
第51回(2026年3月26日放送)
テーマ:「イラン情勢についてPART②」
イランという国は、もともとペルシャと呼ばれていた時代から日本と非常に友好的な関係を築いてきた国で、円建てで原油を売ってくれていたという特別な存在でもありました。
これは実質的に通貨発行によってエネルギーを得られる構造でもあり、その仕組みが中国にも応用され、イランやベネズエラからの原油が事実上“タダに近い”形で流れていた背景があります。
こうした構造は国際金融の枠組みとも密接に関係していて、日本自身がその仕組みを作った側面もあるという話になります。
歴史的には、1935年にペルシャからイランへと国名が変わり、その後イギリスとソ連による介入、1951年の石油国有化、そしてCIAやMI6が関与したクーデターを経て、
西側との対立構造が形成されていきました。最終的に1979年のイスラム革命で王政が倒れ、ホメイニ師によるイスラム共和制が成立し、ここから現在まで続く反米的な体制が確立されました。
現在の軍事的緊張については、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の目的は、単なる軍事衝突ではなく、核やミサイル開発の抑止と同時に、体制転換をイラン国民に促す意図があると読み取れる状況です。
一方でイラン側から見れば完全に内政干渉であり、受け入れる余地はなく、背後には中国・ロシアという大きな支えもあるため、単純な構図ではありません。
さらに世界構造として、G7よりもBRICSの経済力が上回りつつある中で、中露と結びついたイランの存在は、従来の西側優位の前提を揺るがしています。
短期的にはアメリカの軍事力が優位でも、中長期では力関係が変化していく可能性があり、日本もその西側に属しているという立場をどう考えるかが問われています。
イラン内部では体制転換の動きも模索されていますが、実際には後継指導者がより強硬派となり、反米姿勢が強まる方向に進んでいます。内部から政権を揺るがす明確な対抗勢力も現れておらず、外部からの圧力だけで体制が変わる状況にはなっていません。
トランプ政権は「戦争はほぼ終わった」と発言しつつも、ホルムズ海峡の安全確保のために巨額の再保険スキームを打ち出し、軍事と金融を組み合わせて海上輸送を維持しようとしています。
特にロイズが保険を引き受けなくなったことで物流が止まるリスクに対し、アメリカが保険と軍事力の両方で代替する構図が生まれています。ただし対象は同盟国に限定される可能性があり、実務面では不透明な点も多く残っています。
全体として、今回のイラン情勢は単なる地域紛争ではなく、エネルギー、金融、軍事、そして国際秩序そのものが絡み合った構造の中で動いており、西側とBRICSの力関係の転換とも密接にリンクしている状況です。
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毎週木曜日 深夜0am - 0:30am
DJ:苫米地英人
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