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技術系災害ボランティアに正しい知識とノウハウを
~日本財団災害ボランティアトレーニングセンター(VTC)~

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2025/12/08


震災や台風、豪雨などの災害時、必要不可欠な存在である災害ボランティア。被災地の復旧・復興を支援する災害ボランティアの中でも、土砂のかき出しや運搬、倒木処理、危険木の除去、被災した家屋の補強、水害後の泥出しなどを担うのが「技術系災害ボランティア」と呼ばれる人たちです。そんな技術系災害ボランティアの育成を目的として、2025年3月、茨城県つくば市に国内最大級の民間災害支援施設『日本財団災害ボランティアトレーニングセンター(略称:VTC)』が設置されました。

この『日本財団災害ボランティアトレーニングセンター』では、ショベルカーやダンプカーといった重機・車両、チェーンソーなどを備えており、実際の災害現場を再現した訓練フィールドで、それらの操縦訓練を受けることができます。また、家屋や屋根の構造から実際の対応方法までを実践的に学べる日本初の施設も有しています。

この日は、茨城県警機動隊の皆さんが災害時のチェーンソーの使用・操作の訓練を受けていました。まずは、30分程度の座学で、機械の構造や種類といった基本的な事柄だけでなく、伐採する樹木についても学びます。被災地によって生えている樹木はさまざま。広葉樹か針葉樹か、季節や標高などの環境による違いについてレクチャーを受けます。そしてなにより、安全に操作するための取り扱い方法、注意点など、操作訓練の前に、丁寧な説明がなされます。

その後、サポーターなどの安全装備を身に付けて、機械の操作訓練へ。丸太を使っての説明を受けた後、訓練フィールド内の樹木を実際にチェーンソーで伐採します。対象樹木はその木の様子から枯木と判断されたもの。安全に倒せる向きを読みながら、慎重に作業が進められます。伐採後はその木を重機で持ち上げ、チェーンソーによる切断訓練を何度も何度も繰り返し、実際の災害現場で役立てられるように経験を積み重ねていました。

一連の訓練を指導するのは、技術系NPOや、現役消防士などの有志メンバー。技術系災害ボランティアの育成にもまた、ボランティアの力が不可欠となっているのです。能登半島地震の際、3t以下の重機を載せたダンプカーで狭い地域に入っていけたのは、民間のボランティアだけだそう。被災地支援に関するニュースでは自衛隊や警察の映像をよく目にしますが、同時に、彼らボランティアの活動が、災害支援の質を大きく向上させていると言えます。

『日本財団災害ボランティアトレーニングセンター』では、警察官や消防士だけでなく、一般市民が受講できる研修も用意されています。上記のような重機を使った訓練のほか、敷地内に用意された実寸大の家屋を利用した被災家屋屋根の応急処置や、床下の泥出しなどの研修も受けることができます。また、入門編はオンラインで受講することも可能です。

昨今、どこで災害が起こってもおかしくありません。自分のため、家族のため、他の誰かのために、災害への心構えとして、まずは入門編から研修に参加してみてはいかがでしょうか。


日本財団災害ボランティアトレーニングセンター(VTC)

茨城県つくば市南原2番地

https://www.volacen.jp/project/vtc/


※募集中の災害ボランティア研修の詳細や申し込み方法は、以下リンクのプラットフォームサイト「ぼ活!」でご確認ください。

https://vokatsu.jp/seminars/genre/disastervolunteer/