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5月21日(木)放送のテーマ:「運と気功について」

番組から
2026/05/23

Dr.苫米地 Cosmic Radio

「運と気功について」

第59回(2026年5月21日放送)


一見するとスピリチュアルな話に聞こえますが、実際には前回の生成AIや認知戦の話と、かなり地続きの内容です。中心にあるのは「ホメオスタシス」という考え方で、人間がどのように自分自身を維持し、どのように認識や感情が形成されていくのかを扱います。ホメオスタシスとは、生物が自分にとって安定した状態を維持しようとする働きのことです。体温や血糖値を一定に保とうとするように、人間の心や認知にも同じような作用が働きます。このホメオスタシスは物理的な身体だけでなく、人間の認知空間にまで広がっている点が重要です。コーチングでいう「コンフォートゾーン」も、このホメオスタシスと深く関係しています。人は、自分が“当たり前”だと思える状態へ自然に戻ろうとします。そのため、未来側にゴールを設定し、その未来に強い臨場感を持てるようになると、ホメオスタシスが働き、自分自身が自然とそちらへ向かっていきます。無理な努力というより、「未来の自分をリアルに感じられるか」が重要です。

この理論は、認知戦やAIの研究にも応用されています。認知戦とは、人間の認識や価値観に働きかける“マインドの戦争”のようなものです。ホメオスタシスを軸に、人の認識がどのように変化するかを説明できます。人は、自分にとって受け入れられる範囲の情報しか基本的には受け入れません。コンフォートゾーンの外側にあるものは、「自分には関係ない」「受け入れられない」と感じます。しかし、その境界線の内側にある複数のメッセージを組み合わせることで、結果的に人の認識を大きく変化させることができます。ここに認知戦の本質があります。

たとえば、「紅茶派の人を、いきなりコーヒー派に変えることは難しい」です。しかし、健康や習慣、周囲の空気感など、受け入れやすい小さなメッセージを積み重ねることで、最終的に「自分はコーヒーが好きだ」と自然に感じるようになります。重要なのは、一つの強いメッセージではなく、複数の情報の組み合わせです。さらに、この考え方は「運」にもつながります。運が良かったか悪かったかは、結局は後からの評価です。同じ出来事でも、「あの選択をして良かった」と感じるかどうかは、自分自身の解釈によって変わります。つまり、運は客観的なものではなく、自分がどう意味づけするかによって決まる側面が大きいのです。人間の認知モデルを詳細に把握できれば、その人が「自分は運が良い」と感じる方向へ誘導することも、理論上は可能です。AIや認知科学の技術によって、こうした認識操作が現実的になりつつある点には注意が必要です。Apple Intelligenceのように個人データを大量に扱うAIは、将来的に人間の価値観や判断に大きな影響を与える可能性があります。一方で、こうした認知科学の仕組みは、悪用のためだけに存在するものではありません。本来は、人間がより良い未来へ進むために活用できます。コーチングはその代表例で、現状の外側にある未来を見えるようにするために、複数のメッセージや働きかけを用います。

後半では、「気功」や「気」という概念についても、ホメオスタシスや情報空間の話と結びつけて考えます。物理空間ではエントロピーが増大し、時間とともに物は壊れていきます。しかし、人間の認知空間では、イメージや情報は拡張していきます。心の中では、いくらでも世界を広げることができます。芸術や小説が何百年という時間を超えて人の心を動かし続けるのも、この情報空間の性質によるものです。物理的には古くなっても、そこに込められた情報や感情は次の世代へ受け継がれていきます。こうした情報空間の働きは、人間の意識や“気”の世界とも深くつながっています。全体として、運や気功というテーマを入り口にしながら、人間の認知、AI、認知戦、そして未来の社会までを横断する内容です。自分が何を「当たり前」と思い、どんな情報を受け入れ、どう未来を認識するのか。その積み重ねが、自分自身の世界を形づくります。

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毎週木曜日 深夜0am - 0:30am

Dr.苫米地 Cosmic Radio

DJ:苫米地英人

メール:cosmic@interfm.jp

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