ねる必要性を、苫米地さんは静かに語っていました。
特に心に残った言葉は、「改正するならば平時でなければならない」という一文でした。
緊張が高まる時代こそ、政治的な熱量よりも、判断を熟させるための“時間”を共同体として確保することが重要であり、安全保障や交戦権の議論は、抽象概念ではなく“命の現場につながるもの”として扱うべきだというメッセージが、とても苫米地さんらしい落ち着きを帯びて響いていました。
煽らず、急がず、静かに考える。
そんな成熟した議論の姿勢を求める回でした。
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12/11(木)深夜0am - 0:30am
DJ:苫米地英人
ハッシュタグ:#cosmicradio
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