
11/2(日)10am - 10:40am
海に関するさまざまなプロジェクトを手掛ける日本財団の海野光行と、森里川海アンバサダーとしても活躍しているアナウンサーの高橋万里恵がお送りする『OCEAN BLINDNESS 〜私たちは海を知らない?〜』。
突然ですが、「マグマ」と聞くとどんなイメージをお持ちですか?
「熱い」「噴火」などが思いつくと思いますが、実はマグマが海の豊かさやおいしさと深く関係しているそうです。
そこで、今回のテーマは「地質と食」。
ゲストにお迎えしたのは、マグマ学者で『「美食地質学」入門 和食と日本列島の素敵な関係』の著者・巽好幸(たつみ よしゆき)先生です。

リモートで出演してくださった巽先生は、火山や地震などマグマの動きを研究されてきた「地球科学者」ですが、そもそも書籍化された「美食地質学」とはどういったものなのかを、まずは教えていただきました。
巽先生は「『食べ物がおいしい』には必ず理由があるというのが、私の信念のひとつ。優れた食材が育まれた背景には、大地の動きがあるということをお伝えしようと思っているのが美食地質学です」と説明。
さらに詳しく解説していただくと、日本列島は、世界的にも珍しい4つのプレートがせめぎ合う場所。
火山や地震が多く、大地が活発に動く「変動帯」であることが、おいしい食材を育てる土壌になっているといいます。
その一例が和食に欠かせない“出汁(だし)”。
「日本列島は、地殻変動が大きいので山が多い。そのため川が急流になり、雨が降って海へ流れるまでに地中のミネラルを溶かす時間が短い。そのため日本の水は“軟水”なんです。昆布のうまみ成分・グルタミン酸をよく抽出できる軟水だからこそ、昆布だし文化が発達した。和食の中核をなすような出汁ができあがったと考えています」と巽先生。
また、日本で海の幸が豊かな理由も、地質の恩恵からだと巽先生は語ります。
「山が多く、アジアモンスーンのおかげで降水量が多いので、森が非常に豊かです。そうすると森の栄養分といわれる窒素・リン酸・カリウムが川とともに海へ流れていきます。そして、その栄養分によって植物プランクトンが増え、そのプランクトンを食べる動物プランクトンも増え、さらにそれを食べる小魚が増え、それを食べる大きな魚も増えます。ですから、『海のうまみ』は、まさに日本列島の地殻変動がつくっていると」。
これには万里恵さんも「火山や地震って怖いものと思っていましたが、食の恵みを生み出す力でもあるんですね」と感心。
その「海のうまみ」の代表例として、巽先生が挙げたのが“瀬戸内海”です。
「300万年前の地殻変動で海流が速くなった影響で、筋肉質でおいしい魚が育つ。そして、内海となっているため、周囲の山・森からは栄養が流れ込み、豊かな海をつくっている」とのこと。
瀬戸内海といえば「明石の鯛」が有名ですが、筋肉質でおいしい理由は地質にあったのです。
そのほかにも、三陸海岸、富山湾で海の幸が豊かな理由を解説。
さらに、巽先生が「海の恵みを食べられるのは、大地が我々に与えてきた試練と恩恵である」とおっしゃった理由とは?
海の恵みの背景を知ることで、日々の食卓や海のありがたさを改めて感じさせてくれる放送は、AuDeeやSpotifyなどのPodcastで配信中です。ぜひお聴きください!
【AuDee】OCEAN BLINDNESS 〜私たちは海を知らない?〜
https://audee.jp/program/show/300008436
♪今回のオンエアでお届けした楽曲♪
Counting Crows「Big Yellow Taxi feat. Vanessa Carlton」
Jack Johnson「Upside Down」
Sarah Jarosz「I Still Haven't Found What I'm Looking For」
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11/2(日)10am - 10:40am
DJs: 海野光行, 高橋万里恵
メール: ocean@interfm.jp
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