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【Innovater’s Talk 】moto株式会社戸塚俊介×三戸 Vol.1「転職を重ねた理由と転職のコツ」

今回ご紹介するビジネスのプロフェッショナル「ビジプロ」は、短大卒で年収240万円のホームセンター勤務から、転職を繰り返して年収を1000万円に乗せ、今年春には副業ビジネスを売却して10億円を手にした、「motoさん」こと、moto株式会社戸塚俊介さんです。

転職や副業について、motoさんに聞いた話を3回に分けてご紹介します。初回は転職について。

この記事はFMラジオ、InterFMで毎週日曜20時30分からお送りしている番組ビジプロで放送された内容と、未公開部分を併せて記事化しています。ビジプロは、サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさいなどの書籍や、個人M&A塾サラリーマンが会社を買うサロンで知られる事業投資家の三戸政和が、さまざまな分野の先駆者をゲストに招いて話を聞き、起業や個人M&Aなどで、新たな一歩を踏み出そうとしているサラリーマンを後押しする番組です。番組は三戸さんとの対談ですが、記事はゲストのひとり語り風に再構成しています。

音声アプリVoicyでは、ノーカット版「ビジプロ」を聴けますので、こちらもお楽しみください。

ホリエモンにあこがれて短大へ?

僕は長野県短期大学を卒業して社会に出ました。短大卒というと驚かれることが多いのですが、高校生のとき、堀江貴文さんの本を読んで大きな影響を受けて、「早く社会に出たいと」思ったんです。だから4年制の大学ではなく、2年制の短大を選びました。

当時、短大は女性が行くところというイメージがあったようで、就職活動の面接は色々と苦労しました。とはいえ、自分で選んだことなので、採用してもらえるように、いろんな会社に営業をしました。社長に手紙を書いたり、人事部に履歴書を直接持っていったりと、かなりアナログな就職活動をしました。その結果、大手IT企業の内定をもらうことができました。

ホームセンターを選んだ理由

しかし就職したのは、その大手IT企業ではなく長野の地元にあるホームセンターでした。選んだ理由は、仕事している姿を描けたから、です。

大手企業だと総合職ですから、入社するまでどんな部署になるかわかりません。入社後も、3年後や5年後の自分は、どこの部署にいるかもわかりません。働く場所も国内なのか海外なのか、国内でも北海道かもしれませんし、沖縄かもしれません。自分でキャリアを決められないことに違和感を持ちました。

また、ホームセンターのビジネスモデルがわかりやすいことも選んだ理由の一つです。「客数×単価=売上」というモデルなので自分がやることもわかりやすい。

基本的には、利益率の高い商品を仕入れて、ユーザーが買いやすい売り場を作ることが入社後のミッションだったので、仕事に取り組みやすく、成果も見えやすいと思いました。

キャリアを自分でハンドリングするためにも、入社後の仕事がイメージできて成果が見えやすい環境を選んだ結果、ホームセンターになったわけです。

違う業界への転職を繰り返した理由

僕のキャリアは、小売りのホームセンターから始まりましたが、その後、人材業界、IT業界、広告業界など複数の業界を渡り歩いてきました。

転職というと、同じ業界でいまより大きい会社を目指すのが一般的です。しかし僕は、平均年収が高い業界に転職する、という手法を使って年収を上げてきました。これを僕は、「軸ずらし転職」と名付けています。

年収を決める要素の多くは「業界×職種」で決まってきます。利益率の高い業界に行けば、給料も高くなるはずです。自分の持つ営業スキルを生かして、利益率の高い業界へ軸をずらして転職することで、年収も上げつつ、自分の価値を高めていきました。

転職することの意味

転職回数が多いと、ジョブホッパ―などと呼ばれてしまい、あまりいいイメージを持ってもらえません。しかし、転職はあくまで手段に過ぎません。同じ会社に居続けることが必ずしも正解とは限らないと思うので、自分の市場価値を知るためにも、外の世界を知ることも大切です。

もちろんその会社が良いと思う人は残ればいいと思いますが、ほかにどんな選択肢があるか知っておくことも大切です。僕自身は、いろいろな会社で経験を蓄積して自分の市場価値を高めてきましたが、転職して後悔したことはありません。自分で選んだ道を正解にするためにも、目の前の仕事を頑張ろうと考え、気が付いたら今のキャリアになっていました。

転職していい人、悪い人

転職していい人と悪い人を分けるのは、自分の意志を持っているかいないか、という点にあると思います。転職しようという意思がある人は、自ずと行動していきます。

「転職しようか、どうしようか」と思っているだけで、実際にアクションを起こせない人は、本当の意味で自分の意思がないのだと思います。「今より良いオファーをもらえたし、みんな転職しているから、転職しようかな」くらいの気持ちで転職してしまうと転職後に「前の会社のほうが良かったなあ」となってしまう可能性あります。

周りの環境のせいにしたり、周りの人に動かされたりするのではなく、自分の意志で転職を決めることが大切です。

希望年収の伝え方

転職の面接では、自分の希望年収を伝えますが、僕は自分が欲しい年収を素直に伝えるようにしています。

自分を採用した場合にどんなことが起こるのか、どれだけ売り上げに貢献できるのか、組織にどんな影響を与えられるかなど、自分にできることをきちんと伝えて「だから年収でこれぐらいください」という交渉をしています。

また、転職先の会社を選ぶときは、自分がその会社の社長だったら何をするかという目線で考えるようにしています。事業内容やサービス、売上、組織体系などを調べ、「自分がここに入ったら、これだけ売上を上げられるだろう」「組織に対してこういう貢献ができるだろう」と仮説を立てて考えて、面接でその話を伝えます。

入社後の姿をリアルにするために、転職エージェントやヘッドハンターから詳しく情報をもらうようにしたり、現場の人と直接、話したりすることで自分の中で解像度を高めていきます。面談の際に、「ちょっと現場の人と話をさせてもらっていいですか」と伝えると、多くの会社が話をする機会をくれました。

自分という商品を買った場合、「こんなメリットがあります」「それをするためにこれだけの費用がかかります」と提案することが、転職で年収を上げるコツかもしれません。

同業他社に転職するだけでは、上げられる年収に限界があります。だから全く違う業界に行って、その業界の水準で希望年収を伝える方が、年収を上げる転職はしやすいように思います。

年収=自分の市場価値

「僕の年収は、自分の市場価値である」と捉えながら、これまでのキャリアを歩んできました。

自分の市場価値は転職活動をして、実際にオファーをもらうしかありません。

採用している会社に失礼だという話もありますが、実際にそれがきっかけで転職したこともあるので、自分の市場価値を知るためにも、常に転職活動をするのがおすすめです。ほかの会社では、今と同じ仕事なのに年収が1.5倍もある、ということもあります、だから市場がどうなっているのかを知るためにも、外の世界を見てみるのは大事だと思います。

自分に合った会社を探すコツ

数多くのある会社の中から、自分に合いそうな会社を見つけるには、自分の経験を活かせるところ、自分を高く評価してくれるところを探すのがコツです。

たとえば、無名のスタートアップ企業でも、社内にエンジニアしかおらず、営業なんてしたことがないという会社に営業マンとして入社すれば、その会社ではきっと活躍できるし、評価もされると思います。

「あの人が入ったらすごく売上が上がった」となれば、社内の信頼残高も増えますし、今度のキャリアにおいても、「自分が入社したことでこんな成果を出せた」と言えます。このように、自分の経験を活かせる環境を選ぶことが転職では大切です。

営業が得意だからといって、営業しかいない会社で営業をガンガンやるよりも、営業力の乏しい会社に行って成果を出す方が、働く上でも楽しいと思います。

年内を目標にしていた

最初の就職先のホームセンターの年収は240万円でしたが、そこから転職を繰り返して、30歳で年収1000万円を超えました。また、2021年の4月には、副業でやっていたブログメディアである「転職アンテナ」を売却して、7億円を手にしました。

僕はこれまで、具体的な年収目標を設定してキャリアを進めてきました。たとえば25歳で〇〇〇万円、30歳で〇〇〇万円という感じです。売却によって当初予定していた目標より高い金額を手に入れましたが、現状に満足せず、次の世界を目指して頑張っていきたいと思います。

次回は、motoさんの「月に5万稼げる副業のコツ」をお伝えします。

※この記事は、日曜20時30分からInterFMにて放送しているサラリーマンの挑戦を後押しするベンチャービジネス番組ビジプロの内容をまとめています。

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